39 / 75
3章 騒動
再開〜三つ子視点〜
しおりを挟む
翌日
いつも通り起き、いつも通り朝食を作り、いつも通りエルオリントと朝食を食べたら、いつの間にか暇になっていた3人は、部屋に備え付けられているソファーに座り、ぼーっとしていた。
「あぁー…」
「暇だー…」
「休みの日って、何すればいいのー…」
城に来る前は、家を手伝っていたと言っても働いていたため、休みはあった。
しかし、妹のリンと遊んでいたため、このような休息のための休みは初めてだった。
3人揃ってぼーっとしていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。
いち早く我に返ったランがドアを開けると、エルオリントが顔を覗かせた。
「あれ?エルさん。どうしたんですか?何か用でも?」
「3人ともいる?」
「?はい、いますけど…」
そう言ったランの後ろには、いつの間にかレンとロンの姿があった。
その姿を見たエルオリントは、ほっと胸をなでおろした。
「良かった。3人にお客様だよ。今すぐ行ける?」
「お客様」という言葉に疑問を持ったレンが、エルオリントに尋ねた。
「お客様って…誰ですか?」
レンの質問にエルオリントは、微笑みながら人差し指を自身の唇にあて、いたずらっぽく言った。
「それは見てのお楽しみってやつかな?とにかく早く早く!」
エルオリントに急かされて、3人は慌ててエルオリントの後に付いていった。
「あの、エルさん…」
「ん?なに?」
「僕たち、どこに向かってるんですか?」
「あぁ、言ってなかったっけ?面会室だよ。そこで待っていてもらってるから」
この城に面会室があることも知らなかった3人は、いまいちピンとこない様子だった。
しばらくすると、ある部屋の前で止まった。
「さあ、ここだよ」
「ちょっと待ってて」と言って、エルオリントは一足先に部屋の中に入っていった。
そして再び3人に顔を見せた。
「さ、早く入って。お客様がお待ちだよ。私はまだ仕事が残ってるから、もう行くね」
そう言ってエルオリントは去っていった。
「どうしよう…」
「誰なんだろう…?」
「とにかく、早く入らないとねー…」
誰が最初に部屋に入るかを拳という名のジャンケンで決め、中に入る。
「失礼しまーす…」
最初に入ったレンは、中にいる人物を見ると、顔を綻ばせた。
続いて入ったロンとランも、先程の不安そうな顔はどこへやら、笑顔でその人物たちの元へ行った。
「父さん!母さん!リン!」
部屋の中にいたのは、家族だった。
部屋に入るなりタックルをしてきたのは、妹のリンだった。
「お兄ちゃん!」
妹を受け止めながら、ロンが聞いた。
「どうしたのー?昨日お手紙書いたばっかなのに、もう会いに来てくれるなんて…」
その質問に、母親であるレインが答える。
「あんた達があんな手紙送ってくるからに決まってるでしょ?あんなの読まされて、心配しない方が難しい話だっての…」
「いや、でも、周りの人達に助けられて、もう大丈夫だって書いただろ?」
「それでも心配するの!親なんだから当たり前だろ?」
「うぅ、ごめんなさい…」
3人が謝るのを見て、それまで黙っていた父・ルオネットが口を挟む。
「まあまあ、こいつらも反省してるみたいだし、そこら辺でいいじゃないか。さて、お前ら。一昨日あったこと、それをやった奴らの特徴、その他諸々…覚えてる範囲でいい。教えてくれ」
父親の質問に、3人は一つ一つ、思い出しながら伝えていった。
いつも通り起き、いつも通り朝食を作り、いつも通りエルオリントと朝食を食べたら、いつの間にか暇になっていた3人は、部屋に備え付けられているソファーに座り、ぼーっとしていた。
「あぁー…」
「暇だー…」
「休みの日って、何すればいいのー…」
城に来る前は、家を手伝っていたと言っても働いていたため、休みはあった。
しかし、妹のリンと遊んでいたため、このような休息のための休みは初めてだった。
3人揃ってぼーっとしていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。
いち早く我に返ったランがドアを開けると、エルオリントが顔を覗かせた。
「あれ?エルさん。どうしたんですか?何か用でも?」
「3人ともいる?」
「?はい、いますけど…」
そう言ったランの後ろには、いつの間にかレンとロンの姿があった。
その姿を見たエルオリントは、ほっと胸をなでおろした。
「良かった。3人にお客様だよ。今すぐ行ける?」
「お客様」という言葉に疑問を持ったレンが、エルオリントに尋ねた。
「お客様って…誰ですか?」
レンの質問にエルオリントは、微笑みながら人差し指を自身の唇にあて、いたずらっぽく言った。
「それは見てのお楽しみってやつかな?とにかく早く早く!」
エルオリントに急かされて、3人は慌ててエルオリントの後に付いていった。
「あの、エルさん…」
「ん?なに?」
「僕たち、どこに向かってるんですか?」
「あぁ、言ってなかったっけ?面会室だよ。そこで待っていてもらってるから」
この城に面会室があることも知らなかった3人は、いまいちピンとこない様子だった。
しばらくすると、ある部屋の前で止まった。
「さあ、ここだよ」
「ちょっと待ってて」と言って、エルオリントは一足先に部屋の中に入っていった。
そして再び3人に顔を見せた。
「さ、早く入って。お客様がお待ちだよ。私はまだ仕事が残ってるから、もう行くね」
そう言ってエルオリントは去っていった。
「どうしよう…」
「誰なんだろう…?」
「とにかく、早く入らないとねー…」
誰が最初に部屋に入るかを拳という名のジャンケンで決め、中に入る。
「失礼しまーす…」
最初に入ったレンは、中にいる人物を見ると、顔を綻ばせた。
続いて入ったロンとランも、先程の不安そうな顔はどこへやら、笑顔でその人物たちの元へ行った。
「父さん!母さん!リン!」
部屋の中にいたのは、家族だった。
部屋に入るなりタックルをしてきたのは、妹のリンだった。
「お兄ちゃん!」
妹を受け止めながら、ロンが聞いた。
「どうしたのー?昨日お手紙書いたばっかなのに、もう会いに来てくれるなんて…」
その質問に、母親であるレインが答える。
「あんた達があんな手紙送ってくるからに決まってるでしょ?あんなの読まされて、心配しない方が難しい話だっての…」
「いや、でも、周りの人達に助けられて、もう大丈夫だって書いただろ?」
「それでも心配するの!親なんだから当たり前だろ?」
「うぅ、ごめんなさい…」
3人が謝るのを見て、それまで黙っていた父・ルオネットが口を挟む。
「まあまあ、こいつらも反省してるみたいだし、そこら辺でいいじゃないか。さて、お前ら。一昨日あったこと、それをやった奴らの特徴、その他諸々…覚えてる範囲でいい。教えてくれ」
父親の質問に、3人は一つ一つ、思い出しながら伝えていった。
0
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)


初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる