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本編
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……お、怒ったって俺めげないもん! 全然怖くないしー! ちょ、ちょっと怖い顔したくらいでビビる俺じゃねぇんだからなー!
「お、怒ってる……?」
はい、ごめんなさい。嘘です! 怖いです! ていうか、嫌われたくないという意味でも恐いです!
「……ちょっと黙ってろ」
「はい」
めちゃくちゃ怒ってるー!! ああ、嫌だ……なぜ俺はお膝抱っこなどをされているのかしら。ていうか結城め、ガッツリ抱き締めやがって逃げる余地すらない。あーこわいこわいこわいこわいこわいよー!!
そして、しばらくの沈黙を耐え抜いた俺に追い打ちがかかる。俺の肩に頭を乗せとる状態の結城が盛大に溜め息を吐いた。正直ビクッとしました。はい。
「……花月」
「はいっ」
「……ここにいるのはそんなに嫌か?」
「は!? 嫌じゃねぇよ! 何でそんなこと言うんだ? 俺は……」
おーっと? これは言ってもいいのか? 言うぞ俺は。顔見えてない言うぞ。
「お、俺は、結城といたい!」
言ったー! 言ってやったぞー! 半分告白じゃねぇかこれ! やべー! ドキドキする!!
「うわっ!? ……え?」
押し倒されてる俺!? いつの間にこうなった! そして結城のドアップ! 心臓もたねぇから顔逸らしますね。いやもうまじこんなのダメだってテンパるってやばいやばいドキドキしすぎて死ぬ!
「こっち向け」
「えー、えーと、今むり!」
「あぁ? ……あー、もういい。……悪い。ぶっとんだ」
『ぶっとんだ』という謎の言葉を発して、結城が俺の上から退いた。そのまま向かいのソファにまで移動して行く。おおう……身が持たねぇ。結城が好きだと自覚してから、この距離感にドッキンドッキンしまくりだ!
「……で?」
「え。でって、何?」
「ここにいるのが嫌じゃねぇなら、何でバイトしたいって話になるんだ?」
「だから、お金だって」
「だから。いくらでも渡すっつってんだろ。バカかお前は」
「何もしてねぇのに金なんか貰えるか! 働くの。お金は働いて貰うものなの!」
「あのな。分かってねぇようだから言うぞ。俺は金を出す。その代わりにお前はここにいる。それだけの話だろうが」
「はぁ?」
んんー? 理解できないのはやっぱ俺がバカだからなのか?
結城がお金を出す。はい。借金の肩代わりをしてくれたね。その金で俺を買ったから、俺は結城のものだとかなんとかかんとか……。で、こないだの話では、大学卒業まで面倒見てくれるとかいうことになったような。
「ごめん。全然分かんねぇ。結城がお金を出してくれるんは感謝してる。で、ここにタダで住まわせてくれて、メシも食べさせて貰って、何でさらに金まで貰うことになんのか俺には全く理解ができねぇんだけど?」
「……お前、まさかとは思うが、俺に本気で感謝なんざしてんじゃねぇだろうな?」
「当たり前だろ。は? 何で感謝してねぇと思ってんのかが分かんねぇ」
「お前……バカだろ……」
「バカバカ言うな! バカって言う奴がバカ!」
「……何で俺がこんなことを一から説明しねぇといけねんだ……。あのな、普通は嫌だろ。身に覚えの無い借金の肩代わりしたからなんて、ヤクザに買われて自由奪われて、……手まで出されてんだぞ。何を全部受け入れて感謝してんだよバカか。何回でも言ってやる。バカだろお前」
「お、怒ってる……?」
はい、ごめんなさい。嘘です! 怖いです! ていうか、嫌われたくないという意味でも恐いです!
「……ちょっと黙ってろ」
「はい」
めちゃくちゃ怒ってるー!! ああ、嫌だ……なぜ俺はお膝抱っこなどをされているのかしら。ていうか結城め、ガッツリ抱き締めやがって逃げる余地すらない。あーこわいこわいこわいこわいこわいよー!!
そして、しばらくの沈黙を耐え抜いた俺に追い打ちがかかる。俺の肩に頭を乗せとる状態の結城が盛大に溜め息を吐いた。正直ビクッとしました。はい。
「……花月」
「はいっ」
「……ここにいるのはそんなに嫌か?」
「は!? 嫌じゃねぇよ! 何でそんなこと言うんだ? 俺は……」
おーっと? これは言ってもいいのか? 言うぞ俺は。顔見えてない言うぞ。
「お、俺は、結城といたい!」
言ったー! 言ってやったぞー! 半分告白じゃねぇかこれ! やべー! ドキドキする!!
「うわっ!? ……え?」
押し倒されてる俺!? いつの間にこうなった! そして結城のドアップ! 心臓もたねぇから顔逸らしますね。いやもうまじこんなのダメだってテンパるってやばいやばいドキドキしすぎて死ぬ!
「こっち向け」
「えー、えーと、今むり!」
「あぁ? ……あー、もういい。……悪い。ぶっとんだ」
『ぶっとんだ』という謎の言葉を発して、結城が俺の上から退いた。そのまま向かいのソファにまで移動して行く。おおう……身が持たねぇ。結城が好きだと自覚してから、この距離感にドッキンドッキンしまくりだ!
「……で?」
「え。でって、何?」
「ここにいるのが嫌じゃねぇなら、何でバイトしたいって話になるんだ?」
「だから、お金だって」
「だから。いくらでも渡すっつってんだろ。バカかお前は」
「何もしてねぇのに金なんか貰えるか! 働くの。お金は働いて貰うものなの!」
「あのな。分かってねぇようだから言うぞ。俺は金を出す。その代わりにお前はここにいる。それだけの話だろうが」
「はぁ?」
んんー? 理解できないのはやっぱ俺がバカだからなのか?
結城がお金を出す。はい。借金の肩代わりをしてくれたね。その金で俺を買ったから、俺は結城のものだとかなんとかかんとか……。で、こないだの話では、大学卒業まで面倒見てくれるとかいうことになったような。
「ごめん。全然分かんねぇ。結城がお金を出してくれるんは感謝してる。で、ここにタダで住まわせてくれて、メシも食べさせて貰って、何でさらに金まで貰うことになんのか俺には全く理解ができねぇんだけど?」
「……お前、まさかとは思うが、俺に本気で感謝なんざしてんじゃねぇだろうな?」
「当たり前だろ。は? 何で感謝してねぇと思ってんのかが分かんねぇ」
「お前……バカだろ……」
「バカバカ言うな! バカって言う奴がバカ!」
「……何で俺がこんなことを一から説明しねぇといけねんだ……。あのな、普通は嫌だろ。身に覚えの無い借金の肩代わりしたからなんて、ヤクザに買われて自由奪われて、……手まで出されてんだぞ。何を全部受け入れて感謝してんだよバカか。何回でも言ってやる。バカだろお前」
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