225 / 312
第223話 『井伊直弼と太田和次郎左衛門』
しおりを挟む
安政五年七月十五日(1858/8/23)
すでに老中の堀田正睦と松平忠固は罷免され、代わって鯖江藩主の間部詮勝、前掛川藩主の太田資始などを直弼は老中に抜擢していた。
先日不時登城をした松平春嶽は隠居、徳川斉昭・一橋慶喜は謹慎、徳川慶篤には登城停止などの処分を下す事となる。
こういった幕閣の改造は、事前に朝廷に内容を知らせずに無断で条約調印をしたのは朝廷軽視の所業であるとして、高まる幕府への批判をかわそうとした、とも思える。
しかし実際は一橋派に理解を示す正睦と忠固を追放し、幕権擁護派によって老中の体制を固めたものであった。
「初めてお目にかかります、大村丹後守様家中、家老の太田和次郎左衛門にございます」
「うむ、いろいろと話は聞いておる。して、此度ははるばる肥前から何用じゃ」
井伊直弼は次郎の予想通りの上から目線であった。
「は、まずは大老ご就任、真におめでたく存じます」
「世辞はよい。用件を申せ」
「は、されば、先頃調印となった米利堅国との条約につきまして、お伺いしたき儀がございまして罷り越しましてございます」
直弼は少しだけ顔をゆがめ、次郎に聞く。
「はて、国と国との約束事である条約に、なにゆえ西国の家中で、しかもその家老が口を出してくるのだ?」
相変わらず高飛車であったが、実際は次郎からこの混迷した時勢をいかにして切り抜けるか、なんらかの助言を聞きたいという素振りはあった。
「されば申し上げまする。嘉永の米利堅国との条約より此の方、異国との条約の子細について見聞役を仰せつかった者として、神戸の開港と大阪の開市についてお伺いしたき儀がございます」
「ほう、神戸の開港と大阪の開市についてか。何を聞きたいのだ?」
直弼は興味を示しながらも、依然として威圧的な態度を崩さない。次郎は慎重に言葉を選び、答えた。
「然れば大阪は無論の事、神戸は都より近く、天子様の宸襟を悩ますのではないかと考えまする。条約においては、臣民を安んずるのであれば、事後の報せでもよいと某は伺っておりました。然りながら此度は、前もって天子様にその旨を奏上奉り、勅を以て調印する事が肝要ではなかったかと存じます」
次郎はそこでいったん区切った。直弼は微動だにしない。
「掃部頭様は、それを踏まえて、勅を得ずに調印をなされたのでしょうか?」
次郎の質問に、直弼の表情が一瞬固くなった。しかしすぐに平静を取り戻し、威厳のある声で答える。
「ふむ。確かに朝廷への配慮は重要だ。然れど其の方も言うように只今は国家の危急存亡の時、速やかなる決断が求められることもある。今回の条約締結は、まさにそういった事様の下での判断であった」
そもそも、と直弼は一息置いてから続けた。
「わしは条約に際して、神戸の開港と大阪の開市を求めるならば朝廷に勅許を頂き、そうでないならば、別の港か期限を十年以上後として、十二分に備えをしてから結ぼうとしたのだ。しかしハリスはそれを認めなかった。清国での戦を例に出し、次は日本だと言うのだ。加えて忠固などは勅許などいらぬとわめいた故、此度は老中を罷免する運びとなった」
なるべく引き延ばせ、どうしても無理なら仕方ない、というアレだな、と次郎は思った。
「うべなるかな(なるほど)。然れどそれでは、天子様の御公儀に対する信に揺らぎが出る事は必定。朝廷に対して十分な説明と、神戸の開港と大阪の開市においては、民心が惑わぬよう備えねばなりませぬ。加えて、再びハリスと会談し、別の場所を提案するか一年ではなく最低でも五年、欲を言えば十年の猶予を持たせるよういたす要ありと存じます」
直弼は次郎の言葉をしばらく黙って聞いていた。その表情には複雑な思いが浮かんでいたが、やがてゆっくりと口を開く。
「なるほど。其の方の考えもよく分かる。確かに朝廷への説明は要るであろう。民心を安んずる事も重しである」
直弼は一息つき、続けた。
「然れどハリスと再び交渉し、すでに約した物を覆すのは容易ではない。それに、清国の二の舞になる危うさも考えねばならぬ」
次郎は慎重に言葉を選びながら答える。
「仰せのとおりでございます。然れど再び談合するは覆すためではなく、其の方が米利堅国にとっても利のある事と説くのでございます。民心を安んずるのは我らの役目にございますが、容易ではございませぬ。それゆえ時が欲しいと申しておるのに無理に結ばせ、危うきに至っても、責はとらぬと言えば、ハリスも耳を傾けるのではないでしょうか」
直弼は目をつむり、次郎の言葉を頭の中で何度も繰り返す。
「ふむ、では清国の儀はいかがいたす。戦は和議とあいなったと聞いておる。このまま戦が終われば、英吉利と仏蘭西が同じように押し寄せるやもと、ハリスは申しておったぞ」
ははははは! と次郎は笑って直弼に正対し、居住まいを正して言う。
「それはまずありませぬ。休戦は休戦であり、あと二年は続きましょう。よしんば戦が終わったとて、艦隊を率いて攻めてはきませぬ。もし、攻めるなら、何故はじめに攻めてこなかったのですか? 江戸の内海に台場在り、西国諸藩は備えを強め、我が家中が艦隊にてペリー提督やプチャーチンと相対したからに他なりません」
直弼は次郎の言葉に驚いた様子を見せたが、興味深そうに身を乗り出しているのが見て取れる。
「ほう、然様な見方もあるか。確かに言われてみれば、得心できる部分もある。然れど……」
直弼は腕を組み、しばらく考え込んだ後、ゆっくりと口を開いた。
「其の方の言うとおりとして、もし万が一、攻めてきたら如何致す?」
しばらく沈黙がその場を包んだ。そうならない為の条約なのだ。
「然様な時は……我が、我が大村家中の海軍が存分にお相手いたしましょう! つい先月、新造艦が四隻でき申した。家中十一隻の軍艦と御公儀の軍艦三隻とあわせて戦わば、勝てぬにしても、負けぬ戦は出来まする!」
次郎は真顔でひときわ声を大にして言った。それがための抑止力だといわんばかりの表情である。
「来年には米利堅の船と変わらぬ船が、二隻大村に回航されます。英吉利も清国の海軍をすべて日本に回すことなどできますまい。加えて和蘭も米利堅も黙っておらぬでしょう。そうならぬように、米利堅の仲介を含めた条約にございましょう。然様な非道がまかり通って、なにが文明国にござろうか。笑わせまする」
直弼は、次郎の言葉をしっかり受け止め、再び沈黙が流れた。
「あいわかった。その旨ふたたびハリスに伝え、変更の協議をいたそう。其の方、いずれにしても京へ向かうのであろう? 朝廷に如何なる伝手があるかわからぬが、公儀からも使者を出す故、よきに計らうが良い」
「はは、有難うございます。加えて……」
「なんじゃ、まだあるのか?」
「は、春嶽公や水戸様の事にございますが、隠居謹慎、登城停止の命を、取りやめていただきたく存じます」
とたんに直弼の顔色が変わった。
「然様な事は其の方に言われる様な事ではない! 国家危急の時故、条約に関しては話を聞いたが、わが政権内の事、余計な口出しをするでない!」
よほど腹が立ったのだろう。立ち上がって次郎を睨みつけている。
次郎にとってはそこまで怒るような事か? という認識であったが、幕府ファーストのオレが話を聞いてやったのにつけあがりやがって、という気になったのだろうか。
「申し訳ございませぬ! 出過ぎたことを申しました。然れど、いかに考えが違うとしても、国を思っての事、厳しすぎる罰は敵を増やすだけにございます」
「然様な事は其の方に言われなくてもわかっておるわ! ええい、不愉快じゃ、下がれ! 下がるのだ! さきほどの傳奏の件もよい。こちらはこちらでやるゆえ、勝手にするがよい!」
直弼はそう吐き捨てて退座してしまった。次郎は平伏し、直弼がいなくなったのを確認して部屋をでた。
■築地 大村艦隊二番艦 祥雲艦上
「なんだと? それは真か?」
次郎は助三郎からの報告を聞き、愕然とした。うすうす感じてはいたものの、確証がなかったのだ。
「は、江戸市中の大阪屋の遣いが、彦根藩邸にたびたび出入りしていたのは分かっておりましたが、わが家中が灯油の販売を始め、菜種の売れ行きが減ってきたにも拘わらず、彦根藩邸だけは出入りの度合いが変わっていないのです」
「然れど、それだけでは単なる想像にすぎまい?」
「は、金を出したのは大阪屋、殿や御家老様の行動を逐一調べ、流したのは井伊家中、そして行ったのは水戸の浪士でございました」
「真に、真に……間違いはなかろうな?」
「は、下手人はすでに逃げおおせ消息不明にございますが、協力者がおりました。ようやく口を割り、その三者がつながりましてございます」
「助三郎、それは、誰かに話したか?」
「滅相もございませぬ、御家老様に申し上げただけにございます」
幕府からの調べでは、まったくそういった情報はでない。下手人不明で捜査が終わりそうな勢いだ。
「よし、誰にも口外するでないぞ、調べに関わった者すべてに、厳に命じるのだ」
「はは!」
どうすればいいのだ? 次郎はため息と共に天を仰いだ。
次回 第224話 (仮)『大獄前夜と朝廷』
すでに老中の堀田正睦と松平忠固は罷免され、代わって鯖江藩主の間部詮勝、前掛川藩主の太田資始などを直弼は老中に抜擢していた。
先日不時登城をした松平春嶽は隠居、徳川斉昭・一橋慶喜は謹慎、徳川慶篤には登城停止などの処分を下す事となる。
こういった幕閣の改造は、事前に朝廷に内容を知らせずに無断で条約調印をしたのは朝廷軽視の所業であるとして、高まる幕府への批判をかわそうとした、とも思える。
しかし実際は一橋派に理解を示す正睦と忠固を追放し、幕権擁護派によって老中の体制を固めたものであった。
「初めてお目にかかります、大村丹後守様家中、家老の太田和次郎左衛門にございます」
「うむ、いろいろと話は聞いておる。して、此度ははるばる肥前から何用じゃ」
井伊直弼は次郎の予想通りの上から目線であった。
「は、まずは大老ご就任、真におめでたく存じます」
「世辞はよい。用件を申せ」
「は、されば、先頃調印となった米利堅国との条約につきまして、お伺いしたき儀がございまして罷り越しましてございます」
直弼は少しだけ顔をゆがめ、次郎に聞く。
「はて、国と国との約束事である条約に、なにゆえ西国の家中で、しかもその家老が口を出してくるのだ?」
相変わらず高飛車であったが、実際は次郎からこの混迷した時勢をいかにして切り抜けるか、なんらかの助言を聞きたいという素振りはあった。
「されば申し上げまする。嘉永の米利堅国との条約より此の方、異国との条約の子細について見聞役を仰せつかった者として、神戸の開港と大阪の開市についてお伺いしたき儀がございます」
「ほう、神戸の開港と大阪の開市についてか。何を聞きたいのだ?」
直弼は興味を示しながらも、依然として威圧的な態度を崩さない。次郎は慎重に言葉を選び、答えた。
「然れば大阪は無論の事、神戸は都より近く、天子様の宸襟を悩ますのではないかと考えまする。条約においては、臣民を安んずるのであれば、事後の報せでもよいと某は伺っておりました。然りながら此度は、前もって天子様にその旨を奏上奉り、勅を以て調印する事が肝要ではなかったかと存じます」
次郎はそこでいったん区切った。直弼は微動だにしない。
「掃部頭様は、それを踏まえて、勅を得ずに調印をなされたのでしょうか?」
次郎の質問に、直弼の表情が一瞬固くなった。しかしすぐに平静を取り戻し、威厳のある声で答える。
「ふむ。確かに朝廷への配慮は重要だ。然れど其の方も言うように只今は国家の危急存亡の時、速やかなる決断が求められることもある。今回の条約締結は、まさにそういった事様の下での判断であった」
そもそも、と直弼は一息置いてから続けた。
「わしは条約に際して、神戸の開港と大阪の開市を求めるならば朝廷に勅許を頂き、そうでないならば、別の港か期限を十年以上後として、十二分に備えをしてから結ぼうとしたのだ。しかしハリスはそれを認めなかった。清国での戦を例に出し、次は日本だと言うのだ。加えて忠固などは勅許などいらぬとわめいた故、此度は老中を罷免する運びとなった」
なるべく引き延ばせ、どうしても無理なら仕方ない、というアレだな、と次郎は思った。
「うべなるかな(なるほど)。然れどそれでは、天子様の御公儀に対する信に揺らぎが出る事は必定。朝廷に対して十分な説明と、神戸の開港と大阪の開市においては、民心が惑わぬよう備えねばなりませぬ。加えて、再びハリスと会談し、別の場所を提案するか一年ではなく最低でも五年、欲を言えば十年の猶予を持たせるよういたす要ありと存じます」
直弼は次郎の言葉をしばらく黙って聞いていた。その表情には複雑な思いが浮かんでいたが、やがてゆっくりと口を開く。
「なるほど。其の方の考えもよく分かる。確かに朝廷への説明は要るであろう。民心を安んずる事も重しである」
直弼は一息つき、続けた。
「然れどハリスと再び交渉し、すでに約した物を覆すのは容易ではない。それに、清国の二の舞になる危うさも考えねばならぬ」
次郎は慎重に言葉を選びながら答える。
「仰せのとおりでございます。然れど再び談合するは覆すためではなく、其の方が米利堅国にとっても利のある事と説くのでございます。民心を安んずるのは我らの役目にございますが、容易ではございませぬ。それゆえ時が欲しいと申しておるのに無理に結ばせ、危うきに至っても、責はとらぬと言えば、ハリスも耳を傾けるのではないでしょうか」
直弼は目をつむり、次郎の言葉を頭の中で何度も繰り返す。
「ふむ、では清国の儀はいかがいたす。戦は和議とあいなったと聞いておる。このまま戦が終われば、英吉利と仏蘭西が同じように押し寄せるやもと、ハリスは申しておったぞ」
ははははは! と次郎は笑って直弼に正対し、居住まいを正して言う。
「それはまずありませぬ。休戦は休戦であり、あと二年は続きましょう。よしんば戦が終わったとて、艦隊を率いて攻めてはきませぬ。もし、攻めるなら、何故はじめに攻めてこなかったのですか? 江戸の内海に台場在り、西国諸藩は備えを強め、我が家中が艦隊にてペリー提督やプチャーチンと相対したからに他なりません」
直弼は次郎の言葉に驚いた様子を見せたが、興味深そうに身を乗り出しているのが見て取れる。
「ほう、然様な見方もあるか。確かに言われてみれば、得心できる部分もある。然れど……」
直弼は腕を組み、しばらく考え込んだ後、ゆっくりと口を開いた。
「其の方の言うとおりとして、もし万が一、攻めてきたら如何致す?」
しばらく沈黙がその場を包んだ。そうならない為の条約なのだ。
「然様な時は……我が、我が大村家中の海軍が存分にお相手いたしましょう! つい先月、新造艦が四隻でき申した。家中十一隻の軍艦と御公儀の軍艦三隻とあわせて戦わば、勝てぬにしても、負けぬ戦は出来まする!」
次郎は真顔でひときわ声を大にして言った。それがための抑止力だといわんばかりの表情である。
「来年には米利堅の船と変わらぬ船が、二隻大村に回航されます。英吉利も清国の海軍をすべて日本に回すことなどできますまい。加えて和蘭も米利堅も黙っておらぬでしょう。そうならぬように、米利堅の仲介を含めた条約にございましょう。然様な非道がまかり通って、なにが文明国にござろうか。笑わせまする」
直弼は、次郎の言葉をしっかり受け止め、再び沈黙が流れた。
「あいわかった。その旨ふたたびハリスに伝え、変更の協議をいたそう。其の方、いずれにしても京へ向かうのであろう? 朝廷に如何なる伝手があるかわからぬが、公儀からも使者を出す故、よきに計らうが良い」
「はは、有難うございます。加えて……」
「なんじゃ、まだあるのか?」
「は、春嶽公や水戸様の事にございますが、隠居謹慎、登城停止の命を、取りやめていただきたく存じます」
とたんに直弼の顔色が変わった。
「然様な事は其の方に言われる様な事ではない! 国家危急の時故、条約に関しては話を聞いたが、わが政権内の事、余計な口出しをするでない!」
よほど腹が立ったのだろう。立ち上がって次郎を睨みつけている。
次郎にとってはそこまで怒るような事か? という認識であったが、幕府ファーストのオレが話を聞いてやったのにつけあがりやがって、という気になったのだろうか。
「申し訳ございませぬ! 出過ぎたことを申しました。然れど、いかに考えが違うとしても、国を思っての事、厳しすぎる罰は敵を増やすだけにございます」
「然様な事は其の方に言われなくてもわかっておるわ! ええい、不愉快じゃ、下がれ! 下がるのだ! さきほどの傳奏の件もよい。こちらはこちらでやるゆえ、勝手にするがよい!」
直弼はそう吐き捨てて退座してしまった。次郎は平伏し、直弼がいなくなったのを確認して部屋をでた。
■築地 大村艦隊二番艦 祥雲艦上
「なんだと? それは真か?」
次郎は助三郎からの報告を聞き、愕然とした。うすうす感じてはいたものの、確証がなかったのだ。
「は、江戸市中の大阪屋の遣いが、彦根藩邸にたびたび出入りしていたのは分かっておりましたが、わが家中が灯油の販売を始め、菜種の売れ行きが減ってきたにも拘わらず、彦根藩邸だけは出入りの度合いが変わっていないのです」
「然れど、それだけでは単なる想像にすぎまい?」
「は、金を出したのは大阪屋、殿や御家老様の行動を逐一調べ、流したのは井伊家中、そして行ったのは水戸の浪士でございました」
「真に、真に……間違いはなかろうな?」
「は、下手人はすでに逃げおおせ消息不明にございますが、協力者がおりました。ようやく口を割り、その三者がつながりましてございます」
「助三郎、それは、誰かに話したか?」
「滅相もございませぬ、御家老様に申し上げただけにございます」
幕府からの調べでは、まったくそういった情報はでない。下手人不明で捜査が終わりそうな勢いだ。
「よし、誰にも口外するでないぞ、調べに関わった者すべてに、厳に命じるのだ」
「はは!」
どうすればいいのだ? 次郎はため息と共に天を仰いだ。
次回 第224話 (仮)『大獄前夜と朝廷』
2
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
三国志 群像譚 ~瞳の奥の天地~ 家族愛の三国志大河
墨笑
歴史・時代
『家族愛と人の心』『個性と社会性』をテーマにした三国志の大河小説です。
三国志を知らない方も楽しんでいただけるよう意識して書きました。
全体の文量はかなり多いのですが、半分以上は様々な人物を中心にした短編・中編の集まりです。
本編がちょっと長いので、お試しで読まれる方は後ろの方の短編・中編から読んでいただいても良いと思います。
おすすめは『小覇王の暗殺者(ep.216)』『呂布の娘の嫁入り噺(ep.239)』『段煨(ep.285)』あたりです。
本編では蜀において諸葛亮孔明に次ぐ官職を務めた許靖という人物を取り上げています。
戦乱に翻弄され、中国各地を放浪する波乱万丈の人生を送りました。
歴史ものとはいえ軽めに書いていますので、歴史が苦手、三国志を知らないという方でもぜひお気軽にお読みください。
※人名が分かりづらくなるのを避けるため、アザナは一切使わないことにしました。ご了承ください。
※切りのいい時には完結設定になっていますが、三国志小説の執筆は私のライフワークです。生きている限り話を追加し続けていくつもりですので、ブックマークしておいていただけると幸いです。
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-
半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる