平凡な三つ子は平凡に暮らす...はずだった

月兎

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3章 騒動

緊急事態

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 突然開けられたドアに、家族一ビビリなレンの肩がビクッと跳ねた。
 ドアの方を見ると…

 一昨日三つ子を誘拐した、そして過去にレインに危害を加えた大臣2人だった。

 突然の登場に固まった4人は、声を発することもできなかった。

「やあやあ、レインじゃないか。それにルオネットも。久しいなぁ。レイン、酷いじゃないか。息子の面会より先に、我々への面会だろ?」

 そう言ってレインに向かって延ばされた大臣の手は、届くことはなく、誰かの手によって掴まれた。
 その手の主はルオネットだった。
 家族を庇うように前に立ち、大臣たちを睨みつけた。

「おお、怖い。怖いぞ?ルオネット。我々は戯れようとしていただけではないか。昔のように。なぁ?レイン?」

 大臣の目は、レインに向けられた。
 レインは汚いものを見るような目で、大臣たちを見返した。

「あれは…同意など……していない!貴方方が勝手にしてきた事だろ!」

 レインの言葉に、大臣たちは笑いながら言い返した。

「しかしあの時、お前は感じていたように見えたが?」

「本気で嫌がっていたのか?本当に」

 下品な笑い声に、レインはぷるぷると身体を震わせた。

「息子たちにも手ぇ出しやがって…ふざけんじゃねぇ…!」

 ルオネットが怒気を含んだ声で言うと、レインに向けられていた大臣たちの視線が、今度は三つ子に移った。

「ああ、そうだな。まさかあんな仕打ちを受けるとは思わなかったが…まぁ、証拠がないからな。訴えられまい。あの後はどうしたんだ?王子様方に介抱してもらったのか?」

 ニヤニヤと口角を上げたまま、大臣が聞いてきた。それには答えず、キッと睨むと、大臣はすっと真顔になった。

「ほう?そんな態度をとるか…ならば、罰を与えんとなぁ」

 そう言って近付いてくる大臣2人から守るように、ルオネットが一歩前に出ようとしたその時、ドアをノックする音が部屋に響いた。

 レインは内心、助かったと思いながら、ドアの方へと歩いていき、ドアノブに手をかけ、ドアを開けた。
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