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番外編
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「おーっす。任務完了。まだ生きてる?」
え! いきなり何の話!?
「全然問題ないって。なんか自分から出て来た感じ。……で? まだ生きてる?」
何が死にそうになってんだ!?
「しばらくは戻らねぇけど心配しなくていいよ。大したことじゃねぇし。もしかしてもう切っちゃった感じ?」
切っちゃったって!? 何を!?
「んー、1、2時間ってとこかな。なぁ、まだ首繋がってんのか答えてよ」
首かよ! 繋がっててくれ!! 突然始まった会話内容が怖すぎる!
「知らねぇ方がいいと思うけど? まあ俺は言わないよ。そのうち分かるし。でさ、まじでやっちゃった?」
殺っちゃった!!?
「まあ明日には? あ、まだ生きてるみたいだな。安心したわ」
俺もー!! よかった!! 誰のことか知らねぇけど生きててよかったよ!!
「って訳だから。またタロのことご飯でも何でも誘ってやってよ。あれですげー寂しがりだからさ」
もう全っ然会話が見えないけど、解決したみたいでよかったよかった!!
「んじゃねー。……悪い、かづっちゃん。じゃあリサーチすっか。何て聞いたらいい? 誕生日プレゼントに何を貰ったら嬉しいかとかでいい?」
「はい! 完璧っす! ありがとうございます!」
「よーし、ちょっと待っててな」
鈴音さんがご友人に質問してから数分。その答えが出揃った。高校時代のご友人たちに聞いたみたいで、全員が全員、鈴音さんから貰いたいプレゼントを考えたらしい。ニュアンスは違うけど、簡単に言うとこんな感じ。
「お願いを何でも一回聞いてもらう権利って感じか」
「それって相手が鈴音さんだからじゃないんですか? 鈴音さんだったら何でもできるし……」
「でも俺、あいつらの依頼だったら特別価格で聞いてんのに。何か誕生日でもねぇと言いにくいことでもあんのかな?」
そこで俺はピン! ときた。狼さんを見ていたら分かる。たぶん、エロいことだ!
『ねぇ、リン? 俺○○するから、あとで褒めてくれる?』
『おう。頑張れよ』
『頭撫でてくれる?』
『いいぞ』
『ぎゅってしていい? チューは?』
『おい。お前、調子乗んなよ?』
狼さんは鈴音さんの前だといっつもこんな感じ。だからみんなそういうお願い事がしたいんだな! だってこんなに美術品みたいに綺麗で、優しい人、学校にいたら好きにならないわけないもん! しかも男子校でゲイ文化が根強かったとか言ってたし。
つまり……。
「それを俺がしても結城が喜ぶとは思えねぇなぁ」
スキンシップなんか当たり前。キスだって毎日してくる。頭なんか撫でても嬉しくねぇだろうし。
「けどさ、俺思ったんだけど、金で買えるもんなんかやっぱいらなくね? 巽さん」
「やっぱそう思います?」
「うん。何でも買えるじゃん」
「ですよね」
「逆に形に残らねぇ物の方がいいんじゃねぇか? 例えば食べ物とか。誕生日だし、ケーキとか普通に嬉しいぞ」
「あ、いいですねそれ!」
「かづっちゃんの手作りだったらもっと喜んで貰えると思うぜ?」
「……ケーキなんか作れるかな、俺」
一般的な食事だったら作れるけど、お菓子類、特にケーキなんか作ったことないな。
「じゃあ俺が一緒に作ってやるよ! ケーキなら得意中の得意だ」
え! いきなり何の話!?
「全然問題ないって。なんか自分から出て来た感じ。……で? まだ生きてる?」
何が死にそうになってんだ!?
「しばらくは戻らねぇけど心配しなくていいよ。大したことじゃねぇし。もしかしてもう切っちゃった感じ?」
切っちゃったって!? 何を!?
「んー、1、2時間ってとこかな。なぁ、まだ首繋がってんのか答えてよ」
首かよ! 繋がっててくれ!! 突然始まった会話内容が怖すぎる!
「知らねぇ方がいいと思うけど? まあ俺は言わないよ。そのうち分かるし。でさ、まじでやっちゃった?」
殺っちゃった!!?
「まあ明日には? あ、まだ生きてるみたいだな。安心したわ」
俺もー!! よかった!! 誰のことか知らねぇけど生きててよかったよ!!
「って訳だから。またタロのことご飯でも何でも誘ってやってよ。あれですげー寂しがりだからさ」
もう全っ然会話が見えないけど、解決したみたいでよかったよかった!!
「んじゃねー。……悪い、かづっちゃん。じゃあリサーチすっか。何て聞いたらいい? 誕生日プレゼントに何を貰ったら嬉しいかとかでいい?」
「はい! 完璧っす! ありがとうございます!」
「よーし、ちょっと待っててな」
鈴音さんがご友人に質問してから数分。その答えが出揃った。高校時代のご友人たちに聞いたみたいで、全員が全員、鈴音さんから貰いたいプレゼントを考えたらしい。ニュアンスは違うけど、簡単に言うとこんな感じ。
「お願いを何でも一回聞いてもらう権利って感じか」
「それって相手が鈴音さんだからじゃないんですか? 鈴音さんだったら何でもできるし……」
「でも俺、あいつらの依頼だったら特別価格で聞いてんのに。何か誕生日でもねぇと言いにくいことでもあんのかな?」
そこで俺はピン! ときた。狼さんを見ていたら分かる。たぶん、エロいことだ!
『ねぇ、リン? 俺○○するから、あとで褒めてくれる?』
『おう。頑張れよ』
『頭撫でてくれる?』
『いいぞ』
『ぎゅってしていい? チューは?』
『おい。お前、調子乗んなよ?』
狼さんは鈴音さんの前だといっつもこんな感じ。だからみんなそういうお願い事がしたいんだな! だってこんなに美術品みたいに綺麗で、優しい人、学校にいたら好きにならないわけないもん! しかも男子校でゲイ文化が根強かったとか言ってたし。
つまり……。
「それを俺がしても結城が喜ぶとは思えねぇなぁ」
スキンシップなんか当たり前。キスだって毎日してくる。頭なんか撫でても嬉しくねぇだろうし。
「けどさ、俺思ったんだけど、金で買えるもんなんかやっぱいらなくね? 巽さん」
「やっぱそう思います?」
「うん。何でも買えるじゃん」
「ですよね」
「逆に形に残らねぇ物の方がいいんじゃねぇか? 例えば食べ物とか。誕生日だし、ケーキとか普通に嬉しいぞ」
「あ、いいですねそれ!」
「かづっちゃんの手作りだったらもっと喜んで貰えると思うぜ?」
「……ケーキなんか作れるかな、俺」
一般的な食事だったら作れるけど、お菓子類、特にケーキなんか作ったことないな。
「じゃあ俺が一緒に作ってやるよ! ケーキなら得意中の得意だ」
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