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島津の野望に立ち向かう:小佐々の南方戦略-島津と四国と南方戦線-
中央と九州の狭間 ~大名たちの小佐々純正~
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永禄十二年 七月某日
純正は九州の豊かな経済力と義父の二条晴良を後ろ盾にして、朝廷へ絶大なる影響力を持っていた。そしてまた、信長とも同盟関係にあり、その存在を諸大名が意識し出すのは当然であった。
■三河 岡崎城
「殿、武田とのいくさ、厳しいものにござるな」
家臣の石川数正が家康に話しかける。
「そうだな、約定を破って大井川を渡ってきたのは許せぬ。北条との盟もあるが、相手はあの信玄、油断はできぬ」
家康は深く考え込むように少し目を閉じた。しばらくして目を開き、それから信長との関係を考慮に入れた言葉を口にしたのだ。
「数正、上総介殿(信長)と懇意にしておる、小佐々純正という男は知っておるか?」
「は、詳しくは存じませぬが、九州でかなり力を持っていると聞きます。なぜか所司代と検非違使を兼任しておるとか」。
数正の言葉を受け家康は言った。
「うむ、その通りだ。そして信長公も相当信頼しておると聞く。わずか一年前、公が上洛する前に知りおうたらしい」
家康は続ける。
「今年のはじめに、三好が公方様を亡き者にせんと、京に攻め込んだ事があったろう?」
「はい」
「あれを、三好は一万ほどと聞いたが、半数の兵で打ち破ったとか」
「なんと! 半数で!? え? 殿、半数といいますと、五千ですか? 五千もの兵をどこから? まさか」
数正は驚きを隠せない。
「そうだ、そのまさかだ。小佐々は畿内に所領などない。本国からの支援のみで、五千の兵を養っておるのだ」
家康は、信じられないが、信じるほかない、そんな顔をしながら話す。
「そこで、だ。わしは小佐々と盟を結ぼうかと思う」。
数正は黙って聞いていたが、
「しかし殿、われらは信長公と盟を結んでおります。黙って盟を結ぶのは、機嫌を損ねませぬか?」
と反論する。
「何もいきなり盟約を結ぼうという訳ではない。誼を通じておけば、いざとなった時に助けてくれるやもしれぬ」
家康は、わかっておる、とでも言いたげだ。
「信長公は会うたびに小佐々殿の話をする。いきなり直接交渉するのは無理だろうが、先に話を通しておけば問題なかろう」
純正との書状のやり取りや盟の事など、事前に了解を得ておくのだ。盟を結ぶ事は無理でも、最悪でも通商を始められれば、領内の発展にもつながるだろうと考えていた。
(それに、いつ味方が敵になるかもしれんのだからな)
■南近江 小谷城
浅井長政の居城である小谷城の一室では、長政が重臣の磯野員昌、宮部継潤らと話をしていた。暑い日差しのなか戸を開け放って、中庭の植木の緑が光り輝いている。
「殿、信長公との同盟の件、われらはどう進めるべきでしょうか?」
宮部継潤が聞く。
「義兄上(信長)は確かに急速に力をつけてきている。しかし近ごろは、われらを下に見ている風に感じられる」
「それは……」
継潤は自身も思い当たるふしがあるようで、反論はしない。
「そうよ! 御所の修築を見よ。われら浅井家中を、すでに滅んだに等しい京極氏の家来として記録するなど、殿を辱める文書が見受けられる」
そう同意するのは磯野員昌だ。
「われらと織田家は五分の盟だったはずだ。市を迎えた時は、義兄上は全額負担してくれた。それはわれら浅井を、有用だと思っていたからだ」
長政はなおも続ける。
「よく耳をすまし、目を見開き、周囲に気をつけて状況を見極めねばならぬ。今、義兄上は、美濃を平定して上洛を果たした」
二人が真剣に聞き入る。
「まだ畿内を完全に制覇はしているわけではないが、昔に比べわれらは、義兄上にとって大事な存在ではなくなったように思える」
長政は深く息をついた。
「しかし、われらの今を考えれば、信長公との盟をないがしろにはできませぬ」
継潤が言う。
「それもまた事実だ。しかし、われらの信念や家の名誉を保つことも大切だ」
「ではどうすると?」
員昌が聞く。
「小佐々を、知っておるか」
唐突に出てきたその名前に二人は驚いたが、すぐに返事をした。
「小佐々純正、九州の大名でまだ若いとか」
「確か所司代と検非違使を兼任しておるとか」。
二人に対して長政がゆっくりと話し出す。
「まだわしより若く、二十歳になったばかりだ。二条晴良の娘を娶り、大使館なるものを設置して人を置いておる。所司代と検非違使も名ばかりではない。三好の一万をはねのけるくらいの兵を常に、常にだ。この京に置いておる。どれだけ銭がかかると言うのだ」。
二人は黙り込んだ。そしてしばらくして口を開いたのは継潤だった。
「して、その小佐々純正殿に、どのように近づくので?」
「うむ、まずは挨拶がてら所司代、いや大使館を訪ねてみようと思う。まあ、一応、義兄上にも知らせるがな」
■越前 一乗谷城
大広間には城主朝倉義景と主要な家臣たちが集まり、上洛した信長についてどうするかの評定が行われていた。
「信長の上洛は無視できない事態だが、その一方で小佐々純正という名を聞くようになった。誰か、そやつの事を知っている者はおるか?」
上座に座った義景が尊大に話す。
「はい、小佐々氏は九州で勢力を拡大しており、近ごろは朝廷内部でも影響力が大きいと聞きます」
そう答えたのは筆頭家老の河合兵衛尉吉統である。
「九州の田舎大名が中央で影響力を持つだと? 笑止千万」
義景が一笑に付す。
「しかし小佐々は北部九州と四国を領し、二条晴良を義父にして、朝廷でも影響力があると聞きます」
山崎左衛門尉吉家が答える。
「ふん、尾張の田舎侍が、九州の田舎大名と寄り添って何が出来るというのだ?」
あからさまに気分が悪そうな義景をよそに、河合吉統が釘を刺す。
「小佐々は所司代と検非違使を兼任しております。その所司代と検非違使が、三好の襲撃を未然に防いだのもまた事実。軽んずるのは危険かと存じます」。
「つまり、信長が九州まで影響を及ぼす手段を持っているということか」
義景はさらに機嫌を悪くする。
「その可能性もございます。信長の影響範囲をさらに広げることとなるでしょう。われらは注意深く両家の動向を監視するべきだと考えます」。
「あいわかった。田舎大名二人に何ができるか知らぬが、その方らがそこまで言うなら、好きにせよ」
「はは」
■南近江 三雲城
六角承禎は織田信長と戦争中であった。南近江の要衝である、東山道の観音寺城を落とされ、さらに南部の、甲賀郡にある三雲城に落ち延びて、ゲリラ活動をしていたのだ。
休戦、ひとまずは小康状態であったが、なんとか状況を打破できないかと考えていた。
そこで白羽の矢が立ったのが、同じ氏族の小佐々氏である。小佐々氏は信長上洛の際には直接ではないものの、資金面で支援をしていた。
「小佐々氏は、我々六角氏と同じ宇多源氏・佐々木氏の系譜だ。信長と盟を結んでいるのが難点だが、なんとかこちらに取り込めないだろうか」
と承禎は深く考えながら、ゆっくりと家臣たちに語りかけた。
「厳しいのではないでしょうか。同じ氏族でも、何代も前に九州は肥前に下向しています。しかもいま信長と盟を結んでおるのならば、われらに与する利など、あちらにありましょうや」
承禎は苦笑しながら返答した。
「確かに厳しい。いや、今の段階では盟など結べぬだろう。しかし、われらと小佐々との関係の深さは、歴史が物語っている。信長との対立を優位に進めるためには、盟は結べぬとも、なんらかの接点はもっておいた方が良いだろう」
「父上、われら敗れて観音寺城を奪われたとはいえ、まだ滅んだわけではありません。信長を嫌う者は数え切れぬほどおります。なにも田舎侍と相手にせずとも」
嫡男の義治が反論する。
「義治、今の六角は在りし日の六角ではない。使えるものは何でも、使わねばならぬのだ」
(おーまーえーが!! 後藤を殺さなければ、こんなに傾いてねえんだよ!!!)
と言いたいのを顔にも出さず、承禎は我慢する。
「殿、京に小佐々の大使館があります。その大使、小佐々常陸介を通じて交渉を開始するのは如何でしょうか」
と三雲三郎左衛門貞持が言うと承禎は頷き、
「それが良い。貞持、常陸介を通じて交渉をはじめて、何かわれら六角が活きるような術はないか探ってきてくれぬか」
「はは」
畿内周辺の大名たちは、勢力を急拡大させる信長に対抗するために、信長との付き合い方を考える上で、言うなれば戦国の世で勝ち残るために、小佐々の動向に注意を払わざるを得なくなっていくのであった。
純正は九州の豊かな経済力と義父の二条晴良を後ろ盾にして、朝廷へ絶大なる影響力を持っていた。そしてまた、信長とも同盟関係にあり、その存在を諸大名が意識し出すのは当然であった。
■三河 岡崎城
「殿、武田とのいくさ、厳しいものにござるな」
家臣の石川数正が家康に話しかける。
「そうだな、約定を破って大井川を渡ってきたのは許せぬ。北条との盟もあるが、相手はあの信玄、油断はできぬ」
家康は深く考え込むように少し目を閉じた。しばらくして目を開き、それから信長との関係を考慮に入れた言葉を口にしたのだ。
「数正、上総介殿(信長)と懇意にしておる、小佐々純正という男は知っておるか?」
「は、詳しくは存じませぬが、九州でかなり力を持っていると聞きます。なぜか所司代と検非違使を兼任しておるとか」。
数正の言葉を受け家康は言った。
「うむ、その通りだ。そして信長公も相当信頼しておると聞く。わずか一年前、公が上洛する前に知りおうたらしい」
家康は続ける。
「今年のはじめに、三好が公方様を亡き者にせんと、京に攻め込んだ事があったろう?」
「はい」
「あれを、三好は一万ほどと聞いたが、半数の兵で打ち破ったとか」
「なんと! 半数で!? え? 殿、半数といいますと、五千ですか? 五千もの兵をどこから? まさか」
数正は驚きを隠せない。
「そうだ、そのまさかだ。小佐々は畿内に所領などない。本国からの支援のみで、五千の兵を養っておるのだ」
家康は、信じられないが、信じるほかない、そんな顔をしながら話す。
「そこで、だ。わしは小佐々と盟を結ぼうかと思う」。
数正は黙って聞いていたが、
「しかし殿、われらは信長公と盟を結んでおります。黙って盟を結ぶのは、機嫌を損ねませぬか?」
と反論する。
「何もいきなり盟約を結ぼうという訳ではない。誼を通じておけば、いざとなった時に助けてくれるやもしれぬ」
家康は、わかっておる、とでも言いたげだ。
「信長公は会うたびに小佐々殿の話をする。いきなり直接交渉するのは無理だろうが、先に話を通しておけば問題なかろう」
純正との書状のやり取りや盟の事など、事前に了解を得ておくのだ。盟を結ぶ事は無理でも、最悪でも通商を始められれば、領内の発展にもつながるだろうと考えていた。
(それに、いつ味方が敵になるかもしれんのだからな)
■南近江 小谷城
浅井長政の居城である小谷城の一室では、長政が重臣の磯野員昌、宮部継潤らと話をしていた。暑い日差しのなか戸を開け放って、中庭の植木の緑が光り輝いている。
「殿、信長公との同盟の件、われらはどう進めるべきでしょうか?」
宮部継潤が聞く。
「義兄上(信長)は確かに急速に力をつけてきている。しかし近ごろは、われらを下に見ている風に感じられる」
「それは……」
継潤は自身も思い当たるふしがあるようで、反論はしない。
「そうよ! 御所の修築を見よ。われら浅井家中を、すでに滅んだに等しい京極氏の家来として記録するなど、殿を辱める文書が見受けられる」
そう同意するのは磯野員昌だ。
「われらと織田家は五分の盟だったはずだ。市を迎えた時は、義兄上は全額負担してくれた。それはわれら浅井を、有用だと思っていたからだ」
長政はなおも続ける。
「よく耳をすまし、目を見開き、周囲に気をつけて状況を見極めねばならぬ。今、義兄上は、美濃を平定して上洛を果たした」
二人が真剣に聞き入る。
「まだ畿内を完全に制覇はしているわけではないが、昔に比べわれらは、義兄上にとって大事な存在ではなくなったように思える」
長政は深く息をついた。
「しかし、われらの今を考えれば、信長公との盟をないがしろにはできませぬ」
継潤が言う。
「それもまた事実だ。しかし、われらの信念や家の名誉を保つことも大切だ」
「ではどうすると?」
員昌が聞く。
「小佐々を、知っておるか」
唐突に出てきたその名前に二人は驚いたが、すぐに返事をした。
「小佐々純正、九州の大名でまだ若いとか」
「確か所司代と検非違使を兼任しておるとか」。
二人に対して長政がゆっくりと話し出す。
「まだわしより若く、二十歳になったばかりだ。二条晴良の娘を娶り、大使館なるものを設置して人を置いておる。所司代と検非違使も名ばかりではない。三好の一万をはねのけるくらいの兵を常に、常にだ。この京に置いておる。どれだけ銭がかかると言うのだ」。
二人は黙り込んだ。そしてしばらくして口を開いたのは継潤だった。
「して、その小佐々純正殿に、どのように近づくので?」
「うむ、まずは挨拶がてら所司代、いや大使館を訪ねてみようと思う。まあ、一応、義兄上にも知らせるがな」
■越前 一乗谷城
大広間には城主朝倉義景と主要な家臣たちが集まり、上洛した信長についてどうするかの評定が行われていた。
「信長の上洛は無視できない事態だが、その一方で小佐々純正という名を聞くようになった。誰か、そやつの事を知っている者はおるか?」
上座に座った義景が尊大に話す。
「はい、小佐々氏は九州で勢力を拡大しており、近ごろは朝廷内部でも影響力が大きいと聞きます」
そう答えたのは筆頭家老の河合兵衛尉吉統である。
「九州の田舎大名が中央で影響力を持つだと? 笑止千万」
義景が一笑に付す。
「しかし小佐々は北部九州と四国を領し、二条晴良を義父にして、朝廷でも影響力があると聞きます」
山崎左衛門尉吉家が答える。
「ふん、尾張の田舎侍が、九州の田舎大名と寄り添って何が出来るというのだ?」
あからさまに気分が悪そうな義景をよそに、河合吉統が釘を刺す。
「小佐々は所司代と検非違使を兼任しております。その所司代と検非違使が、三好の襲撃を未然に防いだのもまた事実。軽んずるのは危険かと存じます」。
「つまり、信長が九州まで影響を及ぼす手段を持っているということか」
義景はさらに機嫌を悪くする。
「その可能性もございます。信長の影響範囲をさらに広げることとなるでしょう。われらは注意深く両家の動向を監視するべきだと考えます」。
「あいわかった。田舎大名二人に何ができるか知らぬが、その方らがそこまで言うなら、好きにせよ」
「はは」
■南近江 三雲城
六角承禎は織田信長と戦争中であった。南近江の要衝である、東山道の観音寺城を落とされ、さらに南部の、甲賀郡にある三雲城に落ち延びて、ゲリラ活動をしていたのだ。
休戦、ひとまずは小康状態であったが、なんとか状況を打破できないかと考えていた。
そこで白羽の矢が立ったのが、同じ氏族の小佐々氏である。小佐々氏は信長上洛の際には直接ではないものの、資金面で支援をしていた。
「小佐々氏は、我々六角氏と同じ宇多源氏・佐々木氏の系譜だ。信長と盟を結んでいるのが難点だが、なんとかこちらに取り込めないだろうか」
と承禎は深く考えながら、ゆっくりと家臣たちに語りかけた。
「厳しいのではないでしょうか。同じ氏族でも、何代も前に九州は肥前に下向しています。しかもいま信長と盟を結んでおるのならば、われらに与する利など、あちらにありましょうや」
承禎は苦笑しながら返答した。
「確かに厳しい。いや、今の段階では盟など結べぬだろう。しかし、われらと小佐々との関係の深さは、歴史が物語っている。信長との対立を優位に進めるためには、盟は結べぬとも、なんらかの接点はもっておいた方が良いだろう」
「父上、われら敗れて観音寺城を奪われたとはいえ、まだ滅んだわけではありません。信長を嫌う者は数え切れぬほどおります。なにも田舎侍と相手にせずとも」
嫡男の義治が反論する。
「義治、今の六角は在りし日の六角ではない。使えるものは何でも、使わねばならぬのだ」
(おーまーえーが!! 後藤を殺さなければ、こんなに傾いてねえんだよ!!!)
と言いたいのを顔にも出さず、承禎は我慢する。
「殿、京に小佐々の大使館があります。その大使、小佐々常陸介を通じて交渉を開始するのは如何でしょうか」
と三雲三郎左衛門貞持が言うと承禎は頷き、
「それが良い。貞持、常陸介を通じて交渉をはじめて、何かわれら六角が活きるような術はないか探ってきてくれぬか」
「はは」
畿内周辺の大名たちは、勢力を急拡大させる信長に対抗するために、信長との付き合い方を考える上で、言うなれば戦国の世で勝ち残るために、小佐々の動向に注意を払わざるを得なくなっていくのであった。
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