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第9回 『大官彌勇馬と邪馬壱国の国際情勢』
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正元二年六月二十五日 邪馬壱国 方保田東原宮処
「申し上げます! 彌勇馬大官様、お戻りにございます!」
兵士が大きな声で叫び、邪馬壱国大官である彌勇馬将軍の帰国を知らせた。ドタドタドタと宮殿正面の庭を歩いてくるその男の年齢は40前後だろうか。階段をドスンドスンと上がってきた。
「壱与様! 壱与様! ご無事にございますか!」
「ミユマ将軍、心配かけました。吾はこの通り生きており息災です」
壱与が笑顔で返すと、いかつい体に似合わずミユマは顔をクシャクシャにして笑う。安堵の表情を浮かべると、壱与の前に跪いた。
「お待たせして申し訳ございません。日向の対蘇国にて狗奴国との国境で戦いが起きてしまい、遅れてしまいました」
「気にすることはありません。将軍が無事に戻ってきてくれただけで十分です。さあ、立ち上がってください」
壱与は優しく微笑むと、ミユマの肩に手を置いた。そしてお互いが座り、壱与は問う。
「其れで狗奴国とは如何なのですか」
「はい、狗奴国は……おや、この方は何方ですか」
「その儀については後で話します。先に報せを」
傍らに座っている修一に気付いたミユマであったが、壱与に制されて状況を説明する。
「狗奴国がここ数年で力をつけているのはご存じの通りです。先代卑弥呼様の時は佐妻国をはじめ、熊国、襲国、日向の大小の国々の連合国でありましたが、領土を拡げ、対蘇国を滅ぼしては日向を統べ、三国全ての王たらんとしております」
ミユマは深刻な表情で報告を始めた。壱与の眉間にしわが寄る。
「それほどまでに……」
「はい。狗奴国の日出流王は対蘇国を滅ぼし、日向を手に入れることで、豊国への進出を狙っているようです」
「戦には勝てたのですか? 吾らの失は?」
壱与は険しさのなかに悲しみを帯びた表情でミユマに聞いた。
「はい、失はありましたが大勢を決するほどではありませぬ。戦自体は小競り合いで終わりましたし、敵に熊襲帥将軍がいなかったのが幸いでした」
壱与は安堵の表情を浮かべつつも、なお緊張を解くことはなかった。
「小競り合いで済んだのは不幸中の幸いですね。しかし、熊襲帥将軍が不在だったということは……」
ミユマは壱与の言葉を察し、うなずいた。
「はい。恐らく本隊を率いて別の場所で作戦を展開しているか、そもそも揺動で吾らの出方を見ただけなのかもしれませぬ」
「……シュウ、如何思う?」
「え? 俺?」
まさか自分に振られるとは全く思わなかった修一は、明らかに挙動不審になってしまった。
この時代の周辺地図を頭に描きながら、勢力情報を構築していたのだ。
今いるここが邪馬壱国(熊本平野)で、これまで已百支国(長崎県西彼杵半島・大村湾沿岸部)、伊邪国(諫早平野から島原半島)、都支国(熊本県玉名市)と歩いてきた。
他の国の情報はないが、どうやら魏志倭人伝(烏丸鮮卑東夷伝倭人条)に出てくる邪馬壱国の、敵国である狗奴国と実際に対立しているらしい。
そしてその狗奴国は、薩摩・大隅・日向(鹿児島県・宮崎県)の三国をほぼ(対蘇国以外)統一し、北上して豊国(豊前・豊後。現在の福岡県の一部と大分県)へ攻め入る事を考えている。
それから……確か邪馬壱国は豊秋津島(中国地方)の国々との交易も行っている。
「壱与様」
「うむ、紹介しよう。ここな男の名は修一、吾はシュウと呼んでおる」
「シュウ殿……?」
ミユマは明らかに修一を怪しんでいる。
身長は175cmで、見た事もない風体である。入れ墨もしていない。肌身離さず持っているバックパックは、何が入っているのか関心の的だ。
「シュウは吾を助けてくれたのじゃ。シュウも中土(中国大陸)の人間で、吾の国の言葉を話す。将軍は中土の人間を見た事があるか?」
壱与の問いにミユマが向き直って答える。
「はい。奴国に赴いた際に何度か見かけた事はありますが、然れどこの様な出で立ちの漢人は見た事がありませぬ」
「吾も見た事がない。然れどこれまで吾の国に(倭の国・倭国)にやってきていた漢人は中土(中国大陸)の北の方の者達で、南に行くと風土も違い、装いや風俗も違うと言う。シュウはその中土の南の者だが、仲間と一緒に吾の国へ渡ってきたが船が難破し、仲間も死んでしまった。独りで生きていたところに吾を見つけ、助けてくれたのだ」
かなり苦しい言い訳だが、修一が何者で、どこからやって来たかを知っているのは壱与と伊都比売(イツヒメ)だけなのだ。イツヒメも最初は信じていなかったようだが、納得し、口裏を合わせてくれている。
……。
「……失礼いたしました。シュウ殿、吾らの女王、壱与様をお助け下さり、誠に感謝いたします。壱与様の信が厚いのも頷けます」
ミユマは修一に正対し、深々と頭を下げた。
武人であるミユマはあまり深く考えない性格(短慮という事ではない)であるが、壱与はもちろん、自らや仲間達に関する危機管理能力は一級品と言って良い。
そこはさすが一国の将軍である。
修一も少し落ち着きを取り戻し、頭を下げる。
「いえ、俺は何もしていません。俺の方こそ壱与……壱与様に助けて頂いた立場です。感謝するのはこちらのほうです」
謙遜した。
壱与は修一に向かって真顔で聞く。
「さて、シュウ。先ほど聞いた狗奴国の動きについて、如何思う?」
「狗奴国の動きについては、今の段階では何とも言えないでしょう。憶測で判断しては大事となります。まずは日向、熊襲、佐妻の国境の警戒は続け、同時に志能備を送って情報を得るのです。でなければこちらも動けません」
修一はそう言って、思考を整理し始めた。これまでの会話と自分の知識を総合しながら、慎重に言葉を選んで答え始めた。
「豊国にはどんな国があるのですか?」
「日向に接しておるのは呼邑国だな」
ミユマが答えた。
「では、その呼邑国とも密に連携致しましょう。狗奴国が北へ向かうなら、対蘇国を攻めて吾らの力を見ただけかもしれません。また、味方は多いに越したことはありませんから、豊秋津島……とは交易があるんですよね?」
壱与、ミユマ、イツヒメの三人とも驚いた顔をする。いや、壱与とイツヒメは驚いたフリをしたのだ。
「シュウ、汝は本当に物知りじゃな。何ゆえ豊秋津島の国々の事を知っておるのだ?」
「南の土地でもその様な情報は入るのです。梯儁や張政という魏の使者が来たと聞いています。その者らの報告の書に書かれていたそうです」
修一は笑顔で答え、そこで止めた。あまり話すとボロがでてしまう。
「では修一は豊秋津島の国々とも盟を結べと?」
「そうです。どんな答えが来るかわかりませんが、やれる事はやっておくべきかと」
「うむ。わかった。では使者を派遣してその旨を伝えるとしよう。将軍はゆっくり休んでください」
壱与は笑顔でそう言って、ミユマにねぎらいの言葉をかけた。
「はい、ありがとうございます。では、お言葉に甘えて、失礼いたします」
ミユマは深々と頭を下げながら答えた。疲れた様子ではあったが、その眼差しには依然として鋭さがあった。
壱与はミユマが退出した後、修一とイツヒメに言った。
「シュウ、イツヒメ、二人とも残ってくれ。もう少し話があるのだ」
二人が頷くと、壱与は静かに続けた。
「シュウ、汝の案は素晴らしい。だが、豊秋津島の国々との同盟には難しさもある。彼らの中には吾らと敵対的な関係にある国もあるのだ」
なあんだ、と修一は言った。
「壱与、俺はああ言ったけど、無理に同盟を結ぶ必要はないんだよ。もちろん結べるに越したことはないから交渉はした方が良いけど、それよりも」
そう言って修一はバックパックをゴソゴソとあさり、九州を中心とした西日本の地図を広げた。
「おお! シュウよ、これはなんじゃ?」
「地図だよ」と修一は言いながら蛍光ペンを取り出し、ざっくりとこれまでの国々を丸をつけていく。壱与とイツヒメはワクワクしながらそれを眺め、二人で顔を見合わせている。
「よし。これでいい。さっきミユマ将軍にも話したけど、ここね、さっき言ってた呼邑国、それから攻められた対蘇国、そして、ここ、ここにも国があるんじゃない? 多分……」
そう言って修一は熊本県南部、宮崎県との県境の熊本側を指して言う。
「この辺りに、不呼国がない?」
おおお~! と二人が驚いてその通りだ、と返事をした。
邪馬壱国やその周辺国の位置関係は様々な説があって、正確には分からない。しかし修一は邪馬壱国が熊本市から山鹿市にかけて実際にあったので、そこから比定したのだ。
「その三国に防衛を強化するように伝えて、こっちはこっちで策を練れば良い」
「策とは?」
壱与が言うとイツヒメが続く。
「三国に備えを強めるように言い、豊秋津島の国々に同盟を求める以外に何かあるのですか?」
「……そうだね。例えばこれ」
修一はまたバックパックをあさって、袋を取りだして見せた。
次回 第10話 (仮)『鉄と帆船とその他諸々』
正元二年六月二十五日(AD255/7/25⇔2024/6/11/09:00)
「申し上げます! 彌勇馬大官様、お戻りにございます!」
兵士が大きな声で叫び、邪馬壱国大官である彌勇馬将軍の帰国を知らせた。ドタドタドタと宮殿正面の庭を歩いてくるその男の年齢は40前後だろうか。階段をドスンドスンと上がってきた。
「壱与様! 壱与様! ご無事にございますか!」
「ミユマ将軍、心配かけました。吾はこの通り生きており息災です」
壱与が笑顔で返すと、いかつい体に似合わずミユマは顔をクシャクシャにして笑う。安堵の表情を浮かべると、壱与の前に跪いた。
「お待たせして申し訳ございません。日向の対蘇国にて狗奴国との国境で戦いが起きてしまい、遅れてしまいました」
「気にすることはありません。将軍が無事に戻ってきてくれただけで十分です。さあ、立ち上がってください」
壱与は優しく微笑むと、ミユマの肩に手を置いた。そしてお互いが座り、壱与は問う。
「其れで狗奴国とは如何なのですか」
「はい、狗奴国は……おや、この方は何方ですか」
「その儀については後で話します。先に報せを」
傍らに座っている修一に気付いたミユマであったが、壱与に制されて状況を説明する。
「狗奴国がここ数年で力をつけているのはご存じの通りです。先代卑弥呼様の時は佐妻国をはじめ、熊国、襲国、日向の大小の国々の連合国でありましたが、領土を拡げ、対蘇国を滅ぼしては日向を統べ、三国全ての王たらんとしております」
ミユマは深刻な表情で報告を始めた。壱与の眉間にしわが寄る。
「それほどまでに……」
「はい。狗奴国の日出流王は対蘇国を滅ぼし、日向を手に入れることで、豊国への進出を狙っているようです」
「戦には勝てたのですか? 吾らの失は?」
壱与は険しさのなかに悲しみを帯びた表情でミユマに聞いた。
「はい、失はありましたが大勢を決するほどではありませぬ。戦自体は小競り合いで終わりましたし、敵に熊襲帥将軍がいなかったのが幸いでした」
壱与は安堵の表情を浮かべつつも、なお緊張を解くことはなかった。
「小競り合いで済んだのは不幸中の幸いですね。しかし、熊襲帥将軍が不在だったということは……」
ミユマは壱与の言葉を察し、うなずいた。
「はい。恐らく本隊を率いて別の場所で作戦を展開しているか、そもそも揺動で吾らの出方を見ただけなのかもしれませぬ」
「……シュウ、如何思う?」
「え? 俺?」
まさか自分に振られるとは全く思わなかった修一は、明らかに挙動不審になってしまった。
この時代の周辺地図を頭に描きながら、勢力情報を構築していたのだ。
今いるここが邪馬壱国(熊本平野)で、これまで已百支国(長崎県西彼杵半島・大村湾沿岸部)、伊邪国(諫早平野から島原半島)、都支国(熊本県玉名市)と歩いてきた。
他の国の情報はないが、どうやら魏志倭人伝(烏丸鮮卑東夷伝倭人条)に出てくる邪馬壱国の、敵国である狗奴国と実際に対立しているらしい。
そしてその狗奴国は、薩摩・大隅・日向(鹿児島県・宮崎県)の三国をほぼ(対蘇国以外)統一し、北上して豊国(豊前・豊後。現在の福岡県の一部と大分県)へ攻め入る事を考えている。
それから……確か邪馬壱国は豊秋津島(中国地方)の国々との交易も行っている。
「壱与様」
「うむ、紹介しよう。ここな男の名は修一、吾はシュウと呼んでおる」
「シュウ殿……?」
ミユマは明らかに修一を怪しんでいる。
身長は175cmで、見た事もない風体である。入れ墨もしていない。肌身離さず持っているバックパックは、何が入っているのか関心の的だ。
「シュウは吾を助けてくれたのじゃ。シュウも中土(中国大陸)の人間で、吾の国の言葉を話す。将軍は中土の人間を見た事があるか?」
壱与の問いにミユマが向き直って答える。
「はい。奴国に赴いた際に何度か見かけた事はありますが、然れどこの様な出で立ちの漢人は見た事がありませぬ」
「吾も見た事がない。然れどこれまで吾の国に(倭の国・倭国)にやってきていた漢人は中土(中国大陸)の北の方の者達で、南に行くと風土も違い、装いや風俗も違うと言う。シュウはその中土の南の者だが、仲間と一緒に吾の国へ渡ってきたが船が難破し、仲間も死んでしまった。独りで生きていたところに吾を見つけ、助けてくれたのだ」
かなり苦しい言い訳だが、修一が何者で、どこからやって来たかを知っているのは壱与と伊都比売(イツヒメ)だけなのだ。イツヒメも最初は信じていなかったようだが、納得し、口裏を合わせてくれている。
……。
「……失礼いたしました。シュウ殿、吾らの女王、壱与様をお助け下さり、誠に感謝いたします。壱与様の信が厚いのも頷けます」
ミユマは修一に正対し、深々と頭を下げた。
武人であるミユマはあまり深く考えない性格(短慮という事ではない)であるが、壱与はもちろん、自らや仲間達に関する危機管理能力は一級品と言って良い。
そこはさすが一国の将軍である。
修一も少し落ち着きを取り戻し、頭を下げる。
「いえ、俺は何もしていません。俺の方こそ壱与……壱与様に助けて頂いた立場です。感謝するのはこちらのほうです」
謙遜した。
壱与は修一に向かって真顔で聞く。
「さて、シュウ。先ほど聞いた狗奴国の動きについて、如何思う?」
「狗奴国の動きについては、今の段階では何とも言えないでしょう。憶測で判断しては大事となります。まずは日向、熊襲、佐妻の国境の警戒は続け、同時に志能備を送って情報を得るのです。でなければこちらも動けません」
修一はそう言って、思考を整理し始めた。これまでの会話と自分の知識を総合しながら、慎重に言葉を選んで答え始めた。
「豊国にはどんな国があるのですか?」
「日向に接しておるのは呼邑国だな」
ミユマが答えた。
「では、その呼邑国とも密に連携致しましょう。狗奴国が北へ向かうなら、対蘇国を攻めて吾らの力を見ただけかもしれません。また、味方は多いに越したことはありませんから、豊秋津島……とは交易があるんですよね?」
壱与、ミユマ、イツヒメの三人とも驚いた顔をする。いや、壱与とイツヒメは驚いたフリをしたのだ。
「シュウ、汝は本当に物知りじゃな。何ゆえ豊秋津島の国々の事を知っておるのだ?」
「南の土地でもその様な情報は入るのです。梯儁や張政という魏の使者が来たと聞いています。その者らの報告の書に書かれていたそうです」
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「では修一は豊秋津島の国々とも盟を結べと?」
「そうです。どんな答えが来るかわかりませんが、やれる事はやっておくべきかと」
「うむ。わかった。では使者を派遣してその旨を伝えるとしよう。将軍はゆっくり休んでください」
壱与は笑顔でそう言って、ミユマにねぎらいの言葉をかけた。
「はい、ありがとうございます。では、お言葉に甘えて、失礼いたします」
ミユマは深々と頭を下げながら答えた。疲れた様子ではあったが、その眼差しには依然として鋭さがあった。
壱与はミユマが退出した後、修一とイツヒメに言った。
「シュウ、イツヒメ、二人とも残ってくれ。もう少し話があるのだ」
二人が頷くと、壱与は静かに続けた。
「シュウ、汝の案は素晴らしい。だが、豊秋津島の国々との同盟には難しさもある。彼らの中には吾らと敵対的な関係にある国もあるのだ」
なあんだ、と修一は言った。
「壱与、俺はああ言ったけど、無理に同盟を結ぶ必要はないんだよ。もちろん結べるに越したことはないから交渉はした方が良いけど、それよりも」
そう言って修一はバックパックをゴソゴソとあさり、九州を中心とした西日本の地図を広げた。
「おお! シュウよ、これはなんじゃ?」
「地図だよ」と修一は言いながら蛍光ペンを取り出し、ざっくりとこれまでの国々を丸をつけていく。壱与とイツヒメはワクワクしながらそれを眺め、二人で顔を見合わせている。
「よし。これでいい。さっきミユマ将軍にも話したけど、ここね、さっき言ってた呼邑国、それから攻められた対蘇国、そして、ここ、ここにも国があるんじゃない? 多分……」
そう言って修一は熊本県南部、宮崎県との県境の熊本側を指して言う。
「この辺りに、不呼国がない?」
おおお~! と二人が驚いてその通りだ、と返事をした。
邪馬壱国やその周辺国の位置関係は様々な説があって、正確には分からない。しかし修一は邪馬壱国が熊本市から山鹿市にかけて実際にあったので、そこから比定したのだ。
「その三国に防衛を強化するように伝えて、こっちはこっちで策を練れば良い」
「策とは?」
壱与が言うとイツヒメが続く。
「三国に備えを強めるように言い、豊秋津島の国々に同盟を求める以外に何かあるのですか?」
「……そうだね。例えばこれ」
修一はまたバックパックをあさって、袋を取りだして見せた。
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