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2章
エルマの町 ギルド
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「ピピピピ…………オーナーの睡眠を確認……稼働率αCore38%……自己再生に障害発生……リミット制御不能……リミット制御の修復を破棄……アップデート開始……再起動……記憶障害の治療開始」
次の日の朝、ハヤトは村長と一緒に荷馬車に乗り、ホルト村の南に位置するエルマの町まで向かった。
約二時間程の道のりで、天気も良かった為、昼前にはエルマの町に着いた。
エルマの町は煉瓦で出来た壁で囲まれており門前には門兵が二人立っている。怪しい人物とモンスターの監視を行なっているようだが、あくまで形式的なものなのだろう、門を通る前に荷物のチェックや身分証を求められる事はなく、自由に出入りができる。
町に入ると村長は中央の大通りを通り、一件の店の前で荷馬車を止めた。
「ハヤト、少し早いがここで昼食をとってからギルドへ行くか、腹が減ったわ」
「わかりました」
そして、二人は料亭兼宿屋に入いる。
料亭と言っても現代のレストラン等とは違い、メニューに種類がほとんど無く、パンとスープやアルコール類、肉と言った類の物しかない。
もちろん一流の料亭になればメニューの数も増えるが、それでも数種類程度だ。
店の窓際の席が空いていたのでそこにすわると、ウェイトレスの女性が声を掛けてきた。
「いらっしゃい、何にします?」
愛想が良い訳ではないが、気になるほどでもない。
村長とハヤトは当然パンとスープを注文する。
「パンとスープが二人分ですね」
そう言うとウェイトレスの女性はカウンターへ向かう。
「マスター! パンとスープ二人前」
「はいよ!」
とても料理人には見えないような格好でキッチンに立つ男は、ぶっきらぼうに返事をして料理を作り出す。
少し待つと二人の前に料理が運ばれて来た。それを食べながら村長が話し出す。
「どうじゃハヤト、この町に見覚えはないか? 最初の頃に比べたらお主の記憶も大分戻ってきたじゃろ?」
「うーん……知らないのか、記憶喪失のせいなのか正直解らないですが、覚えはありません」
「そうか……」
村長は少し残念そうな顔をするが、直ぐに何時もの顔に戻り、食事を続ける。
食事が終わり、二人はギルドへ向かう為、また荷馬車に乗り込み進み出す。
「あそこが冒険者ギルドじゃ」
見えてきたのは、周りの建物と比べれば、ひときは大きな建物で、正面入り口はウエスタンドアになっておりドアの左右には、ギルドの象徴である鷹の様な鳥のマークが刺繍された旗が掲げられている。
そして、ウエスタンドアを押し開け二人が中に入ると、正面にはカウンターがあり、その中で2人の女性が仕事をしている。この女性達の主な仕事は、ギルドに依頼された仕事内容の精査と受け付け、依頼の紹介、そして新人冒険者の登録などの業務だ。
村長とハヤトは真っ直ぐにカウンターへ向かい、受付けの女性に話しかける。
「すまんが、この者をギルドに登録したいんじゃ」
「はい、畏まりました。それではこちらの羊皮紙に記載されている重要事項を確認し、記入して下さい。記入例はこちらにありますので、解らない時は見て下さいね」
「代わりにワシが書いてもいいかの?」
村長が受付け嬢に尋ねる。
「構いませんよ。ですが最後のサインだけはご本人が記入して下さいね……ご自身の名前は書けます……よね?」
「わかった。名前くらいは大丈夫じゃな?」
村長が受付け嬢に答え、ハヤトに質問する。
この世界での識字率は決して高くはない。喋ることは出来るが、書く事ができないのは珍しくない。ただ、そうは言っても自分の名前くらいは書けるのが基本的な常識である。
ハヤトも、この一カ月の間にかなり文字を読めるようになってはいるが、まだあまり書く事は出来ない。
村長が羊皮紙に記入し、ハヤトがサインをすると受付け嬢が羊皮紙を確認し、ハヤトに言葉を掛ける。
「えー、お名前はハヤト様ですね。ハヤト様にはギルドの説明がありますので、こちらの部屋までおこし下さい。お連れの方はご遠慮下さい。すぐに終わりますので。メリアル、これの作成と後お願いね」
「ハーイ! 了解でーす」
そう言うと、隣にいた受付け嬢に村長とハヤトの書いた羊皮紙を渡した。隣にいた受付け嬢も返事をする。そして、ハヤトはカウンター横の部屋へ案内される。
四人掛けの四角いテーブルが二つあるだけの特に何もない部屋だ。
「では、そこにお掛け下さい」
受付け嬢に勧められて椅子に座る。
「私は、当ギルドの受付け担当でリエットと申します。宜しくお願いします。ではまずギルドについてですが説明は必要ですか? 必要無ければ、省略する事もできますが……」
「お願いします」
ハヤトがそう言うと、リエットはニコリと笑い頷いた。愛想のある優しい笑顔だ。
「かしこまりました。では、説明します。当ギルドは、基本的に村でない限り全ての国の都や町に支部があります。当然、ギルドとして何処かの国に加担する事はありません。そして、どこのギルドでも多かれ少なかれ必ず私達の様な受付け係が数人いて、依頼の受付け、内容の精査と新人冒険者の登録業務をしています。紹介されている依頼はカウンター横にある掲示板に張り出されていますので、受けたい依頼があれば、受付けまでお持ち下さい。その際に依頼内容の必要条件に依頼を受ける側、冒険者の方となりますが、条件を満たしていれば、契約成立となります。冒険者の方に万一の事が起きた場合や契約日数以内に完了の報告がなかった場合、依頼が失敗となりますのでご注意ください。今までの説明でご質問はございませんか?」
「特にありません」
ハヤトは答える。
「では、次にギルドランクに付いて説明致しますが、こちらも省略が可能ですが、どうしますか?」
「一応、お願いします」
「かしこまりました」
リエットは心の中で、自分の事なのに一応って……どうでも良いのかしら? などと考え苦笑いすると、丁寧に返事をする。
「では、ギルドランクですが、7ランクあります。新米の方は皆様、アイアンランクから始まり、依頼をこなし冒険者としての実績を積み重ねて、ギルド委員会の評価により、ランクが上がっていきます。ランクが上がれば、それに見合った依頼を受ける事ができ、相応の報酬も受け取れます。そして、ギルドに冒険者として登録された方には、この様なネームプレート兼ランクプレートをお渡しします。こちらのプレートはランクの上昇と共にギルドで、そのランクを示す貴金属に交換しますので、大切にして下さいね。そして、最後にランクを表す貴金属についてですが、上からフレアライト・オリハルコン・ミスリル・ゴールド・シルバー・ブロンズ・アイアンとなっていますので、上位の冒険者目指して頑張ってくださいね。以上で説明を終わりますが、ご質問はございませんか?」
リエットは反応の薄いハヤトの顔を若干不安そうに見ながら様子を伺う。
「あの、ランクプレートですが、無くした場合はどうすれば?」
ハヤトの質問に対してリエットは答える。
「よくある事ですが、冒険者プレートには魔法が掛かっていますので、身分証の役割もこなしています。初回発行のみ無料で行っていますが、再発行にはお金が掛かります。金額はランクによって違うので…下位のランクなら銀貨一枚からですが、上位のランクですと金貨数枚から数十枚なんてこともありますので、無くさないでくださいね」
「わかりました」
「他に何かありますか?」
「特にありません」
ハヤトは正直言って、よくある話しだし、これ以上聞く必要もないと思ったので、リエットの説明を終わらせた。
(うん…よくある?…)
ハヤトは不思議な感覚に首を傾げるが、リエットの話が続いたので、気にすることはなかった。
「わかりました。では、プレートの準備が整うまで、もうしばらくお待ち下さい」
リエットがそう言ったと同時に扉がノックされる。
「失礼しまーす!」
先程、リエットがハヤトの書類を渡した、もう一人の受付け嬢が小さな箱を持って部屋に入ってきた。
「リエット、これ」
リエットに箱を渡す。
「うん、ありがとう」
リエットに箱を渡した、もう一人の受付け嬢、メリアルはハヤトに一礼をすると部屋から出て行った。
「ハヤト様、先程申し上げていたプレートができたみたいですので、お確かめの上、間違いがなければ手にとって下さい。プレートに触れた時点で、ハヤト様の魔力が読み込まれ魔錠が掛かります。これによってハヤト様と私たちギルド関係者以外がこのプレートに触れた場合、プレートの裏に大きく警告の文字が表示される仕様となっています。」
そう言うと、プレートとチェーンが入った箱をハヤトに差し出す。
その鉄のプレートにはハヤトの名前と4桁の数字が刻印されてる。
今までの説明で、この鉄のプレートがギルドランクを示していることは明白だが、この4桁の数字については、まだ聞いていないが、おそらく登録番号の様なものだろうと勝手に想像する。
「はい、間違いありません」
そう言ってハヤトがギルドプレートにチェーンを通し首に掛けるのを確認してから、リエットはプレートに刻印されている数字について説明する。
「それから、プレートに4桁の数字が刻印されていますが、その数字は管理番号となっています。冒険者の方の管理は全てギルドで行っていて、その番号の冒険者の方の現在のランクや、今現在、依頼を受けているか、何処の町に居るのか等も、その番号で分かります。ちなみに、宿へ泊まる際はプレートを提示して下さいね。一般の宿泊費より少しですが割引きされますので……説明は以上です」
そう言うと、リエットはニコリと笑う。
「了解しました」
「村長、お待たせしました」
「おお、終わったか。これでお主もギルド公認の冒険者になったわけじゃな。
今はまだ、一番下のランクじゃがあれ程の剣の腕があれば、直ぐに上のランクに行けるじゃろ」
村長はうれしそうにニコニコしながら、ハヤトを見ている。
「そうじゃハヤトせっかくじゃ、わしの出していた依頼でも受けてみんか?ちょうど、ホルス山脈の薬草採取を出していたんじゃが……えーー」
そう言って、村長は依頼の張り出されている掲示板を確認する。
「おお、あったあった、これじゃ。山脈での薬草採取どうじゃ?」
「わかりました。では、受けてきます」
そう言うと、ハヤトは掲示板に張ってある依頼書を取り、先ほどの受け付け嬢の所まで持って行く。
「これを受けたいのですが……」
リエットは、依頼書を確認しハヤトを見て頷いた。
「はい、大丈夫です。ハヤト様は初めての依頼ですので、薬草採取だからと油断はせず、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
「はい」
「依頼達成とご帰還をお待ちしていますね」
そう言ってリエットは心配そうに微笑み、お辞儀をする。
「さて、少し必要な物があるんで、町を回ろう」
村長が必要な物を買い揃えた頃には日も暮れかかっていた為、昼ご飯を食べた料亭兼宿屋へ戻ったハヤトと村長は、夕飯を終え早々に床についた。
「ピピピピ…αCore稼働率39%……オーナーの睡眠を確認、記憶障害の治療開始」
次の日の朝
「おはよう、ハヤト」
「おはようございます」
「さあ、朝飯を食べて村へ戻るか」
「はい」
ハヤトと村長は、朝食を済まし荷車に乗ってエルマの町を後にする。
ーーーー
一ヶ月程が経過し、順調にギルドの依頼をこなしていた事により、ハヤトはブロンズランクの冒険者にランクアップしていた。
ただ、ハヤトが受ける依頼は、そのほとんどがホルト村周辺の山から、エルマの町までの街道付近の警備補助で、相手にするのは、たまに出てくる低級なモンスター若しくは、人を襲う事もあるただの獣と決まっている。
そして今日はギルドの依頼とは関係なく気になっている事を調べる為、ホルス山脈に登っていた。
最近、村付近でゴブリンの目撃情報が多く見られ、村にほど近い山脈内ではホブゴブリンまで出現しているというのだ。
ホブゴブリンとは、ゴブリンの上位種で森の奥地に潜み普段はこんな所に姿を現す個体では無いのである。
また、その異変には村の住人も、皆不安に思っているようだ。
「何もなければ良いんだけど……」
ハヤトがそんな事を考えていると、少し先の茂みからからゴブリンが姿を現した。ハヤトはすぐに剣を構える。
だが……
「どうしたんだ? ……何かから逃げているのか? ……少し様子を見てみるか……」
すると、ゴブリン達の後から、大きなモンスターが、姿を現した。
「な……なんだあれは……オーガ?トロル?初めて見るモンスターだ!」
体長3m以上はありそうな大型のモンスターだ。
そして、ゴブリン達は木の陰に隠れているハヤトには気付かず村の方へと逃げて行き、その大型のモンスターも後を追うように村の方に向かう。
「まずい! このままだと村が危ない…………仕方ない戦うか……」
ハヤトは、石ころを拾い大型のモンスターに向かって投げ付ける。
モンスターはハヤトに気づくと、何の警戒もせずまっすぐに近づいて来た。
「頭は悪そうだな」
ハヤトは、そう呟いて剣を構える。
モンスターはハヤトに近づくと、大きな腕を振り上げ攻撃してきた。
ハヤトは素早く反応し、右脇腹をすり抜けると同時に反撃する。
脇腹を斬られたモンスターはすぐに後ろ向くが、そこにハヤトの姿はない。
そして、モンスターは左脚に痛みを感じる。
そう、モンスターが振り向いた時には、既にハヤトは、さらに背後に回り込みガラ空きの左脚を斬りつけたのである。
ハヤトは左脚を斬られた事により、膝をついたモンスターの首の後ろを狙って
剣を振り下ろす。
「ハアー!」
モンスターの首に剣が食い込んだ……だが、思いのほか筋肉が厚く致命傷に至たらなかった為、振り払おうとした、モンスターの腕がハヤトに当たった。
「うわっ!」
ハヤトは5m程飛ばされ、木に背中を打ち付けた。
「くっ……まずい……息が出来ない……」
「ピピピピ……βCoreが15%で稼働開始、オーナーの呼吸困難と打撲及び、体内出血を確認、戦闘行為による受傷と判断し身体能力の強化と治癒を行います」
「……呼吸が急に楽になった。それに、痛みも……それに、なんなんだ今の声は……」
モンスターが丸太の様な腕を振り上げ、再び攻撃を仕掛けてくる。
「うん? ……モンスターの動きが遅く感じる……これなら!」
ハヤトはモンスターの攻撃をかわすと、先程と同じ様に、すり抜ける様に脇腹を斬りつける。
そして、モンスターの動きを予想し、さらに移動しようとした。だが…………
モンスターが地面に倒れている……身体が真っ二つに斬れて……
「なっ! なんだ……そんな手ごたえは無かったけど……いや、手ごたえの問題か?……」
ハヤトは真っ二つに斬れたモンスターを見て驚きながら、剣を見ると刃が欠けている。
「うっ……イテテ痛みが出てきた……けど、怪我は……ないな……村の方へ逃げたゴブリン達の事が気になるな……早く戻ろう」
そう言って足早に村へと向かったが、幸いゴブリン達は村へ来ておらず、途中で森の中に逃げ込んだようだ。
「おお、ハヤト戻ったか、今日はもう終わりか?」
村長が尋ねる。
「はい、剣も刃が欠けたので、この位にしておきます。それから、先程大型のモンスターと遭遇しました」
「そうか…なっ……なに! 大型のモンスターじゃと! どこでじゃ!?どのくらいの大きさじゃた?」
「大きさは、3m位でしょうか」
「と…トロール……大変じゃ……直ぐにギルドへ討伐依頼をせんと……」
「村長、大丈夫です。なんとか倒す事ができたので」
村長が驚いた顔で唖然とする。
「……まさか! トロールを一人で倒したのか……信じられん……」
村長はハヤトの話を聞きながら、トロールが討伐された事に安心し、落ち着きを取り戻していた。
「しかし、こんな所にトロールが出るとは……村の連中には注意する様に言っておくか……」
「では、オレは家に戻ります」
そういってハヤトが戻りかけた時、村長が何かを思い出したかのように、ハヤトを呼び止めた。
「ああそうじゃハヤト、町からお前さん宛に依頼が来ておるぞ。ラグラの森のモンスター討伐の依頼じゃが……明日にでもギルドの調査員殿が尋ねてくるそうじゃ」
「分かりました」
そう言ってハヤトは自分の家に戻った。
次の日の朝、ハヤトは村長と一緒に荷馬車に乗り、ホルト村の南に位置するエルマの町まで向かった。
約二時間程の道のりで、天気も良かった為、昼前にはエルマの町に着いた。
エルマの町は煉瓦で出来た壁で囲まれており門前には門兵が二人立っている。怪しい人物とモンスターの監視を行なっているようだが、あくまで形式的なものなのだろう、門を通る前に荷物のチェックや身分証を求められる事はなく、自由に出入りができる。
町に入ると村長は中央の大通りを通り、一件の店の前で荷馬車を止めた。
「ハヤト、少し早いがここで昼食をとってからギルドへ行くか、腹が減ったわ」
「わかりました」
そして、二人は料亭兼宿屋に入いる。
料亭と言っても現代のレストラン等とは違い、メニューに種類がほとんど無く、パンとスープやアルコール類、肉と言った類の物しかない。
もちろん一流の料亭になればメニューの数も増えるが、それでも数種類程度だ。
店の窓際の席が空いていたのでそこにすわると、ウェイトレスの女性が声を掛けてきた。
「いらっしゃい、何にします?」
愛想が良い訳ではないが、気になるほどでもない。
村長とハヤトは当然パンとスープを注文する。
「パンとスープが二人分ですね」
そう言うとウェイトレスの女性はカウンターへ向かう。
「マスター! パンとスープ二人前」
「はいよ!」
とても料理人には見えないような格好でキッチンに立つ男は、ぶっきらぼうに返事をして料理を作り出す。
少し待つと二人の前に料理が運ばれて来た。それを食べながら村長が話し出す。
「どうじゃハヤト、この町に見覚えはないか? 最初の頃に比べたらお主の記憶も大分戻ってきたじゃろ?」
「うーん……知らないのか、記憶喪失のせいなのか正直解らないですが、覚えはありません」
「そうか……」
村長は少し残念そうな顔をするが、直ぐに何時もの顔に戻り、食事を続ける。
食事が終わり、二人はギルドへ向かう為、また荷馬車に乗り込み進み出す。
「あそこが冒険者ギルドじゃ」
見えてきたのは、周りの建物と比べれば、ひときは大きな建物で、正面入り口はウエスタンドアになっておりドアの左右には、ギルドの象徴である鷹の様な鳥のマークが刺繍された旗が掲げられている。
そして、ウエスタンドアを押し開け二人が中に入ると、正面にはカウンターがあり、その中で2人の女性が仕事をしている。この女性達の主な仕事は、ギルドに依頼された仕事内容の精査と受け付け、依頼の紹介、そして新人冒険者の登録などの業務だ。
村長とハヤトは真っ直ぐにカウンターへ向かい、受付けの女性に話しかける。
「すまんが、この者をギルドに登録したいんじゃ」
「はい、畏まりました。それではこちらの羊皮紙に記載されている重要事項を確認し、記入して下さい。記入例はこちらにありますので、解らない時は見て下さいね」
「代わりにワシが書いてもいいかの?」
村長が受付け嬢に尋ねる。
「構いませんよ。ですが最後のサインだけはご本人が記入して下さいね……ご自身の名前は書けます……よね?」
「わかった。名前くらいは大丈夫じゃな?」
村長が受付け嬢に答え、ハヤトに質問する。
この世界での識字率は決して高くはない。喋ることは出来るが、書く事ができないのは珍しくない。ただ、そうは言っても自分の名前くらいは書けるのが基本的な常識である。
ハヤトも、この一カ月の間にかなり文字を読めるようになってはいるが、まだあまり書く事は出来ない。
村長が羊皮紙に記入し、ハヤトがサインをすると受付け嬢が羊皮紙を確認し、ハヤトに言葉を掛ける。
「えー、お名前はハヤト様ですね。ハヤト様にはギルドの説明がありますので、こちらの部屋までおこし下さい。お連れの方はご遠慮下さい。すぐに終わりますので。メリアル、これの作成と後お願いね」
「ハーイ! 了解でーす」
そう言うと、隣にいた受付け嬢に村長とハヤトの書いた羊皮紙を渡した。隣にいた受付け嬢も返事をする。そして、ハヤトはカウンター横の部屋へ案内される。
四人掛けの四角いテーブルが二つあるだけの特に何もない部屋だ。
「では、そこにお掛け下さい」
受付け嬢に勧められて椅子に座る。
「私は、当ギルドの受付け担当でリエットと申します。宜しくお願いします。ではまずギルドについてですが説明は必要ですか? 必要無ければ、省略する事もできますが……」
「お願いします」
ハヤトがそう言うと、リエットはニコリと笑い頷いた。愛想のある優しい笑顔だ。
「かしこまりました。では、説明します。当ギルドは、基本的に村でない限り全ての国の都や町に支部があります。当然、ギルドとして何処かの国に加担する事はありません。そして、どこのギルドでも多かれ少なかれ必ず私達の様な受付け係が数人いて、依頼の受付け、内容の精査と新人冒険者の登録業務をしています。紹介されている依頼はカウンター横にある掲示板に張り出されていますので、受けたい依頼があれば、受付けまでお持ち下さい。その際に依頼内容の必要条件に依頼を受ける側、冒険者の方となりますが、条件を満たしていれば、契約成立となります。冒険者の方に万一の事が起きた場合や契約日数以内に完了の報告がなかった場合、依頼が失敗となりますのでご注意ください。今までの説明でご質問はございませんか?」
「特にありません」
ハヤトは答える。
「では、次にギルドランクに付いて説明致しますが、こちらも省略が可能ですが、どうしますか?」
「一応、お願いします」
「かしこまりました」
リエットは心の中で、自分の事なのに一応って……どうでも良いのかしら? などと考え苦笑いすると、丁寧に返事をする。
「では、ギルドランクですが、7ランクあります。新米の方は皆様、アイアンランクから始まり、依頼をこなし冒険者としての実績を積み重ねて、ギルド委員会の評価により、ランクが上がっていきます。ランクが上がれば、それに見合った依頼を受ける事ができ、相応の報酬も受け取れます。そして、ギルドに冒険者として登録された方には、この様なネームプレート兼ランクプレートをお渡しします。こちらのプレートはランクの上昇と共にギルドで、そのランクを示す貴金属に交換しますので、大切にして下さいね。そして、最後にランクを表す貴金属についてですが、上からフレアライト・オリハルコン・ミスリル・ゴールド・シルバー・ブロンズ・アイアンとなっていますので、上位の冒険者目指して頑張ってくださいね。以上で説明を終わりますが、ご質問はございませんか?」
リエットは反応の薄いハヤトの顔を若干不安そうに見ながら様子を伺う。
「あの、ランクプレートですが、無くした場合はどうすれば?」
ハヤトの質問に対してリエットは答える。
「よくある事ですが、冒険者プレートには魔法が掛かっていますので、身分証の役割もこなしています。初回発行のみ無料で行っていますが、再発行にはお金が掛かります。金額はランクによって違うので…下位のランクなら銀貨一枚からですが、上位のランクですと金貨数枚から数十枚なんてこともありますので、無くさないでくださいね」
「わかりました」
「他に何かありますか?」
「特にありません」
ハヤトは正直言って、よくある話しだし、これ以上聞く必要もないと思ったので、リエットの説明を終わらせた。
(うん…よくある?…)
ハヤトは不思議な感覚に首を傾げるが、リエットの話が続いたので、気にすることはなかった。
「わかりました。では、プレートの準備が整うまで、もうしばらくお待ち下さい」
リエットがそう言ったと同時に扉がノックされる。
「失礼しまーす!」
先程、リエットがハヤトの書類を渡した、もう一人の受付け嬢が小さな箱を持って部屋に入ってきた。
「リエット、これ」
リエットに箱を渡す。
「うん、ありがとう」
リエットに箱を渡した、もう一人の受付け嬢、メリアルはハヤトに一礼をすると部屋から出て行った。
「ハヤト様、先程申し上げていたプレートができたみたいですので、お確かめの上、間違いがなければ手にとって下さい。プレートに触れた時点で、ハヤト様の魔力が読み込まれ魔錠が掛かります。これによってハヤト様と私たちギルド関係者以外がこのプレートに触れた場合、プレートの裏に大きく警告の文字が表示される仕様となっています。」
そう言うと、プレートとチェーンが入った箱をハヤトに差し出す。
その鉄のプレートにはハヤトの名前と4桁の数字が刻印されてる。
今までの説明で、この鉄のプレートがギルドランクを示していることは明白だが、この4桁の数字については、まだ聞いていないが、おそらく登録番号の様なものだろうと勝手に想像する。
「はい、間違いありません」
そう言ってハヤトがギルドプレートにチェーンを通し首に掛けるのを確認してから、リエットはプレートに刻印されている数字について説明する。
「それから、プレートに4桁の数字が刻印されていますが、その数字は管理番号となっています。冒険者の方の管理は全てギルドで行っていて、その番号の冒険者の方の現在のランクや、今現在、依頼を受けているか、何処の町に居るのか等も、その番号で分かります。ちなみに、宿へ泊まる際はプレートを提示して下さいね。一般の宿泊費より少しですが割引きされますので……説明は以上です」
そう言うと、リエットはニコリと笑う。
「了解しました」
「村長、お待たせしました」
「おお、終わったか。これでお主もギルド公認の冒険者になったわけじゃな。
今はまだ、一番下のランクじゃがあれ程の剣の腕があれば、直ぐに上のランクに行けるじゃろ」
村長はうれしそうにニコニコしながら、ハヤトを見ている。
「そうじゃハヤトせっかくじゃ、わしの出していた依頼でも受けてみんか?ちょうど、ホルス山脈の薬草採取を出していたんじゃが……えーー」
そう言って、村長は依頼の張り出されている掲示板を確認する。
「おお、あったあった、これじゃ。山脈での薬草採取どうじゃ?」
「わかりました。では、受けてきます」
そう言うと、ハヤトは掲示板に張ってある依頼書を取り、先ほどの受け付け嬢の所まで持って行く。
「これを受けたいのですが……」
リエットは、依頼書を確認しハヤトを見て頷いた。
「はい、大丈夫です。ハヤト様は初めての依頼ですので、薬草採取だからと油断はせず、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
「はい」
「依頼達成とご帰還をお待ちしていますね」
そう言ってリエットは心配そうに微笑み、お辞儀をする。
「さて、少し必要な物があるんで、町を回ろう」
村長が必要な物を買い揃えた頃には日も暮れかかっていた為、昼ご飯を食べた料亭兼宿屋へ戻ったハヤトと村長は、夕飯を終え早々に床についた。
「ピピピピ…αCore稼働率39%……オーナーの睡眠を確認、記憶障害の治療開始」
次の日の朝
「おはよう、ハヤト」
「おはようございます」
「さあ、朝飯を食べて村へ戻るか」
「はい」
ハヤトと村長は、朝食を済まし荷車に乗ってエルマの町を後にする。
ーーーー
一ヶ月程が経過し、順調にギルドの依頼をこなしていた事により、ハヤトはブロンズランクの冒険者にランクアップしていた。
ただ、ハヤトが受ける依頼は、そのほとんどがホルト村周辺の山から、エルマの町までの街道付近の警備補助で、相手にするのは、たまに出てくる低級なモンスター若しくは、人を襲う事もあるただの獣と決まっている。
そして今日はギルドの依頼とは関係なく気になっている事を調べる為、ホルス山脈に登っていた。
最近、村付近でゴブリンの目撃情報が多く見られ、村にほど近い山脈内ではホブゴブリンまで出現しているというのだ。
ホブゴブリンとは、ゴブリンの上位種で森の奥地に潜み普段はこんな所に姿を現す個体では無いのである。
また、その異変には村の住人も、皆不安に思っているようだ。
「何もなければ良いんだけど……」
ハヤトがそんな事を考えていると、少し先の茂みからからゴブリンが姿を現した。ハヤトはすぐに剣を構える。
だが……
「どうしたんだ? ……何かから逃げているのか? ……少し様子を見てみるか……」
すると、ゴブリン達の後から、大きなモンスターが、姿を現した。
「な……なんだあれは……オーガ?トロル?初めて見るモンスターだ!」
体長3m以上はありそうな大型のモンスターだ。
そして、ゴブリン達は木の陰に隠れているハヤトには気付かず村の方へと逃げて行き、その大型のモンスターも後を追うように村の方に向かう。
「まずい! このままだと村が危ない…………仕方ない戦うか……」
ハヤトは、石ころを拾い大型のモンスターに向かって投げ付ける。
モンスターはハヤトに気づくと、何の警戒もせずまっすぐに近づいて来た。
「頭は悪そうだな」
ハヤトは、そう呟いて剣を構える。
モンスターはハヤトに近づくと、大きな腕を振り上げ攻撃してきた。
ハヤトは素早く反応し、右脇腹をすり抜けると同時に反撃する。
脇腹を斬られたモンスターはすぐに後ろ向くが、そこにハヤトの姿はない。
そして、モンスターは左脚に痛みを感じる。
そう、モンスターが振り向いた時には、既にハヤトは、さらに背後に回り込みガラ空きの左脚を斬りつけたのである。
ハヤトは左脚を斬られた事により、膝をついたモンスターの首の後ろを狙って
剣を振り下ろす。
「ハアー!」
モンスターの首に剣が食い込んだ……だが、思いのほか筋肉が厚く致命傷に至たらなかった為、振り払おうとした、モンスターの腕がハヤトに当たった。
「うわっ!」
ハヤトは5m程飛ばされ、木に背中を打ち付けた。
「くっ……まずい……息が出来ない……」
「ピピピピ……βCoreが15%で稼働開始、オーナーの呼吸困難と打撲及び、体内出血を確認、戦闘行為による受傷と判断し身体能力の強化と治癒を行います」
「……呼吸が急に楽になった。それに、痛みも……それに、なんなんだ今の声は……」
モンスターが丸太の様な腕を振り上げ、再び攻撃を仕掛けてくる。
「うん? ……モンスターの動きが遅く感じる……これなら!」
ハヤトはモンスターの攻撃をかわすと、先程と同じ様に、すり抜ける様に脇腹を斬りつける。
そして、モンスターの動きを予想し、さらに移動しようとした。だが…………
モンスターが地面に倒れている……身体が真っ二つに斬れて……
「なっ! なんだ……そんな手ごたえは無かったけど……いや、手ごたえの問題か?……」
ハヤトは真っ二つに斬れたモンスターを見て驚きながら、剣を見ると刃が欠けている。
「うっ……イテテ痛みが出てきた……けど、怪我は……ないな……村の方へ逃げたゴブリン達の事が気になるな……早く戻ろう」
そう言って足早に村へと向かったが、幸いゴブリン達は村へ来ておらず、途中で森の中に逃げ込んだようだ。
「おお、ハヤト戻ったか、今日はもう終わりか?」
村長が尋ねる。
「はい、剣も刃が欠けたので、この位にしておきます。それから、先程大型のモンスターと遭遇しました」
「そうか…なっ……なに! 大型のモンスターじゃと! どこでじゃ!?どのくらいの大きさじゃた?」
「大きさは、3m位でしょうか」
「と…トロール……大変じゃ……直ぐにギルドへ討伐依頼をせんと……」
「村長、大丈夫です。なんとか倒す事ができたので」
村長が驚いた顔で唖然とする。
「……まさか! トロールを一人で倒したのか……信じられん……」
村長はハヤトの話を聞きながら、トロールが討伐された事に安心し、落ち着きを取り戻していた。
「しかし、こんな所にトロールが出るとは……村の連中には注意する様に言っておくか……」
「では、オレは家に戻ります」
そういってハヤトが戻りかけた時、村長が何かを思い出したかのように、ハヤトを呼び止めた。
「ああそうじゃハヤト、町からお前さん宛に依頼が来ておるぞ。ラグラの森のモンスター討伐の依頼じゃが……明日にでもギルドの調査員殿が尋ねてくるそうじゃ」
「分かりました」
そう言ってハヤトは自分の家に戻った。
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