パシリの僕が不良の恋人に昇格した日

めっちゃ抹茶

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告白

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「オイ、笹原ァ!」

 校内一有名な不良が僕を呼んでいる。僕の1日は不良の怒号から始まる。
 
 毎朝校門前で騒がないで欲しい。
僕は目立つのが嫌いなんだ。あぁ、分かってるよ。もう手遅れだって。
 周りの生徒は毎度のことで驚きもしない。アイツまたか、って。哀れみの目が僕に向けられる。やめてよ。同情するなら変わってくれよ。もう辛いんだ。

「オイ、こっちに来い」

 今日はいつもと様子が違った。いつもなら眉間に皺を寄せて怒りながらパシリを命じられるのに。

 眉間に皺を寄せているが、今日は一段と深い。おかしい。何かが変だ。その疑問はすぐに分かった。

 僕と目が合わないんだ。

 いつもなら頻繁に目が合うと睨みつけられる。それが今日は全く合わない。合わせようとしても逸らされる。

 なんなんだ!なぜだか無性にイライラする。

 しかしその苛つきも不良の一言で吹き飛んでしまった。

「笹原、俺の恋人になれ」

 ーーーは?

 驚きすぎて鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる。ちょ、ちょっと待て。理解が追いつかないんだが。

 無言のまま固まった僕に苛ついたのか、腕を掴み引き寄せた。

「ーーーはっ、え、ちょ、待っ」

 顎を掴み上を向かされ、顔が近づく。そしてそのままキスをされた。

「は、まっ……ふ、…ん、ま、待って………!」

 強引に唇を割り分厚い男らしい舌が差し込まれ、蹂躙される。
 舌同士が絡み合い、卑猥な音が隙間から漏れる。

 否定しなきゃいけないのに…別に好きじゃないって。嫌いだって言わなきゃなのに。
 好きな人とのキスは蕩けるほど甘くて気持ち良くて、嫌いの一言さえ口から出て来てくれない。
 逆に気を抜けば、好きだと言ってしまいそうだ。

「……はァ、流星………好きだ」

 崩れ落ちた僕の身体をガッチリとした腕で支えて力強く抱きしめられながら、甘い吐息と共に耳元で囁かれた。

 そんなのっ…もう、無理じゃんかぁ。

 既に男の手に堕ちているこの身は碌に抵抗もできずに、男の広くて分厚い胸板に身を預けた。

 ただ、一つだけ。完全に堕ちてしまう前にこの男に聞かなきゃいけない。

「僕、淫魔だけど……それでもいいですか」

 そう言って淫魔の証であるくるりと丸まった二本の角と先端がハート型の尻尾を見せた。

「ククッ。ああ、構わねーよ。お前が淫魔なのは嬉しい誤算だなァ。俺ァ、鬼だからな」

 鬼は意地の悪い笑みを湛えて鬼の証である一本のツノを出した。

 あぁ、本当に嬉しい誤算だ。

「嬉しいです。これからいっぱい、いーっぱい、愛し合いましょうね。龍先輩」

「腹一杯になっても愛してやるよ」

「ん、嬉しい…僕のここが先輩のでイッパイになるんだ……」

 先輩のモノが入ってたくさん愛されて、お腹がいっぱいになるのを想像して自分の下腹をさする。
 想像だけでお腹の奥がきゅんとした。

「ククッ、早々に孕んじまうかもなァ。何人子ども作れるか、試すか」

 そんなふうに僕との未来があることを言われたら、早く愛し合いたくて堪らなくなる。身体の奥が疼いて先輩を欲している。
 体温と息が上がる。呼吸が乱れてしまう。

「先輩とずっといられるの、嬉しい。ンッ……先輩、早く先輩の、欲しい」

「ククッ、だらしねぇ淫魔だなァ。ま、俺も限界だしな。俺の部屋、行きてーか?」

「ぅんっ、連れてって……二人きりになれるところまで」

「お安い御用だな。捕まってろよ」

 そう言って僕の身体を横向きに抱き抱えて、二人は姿を消した。
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