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1幕 最恐タッグ降臨

模擬戦:ヴィル対ロウリィ

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城塞都市バルディス:冒険者組合 立体闘技場内部

ヴィルダニア視点


ロウリィ=アンビレッジ 初見ではマナの多さに物を言わせ魔法を主体に戦う魔法士だとずっと思っていたがよくよく考えれば立体闘技場は比較的近接戦が多くなる場所なのであろうそれ故に魔法士が有利に立てるはずがないと思っていたがあの杖を見た瞬間本能的にわかった あれは魔法士でありながら近接戦を行うイニシエイトバスター魔戦士だ 魔法による遠距離攻撃から魔法による自身の身体や武具へのエンチャント強化術付与を行い遠中近 それぞれの攻撃を行えるとても厄介な相手だ しかも杖の形状からしてランサー槍使い魔法によ攻撃がと長いリーチで懐に入り込みにくい以上まともにやり合いたくない相手だ 

そんな事を思案中だが既に模擬戦は開始している

「中央の広間にはいない....なら立体移動で早期発見からの一撃離脱が有効か....」

そう彼女は唯一開けた場所である中央にはいないのである ならば草むらから奇襲を行おうとしているはずだ だが仮にもAランク冒険者裏取りされた場合の対処もしているはずだ

「いや....逆に裏取りするのを狙っているのか...?」

Aランクになるには単純な身体能力以外にも洞察力や判断力といった物も必要だ それがAランクになる条件だからこそAランク冒険者は何を考えるか分からない

「......ん?」

何かが見えた いや見せているのか...? 赤い球体...あれは...ファイアーボール!?

「っく...不意を突かれたか...」

突然のファイアーボールだったので受け流すのに気を取られてしまって相手の行方が分からない ファイアーボールによる死角からの奇襲と同じに移動やはりAランク冒険者は何を考えるのか分かったもんじゃない... だが1つ失敗があるとするなら火系の魔法は光を放出するそのため一瞬だが移動した時の影が視認可能だ それを分かっているだろうAランク冒険者なら途中で方向転換するはずだ

「近距離なら確実に倒せる なら正面から側面から奇襲を掛けるに限る」

中央の開けた視界を通しているなら必然的に中央に沿って移動しているはずだ ならば外縁部中心から奇襲の一択
槍はリーチが長い故にすこしでも振りのタイミングがズレれば勝機はいくらでもある

「捉えた!」

「っげ!?側面から来るとか考えてもなかったわよ!」

動揺したはいいが既に近接戦を行う気満々のようだ....反応が速い だが既にこちらの起動式は構築済みさ

 「術式回路接続 精製完了 ブラッディウェポン血晶武装ツインダガー!」

ブラッディウェポン 血液に魔力を通し専用術式によって具現化及び加工を行う魔術と呼ばれる存在
魔術は基本魔法には劣っているためただ血が減るだけと言われ使用者は皆無だがそれは魔術の真髄を理解していないだけだ 専用術式を構築 確立する事さえ出来れ魔法でいう上級魔法や超級魔法だけでなく戦術級といった国家レベルの魔法すら血を触媒にする事で簡単に出来てしまうのが魔術 そのため王宮魔法師でも魔術の知恵がある

「ちょ!何よそれ!?」

知らないのかよ!Aランク冒険者なのに! どうやら魔術は冒険者の間では知られていないようだ

「後で教えてやる! 今は戦闘中だ!」

「そうね!知らない魔法だけど勝たせてもらうわ!」

とっさに正面に捉えて突きを放ってくるがもう遅い 剣の腹で槍を受け流しもう一方で心臓を一刺し

「勝負あり!勝者ヴィル=マックール!」

ふぅ~終わった終わった さてロウリィさんを運ぶか

「やったな!ヴィルでもすこし時間かけすぎだろ」

「グレン...お前と一緒にするな 私には私の戦い方があるだけだ」

「よう!ロウリィに勝つとはやるじゃねぇかヴィル 確実にロウリィの戦闘スタイルを見破ってたなその洞察力だけでもCランク 実力も合わせればAランク確定だな!」

イナフさんが言うならAランク確定だな

「んじゃま!次は俺とイナフさんだな!」

「おう!正々堂々中央で勝負しようや!」

「いいねぇいいねぇイナフさん分かってるねぇ その話乗った!」

乗っていいのかよ まぁグレンなら負けるはずがないだろうな


この後 心臓を刺されたダメージが精神ダメージに変換され気絶したロウリィが起きた時 魔術に関してこっぴどく聞かれ使用方法とその練習にずっと付き合わされるとはまだ知らない
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