759 / 801
中国分割と世界戦略始動-東アジアの風雲-
第758話 『オランダの軍事事情』
しおりを挟む
天正十九年一月二十八日(1590/3/4) <フレデリック・ヘンドリック>
さて、去年からジャガイモの栽培を行っているが、初めてにしては上出来と言っていい収穫だった。現代のジャガイモとは少し違うところもあるけれど、主食になり得ることを確認できたのは大成果だ。
種芋として残し、春先(これから)に栽培して秋に収穫することになる。まずはオランダの17州全域で流通させたい。飢饉(ききん)対策にもなるし、小麦や他の穀物の需要が減れば、価格も下がるはずだ。
ストーブの研究はポルトガルから輸入したものを工房で研究している。オレが見たことのある現代のストーブのヒントをときどき教えに行って、あとは職人まかせだ。
機械化して大量生産するには産業革命が必要だけど、まだ200年は先の話だ。
ただ、気付いたことは兄貴に言ってライデン大学の学者に話を聞きに行けるようにしてもらった。兄貴はあまりのオレの変わりように驚いていたが、総督の一門に優秀な人間がいれば安心と、笑いながら許してくれている。
「兄上、いまヨーロッパはどういう情勢なの?」
「おお、フレデリック。ヤンにオレに聞いてこいと言われたのか?」
兄貴(マウリッツ)は満面の笑顔でオレを迎えてくれた。雪は降っていないがまだ気温は一桁で、ようやく訪れようとしている春だったが、まだ先だと言わんばかりに冷えている。
「いえ、兄上。自分で判断しながら行動していく為にも、情勢は把握しておきたいのです」
6歳児、小学校1年生がこんな事を言えば、今の日本では完全に神童扱いだ。いや、そんな事はないか? どうなんだろう。
兄貴は少しだけ驚いた表情を見せた後、優しい笑みを浮かべた。
「そうか。何にしても勉強しておくのは良い事だ」
暖炉の傍に置かれた椅子に座りながら、兄貴はヨーロッパ情勢について語り始めた。
「まず、我らの最大の敵であるスペインのフェリペ2世だが、無敵艦隊の敗北で大きな打撃を受けている。しかし、まだまだ強大な力を持っていることには変わりはない。だが父上の代から攻勢を強め、そしてナバラ王がアンリ4世として基盤を築いた。現状、フランスが我がネーデルランドの防波堤の役割を果たしている。ゆえにフランスとは強固な結びつきが必要なのだ」
「フランスは……アンリ4世は本当に信用できるのでしょうか?」
オレは現代の知識から、アンリ4世がフランスの国民を納得させて即位するために、カトリックに改宗することを知っている。しかし、今世ではすでにカトリックに改宗し、その上で即位していたのだ。
ナントの勅令を8年早く発布しているが、国内での宗教対立を防ぐためなので、いつ破棄されるかもわからない。もしくは狂信的なカトリック教徒に暗殺される恐れもある。
実際に前世では暗殺されているのだ。
そういう意味では身辺警護を厳重にして、身の回りの人間の調査を行った方がいいかもしれない。死なれては困る。フランスとスペインが同盟などすれば、大打撃だ。
「ほう、その疑問は鋭いな」
兄貴は感心したようにうなずいた。
「……それは、ナントの勅令を言っているのか? 確かにアンリ4世はもともとユグノー派の指導者だったが、即位のために改宗したのだ。そして今、カトリックとプロテスタントの両方に配慮しなければならない立場にある。これは北部と南部、わがネーデルランドにも言える事だ。しかし、だからこそスペインの力を抑えることに利害が一致するのだ」
暖炉の火が揺らめき、その光が兄貴の顔に映る。オレは黙って続きを促した。
「フレデリック、お前が最近始めた農作物の研究も、実はとても重要なことなのだ。民衆の暮らしが安定すれば、それはすなわち強兵となる。我らの独立も盤石となるという事だ」
「はい、兄上。その通りです」
そう答えながら、オレは密かに微笑んだ。6歳とは思えない会話をしている自分に、少し可笑しさを感じながらも、この時代にできることを着実に進めていこうと決意を新たにした。
「そうだフレデリック。明日は軍事調練を閲兵する予定だが、見てみるか?」
「え? いいの?」
「うむ、あと10年もすれば軍を率いねばならぬかもしれんからな。それにオレに何かあった時はお前がホラントの総督となるのだ」
「え?」
兄貴の言葉は重かったが、冷静に考えると、そうなのだ。
■翌日 練兵場
寒風が吹き付ける演習場で、フレデリックはマウリッツと一緒に軍事調練を見学している。
「見るがいい、フレデリック。これが我が軍の新しい訓練方法だ」
マウリッツは誇らしげに語る。
眼下では数百人の兵士たちが整然と並び、号令に合わせて一糸乱れぬ動きを見せていた。
「1、2、3、4!」
号令とともに、兵士たちは銃を構える。その動作は細かく分解され、まるで歯車のように正確に連動している。フレデリックは現代の自衛隊の訓練を思い出していた。
「驚いたか? 以前の軍隊とは全く異なる規律だ。従兄のヤン(ヨハン7世)と共に確立した新しい訓練方法でな」
フレデリックには以前の軍隊がどういう物なのかはわからない。
しかしマウリッツの言葉から想像するに、以前は傭兵の集まりで規律や戦術もなく、ただその時の状況でバラバラに動いていたのだろう。
統率がとれている、というのはこういう事をいうのだろうか。
「銃の扱いを40以上の動作に分けて、それぞれを完璧に習得させる。そうすることで、戦場での素早い対応が可能になるのだ」
演習場の一角では、シモン・ステヴィンが若い将校たちに何かを教えている。数学者を登用するという発想も、マウリッツらしい。
「あれは新しい計算方法を教えているのですか?」
「よく気づいたな。砲撃の角度や火薬の量、それに陣形の展開まで、すべてを数学的に計算している」
その時、号令に合わせてマスケット銃を持つ銃兵たちが号令1つで隊形を変えていった。
2人の父親であるオラニエ公ウィレムがポルトガルから取り入れたという新しい銃は、ここにはあるはずのないフリントロック式の銃である。
史実ならば17世紀初頭に登場するフリントロック式であるが、純正が開発し、ポルトガルを経由してウィレムが実戦で投入した。17年も前のことである。
この戦術も(今世では)ウィレムが考案し、マウリッツが確立させた。
「見事だろう?」
マウリッツが誇らしげに言う。
「皆が息を合わせて動けば、こうして速やかに陣形を変えられる」
フレデリックは黙ってうなずいた。
「ところで、フレデリック。お前はこういった軍事にも興味があるのか?」
「はい。民を守るためには、強い軍隊も必要です」
「そうだな。だが、強さだけではない。規律と教養を備えた軍隊こそが、真の力となる」
演習場では、今度は騎兵隊が疾走を始めていた。砲兵隊も配置について、3つの兵科が見事に連携している。
「兄上、この訓練法を書物にまとめるのですか?」
「ああ」
マウリッツはうなずいた。
「ライデン大学の学者たちの協力も得ている」
「でも……大切な秘密じゃないんですか?」
マウリッツは微笑んで、フレデリックの頭に手を置いた。
「よく気づいたな。だが、軍の強さは個々の秘密ではなく、訓練の積み重ねにある。これを理論として確立し、きちんと記録に残すことが重要なのだ」
「なるほど。兄上、さすがです」
この訓練マニュアルはヨーロッパの軍事史を変えることになるのだが、6歳のフレデリックには縁遠い事であった。
次回 第759話 (仮)『とりあえず命の危険はないようなので、住環境を整えよう』
さて、去年からジャガイモの栽培を行っているが、初めてにしては上出来と言っていい収穫だった。現代のジャガイモとは少し違うところもあるけれど、主食になり得ることを確認できたのは大成果だ。
種芋として残し、春先(これから)に栽培して秋に収穫することになる。まずはオランダの17州全域で流通させたい。飢饉(ききん)対策にもなるし、小麦や他の穀物の需要が減れば、価格も下がるはずだ。
ストーブの研究はポルトガルから輸入したものを工房で研究している。オレが見たことのある現代のストーブのヒントをときどき教えに行って、あとは職人まかせだ。
機械化して大量生産するには産業革命が必要だけど、まだ200年は先の話だ。
ただ、気付いたことは兄貴に言ってライデン大学の学者に話を聞きに行けるようにしてもらった。兄貴はあまりのオレの変わりように驚いていたが、総督の一門に優秀な人間がいれば安心と、笑いながら許してくれている。
「兄上、いまヨーロッパはどういう情勢なの?」
「おお、フレデリック。ヤンにオレに聞いてこいと言われたのか?」
兄貴(マウリッツ)は満面の笑顔でオレを迎えてくれた。雪は降っていないがまだ気温は一桁で、ようやく訪れようとしている春だったが、まだ先だと言わんばかりに冷えている。
「いえ、兄上。自分で判断しながら行動していく為にも、情勢は把握しておきたいのです」
6歳児、小学校1年生がこんな事を言えば、今の日本では完全に神童扱いだ。いや、そんな事はないか? どうなんだろう。
兄貴は少しだけ驚いた表情を見せた後、優しい笑みを浮かべた。
「そうか。何にしても勉強しておくのは良い事だ」
暖炉の傍に置かれた椅子に座りながら、兄貴はヨーロッパ情勢について語り始めた。
「まず、我らの最大の敵であるスペインのフェリペ2世だが、無敵艦隊の敗北で大きな打撃を受けている。しかし、まだまだ強大な力を持っていることには変わりはない。だが父上の代から攻勢を強め、そしてナバラ王がアンリ4世として基盤を築いた。現状、フランスが我がネーデルランドの防波堤の役割を果たしている。ゆえにフランスとは強固な結びつきが必要なのだ」
「フランスは……アンリ4世は本当に信用できるのでしょうか?」
オレは現代の知識から、アンリ4世がフランスの国民を納得させて即位するために、カトリックに改宗することを知っている。しかし、今世ではすでにカトリックに改宗し、その上で即位していたのだ。
ナントの勅令を8年早く発布しているが、国内での宗教対立を防ぐためなので、いつ破棄されるかもわからない。もしくは狂信的なカトリック教徒に暗殺される恐れもある。
実際に前世では暗殺されているのだ。
そういう意味では身辺警護を厳重にして、身の回りの人間の調査を行った方がいいかもしれない。死なれては困る。フランスとスペインが同盟などすれば、大打撃だ。
「ほう、その疑問は鋭いな」
兄貴は感心したようにうなずいた。
「……それは、ナントの勅令を言っているのか? 確かにアンリ4世はもともとユグノー派の指導者だったが、即位のために改宗したのだ。そして今、カトリックとプロテスタントの両方に配慮しなければならない立場にある。これは北部と南部、わがネーデルランドにも言える事だ。しかし、だからこそスペインの力を抑えることに利害が一致するのだ」
暖炉の火が揺らめき、その光が兄貴の顔に映る。オレは黙って続きを促した。
「フレデリック、お前が最近始めた農作物の研究も、実はとても重要なことなのだ。民衆の暮らしが安定すれば、それはすなわち強兵となる。我らの独立も盤石となるという事だ」
「はい、兄上。その通りです」
そう答えながら、オレは密かに微笑んだ。6歳とは思えない会話をしている自分に、少し可笑しさを感じながらも、この時代にできることを着実に進めていこうと決意を新たにした。
「そうだフレデリック。明日は軍事調練を閲兵する予定だが、見てみるか?」
「え? いいの?」
「うむ、あと10年もすれば軍を率いねばならぬかもしれんからな。それにオレに何かあった時はお前がホラントの総督となるのだ」
「え?」
兄貴の言葉は重かったが、冷静に考えると、そうなのだ。
■翌日 練兵場
寒風が吹き付ける演習場で、フレデリックはマウリッツと一緒に軍事調練を見学している。
「見るがいい、フレデリック。これが我が軍の新しい訓練方法だ」
マウリッツは誇らしげに語る。
眼下では数百人の兵士たちが整然と並び、号令に合わせて一糸乱れぬ動きを見せていた。
「1、2、3、4!」
号令とともに、兵士たちは銃を構える。その動作は細かく分解され、まるで歯車のように正確に連動している。フレデリックは現代の自衛隊の訓練を思い出していた。
「驚いたか? 以前の軍隊とは全く異なる規律だ。従兄のヤン(ヨハン7世)と共に確立した新しい訓練方法でな」
フレデリックには以前の軍隊がどういう物なのかはわからない。
しかしマウリッツの言葉から想像するに、以前は傭兵の集まりで規律や戦術もなく、ただその時の状況でバラバラに動いていたのだろう。
統率がとれている、というのはこういう事をいうのだろうか。
「銃の扱いを40以上の動作に分けて、それぞれを完璧に習得させる。そうすることで、戦場での素早い対応が可能になるのだ」
演習場の一角では、シモン・ステヴィンが若い将校たちに何かを教えている。数学者を登用するという発想も、マウリッツらしい。
「あれは新しい計算方法を教えているのですか?」
「よく気づいたな。砲撃の角度や火薬の量、それに陣形の展開まで、すべてを数学的に計算している」
その時、号令に合わせてマスケット銃を持つ銃兵たちが号令1つで隊形を変えていった。
2人の父親であるオラニエ公ウィレムがポルトガルから取り入れたという新しい銃は、ここにはあるはずのないフリントロック式の銃である。
史実ならば17世紀初頭に登場するフリントロック式であるが、純正が開発し、ポルトガルを経由してウィレムが実戦で投入した。17年も前のことである。
この戦術も(今世では)ウィレムが考案し、マウリッツが確立させた。
「見事だろう?」
マウリッツが誇らしげに言う。
「皆が息を合わせて動けば、こうして速やかに陣形を変えられる」
フレデリックは黙ってうなずいた。
「ところで、フレデリック。お前はこういった軍事にも興味があるのか?」
「はい。民を守るためには、強い軍隊も必要です」
「そうだな。だが、強さだけではない。規律と教養を備えた軍隊こそが、真の力となる」
演習場では、今度は騎兵隊が疾走を始めていた。砲兵隊も配置について、3つの兵科が見事に連携している。
「兄上、この訓練法を書物にまとめるのですか?」
「ああ」
マウリッツはうなずいた。
「ライデン大学の学者たちの協力も得ている」
「でも……大切な秘密じゃないんですか?」
マウリッツは微笑んで、フレデリックの頭に手を置いた。
「よく気づいたな。だが、軍の強さは個々の秘密ではなく、訓練の積み重ねにある。これを理論として確立し、きちんと記録に残すことが重要なのだ」
「なるほど。兄上、さすがです」
この訓練マニュアルはヨーロッパの軍事史を変えることになるのだが、6歳のフレデリックには縁遠い事であった。
次回 第759話 (仮)『とりあえず命の危険はないようなので、住環境を整えよう』
5
お気に入りに追加
158
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
『転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』
姜維信繁
ファンタジー
佐賀藩より早く蒸気船に蒸気機関車、アームストロング砲。列強に勝つ!
人生100年時代の折り返し地点に来た企画営業部長の清水亨は、大きなプロジェクトをやり遂げて、久しぶりに長崎の実家に帰ってきた。
学生時代の仲間とどんちゃん騒ぎのあげく、急性アルコール中毒で死んでしまう。
しかし、目が覚めたら幕末の動乱期。龍馬や西郷や桂や高杉……と思いつつ。あまり幕末史でも知名度のない「薩長土肥」の『肥』のさらに隣の藩の大村藩のお話。
で、誰に転生したかと言うと、これまた誰も知らない、地元の人もおそらく知らない人の末裔として。
なーんにもしなければ、間違いなく幕末の動乱に巻き込まれ、戊辰戦争マッシグラ。それを回避して西洋列強にまけない国(藩)づくりに励む事になるのだが……。
連れ去られた先で頼まれたから異世界をプロデュースすることにしました。あっ、別に異世界転生とかしないです。普通に家に帰ります。 ②
KZ
ファンタジー
初めましての人は初めまして。プロデューサーこと、主人公の白夜 零斗(はくや れいと)です。
2回目なので、俺については特に何もここで語ることはありません。みんなが知ってるていでやっていきます。
では、今回の内容をざっくりと紹介していく。今回はホワイトデーの話だ。前回のバレンタインに対するホワイトデーであり、悪魔に対するポンこ……天使の話でもある。
前回のバレンタインでは俺がやらかしていたが、今回はポンこ……天使がやらかす。あとは自分で見てくれ。
※※※
※小説家になろうにも掲載しております。現在のところ後追いとなっております※
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
聖人様は自重せずに人生を楽しみます!
紫南
ファンタジー
前世で多くの国々の王さえも頼りにし、慕われていた教皇だったキリアルートは、神として迎えられる前に、人としての最後の人生を与えられて転生した。
人生を楽しむためにも、少しでも楽に、その力を発揮するためにもと生まれる場所を神が選んだはずだったのだが、早々に送られたのは問題の絶えない辺境の地だった。これは神にも予想できなかったようだ。
そこで前世からの性か、周りが直面する問題を解決していく。
助けてくれるのは、情報通で特異技能を持つ霊達や従魔達だ。キリアルートの役に立とうと時に暴走する彼らに振り回されながらも楽しんだり、当たり前のように前世からの能力を使うキリアルートに、お供達が『ちょっと待て』と言いながら、世界を見聞する。
裏方として人々を支える生き方をしてきた聖人様は、今生では人々の先頭に立って駆け抜けて行く!
『好きに生きろと言われたからには目一杯今生を楽しみます!』
ちょっと腹黒なところもある元聖人様が、お供達と好き勝手にやって、周りを驚かせながらも世界を席巻していきます!
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる