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番外編
ひとりぼっちになって気付くバカ(前)
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※side新見
クリスマスイヴ。
女の子と遊ぶ予定が入っている。別に俺を好きとかそんなんじゃなくて、友達とダブルデートすることになっちゃったけど男を作れなかったっていうだけ。で、軽く利用されちゃったみたいな。
まぁ俺もその子が好きとかそういうんじゃないけど、とりあえず可愛いから行っとけーっていうノリ。そんな子はたくさんいる。
淳平さんがいたら、たぶん合コン誘ってくれて一緒に騒いで楽しかったんだろうなって思うんだけど、研修とか言ってどっかに行ってしまった。
去年デートのハシゴしてんのにクリスマスに会えたからってまじになった子がいてめんどくせーことになったって話してたから逃げたんだろうなって思う。研修行くからって言えばデートの誘いも断りやすいし。
そういう、なんつーんだろな。淳平さんがモテるの……ちょっと前まではただかっこいいなって思ってただけなのに、最近はなんかむかつくんだよな。いっつも女のことばっか考えてるし、合コンとバイトばっかして、全然家帰って来ねーし。
淳平さんはずっと出会う前からそういう人なのは分かってんのに、考えると、とにかくむかつくんだよ。
とかって悶々としながら適当にダブルデートして、なんだかんだでお持ち帰りできそうっつー空気になったところで電話が鳴った。
「あ、ごめん。ちょっと電話出るわ」
女の子がどっか行ってしまわないように軽く手を握った。ここまで来て帰られちゃったらつらい。
「はいはーい。どうしたんすか?」
「別に。お前何してんのかなーって」
「は? イヴの夜に電話してきて何してんのかなって何すか。そんなもんデートしてるに決まってんでしょ」
「は? 誰と?」
「淳平さんに関係ないっしょそんなん。てか今いいとこなんで邪魔すんなって話だわ。んじゃね~」
なんか言ってたけど切った。
淳平さんなんか俺のことほっぽって知らない内に研修行くとか決めて教えてもくれなかったくせに電話とかしてくんなバカ。お母さんに聞かなかったら出発まで知らなかったっつの。一日二日だったら別にどうでもいいけど、二週間もいなくなんのに。冬休み丸々いなくなんのに、なんで俺に教えてくんねーの。
寂しいの、俺だけなの?
そんな感じで冬休みは悶々とし続けていて、まぁイヴはそれなりに楽しんだわけだけど、心ん中はモヤモヤでいっぱい。
大晦日はサークルの淳平さんと竹下さんを除いたメンツと、夏に海で遊んだ女の子達と遊んだ。っつっても、小野さんと三木さんは相変わらずだし、モトは彼女とイチャついてるし、女の子達と絡んでたのほぼ俺とユキだけだったけど。
年明けてからなんか初詣行くっていう女の子達とは解散して、サークルメンバーとモトの彼女だけになってこのあとどうする? って話になった。
「初日の出でも見に行く?」
小野さんがいいこと言った。
「いいっすね! どこ行って見ます?」
ユキが乗った。
どこ行って初日の出見るかって考えたら一個しか浮かばない。
「茨城」
「は?」
「淳平さんのいることで一緒に見たい」
いつもみたいに、何言ってんだこいつ。って顔をされるかなって思ってたら、別にいんじゃね? みたいな空気で逆にビビった。
「でも始発待ってたら初日の出間に合わねーし、タクシー使ったらアホみてーな値段になるぞ?」
三木さんが至極真っ当な意見を言う。でも俺には当てがあった。
「小野さん、運転できるっすよね?」
「あ? あー、できるけど、車はねーぞ? レンタカー屋って今開いてるか?」
「淳平さんの車借りましょ」
「は?」
今度こそ、何言ってんだこいつ。って顔をされた。
だって淳平さんの車だったら全員乗れるし、お母さんかお姉さんに言ったら貸してくれると思うし、淳平さんもたぶん怒らない。
「俺は知らねーぞ。霧島に怒られんのはお前だからな」
三木さんが言った。
でも大丈夫。淳平さんは怒らない。だから俺は、……だから? だから、淳平さんの隣にいつだっていたくて。だから、俺だけの淳平さんでいてほしい。なんて思っている……と、今気付いた。
クリスマスイヴ。
女の子と遊ぶ予定が入っている。別に俺を好きとかそんなんじゃなくて、友達とダブルデートすることになっちゃったけど男を作れなかったっていうだけ。で、軽く利用されちゃったみたいな。
まぁ俺もその子が好きとかそういうんじゃないけど、とりあえず可愛いから行っとけーっていうノリ。そんな子はたくさんいる。
淳平さんがいたら、たぶん合コン誘ってくれて一緒に騒いで楽しかったんだろうなって思うんだけど、研修とか言ってどっかに行ってしまった。
去年デートのハシゴしてんのにクリスマスに会えたからってまじになった子がいてめんどくせーことになったって話してたから逃げたんだろうなって思う。研修行くからって言えばデートの誘いも断りやすいし。
そういう、なんつーんだろな。淳平さんがモテるの……ちょっと前まではただかっこいいなって思ってただけなのに、最近はなんかむかつくんだよな。いっつも女のことばっか考えてるし、合コンとバイトばっかして、全然家帰って来ねーし。
淳平さんはずっと出会う前からそういう人なのは分かってんのに、考えると、とにかくむかつくんだよ。
とかって悶々としながら適当にダブルデートして、なんだかんだでお持ち帰りできそうっつー空気になったところで電話が鳴った。
「あ、ごめん。ちょっと電話出るわ」
女の子がどっか行ってしまわないように軽く手を握った。ここまで来て帰られちゃったらつらい。
「はいはーい。どうしたんすか?」
「別に。お前何してんのかなーって」
「は? イヴの夜に電話してきて何してんのかなって何すか。そんなもんデートしてるに決まってんでしょ」
「は? 誰と?」
「淳平さんに関係ないっしょそんなん。てか今いいとこなんで邪魔すんなって話だわ。んじゃね~」
なんか言ってたけど切った。
淳平さんなんか俺のことほっぽって知らない内に研修行くとか決めて教えてもくれなかったくせに電話とかしてくんなバカ。お母さんに聞かなかったら出発まで知らなかったっつの。一日二日だったら別にどうでもいいけど、二週間もいなくなんのに。冬休み丸々いなくなんのに、なんで俺に教えてくんねーの。
寂しいの、俺だけなの?
そんな感じで冬休みは悶々とし続けていて、まぁイヴはそれなりに楽しんだわけだけど、心ん中はモヤモヤでいっぱい。
大晦日はサークルの淳平さんと竹下さんを除いたメンツと、夏に海で遊んだ女の子達と遊んだ。っつっても、小野さんと三木さんは相変わらずだし、モトは彼女とイチャついてるし、女の子達と絡んでたのほぼ俺とユキだけだったけど。
年明けてからなんか初詣行くっていう女の子達とは解散して、サークルメンバーとモトの彼女だけになってこのあとどうする? って話になった。
「初日の出でも見に行く?」
小野さんがいいこと言った。
「いいっすね! どこ行って見ます?」
ユキが乗った。
どこ行って初日の出見るかって考えたら一個しか浮かばない。
「茨城」
「は?」
「淳平さんのいることで一緒に見たい」
いつもみたいに、何言ってんだこいつ。って顔をされるかなって思ってたら、別にいんじゃね? みたいな空気で逆にビビった。
「でも始発待ってたら初日の出間に合わねーし、タクシー使ったらアホみてーな値段になるぞ?」
三木さんが至極真っ当な意見を言う。でも俺には当てがあった。
「小野さん、運転できるっすよね?」
「あ? あー、できるけど、車はねーぞ? レンタカー屋って今開いてるか?」
「淳平さんの車借りましょ」
「は?」
今度こそ、何言ってんだこいつ。って顔をされた。
だって淳平さんの車だったら全員乗れるし、お母さんかお姉さんに言ったら貸してくれると思うし、淳平さんもたぶん怒らない。
「俺は知らねーぞ。霧島に怒られんのはお前だからな」
三木さんが言った。
でも大丈夫。淳平さんは怒らない。だから俺は、……だから? だから、淳平さんの隣にいつだっていたくて。だから、俺だけの淳平さんでいてほしい。なんて思っている……と、今気付いた。
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