30 / 108
本編
2-7
しおりを挟む
……お、怒ったって俺めげないもん! 全然怖くないしー! ちょ、ちょっと怖い顔したくらいでビビる俺じゃねぇんだからなー!
「お、怒ってる……?」
はい、ごめんなさい。嘘です! 怖いです! ていうか、嫌われたくないという意味でも恐いです!
「……ちょっと黙ってろ」
「はい」
めちゃくちゃ怒ってるー!! ああ、嫌だ……なぜ俺はお膝抱っこなどをされているのかしら。ていうか結城め、ガッツリ抱き締めやがって逃げる余地すらない。あーこわいこわいこわいこわいこわいよー!!
そして、しばらくの沈黙を耐え抜いた俺に追い打ちがかかる。俺の肩に頭を乗せとる状態の結城が盛大に溜め息を吐いた。正直ビクッとしました。はい。
「……花月」
「はいっ」
「……ここにいるのはそんなに嫌か?」
「は!? 嫌じゃねぇよ! 何でそんなこと言うんだ? 俺は……」
おーっと? これは言ってもいいのか? 言うぞ俺は。顔見えてない言うぞ。
「お、俺は、結城といたい!」
言ったー! 言ってやったぞー! 半分告白じゃねぇかこれ! やべー! ドキドキする!!
「うわっ!? ……え?」
押し倒されてる俺!? いつの間にこうなった! そして結城のドアップ! 心臓もたねぇから顔逸らしますね。いやもうまじこんなのダメだってテンパるってやばいやばいドキドキしすぎて死ぬ!
「こっち向け」
「えー、えーと、今むり!」
「あぁ? ……あー、もういい。……悪い。ぶっとんだ」
『ぶっとんだ』という謎の言葉を発して、結城が俺の上から退いた。そのまま向かいのソファにまで移動して行く。おおう……身が持たねぇ。結城が好きだと自覚してから、この距離感にドッキンドッキンしまくりだ!
「……で?」
「え。でって、何?」
「ここにいるのが嫌じゃねぇなら、何でバイトしたいって話になるんだ?」
「だから、お金だって」
「だから。いくらでも渡すっつってんだろ。バカかお前は」
「何もしてねぇのに金なんか貰えるか! 働くの。お金は働いて貰うものなの!」
「あのな。分かってねぇようだから言うぞ。俺は金を出す。その代わりにお前はここにいる。それだけの話だろうが」
「はぁ?」
んんー? 理解できないのはやっぱ俺がバカだからなのか?
結城がお金を出す。はい。借金の肩代わりをしてくれたね。その金で俺を買ったから、俺は結城のものだとかなんとかかんとか……。で、こないだの話では、大学卒業まで面倒見てくれるとかいうことになったような。
「ごめん。全然分かんねぇ。結城がお金を出してくれるんは感謝してる。で、ここにタダで住まわせてくれて、メシも食べさせて貰って、何でさらに金まで貰うことになんのか俺には全く理解ができねぇんだけど?」
「……お前、まさかとは思うが、俺に本気で感謝なんざしてんじゃねぇだろうな?」
「当たり前だろ。は? 何で感謝してねぇと思ってんのかが分かんねぇ」
「お前……バカだろ……」
「バカバカ言うな! バカって言う奴がバカ!」
「……何で俺がこんなことを一から説明しねぇといけねんだ……。あのな、普通は嫌だろ。身に覚えの無い借金の肩代わりしたからなんて、ヤクザに買われて自由奪われて、……手まで出されてんだぞ。何を全部受け入れて感謝してんだよバカか。何回でも言ってやる。バカだろお前」
「お、怒ってる……?」
はい、ごめんなさい。嘘です! 怖いです! ていうか、嫌われたくないという意味でも恐いです!
「……ちょっと黙ってろ」
「はい」
めちゃくちゃ怒ってるー!! ああ、嫌だ……なぜ俺はお膝抱っこなどをされているのかしら。ていうか結城め、ガッツリ抱き締めやがって逃げる余地すらない。あーこわいこわいこわいこわいこわいよー!!
そして、しばらくの沈黙を耐え抜いた俺に追い打ちがかかる。俺の肩に頭を乗せとる状態の結城が盛大に溜め息を吐いた。正直ビクッとしました。はい。
「……花月」
「はいっ」
「……ここにいるのはそんなに嫌か?」
「は!? 嫌じゃねぇよ! 何でそんなこと言うんだ? 俺は……」
おーっと? これは言ってもいいのか? 言うぞ俺は。顔見えてない言うぞ。
「お、俺は、結城といたい!」
言ったー! 言ってやったぞー! 半分告白じゃねぇかこれ! やべー! ドキドキする!!
「うわっ!? ……え?」
押し倒されてる俺!? いつの間にこうなった! そして結城のドアップ! 心臓もたねぇから顔逸らしますね。いやもうまじこんなのダメだってテンパるってやばいやばいドキドキしすぎて死ぬ!
「こっち向け」
「えー、えーと、今むり!」
「あぁ? ……あー、もういい。……悪い。ぶっとんだ」
『ぶっとんだ』という謎の言葉を発して、結城が俺の上から退いた。そのまま向かいのソファにまで移動して行く。おおう……身が持たねぇ。結城が好きだと自覚してから、この距離感にドッキンドッキンしまくりだ!
「……で?」
「え。でって、何?」
「ここにいるのが嫌じゃねぇなら、何でバイトしたいって話になるんだ?」
「だから、お金だって」
「だから。いくらでも渡すっつってんだろ。バカかお前は」
「何もしてねぇのに金なんか貰えるか! 働くの。お金は働いて貰うものなの!」
「あのな。分かってねぇようだから言うぞ。俺は金を出す。その代わりにお前はここにいる。それだけの話だろうが」
「はぁ?」
んんー? 理解できないのはやっぱ俺がバカだからなのか?
結城がお金を出す。はい。借金の肩代わりをしてくれたね。その金で俺を買ったから、俺は結城のものだとかなんとかかんとか……。で、こないだの話では、大学卒業まで面倒見てくれるとかいうことになったような。
「ごめん。全然分かんねぇ。結城がお金を出してくれるんは感謝してる。で、ここにタダで住まわせてくれて、メシも食べさせて貰って、何でさらに金まで貰うことになんのか俺には全く理解ができねぇんだけど?」
「……お前、まさかとは思うが、俺に本気で感謝なんざしてんじゃねぇだろうな?」
「当たり前だろ。は? 何で感謝してねぇと思ってんのかが分かんねぇ」
「お前……バカだろ……」
「バカバカ言うな! バカって言う奴がバカ!」
「……何で俺がこんなことを一から説明しねぇといけねんだ……。あのな、普通は嫌だろ。身に覚えの無い借金の肩代わりしたからなんて、ヤクザに買われて自由奪われて、……手まで出されてんだぞ。何を全部受け入れて感謝してんだよバカか。何回でも言ってやる。バカだろお前」
21
お気に入りに追加
451
あなたにおすすめの小説
嫌われ公式愛妾役ですが夫だけはただの僕のガチ勢でした
ナイトウ
BL
BL小説大賞にご協力ありがとうございました!!
CP:不器用受ガチ勢伯爵夫攻め、女形役者受け
相手役は第11話から出てきます。
ロストリア帝国の首都セレンで女形の売れっ子役者をしていたルネは、皇帝エルドヴァルの為に公式愛妾を装い王宮に出仕し、王妃マリーズの代わりに貴族の反感を一手に受ける役割を引き受けた。
役目は無事終わり追放されたルネ。所属していた劇団に戻りまた役者業を再開しようとするも公式愛妾になるために偽装結婚したリリック伯爵に阻まれる。
そこで仕方なく、顔もろくに知らない夫と離婚し役者に戻るために彼の屋敷に向かうのだった。
【完結】嘘はBLの始まり
紫紺
BL
現在売り出し中の若手俳優、三條伊織。
突然のオファーは、話題のBL小説『最初で最後のボーイズラブ』の主演!しかもW主演の相手役は彼がずっと憧れていたイケメン俳優の越前享祐だった!
衝撃のBLドラマと現実が同時進行!
俳優同士、秘密のBLストーリーが始まった♡
※番外編を追加しました!(1/3)
4話追加しますのでよろしくお願いします。

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?


弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!
灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」
そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。
リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。
だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く。が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。
みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。
追いかけてくるまで説明ハイリマァス
※完結致しました!お読みいただきありがとうございました!
※11/20 短編(いちまんじ)新しく書きました!
※12/14 どうしてもIF話書きたくなったので、書きました!これにて本当にお終いにします。ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる