異世界、ゆるーくいきましょう。

月兎

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一章 新たな出会いは、個性がありすぎた。

街に到着です。

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「さぁ、着いたぞ。ここが、私の住んでいる街だ」

 そう言われて見てみると……

「え!?」

 でかくね?
 外壁が高すぎて街の様子見えないし。
 門も必要以上に広々してるし。

「ここ、ほんとに街?」

 思わず呟くと、ミュイが補足をしてくれた。

「元はこんなに大きくはなかったんだけど……領土広げ始めたら止まらなくなったらしくて、いつの間にかこんなに広くなったらしい」

「へ、へぇ……」

 領土広げすぎだろ……

「お陰でこの世界で一番の広さを誇る街になった」

「そ、そーなんだー……」

 街じゃねーだろ!もはや国!

「王も評判が良くて、治安も良い。安心して住めるぞ」

 お、それはありがたい。

「さぁ、行こう」

 歩きだしたミュイに付いていくと、門番らしき人が立っていた。
 日はすっかり暮れ、夜になったのに、こんな時間まで……お疲れ様です。

「すまない門番殿、こんな時間に……街に入りたいのだが、良いだろうか?」

 ミュイが門番に問うと、門番はだるそうにミュイを見て、そしてそれがミュイだとわかった瞬間、いきなりビシッと敬礼をした。

「ミュ、ミューイ殿!お疲れ様です!もちろん!ささ、どうぞ!」

 門番の後を付いていくミュイに慌てて付いていくと、さっき気付かなかった小さいドアの前で止まった。
 なるほど。毎回あんな大きな門、開けて閉めてなんて出来ないもんな。

「助かる」

「いえいえ!Sランクの方に会えるだけでも光栄なことですから!」

 すげー……冒険者のランクって、結構大事なんだなぁー、この世界じゃ。
 Sランクの待遇の良さに感心していると、ドアの向こうにいるミュイと目が合った。え?もうそっちに行ってたの?
 慌ててドアに近付くと、目の前に棒が割って入った。いや、違う……これ、門番さんが持ってた槍だ!ちゃんと刃物ですね!(?)

「え、えっと……あの………」

「お前には通っても良いとなど、言っていない。ミューイ殿の後ろでこそこそして……気付かれていないとでも思ったのか?」

 え?なんか、誤解してない?
 訂正したい……でも、今ここで僕がなんか言っても、言い訳にしか聞こえないしなぁー……

「その者は私の連れだ」

 あわあわしていると、ミュイが門番に言った。グッジョブ、ミュイ!
 ミュイの言葉に、今度は門番があわあわしだした。槍を引っ込め、深々と頭を下げた。

「ミュイ殿のお連れの方だとは知らず、無礼な態度を……お許し下さい」

「い、いえ!怪しい動きをしていた僕が悪いので……」



 そんなこんなで、街に入ることが出来た。
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