異世界、ゆるーくいきましょう。

月兎

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0章 誰か説明してください。え?してくれる?ならいいです。

僕はこの世界で最強になれるらしいです。

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 Sランク…ですって?

「お、お強いんですね…」

「そうですね…私自身はそんなに強くないと思っているのですが、獣人族は普通の人よりも身体能力が高く、素早く動けるので、ギルドでは上位にいることが出来る…と、親が言っていました」

 な、なるほど…
 生まれた時点で最強確定なんですね…

 僕は思ってることが顔に出やすいらしい。僕の方を見て、ミュイさんがさらに続けた。

「まぁでも、ハヤト様には負けますけどね」

「え?どういう事ですか?」

「言ったではないですか。転生者はレアスキルをお持ちだと。あなたも例外ではないのですから、私が勝てるはずないんです」

 つまり、そのレアスキルとやらで冒険者をやり、お金を稼げと言っているんだよな、ミュイさんは。
 でもなぁー…

「僕、運動苦手ですし…」

 そう、一番の問題

 運動音痴!

 体育の成績常に悪かったからね
 先生公認の運動神経の無さだよ!
 誇れることではないけどね…

「え?でも、転生者は身体能力強化のスキルが備わっているはずじゃ…?」

「身体能力強化?」

 僕が聞き返すと、ミュイさんはこくりと頷き、説明してくれた。

「身体能力強化のスキルとは、レアスキルで、転生者には必ず備わっているものらしいです。今までの転生者は、全員そのスキルを持っていたようですよ。ハヤト様も、あるのでは…?」

 あ、そういえば…ステータス見てなかった。

「すみません、ステータス見るの忘れてました。どうすれば見れますか?」

「私の読んだ本には、想像するだけで見ることができると書いてありました。なんでも、転生者の元いた世界では、『げーむ』というものがあったそうで…その中でも、『あーるぴーじー』というジャンルには、ステータス確認ができるものがあるとかないとか…意味不明なことが書かれていました」

 RPGか…
 僕が死んでなければ、今頃やってたんだろうなぁ…
 とか思いながら、ステータス確認の画面を思い浮かべる。すると…

「うわっ!?」

 目の前にスクリーンのパネルでもあったかのように、文字が映し出される。

「これが…鑑定…」

 ミュイさんは初めて見るようで、興味津々と言った様子だ。若干前のめりになってる。

「えっと、なになに…?」

 ステータス画面を見てみると…


ーーーーーーステータスーーーーーーー

 ーープロフィールーー
  名前・カザミ ハヤト
  性別・男
  年齢・16歳
  職業・なし
  種族・転生者

 神の手違いにより、16歳という若さで死亡。
 のち、神により異世界に転生者として生を受ける。

 ーー取得スキル一覧ーー
  ・鑑定
  ・アイテムボックス(無限)
  ・身体能力強化
  ・万能体質
  ・吸収
  ・神の御加護

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 …?
 何のことだか、さっぱりだわ。
 前半は分かった。プロフィールのところだけは。
 ていうか、転生者って、種族に部類されるんだ。以外だ。
 しかし、問題はそこではない。その下のスキルのところ。鑑定とかは分かるけど…なに?吸収って。万能体質?なんか色々できちゃうの?
 でも、さっきミュイさんが言ってた身体能力強化ってスキルはあった。
 良かった…これで運動音痴から脱出できた…

 ミュイさんはというと…
 俺の反応とは違った。
 口元に手を当てて、「うそ…こんなにも…?どれもレア…」と、ぶつぶつ呟きながら、僕のステータスとにらめっこしてる。
 どうしたのかな?と思っていると、いきなり肩を掴まれた。なに!?痛い!

「ハヤト様…」

「は、はい…なんでしょう…?」

「あなたはこの国で…いや、この世界で、最強になれるでしょう。私が保証します」

 え?最強?
 おいおい、いきなりどうした、ミュイさん。
 話がぶっ飛びすぎてて、僕、ついていけてないよ?
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