平凡な三つ子は平凡に暮らす...はずだった

月兎

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3章 騒動

再開〜三つ子視点〜

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 翌日

 いつも通り起き、いつも通り朝食を作り、いつも通りエルオリントと朝食を食べたら、いつの間にか暇になっていた3人は、部屋に備え付けられているソファーに座り、ぼーっとしていた。

「あぁー…」

「暇だー…」

「休みの日って、何すればいいのー…」

 城に来る前は、家を手伝っていたと言っても働いていたため、休みはあった。
 しかし、妹のリンと遊んでいたため、このような休息のための休みは初めてだった。
 3人揃ってぼーっとしていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。
 いち早く我に返ったランがドアを開けると、エルオリントが顔を覗かせた。

「あれ?エルさん。どうしたんですか?何か用でも?」

「3人ともいる?」

「?はい、いますけど…」

 そう言ったランの後ろには、いつの間にかレンとロンの姿があった。
 その姿を見たエルオリントは、ほっと胸をなでおろした。

「良かった。3人にお客様だよ。今すぐ行ける?」

「お客様」という言葉に疑問を持ったレンが、エルオリントに尋ねた。

「お客様って…誰ですか?」

 レンの質問にエルオリントは、微笑みながら人差し指を自身の唇にあて、いたずらっぽく言った。

「それは見てのお楽しみってやつかな?とにかく早く早く!」

 エルオリントに急かされて、3人は慌ててエルオリントの後に付いていった。




「あの、エルさん…」

「ん?なに?」

「僕たち、どこに向かってるんですか?」

「あぁ、言ってなかったっけ?面会室だよ。そこで待っていてもらってるから」

 この城に面会室があることも知らなかった3人は、いまいちピンとこない様子だった。
 しばらくすると、ある部屋の前で止まった。

「さあ、ここだよ」

 「ちょっと待ってて」と言って、エルオリントは一足先に部屋の中に入っていった。
 そして再び3人に顔を見せた。

「さ、早く入って。お客様がお待ちだよ。私はまだ仕事が残ってるから、もう行くね」

 そう言ってエルオリントは去っていった。

「どうしよう…」

「誰なんだろう…?」

「とにかく、早く入らないとねー…」

 誰が最初に部屋に入るかを拳という名のジャンケンで決め、中に入る。

「失礼しまーす…」

 最初に入ったレンは、中にいる人物を見ると、顔を綻ばせた。
 続いて入ったロンとランも、先程の不安そうな顔はどこへやら、笑顔でその人物たちの元へ行った。

「父さん!母さん!リン!」

 部屋の中にいたのは、家族だった。
 部屋に入るなりタックルをしてきたのは、妹のリンだった。

「お兄ちゃん!」

 妹を受け止めながら、ロンが聞いた。

「どうしたのー?昨日お手紙書いたばっかなのに、もう会いに来てくれるなんて…」

 その質問に、母親であるレインが答える。

「あんた達があんな手紙送ってくるからに決まってるでしょ?あんなの読まされて、心配しない方が難しい話だっての…」

「いや、でも、周りの人達に助けられて、もう大丈夫だって書いただろ?」

「それでも心配するの!親なんだから当たり前だろ?」

「うぅ、ごめんなさい…」

 3人が謝るのを見て、それまで黙っていた父・ルオネットが口を挟む。

「まあまあ、こいつらも反省してるみたいだし、そこら辺でいいじゃないか。さて、お前ら。一昨日あったこと、それをやった奴らの特徴、その他諸々…覚えてる範囲でいい。教えてくれ」

 父親の質問に、3人は一つ一つ、思い出しながら伝えていった。
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