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九州三強と中央への目-北九州を二分する 二つの二虎競食の計-
同時 多発 爆発 事故
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三月 小佐々城
なに?爆発事故?
どこでだ?天久保の大砲の鋳造現場?造船所の兵器工廠だと!?造船設備は長崎に完全に移行できていない。その隙をついたのか?
大友もしくは薩摩の島津か?島津とは直接の戦はないし、大友にしても緊張はあれどギリギリで押さえてきた。まさか毛利?いや、そんな事が発覚したら信用問題だ。それはないだろう。一番怪しいのはやはり大友か?
いずれにしても問題なのは、造船所の兵器工廠と、陸軍も含めた大砲の製造現場が狙われた事だ。要するに、現存する長射程の大砲の製造現場が破壊され、製造できなくなったのだ。そして各湊に停泊中の艦船搭載の長射程砲も同時破壊された。
人命は大切だ。それ以上大切な事はない。しかし、それは人の命がなによりも重いと教えられ、当たり前になっていた現代人の俺だからこその感想だろう。ただ同時に俺は、戦国時代を生きる当主としての、冷静な判断をしなければならなかった。
設計図面や行程など、詳細をしるした重要機密もなくなっている。保管場所も破壊されたのだ。いや?盗まれた?だとしたら由々しき事態だ。
簡単に複製はできぬと思うが、それでも一年から二年あれば、日本の職人は優秀だ。材料や図面があれば再現するかもしれない。もしかするとさらに高性能な物まで!悪い予感は膨らむ。
幸いな事に千方や三河守いわく、日本国内で大砲の製造に成功している大名はいないようだ。もし、いるとしたら宗麟。しかしそれもフランキ砲だ。これならば、もう一度鍛鉄で大砲をつくるまで、なんとかなるかもしれない。
いや、希望的観測はやめよう。由々しき事態なのは確かだ。まずは人命救助と負傷者の看護、それから被害の復旧に努めなければ。
・・・被害を免れたのは今航海中の練習艦隊のみか。
「誰かある!千方はおるか!」
「はは、これに」
「どういう事だ?何がどうなっておる!」
「申し訳ございませぬ。現在調べておりまするが、爆発事故当時、現場に不審な人影はなかった様にございます」。
「ならばなぜ爆発が起きたのじゃ?しかも一箇所だけではないぞ。旗艦だけで三隻。そして陸海軍の兵器工廠と造船所。同時に三ヶ所だぞ。あり得るのか?」
「申し訳ございませぬ。それはわかりかねますが、事実起きておりまする。図面の盗難については調査中ですが、不審者がいなかったのは今のところ確かにございます。これは、長い間計画し、潜ませておった人間の仕業かと」。
「職人や軍の中に犯人がいたかもしれないだと?長期間潜み、諜報活動をするわけでもなく、ただこの時のためだけに待っておったというのか?」
「さようにございます。不審者がいない以上、それしか考えられませぬ。お味方、いえ、それを装った敵方にございすが、自らの命をかけていたのでございましょう」。
・・・・なんという事だ。身元確認はしっかりやっていたと思うのだが、できていなかった。いや、その抜け道を利用したのか?または今の様に採用審査が厳しくなる前に入っていた人間か?
いずれにしても、再発は絶対に防がなくてはならない。監視強化はもちろんだが、軍とそして技術関連部署に配属になる人間は、さらに厳重に審査しよう。いや、今すでに配属されている者も、再度調査が必要になるだろう。
味方を疑うのは嫌だが、もしまた起きたら人命はもちろん国が揺らぐ。
俺はめまいを感じながら、指示をだした。
なに?爆発事故?
どこでだ?天久保の大砲の鋳造現場?造船所の兵器工廠だと!?造船設備は長崎に完全に移行できていない。その隙をついたのか?
大友もしくは薩摩の島津か?島津とは直接の戦はないし、大友にしても緊張はあれどギリギリで押さえてきた。まさか毛利?いや、そんな事が発覚したら信用問題だ。それはないだろう。一番怪しいのはやはり大友か?
いずれにしても問題なのは、造船所の兵器工廠と、陸軍も含めた大砲の製造現場が狙われた事だ。要するに、現存する長射程の大砲の製造現場が破壊され、製造できなくなったのだ。そして各湊に停泊中の艦船搭載の長射程砲も同時破壊された。
人命は大切だ。それ以上大切な事はない。しかし、それは人の命がなによりも重いと教えられ、当たり前になっていた現代人の俺だからこその感想だろう。ただ同時に俺は、戦国時代を生きる当主としての、冷静な判断をしなければならなかった。
設計図面や行程など、詳細をしるした重要機密もなくなっている。保管場所も破壊されたのだ。いや?盗まれた?だとしたら由々しき事態だ。
簡単に複製はできぬと思うが、それでも一年から二年あれば、日本の職人は優秀だ。材料や図面があれば再現するかもしれない。もしかするとさらに高性能な物まで!悪い予感は膨らむ。
幸いな事に千方や三河守いわく、日本国内で大砲の製造に成功している大名はいないようだ。もし、いるとしたら宗麟。しかしそれもフランキ砲だ。これならば、もう一度鍛鉄で大砲をつくるまで、なんとかなるかもしれない。
いや、希望的観測はやめよう。由々しき事態なのは確かだ。まずは人命救助と負傷者の看護、それから被害の復旧に努めなければ。
・・・被害を免れたのは今航海中の練習艦隊のみか。
「誰かある!千方はおるか!」
「はは、これに」
「どういう事だ?何がどうなっておる!」
「申し訳ございませぬ。現在調べておりまするが、爆発事故当時、現場に不審な人影はなかった様にございます」。
「ならばなぜ爆発が起きたのじゃ?しかも一箇所だけではないぞ。旗艦だけで三隻。そして陸海軍の兵器工廠と造船所。同時に三ヶ所だぞ。あり得るのか?」
「申し訳ございませぬ。それはわかりかねますが、事実起きておりまする。図面の盗難については調査中ですが、不審者がいなかったのは今のところ確かにございます。これは、長い間計画し、潜ませておった人間の仕業かと」。
「職人や軍の中に犯人がいたかもしれないだと?長期間潜み、諜報活動をするわけでもなく、ただこの時のためだけに待っておったというのか?」
「さようにございます。不審者がいない以上、それしか考えられませぬ。お味方、いえ、それを装った敵方にございすが、自らの命をかけていたのでございましょう」。
・・・・なんという事だ。身元確認はしっかりやっていたと思うのだが、できていなかった。いや、その抜け道を利用したのか?または今の様に採用審査が厳しくなる前に入っていた人間か?
いずれにしても、再発は絶対に防がなくてはならない。監視強化はもちろんだが、軍とそして技術関連部署に配属になる人間は、さらに厳重に審査しよう。いや、今すでに配属されている者も、再度調査が必要になるだろう。
味方を疑うのは嫌だが、もしまた起きたら人命はもちろん国が揺らぐ。
俺はめまいを感じながら、指示をだした。
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