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4章 涙の別れと笑顔の再会
気付かぬ成長
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「なぜ見つからないんだ!」
三つ子が城を去ってから、既にひと月が経とうとしていた。
騎士達に国内をくまなく探してもらっても、報告はいつも同じだった。
「申し訳ありません」
この言葉を、どれほど聞いたか。
周りは皆、諦めかけている。
こんなに探しているのに見つからないのなら、もう国内にはいないのではないかという噂まである。
しかし、王子達は諦められなかった。
初めて好きになった人なのだ。簡単には諦められない。
「今日は我々も捜索に同行する!すぐに準備するように!」
そう言って王子達は、自室に戻り、出かける準備をした。
「今日こそ、見つけ出してやる…!」
ぼそっと言ったイレークの決意に、ほかの2人もこくりと頷いた。
この騒動を楽しそうに見守っている人物が一人いる。
国王・エリオリックだ。
「あやつら、相当あの子達が離れていくのが嫌なのだな」
馬に乗って騎士達と街へ向かって行く息子達の姿を自室の大きな窓から眺めながら、エリオリックは呟いた。
「そこまで執着するとはな……」
我が息子ながら、王子達が本気で何かを欲する姿を、エリオリック見たことがなかった。
王子達が今まで欲しいと言ったものは、彼らにとって必要なものであって、趣味でつかうものや好きなものをねだったことは無い。
そんな王子達が、好きな者のために自ら探しに行っている。
その成長が、何よりも嬉しかった。
「ありがとう、レイン、そして3人。君たちのおかげで、あやつらは成長している。本当に、ありがとう」
優秀な騎士達が探しても見つからないとなると、3人は相当頑張ってくれているに違いない。
アルテント一家に感謝が尽きないエリオリックだった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
おはこんばんにちは 月兎です。
今回も話の都合上、1話のみの投稿となります。 度々申し訳ないです……
これからも何卒、宜しくお願い致します。<(_ _)>
三つ子が城を去ってから、既にひと月が経とうとしていた。
騎士達に国内をくまなく探してもらっても、報告はいつも同じだった。
「申し訳ありません」
この言葉を、どれほど聞いたか。
周りは皆、諦めかけている。
こんなに探しているのに見つからないのなら、もう国内にはいないのではないかという噂まである。
しかし、王子達は諦められなかった。
初めて好きになった人なのだ。簡単には諦められない。
「今日は我々も捜索に同行する!すぐに準備するように!」
そう言って王子達は、自室に戻り、出かける準備をした。
「今日こそ、見つけ出してやる…!」
ぼそっと言ったイレークの決意に、ほかの2人もこくりと頷いた。
この騒動を楽しそうに見守っている人物が一人いる。
国王・エリオリックだ。
「あやつら、相当あの子達が離れていくのが嫌なのだな」
馬に乗って騎士達と街へ向かって行く息子達の姿を自室の大きな窓から眺めながら、エリオリックは呟いた。
「そこまで執着するとはな……」
我が息子ながら、王子達が本気で何かを欲する姿を、エリオリック見たことがなかった。
王子達が今まで欲しいと言ったものは、彼らにとって必要なものであって、趣味でつかうものや好きなものをねだったことは無い。
そんな王子達が、好きな者のために自ら探しに行っている。
その成長が、何よりも嬉しかった。
「ありがとう、レイン、そして3人。君たちのおかげで、あやつらは成長している。本当に、ありがとう」
優秀な騎士達が探しても見つからないとなると、3人は相当頑張ってくれているに違いない。
アルテント一家に感謝が尽きないエリオリックだった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
おはこんばんにちは 月兎です。
今回も話の都合上、1話のみの投稿となります。 度々申し訳ないです……
これからも何卒、宜しくお願い致します。<(_ _)>
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