『転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』

姜維信繁

文字の大きさ
上 下
160 / 828
九州三強と中央への目-北九州を二分する 二つの二虎競食の計-

対信長外交団①

しおりを挟む
永禄十年 十一月 小佐々城 小佐々弾正大弼純正

この辺で、そろそろ信長に対して接点をつくっておかないといけない、と考えた。大友とは接点があるようだし、不利な条件でいろいろ介入・仲裁されても面倒だしな。

と、その前に!!なんでこんな大事な事考えなかったかなあ。経済戦をしかけるなら、絶対にやっておかなくちゃならない重要な事を思い出した。あーもう、六年だよ六年。時間無駄にした。・・・それは、

「撰銭令」

信長がやったやつだ。あ、でもこれは肥前ほぼ統一の、最低今じゃないと意味なかったかな?どうなんだ?ついでにレートも決めよう。よし、道喜と神屋宗湛、それから島井宗室を呼んで意見を聞こう。

金1枚=金10両
金1両=4分=16朱=銀1枚=銀50匁=銭4貫文=4,000文

銭1疋=10文
銭1貫文=1,000文

1文=永楽銭1枚

まず形状の良い永楽銭を良貨1文として基準銭とする。そして、宣徳銭などは基準銭の二分の一の価値、破銭などは五分の一、私鋳銭は十分の一に分ける。

そして貨幣をつくり、紙幣をつくる。信用で貨幣と紙幣を流通できる仕組みをつくる。

「どうだ?」
恐る恐る聞いてみた。

「そう、ですな・・・・」
三人がまったく同じ様に腕を組み、目をつむり、考える。なに、それ?商人のポーズなの?

「撰銭、ですか。これは良いと思います。悪銭を使わず良銭を使う傾向があるので、どうしても貨幣の流通量は減りまする。しかし、これをする事で、悪銭も含めて通貨として流通するので経済は活性化すると存じます。」
道喜が答える。

おおお!俺はガッツポーズをした。

「ただし、ただ両替してくれ、というのは意味がありませんので、認めてはいけません。こちらは悪銭ばかりがたまり、良銭はでていきます。つまり売買で悪銭も良銭と同じく使えるが、半分は良銭にするなど決まりを設けるべきです。結果的に悪銭も流通しますが、良銭の流通量も増えるので活性化します。」

なるほど、と俺はうなずく。

「わたくしも同じ考えです。」
と神屋宗湛が答えた。

「ただし、貨幣の鋳造と紙幣の発行は、慎重にやらなければなりません。」

うむ、と俺は『もちろんだ!』と言わんばかりに、ちょっとキョドりながら答えた。お願いゴーサイン出して!

「金や銀、米などは、それそのものに価値がありますから、わかりやすい。だから古来より物々交換がなされてきましたし、俸禄米も名前の通り、米が貨幣のかわりをしているのです。生活に必要だし、どこにでもある。」
島井宗室が言う。

「しかし、新しく鋳造した貨幣となると、まったく信用がありませんぬ。永楽銭一文と同じ様につくっても、それで同じ様に物が買え、様々な支払いに使えるかどうかが問題なのです。紙幣ならなおさらです。見た目も価値が低い。」

「そしてなにより、他国では使えませぬ。つまり対外的な支払いは出来ませぬゆえ、輸入には使えませぬ。あわせて、いつでもどこでも、これは領内各所に両替所を設ければいいと思いますが、両替(換金/永楽銭もしくは金・銀)できる様にしなければなりません。」

「そうですな。それでも最初は、新貨幣や紙幣を使おうと言う人はいないでしょう。そして一度でも両替ができないならば信用は失墜し、再び使う事は能いませぬ。」
と宗湛。

「まずは大量に外貨、ここでは共通銭の永楽銭ですが、こちらを備蓄します。そして領内の店全て、商いのあるところ、銭の使われる所に両替所を設けるのです。そこで一日一回、週に一回でもいいですから、永楽銭との換金をしましょう。そして、それをやっても余りある永楽銭が必要です。」

「この積み重ねが信用につながり、ひいては経済の活性化につながりまする。」

三人全員が交互に、うなずきながら、めをつむって、しゃべる。
いや、圧がすごいんだけど。

(う、、ん。わかた。じゃあ、ちょびっとずつね。とりあえず撰銭令からやろう。)

「あいわかった。ではそのようにいたそう。道喜、その方は大蔵省の弥市と、工部省の忠右衛門と相談しながらやってくれ。三人ともご苦労であった。」

そして、
十一月 一日 堺へ向け使臣団が旅立った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

器用貧乏の底辺冒険者~俺だけ使える『ステータスボード』で最強になる!~

夢・風魔
ファンタジー
*タイトル少し変更しました。 全ての能力が平均的で、これと言って突出したところもない主人公。 適正職も見つからず、未だに見習いから職業を決められずにいる。 パーティーでは荷物持ち兼、交代要員。 全ての見習い職業の「初期スキル」を使えるがそれだけ。 ある日、新しく発見されたダンジョンにパーティーメンバーと潜るとモンスターハウスに遭遇してパーティー決壊の危機に。 パーティーリーダーの裏切りによって囮にされたロイドは、仲間たちにも見捨てられひとりダンジョン内を必死に逃げ惑う。 突然地面が陥没し、そこでロイドは『ステータスボード』を手に入れた。 ロイドのステータスはオール25。 彼にはユニークスキルが備わっていた。 ステータスが強制的に平均化される、ユニークスキルが……。 ステータスボードを手に入れてからロイドの人生は一変する。 LVUPで付与されるポイントを使ってステータスUP、スキル獲得。 不器用大富豪と蔑まれてきたロイドは、ひとりで前衛後衛支援の全てをこなす 最強の冒険者として称えられるようになる・・・かも? 【過度なざまぁはありませんが、結果的にはそうなる・・みたいな?】

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

処理中です...