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甘えているのは俺のほう※ 【煌視点】
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【煌視点】
車に乗り込み、雷を膝の上に乗せる。雷は不満気だったが、離す気は毛頭ない。軽いキスをして、「俺が離れたくない」と言えば雷は顔を赤くして頷いた。
雷の身体は小さくて華奢で柔らかい。抱きしめればパズルのピースがはまったかのように俺の身体にぴったりとフィットする。
本当は正面で向き合う形で膝に乗せたいが、雷の可愛い顔が目前にある状態且つより密着する状態は俺にとって非常にマズい。手を出さない自信がない。その為、泣く泣く横抱きで我慢している。
それでも我慢出来ずに少し手が出てしまうのは許して欲しい。
雷の頭を撫でたり、軽いキスをして堪能していると不意に雷が「何か用があったのか」と聞いてきた。
追い払った奴のことは言えない。雷に不要な心配をして欲しくない。
「ん?あぁ、偶々近くを通りかかったから顔を出そうと思っただけだ」
「そうだったんですね。あれ?でもそれじゃあ僕がいたから挨拶とか出来てないんじゃ……」
雷はそれを聞いて申し訳なさそうな顔をして言った。
俺は雷にそんな顔をして欲しくなくて「叔父の店だから顔を出さなくても問題はない」と雷に言った。それを聞いた雷は、
「皇会長の叔父さんだからきっと、かっこいいんだろうなぁ~」
と瞳を輝かせて言った。
____は?
その瞬間、俺の心は嫉妬で黒く染まる。
誰が雷にそんな顔をさせるんだ。
何故よそ見をする?雷は俺だけを見ていればいい。
「雷、そんな顔をして…いったい誰のことを考えていたんだ?ん?」
俺は怒りを抑えきれずに雷に向かって言う。怖がらせないようにと笑ったが、目は笑ってないかもしれない。
雷はそんな俺を眩しいものを見るような目で見る。怖がる様子はないが俺を見てるようで、見ていない。そんな気がして、こちらに意識を向けたくて…俺はこう言った。
「へぇ、言えないのか。なら、そんな事も考えられなくなるほど俺で満たしてやる」
そして雷の唇を奪い、歯で甘噛みをして呼吸さえも奪う。
「…ん、ぁ……はぁ………ふぁっ!?」
雷は息苦しくなったのか、口を少し開けた。
俺はその瞬間を狙って、少し開いた隙間から舌を忍び込ませて雷の官能を引き出すように、口内を蹂躙する。驚いて離れようとする雷の後頭部に手を添え、さらに密着させる。
「ぁ…ふ……んっ、…んぁっ……!」
雷は身体をピクリとさせながら俺の服を握って縋り付いてきた。徐々に雷の瞳が蕩けていく。
怒りはいつの間にか静まり、俺は雷との甘いキスに夢中になっていた。
上顎を舌で丁寧に擦り、唾液を注ぎながら舌を絡ませれば甘い吐息と共に可愛い声を出す。俺の唾液をコクリと飲み込む仕草に俺は我を忘れてもっと、もっと…と欲張りになっていく。
限界だったのか雷が弱々しく俺の胸を叩く。俺は名残惜しく思いながらも唇を離す。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
雷が辛そうに肩で息をしている。
「すまない、やりすぎた…」
雷に申し訳なく思うのと同時に、己の忍耐のなさに不甲斐なく思う。
怒られても仕方がない事をした、そう雷の怒りを覚悟していると、
「ん…だいじょうぶ。すごく、きもちよかったから……」
そう言って雷はふにゃりと笑った。
俺は思わず、雷の肩に額を乗せてため息を漏らした。
____俺が雷を甘やかすよりも、俺が雷の優しさにつけ込んで甘えてしまいそうだ。
でも、そんな雷だから俺は好きになった。押しに弱くて、でも責任感が強くて優しくて素直で…。そんな雷だから、俺の唯一なんだ。
「……出来る限り、我慢する」
俺は雷を抱きしめて、今後もつけ込んでしまうだろうなと自嘲しながらそう言った。
車に乗り込み、雷を膝の上に乗せる。雷は不満気だったが、離す気は毛頭ない。軽いキスをして、「俺が離れたくない」と言えば雷は顔を赤くして頷いた。
雷の身体は小さくて華奢で柔らかい。抱きしめればパズルのピースがはまったかのように俺の身体にぴったりとフィットする。
本当は正面で向き合う形で膝に乗せたいが、雷の可愛い顔が目前にある状態且つより密着する状態は俺にとって非常にマズい。手を出さない自信がない。その為、泣く泣く横抱きで我慢している。
それでも我慢出来ずに少し手が出てしまうのは許して欲しい。
雷の頭を撫でたり、軽いキスをして堪能していると不意に雷が「何か用があったのか」と聞いてきた。
追い払った奴のことは言えない。雷に不要な心配をして欲しくない。
「ん?あぁ、偶々近くを通りかかったから顔を出そうと思っただけだ」
「そうだったんですね。あれ?でもそれじゃあ僕がいたから挨拶とか出来てないんじゃ……」
雷はそれを聞いて申し訳なさそうな顔をして言った。
俺は雷にそんな顔をして欲しくなくて「叔父の店だから顔を出さなくても問題はない」と雷に言った。それを聞いた雷は、
「皇会長の叔父さんだからきっと、かっこいいんだろうなぁ~」
と瞳を輝かせて言った。
____は?
その瞬間、俺の心は嫉妬で黒く染まる。
誰が雷にそんな顔をさせるんだ。
何故よそ見をする?雷は俺だけを見ていればいい。
「雷、そんな顔をして…いったい誰のことを考えていたんだ?ん?」
俺は怒りを抑えきれずに雷に向かって言う。怖がらせないようにと笑ったが、目は笑ってないかもしれない。
雷はそんな俺を眩しいものを見るような目で見る。怖がる様子はないが俺を見てるようで、見ていない。そんな気がして、こちらに意識を向けたくて…俺はこう言った。
「へぇ、言えないのか。なら、そんな事も考えられなくなるほど俺で満たしてやる」
そして雷の唇を奪い、歯で甘噛みをして呼吸さえも奪う。
「…ん、ぁ……はぁ………ふぁっ!?」
雷は息苦しくなったのか、口を少し開けた。
俺はその瞬間を狙って、少し開いた隙間から舌を忍び込ませて雷の官能を引き出すように、口内を蹂躙する。驚いて離れようとする雷の後頭部に手を添え、さらに密着させる。
「ぁ…ふ……んっ、…んぁっ……!」
雷は身体をピクリとさせながら俺の服を握って縋り付いてきた。徐々に雷の瞳が蕩けていく。
怒りはいつの間にか静まり、俺は雷との甘いキスに夢中になっていた。
上顎を舌で丁寧に擦り、唾液を注ぎながら舌を絡ませれば甘い吐息と共に可愛い声を出す。俺の唾液をコクリと飲み込む仕草に俺は我を忘れてもっと、もっと…と欲張りになっていく。
限界だったのか雷が弱々しく俺の胸を叩く。俺は名残惜しく思いながらも唇を離す。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
雷が辛そうに肩で息をしている。
「すまない、やりすぎた…」
雷に申し訳なく思うのと同時に、己の忍耐のなさに不甲斐なく思う。
怒られても仕方がない事をした、そう雷の怒りを覚悟していると、
「ん…だいじょうぶ。すごく、きもちよかったから……」
そう言って雷はふにゃりと笑った。
俺は思わず、雷の肩に額を乗せてため息を漏らした。
____俺が雷を甘やかすよりも、俺が雷の優しさにつけ込んで甘えてしまいそうだ。
でも、そんな雷だから俺は好きになった。押しに弱くて、でも責任感が強くて優しくて素直で…。そんな雷だから、俺の唯一なんだ。
「……出来る限り、我慢する」
俺は雷を抱きしめて、今後もつけ込んでしまうだろうなと自嘲しながらそう言った。
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