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二章 パーティーって、こんなに強いものですか?
二回目の契約
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「それより、どうしてここに?」
今はスキルとかどうでもいいか。後で確認しとこ。
魔獣に聞くと、どうやらこの騒ぎは、森の混乱を招いているようで、何が起こったのか、確認しに来たらしい。
「そしたらね、りゅうがボクのほうにくちをあけてね。キミがたすけてくれなかったらしんでたよー」
死ぬかもしれなかったのに、すごいのほほんとしてるな、この子。
「ねえ、キミってなにもの?りゅうおうさまともなかよしだし、ふつうのニンゲンじゃないよね?」
「え!?えーっとぉ……」
どうしよう……言っていいの?
「ハヤトは転生者だ」
い、言っちゃったー!僕の許可無く言っちゃったー!
「そうなの?」
興味津々に聞いてくる魔獣の目はキラキラしてて、騙すなんて出来なかった。
「そう、です……一応……」
すると、魔獣が目をさらにキラキラさせる。
「うわー!ボク、はじめてみたよ!おばあちゃんにきいただけだったから、あえてうれしい!」
「おばあちゃん?」
「うん!もういないんだけどね、とってもたのしそうにはなすの!てんせいしゃとけいやくして、たくさんのくにをみたんだって。それでボク、てんせいしゃにあってみたいなって、ずっとおもってた!」
おばあちゃん、何者?
僕の前の転生者って、200年くらい前って聞いたよ?おばあちゃん何歳で亡くなった?
「魔獣は長寿なのだ。人間にとっては長いかもしれんが、我々にとっては200歳など、普通だ」
ファルの説明を聞いても、いまいちピンと来ない。
僕にあるのは前世の常識であって、この世界の常識ではない。僕の中での兎は、人間よりも弱く、寿命も短く、気の弱い生物。
それが200年も生きるなんて………
「不思議だな………」
ここに来てから、驚いてばっかだ。
「ねえねえ!」
僕がぼーっとしてると、魔獣が話しかけてきた。
「ん?何?」
「ボク、キミについていきたい!ボクとけいやく?ってやつ?してほしい!」
「え?僕はいいけど………ほんとにいいの?」
「うん!ボクも、せかいをみてみたい!おばあちゃんがみたけしきを、ぼくもみたいんだ!」
ファルを見ると、頷いた。これはいいってことかな?
「えっと、名前をつければいいんだっけ?」
「そうなの?」
「そうだ。体の一部に触れながら名を与える。そしてその名前をお前が認めたら、契約完了だ」
「分かった。頭触ってもいいか?」
「うん!いいよ!」
魔獣の頭に触れると、ファルの時のように周りが淡く光る。
話し方から、この子は活発で元気。でも、毛がとても美しく、すごく上品な雰囲気も感じられる。活発な坊ちゃんか………
名前は………
「リフィ………どうかな?」
「リフィ?それが、ボクのなまえ?わーい!ボク、リフィ!」
リフィが喜んだ途端、光が強くなり、消えた。
「成功だな」
ファルの言葉にほっとしつつ、僕は火を吹いた竜の方を見る。
「まだ仕事は終わっていない。ここからだぞ、ハヤト」
ファルの声に、僕は気持ちを切り替えた。
今はスキルとかどうでもいいか。後で確認しとこ。
魔獣に聞くと、どうやらこの騒ぎは、森の混乱を招いているようで、何が起こったのか、確認しに来たらしい。
「そしたらね、りゅうがボクのほうにくちをあけてね。キミがたすけてくれなかったらしんでたよー」
死ぬかもしれなかったのに、すごいのほほんとしてるな、この子。
「ねえ、キミってなにもの?りゅうおうさまともなかよしだし、ふつうのニンゲンじゃないよね?」
「え!?えーっとぉ……」
どうしよう……言っていいの?
「ハヤトは転生者だ」
い、言っちゃったー!僕の許可無く言っちゃったー!
「そうなの?」
興味津々に聞いてくる魔獣の目はキラキラしてて、騙すなんて出来なかった。
「そう、です……一応……」
すると、魔獣が目をさらにキラキラさせる。
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「おばあちゃん?」
「うん!もういないんだけどね、とってもたのしそうにはなすの!てんせいしゃとけいやくして、たくさんのくにをみたんだって。それでボク、てんせいしゃにあってみたいなって、ずっとおもってた!」
おばあちゃん、何者?
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ファルの説明を聞いても、いまいちピンと来ない。
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それが200年も生きるなんて………
「不思議だな………」
ここに来てから、驚いてばっかだ。
「ねえねえ!」
僕がぼーっとしてると、魔獣が話しかけてきた。
「ん?何?」
「ボク、キミについていきたい!ボクとけいやく?ってやつ?してほしい!」
「え?僕はいいけど………ほんとにいいの?」
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ファルを見ると、頷いた。これはいいってことかな?
「えっと、名前をつければいいんだっけ?」
「そうなの?」
「そうだ。体の一部に触れながら名を与える。そしてその名前をお前が認めたら、契約完了だ」
「分かった。頭触ってもいいか?」
「うん!いいよ!」
魔獣の頭に触れると、ファルの時のように周りが淡く光る。
話し方から、この子は活発で元気。でも、毛がとても美しく、すごく上品な雰囲気も感じられる。活発な坊ちゃんか………
名前は………
「リフィ………どうかな?」
「リフィ?それが、ボクのなまえ?わーい!ボク、リフィ!」
リフィが喜んだ途端、光が強くなり、消えた。
「成功だな」
ファルの言葉にほっとしつつ、僕は火を吹いた竜の方を見る。
「まだ仕事は終わっていない。ここからだぞ、ハヤト」
ファルの声に、僕は気持ちを切り替えた。
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