8 / 21
一章 新たな出会いは、個性がありすぎた。
こっちに来てから初めての朝です。
しおりを挟む
次の日、朝起きると知らない天井があった。
「え!?ここどこ………あぁ、昨日……」
僕は猫を助けて死んだ。
でもそれは神の手違いだった。
だから、異世界で第二の人生を歩むことになったんだっけ……
「ミュイが泊めてくれたんだった……」
泊まらせてもらっている身なのにこんなにのんびりしてていいんだろうか?いや!良くない!
「おはようございます!」
部屋のドアを開け放って朝の挨拶をすると、昨日ルイと呼ばれていたロリ美少女が振り返った。
「あら、起きたんですの?随分と早起きですわね」
「いつもの癖で………えっと……」
やっべ、名前わかんない。
「ルイ」なんて、初対面の人に言われたくないだろうしなぁー……
僕の表情を見て、彼女は口を開いた。
「ミュイなら、今は朝の稽古をしておりますわ。もう朝食の時間ですし、帰ってくると思いますわ」
「いや、僕が聞きたいのはそこじゃなくて……」
僕が言い終わる前に、彼女は察してくれたらしく、丁寧にお辞儀をした。
「申し遅れました。私、ルイ・マーカリアンと申しますわ。気軽にルイと読んでくださいまし」
「僕は風見隼人です。よろしくお願いします」
「敬語なんていりませんわ。なんだか距離を感じてしまいますわ」
「そっか……えっと、じゃあ、ルイ、よろしくね」
「ええ、よろしくお願いしますわ。魔法について困ったことがあったら、気軽に相談してくださいまし」
「魔法?」
「ミュイから聞いていませんの?」
そういえば言ってたな。剣と魔法がなんたらって。あんま覚えてないけど。
「お、ハヤト、起きたのか」
思い出そうとすると、後ろから声を掛けられた。
「あ、おはよう、ミュイ」
「ミュイ、ハヤトに魔法のこと、教えてないんですの?魔法って言ったら首を傾げられましたわ」
「詳しくは言っていない。こっちに来てすぐそんな話をしても、ハヤトが混乱するだけだと思ったからな。ハヤトのいた世界では、魔法はないんだろ?」
僕が頷くと、ルイは目を丸くした。
「信じられませんわ……では、剣術でどうにかしていたんですの?」
「いや、剣術とかなかったし……」
「あなた、よくそれで暮らせていましたわね!」
えぇ……ここでは僕の常識は通用しないの?普通習わないでしょ、剣術なんて。よっぽどの事がない限り、殺されるなんてなかったし。
僕がそう言うと、ルイは納得した。
「なるほど。戦いとは無縁の地で育ったから、そんなに人が良さそうなのね」
え?良さそうかな?なんか嬉しいなぁー
「まぁ、人が良さそうってことは、狙われやすいってことでもあるけどな。弱く見られがちだ。ハヤトは神の御加護があるから、よっぽどの事じゃ死なない。それに、神の御加護を持っていると、出会う人の殆どが善人らしいしな」
へぇー、そうなのか。
「じゃあ、ミュイとルイも、いい人なんだね」
僕が言うと、2人は顔を見合わせ、赤面した。
「なっ!おま、そんなことを真面目に言うんじゃありません!」
「い、いい人だなんて……そんな、面と向かって言われると………照れますわ」
えー、でもいい人達だよなー。
ミュイは一族の仕事って言いつつも家に泊めてくれたし、ルイは突然来た僕に嫌な顔ひとつせず、むしろ仲良くしようとしてくれた。これをいい人と言わずに何と言う。
「さ、さあ、朝食を食べましょう!今日はギルドにも行くのでしょう?」
「え?」
「え?じゃない。いつまでも無職な訳にはいかない。早く冒険者ギルドに言って、登録を済ませてしまおう」
え?それって………
「転生者ってバレるの?」
「まあ、ギルドの受付嬢にはバレますわね」
嫌だあぁーーー!
「どうにか避けれませんか!」
「そんなに嫌か?」
「はい!平穏に、ひっそりと暮らしたいんです!」
「そうか。それなら、私の信頼している者に頼もう」
「ありがとう!」
安全が確保されたので、朝食を食べ、ギルドへ行く準備をした。
ちなみに朝食はルイが作っているらしく、めっちゃ美味しかった。
「え!?ここどこ………あぁ、昨日……」
僕は猫を助けて死んだ。
でもそれは神の手違いだった。
だから、異世界で第二の人生を歩むことになったんだっけ……
「ミュイが泊めてくれたんだった……」
泊まらせてもらっている身なのにこんなにのんびりしてていいんだろうか?いや!良くない!
「おはようございます!」
部屋のドアを開け放って朝の挨拶をすると、昨日ルイと呼ばれていたロリ美少女が振り返った。
「あら、起きたんですの?随分と早起きですわね」
「いつもの癖で………えっと……」
やっべ、名前わかんない。
「ルイ」なんて、初対面の人に言われたくないだろうしなぁー……
僕の表情を見て、彼女は口を開いた。
「ミュイなら、今は朝の稽古をしておりますわ。もう朝食の時間ですし、帰ってくると思いますわ」
「いや、僕が聞きたいのはそこじゃなくて……」
僕が言い終わる前に、彼女は察してくれたらしく、丁寧にお辞儀をした。
「申し遅れました。私、ルイ・マーカリアンと申しますわ。気軽にルイと読んでくださいまし」
「僕は風見隼人です。よろしくお願いします」
「敬語なんていりませんわ。なんだか距離を感じてしまいますわ」
「そっか……えっと、じゃあ、ルイ、よろしくね」
「ええ、よろしくお願いしますわ。魔法について困ったことがあったら、気軽に相談してくださいまし」
「魔法?」
「ミュイから聞いていませんの?」
そういえば言ってたな。剣と魔法がなんたらって。あんま覚えてないけど。
「お、ハヤト、起きたのか」
思い出そうとすると、後ろから声を掛けられた。
「あ、おはよう、ミュイ」
「ミュイ、ハヤトに魔法のこと、教えてないんですの?魔法って言ったら首を傾げられましたわ」
「詳しくは言っていない。こっちに来てすぐそんな話をしても、ハヤトが混乱するだけだと思ったからな。ハヤトのいた世界では、魔法はないんだろ?」
僕が頷くと、ルイは目を丸くした。
「信じられませんわ……では、剣術でどうにかしていたんですの?」
「いや、剣術とかなかったし……」
「あなた、よくそれで暮らせていましたわね!」
えぇ……ここでは僕の常識は通用しないの?普通習わないでしょ、剣術なんて。よっぽどの事がない限り、殺されるなんてなかったし。
僕がそう言うと、ルイは納得した。
「なるほど。戦いとは無縁の地で育ったから、そんなに人が良さそうなのね」
え?良さそうかな?なんか嬉しいなぁー
「まぁ、人が良さそうってことは、狙われやすいってことでもあるけどな。弱く見られがちだ。ハヤトは神の御加護があるから、よっぽどの事じゃ死なない。それに、神の御加護を持っていると、出会う人の殆どが善人らしいしな」
へぇー、そうなのか。
「じゃあ、ミュイとルイも、いい人なんだね」
僕が言うと、2人は顔を見合わせ、赤面した。
「なっ!おま、そんなことを真面目に言うんじゃありません!」
「い、いい人だなんて……そんな、面と向かって言われると………照れますわ」
えー、でもいい人達だよなー。
ミュイは一族の仕事って言いつつも家に泊めてくれたし、ルイは突然来た僕に嫌な顔ひとつせず、むしろ仲良くしようとしてくれた。これをいい人と言わずに何と言う。
「さ、さあ、朝食を食べましょう!今日はギルドにも行くのでしょう?」
「え?」
「え?じゃない。いつまでも無職な訳にはいかない。早く冒険者ギルドに言って、登録を済ませてしまおう」
え?それって………
「転生者ってバレるの?」
「まあ、ギルドの受付嬢にはバレますわね」
嫌だあぁーーー!
「どうにか避けれませんか!」
「そんなに嫌か?」
「はい!平穏に、ひっそりと暮らしたいんです!」
「そうか。それなら、私の信頼している者に頼もう」
「ありがとう!」
安全が確保されたので、朝食を食べ、ギルドへ行く準備をした。
ちなみに朝食はルイが作っているらしく、めっちゃ美味しかった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

【コミカライズ&書籍化・取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる