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4章 涙の別れと笑顔の再会
再び訪問
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「な、なんで、あなたがここに居るんですか……?」
レインは、来客に目を向け、その人の名を口にした。
「エリオリック国王陛下」
来客とは、この国の王、そして先日レインたちを助けてくれた救世主……エリオリックだった。
レインの驚きの声に、エリオリックは頬を掻きながら、申し訳なさそうに言った。
「いやぁー、すまないね。事前に言おうとしたのだが、息子達がこちらに向かって言ったというのでね。私も急いで来たんだよ。あの子たちと鉢合わせしなくてよかったー……」
そうほっと胸をなで下ろすエリオリックに、レインは聞いた。
「なぜ、急いで来たんですか?」
レインの疑問に、エリオリックは真剣な面持ちで答えた。
「今はあの子たちを合わせるわけにはいかないからね。だって、いるんだろ?逃げてきた君の息子達が。この様子だと見つかってないみたいだけど」
エリオリックの言葉に、レインは目を丸くした。
その反応を肯定と取ったエリオリックは、目的を告げる。
「私を、3人に合わせてくれないかね?」
「え……?いや、でも……」
渋るレインに、エリオリックは続けて言った。
「別に、3人を罰しようとか、釣れて帰ろうとか、そんなんじゃないんだ。ただ、話をしたいだけだ」
国王にそこまで言われてしまったら、逆らうことはできない。
レインは、「こちらへどうぞ」と言って、エリオリックを家に招き入れた。
ソファーに座ってもらうと、3人のいるであろう方向を向いて、「おいで」と言った。
先程までの話を聞いていた3人は、素直に姿を現した。
「ごめんね、いきなり来て。会うのは久しぶりだね」
そう言って微笑むエリオリックに、3人は頭を下げた。
「ごめんなさい!」
「勝手に出て行ってしまって……」
「どんな罰でも受けますー……」
そんな3人に、エリオリックは首を横に振る。
「いいんだよ、謝らなくて。罪もない。全部こちらが悪いんだ。エルから聞いたよ。君たち、王子の悪口が増えてきたから城を出たんだろ?」
その言葉に、3人は頷く。
「それはこちらが悪い。公言もせずに放置していたからな」
「僕達は…戻った方がいいですか……?」
その言葉に、エリオリックはまた首を横に振った。
「いや、君たちはここにいてくれ」
意外な言葉に、3人とレインは目を丸くした。
レインは、来客に目を向け、その人の名を口にした。
「エリオリック国王陛下」
来客とは、この国の王、そして先日レインたちを助けてくれた救世主……エリオリックだった。
レインの驚きの声に、エリオリックは頬を掻きながら、申し訳なさそうに言った。
「いやぁー、すまないね。事前に言おうとしたのだが、息子達がこちらに向かって言ったというのでね。私も急いで来たんだよ。あの子たちと鉢合わせしなくてよかったー……」
そうほっと胸をなで下ろすエリオリックに、レインは聞いた。
「なぜ、急いで来たんですか?」
レインの疑問に、エリオリックは真剣な面持ちで答えた。
「今はあの子たちを合わせるわけにはいかないからね。だって、いるんだろ?逃げてきた君の息子達が。この様子だと見つかってないみたいだけど」
エリオリックの言葉に、レインは目を丸くした。
その反応を肯定と取ったエリオリックは、目的を告げる。
「私を、3人に合わせてくれないかね?」
「え……?いや、でも……」
渋るレインに、エリオリックは続けて言った。
「別に、3人を罰しようとか、釣れて帰ろうとか、そんなんじゃないんだ。ただ、話をしたいだけだ」
国王にそこまで言われてしまったら、逆らうことはできない。
レインは、「こちらへどうぞ」と言って、エリオリックを家に招き入れた。
ソファーに座ってもらうと、3人のいるであろう方向を向いて、「おいで」と言った。
先程までの話を聞いていた3人は、素直に姿を現した。
「ごめんね、いきなり来て。会うのは久しぶりだね」
そう言って微笑むエリオリックに、3人は頭を下げた。
「ごめんなさい!」
「勝手に出て行ってしまって……」
「どんな罰でも受けますー……」
そんな3人に、エリオリックは首を横に振る。
「いいんだよ、謝らなくて。罪もない。全部こちらが悪いんだ。エルから聞いたよ。君たち、王子の悪口が増えてきたから城を出たんだろ?」
その言葉に、3人は頷く。
「それはこちらが悪い。公言もせずに放置していたからな」
「僕達は…戻った方がいいですか……?」
その言葉に、エリオリックはまた首を横に振った。
「いや、君たちはここにいてくれ」
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