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第二部(アレク編)
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……アレクだわ。
癖のある少しうねった金髪も、ルビーのように綺麗な赤い瞳の三白眼も、鋭い鼻も、薄い唇も全部全部アレクだ……! でも前よりも未発達な細い身体がなんだか心にグッと来るものがあるわね。
どうしよう。もう一度会えたらすぐにでも求婚しなくちゃと思っていたのに、顔を見てしまったらドキドキしすぎて何も言えなくなってしまった。
そもそもアレクは平民だと思っていたからすぐ求婚! と考えていたけれど、公爵令息ってどういうことなの。しかも兵士だったって言っていたくせに王国騎士様ってどういうことなの。もう格好良すぎて倒れそうなんですけれど!?
「アニー? どうした固まってしまって」
お父様に言われて我に帰る。ご挨拶してから顔を見つめたままだったわ。なんて失礼な挙動をしてしまったのかしら。
「侯爵、気にしないでください。婦女子に怖がられる容貌であることは自覚していますし、慣れていますから」
「怖いだなんてとんでもない! 素敵過ぎて見惚れていただけですわ! ご無礼をお許しください」
慌てて訂正する。確かにアレクは強面ではあるけれど、それがいいの。そこも素敵なの。
あぁ、ちょっと待って。一度落ち着かなきゃ。このままじゃ挙動不審で変な子供だと思われてしまうわ。
「まだこんなに小さいのに、子供らしくない言葉遣いをするものだ。頭が良いのだな」
アレクがそう言って、私の頭を軽くポンポンと撫でてくれる。
顔に熱がブワーっと集まっているのが分かる。頭の中はもう『好き』と『格好良い』で埋め尽くされてしまった。
私の(未来の)夫(予定)が格好良すぎて、しんどい。
「その、アレキサンダー卿は本日どうしてこちらに?」
私が内心悶えていると、お兄様がそう尋ねた。そうよ。私もそれが気になっていたのよ。
「オスカー殿に会いに来たのだ」
「私にですか?」
「というのも、以前侯爵から俺の父宛に手紙を貰ってな。オスカー殿が王国騎士を目指しているので俺の剣術の指南役を教えてもらえないだろうか、といった内容だ。しかし、俺が剣を習ったのは騎士団長である父だったから、さすがにオスカー殿の指南役にという訳にいかない。そこで、父に代わって俺がオスカー殿に指南するのはどうだろうかと提案に参ったのだ」
えっ! 何それ最高なんですが!? アレクが定期的に来てくれるなんて最高の極みなのですが!?
お兄様も『憧れのアレキサンダー卿直々に!?』と喜びが顔に丸出しになっている。
二人して、いいの? いいの? という視線をお父様に向けた。
「私はアレキサンダー卿がそのように言ってくれるのであれば大変有り難い話だと思って、こちらにお招きしたのだ」
「で! では本当にっ!?」
「長く続く平和な治世は幸せなことだが、武勲をあげる機会のない騎士職はどんどんと不人気になっている。そんな中で侯爵家の跡取りが騎士に憧れて、なりたいと言っていると知り、俺も嬉しく思ったのだ。まずは従騎士試験の突破を目指して一緒に頑張ろう」
「はい!!」
お兄様、よかったですね! という気持ちももちろんあるのだが、自分がアレクに会えることが嬉しいというのが大半だ。お兄様もお父様もグッジョブです!!
とにかく私はアレクに猛アピールして、婚約者に選んでもらわなければ!!
癖のある少しうねった金髪も、ルビーのように綺麗な赤い瞳の三白眼も、鋭い鼻も、薄い唇も全部全部アレクだ……! でも前よりも未発達な細い身体がなんだか心にグッと来るものがあるわね。
どうしよう。もう一度会えたらすぐにでも求婚しなくちゃと思っていたのに、顔を見てしまったらドキドキしすぎて何も言えなくなってしまった。
そもそもアレクは平民だと思っていたからすぐ求婚! と考えていたけれど、公爵令息ってどういうことなの。しかも兵士だったって言っていたくせに王国騎士様ってどういうことなの。もう格好良すぎて倒れそうなんですけれど!?
「アニー? どうした固まってしまって」
お父様に言われて我に帰る。ご挨拶してから顔を見つめたままだったわ。なんて失礼な挙動をしてしまったのかしら。
「侯爵、気にしないでください。婦女子に怖がられる容貌であることは自覚していますし、慣れていますから」
「怖いだなんてとんでもない! 素敵過ぎて見惚れていただけですわ! ご無礼をお許しください」
慌てて訂正する。確かにアレクは強面ではあるけれど、それがいいの。そこも素敵なの。
あぁ、ちょっと待って。一度落ち着かなきゃ。このままじゃ挙動不審で変な子供だと思われてしまうわ。
「まだこんなに小さいのに、子供らしくない言葉遣いをするものだ。頭が良いのだな」
アレクがそう言って、私の頭を軽くポンポンと撫でてくれる。
顔に熱がブワーっと集まっているのが分かる。頭の中はもう『好き』と『格好良い』で埋め尽くされてしまった。
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「その、アレキサンダー卿は本日どうしてこちらに?」
私が内心悶えていると、お兄様がそう尋ねた。そうよ。私もそれが気になっていたのよ。
「オスカー殿に会いに来たのだ」
「私にですか?」
「というのも、以前侯爵から俺の父宛に手紙を貰ってな。オスカー殿が王国騎士を目指しているので俺の剣術の指南役を教えてもらえないだろうか、といった内容だ。しかし、俺が剣を習ったのは騎士団長である父だったから、さすがにオスカー殿の指南役にという訳にいかない。そこで、父に代わって俺がオスカー殿に指南するのはどうだろうかと提案に参ったのだ」
えっ! 何それ最高なんですが!? アレクが定期的に来てくれるなんて最高の極みなのですが!?
お兄様も『憧れのアレキサンダー卿直々に!?』と喜びが顔に丸出しになっている。
二人して、いいの? いいの? という視線をお父様に向けた。
「私はアレキサンダー卿がそのように言ってくれるのであれば大変有り難い話だと思って、こちらにお招きしたのだ」
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「はい!!」
お兄様、よかったですね! という気持ちももちろんあるのだが、自分がアレクに会えることが嬉しいというのが大半だ。お兄様もお父様もグッジョブです!!
とにかく私はアレクに猛アピールして、婚約者に選んでもらわなければ!!
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