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食堂のカレーは美味しい。 【光視点】
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【光視点】
「皇会長、雷に首ったけだったねえ~。雷が言った悪い人じゃないって間違ってないと思うよ、僕は。噂は当てにならないねー」
謎に包まれてる人物が多い生徒会の噂は良くも悪くも耳に入る。その殆どがバース性についてや容姿や家柄、能力に関する事で生徒会役員は全員眉目秀麗だと言われている。彼らは行事の際時人前に出るがそれ以外は基本姿を見せず、何をしているかも分からない。
だからこそ噂が後を経たない。例えば、生徒会長は美形だけど性格がキツイとか、書記は隠れ美形だとか。本当に色々…。雷には絶対聞かせられない噂もある。大抵は褒めてる内容だけど妬んで悪口を言う奴もいた。
バース性については表立って噂する事は人権に関わる為良しとされていない。それでも噂をする奴はいるもので…。
僕が聞いた限りは生徒会長はα。これは間違いないと思う。だって僕らとは明らかに格が違ったからね。副会長と書記はβで会計はΩ、庶務はαだと噂されている。殆どが容姿から想像した結果だと思う。
個人差はあれど、バース性による体格の違いはあるからね。
そんな噂を思い出しながら食堂で日替わりメニューのカレーを食べ、しかめ面をしている正面に座る友人に話しかける。
傍から見れば不味そうにカレーを食べているように見えるだろう。だがそうでなく、彼の心に思うところがあってそんな顔になっているのを僕は知っている。
「分かっちゃいるが気に食わない。雷も嬉しそうにしやがって……」
はぁ…重症だねぇ。
思わず出そうになったため息を飲み込み、友人に喝を入れる。
「雷のこと好きなら本気で行きなよ。じゃないとすぐに会長さんに取られるよ?雷も満更じゃなさそうだし?」
拓は雷に一年の頃から思いを寄せている。
僕と拓也は家が近い幼馴染で、幼い頃から一緒に行動していた。小・中・高ともに同じ所に通った。
そんな中で一年の頃に僕と拓也は雷に出会った。初めはただのクラスメイトで用件があれば話し掛ける程度。ある日、授業内で同じグループになり、それから話すようになった。
人見知りの雷は当初かなり緊張した様子だったけど、話しているうちに自然と壁がなくなってよく笑顔を見せてくれるようになった。
雷は僕から見てもとっても可愛くて。
本人は自覚がないみたいだけど、当初の恥ずかしそうにはにかむ控えめな笑顔も、今の嬉しさを隠さずに笑う顔も最高に可愛い。
ころころ表情が変わってさ、ちっちゃいから余計に愛でたくなるんだよねぇ。
僕は親愛の情で接していたが、拓は違ったらしい。一年も見ていれば流石に気づくというもの。折角二年生になっても同じクラスだったのに全然アピールしないんだもの。見ているこっちは随分とヤキモキさせられた。
僕は雷の気持ちを尊重したい。
「拓がいいならいいけどね」
挑発するように不敵に微笑んで、カレーを口に運んだ。
「皇会長、雷に首ったけだったねえ~。雷が言った悪い人じゃないって間違ってないと思うよ、僕は。噂は当てにならないねー」
謎に包まれてる人物が多い生徒会の噂は良くも悪くも耳に入る。その殆どがバース性についてや容姿や家柄、能力に関する事で生徒会役員は全員眉目秀麗だと言われている。彼らは行事の際時人前に出るがそれ以外は基本姿を見せず、何をしているかも分からない。
だからこそ噂が後を経たない。例えば、生徒会長は美形だけど性格がキツイとか、書記は隠れ美形だとか。本当に色々…。雷には絶対聞かせられない噂もある。大抵は褒めてる内容だけど妬んで悪口を言う奴もいた。
バース性については表立って噂する事は人権に関わる為良しとされていない。それでも噂をする奴はいるもので…。
僕が聞いた限りは生徒会長はα。これは間違いないと思う。だって僕らとは明らかに格が違ったからね。副会長と書記はβで会計はΩ、庶務はαだと噂されている。殆どが容姿から想像した結果だと思う。
個人差はあれど、バース性による体格の違いはあるからね。
そんな噂を思い出しながら食堂で日替わりメニューのカレーを食べ、しかめ面をしている正面に座る友人に話しかける。
傍から見れば不味そうにカレーを食べているように見えるだろう。だがそうでなく、彼の心に思うところがあってそんな顔になっているのを僕は知っている。
「分かっちゃいるが気に食わない。雷も嬉しそうにしやがって……」
はぁ…重症だねぇ。
思わず出そうになったため息を飲み込み、友人に喝を入れる。
「雷のこと好きなら本気で行きなよ。じゃないとすぐに会長さんに取られるよ?雷も満更じゃなさそうだし?」
拓は雷に一年の頃から思いを寄せている。
僕と拓也は家が近い幼馴染で、幼い頃から一緒に行動していた。小・中・高ともに同じ所に通った。
そんな中で一年の頃に僕と拓也は雷に出会った。初めはただのクラスメイトで用件があれば話し掛ける程度。ある日、授業内で同じグループになり、それから話すようになった。
人見知りの雷は当初かなり緊張した様子だったけど、話しているうちに自然と壁がなくなってよく笑顔を見せてくれるようになった。
雷は僕から見てもとっても可愛くて。
本人は自覚がないみたいだけど、当初の恥ずかしそうにはにかむ控えめな笑顔も、今の嬉しさを隠さずに笑う顔も最高に可愛い。
ころころ表情が変わってさ、ちっちゃいから余計に愛でたくなるんだよねぇ。
僕は親愛の情で接していたが、拓は違ったらしい。一年も見ていれば流石に気づくというもの。折角二年生になっても同じクラスだったのに全然アピールしないんだもの。見ているこっちは随分とヤキモキさせられた。
僕は雷の気持ちを尊重したい。
「拓がいいならいいけどね」
挑発するように不敵に微笑んで、カレーを口に運んだ。
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