『転生したら弱小領主の嫡男でした!!元アラフィフの戦国サバイバル~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』

姜維信繁

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九州三強と中央への目-北九州を二分する 二つの二虎競食の計-

第一回練習艦隊が帰港した!

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同年九月 七つ釜港 小佐々弾正大弼純正

昨年九月に出港した、第一回の練習艦隊が帰港した。
薩摩では坊津に入港しようとしたが、あまりよい反応ではなかったらしい。

まず乗っているのが日本人というのに驚かれ、妙な警戒心を抱かれてしまった。これはしまった。ぶっちゃけ今後、仮想敵国になるかもしれない薩摩だ。いや、恐らくなるだろう。

幸いにして食料も水も余裕があったので、島津にいらぬ疑心を抱かれぬ様に、入港せずに琉球に向かった。

琉球は第五代尚元王の治世。明からの柵封を受け、島津貴久とは交流があるようだ。琉球と言えば中継貿易で栄えたイメージがあった。しかしどうもこの時代は南蛮貿易の影響や明の国力低下で優位性を保てくなっているようだ。

琉球航路・琉球貿易を島津氏が牛耳っているなら、介入するのは得策ではない。が、いずれ三十年後には武力侵攻されてしまうのだ。なんとか琉球を生かして島津からの介入を防いで、俺たちの役に立つ様にできないだろうか。

ひとまずは錫を輸入しようか。貿易の品目を定めて国交の樹立を進めよう。残念ながら謁見はできなかったが、肥前王の遣いとして親書を渡す事ができた。次回には期待が持てるだろう。

次の訪問地は台湾だ。現地には先住民がいたが、衝突は避ける事ができた。文明的な政権はなく、貿易等の話はできなかったが、ポルトガルが到着し、拠点をつくっているようだった。

我が艦隊も補給地として拠点を作成し、次回以降入植を勧めていく事になるだろう。

次は商館を設置してあるマカオだ。

最初の商館設置から五年が経過しており、定期便がある。今回正式に明に認められ、居留地の開設が許された。毎年ポルトガル同じく五百両(二千貫)支払う事で、自由に出入港できる様になったのだ。

出費はあるが、リターンを比べたら安いものだ。こちらも市長に親書を送った。周辺海域の自由航行とポルトガル船とのトラブル防止のためだ。

次はベトナムだ。中部ベトナムにある広南国のホイアンは、国際貿易港として栄えており、こちらにも親書を送った。ゴム資源を求めているので隣国のカンボジアとタイにも訪問した。

タイはアユタヤ王朝だ。交渉を行って現地に採取場を設け、ゴムの製造まで行い、それを国内にもってこれる様にできれば一番いい。

マラッカにも訪問したが、ポルトガルが占領していた。同様に親書は送ったが、マラッカ海峡を渡るには税がかかる。だから海峡を使わずにインド洋に出る事のできる航路を探したのだ。

インドネシアに向かいハンテン王国に上陸、親書を渡した。

交易がはじまれば、マラッカ海峡を通らずにスマトラ島の南西岸を抜けて、インド洋に出る事ができる。次回への課題だ。それからここも、ゴムの産地だ。

北上し、ルソンのマニラに向かう。1565年にスペインのレガスピが領有を宣言して初代総督になっている。謁見ができたのは僥倖だったが、日本へのスペイン船の来航を早める事が出来るかもしれない。

結果的に今回の航海は、非常に有意義なものであった。艦隊の規模を拡大し、航路と販路を拡大しよう。これからさき、あと13年でポルトガルはスペインに併合されてしまうけど、オランダとイギリスも進出してくる。

その前にある程度拠点を確保し。武装して拡充しておくべきか?それともあくまでも貿易目的という事で、あまり深入りしないほうがいいだろうか。しかし、武力を伴わない平和外交なんて出来ないだろうし、並行してやっていこう。

いずれにしても艦隊整備に人材育成、海外拠点の開拓は急務だな。
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