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三角関係?
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「ところでその……以前言っていた王太子妃にはなりたくないというのは……」
フェリクスが何やら気まずそうにしている。
「それは相手が誰であれ、王太子妃という立場にはなりたくないということか?」
「え?」
「い、いや、前にそんな話をしただろう、あれはルーク相手だからなのかそれとも……」
「いやー! 体はなんともないってさ! よかったよかった!」
フェリクスの言葉は突如登場したルークによって遮られた。
「ルーク?!」
私とフェリクスは声をそろえる。
「もう大丈夫なの?」
「ああ、もうすっかり元気だよ」
そう答えたルークの表情はなんだか晴れやかだった。
「やっとお役御免でこれからは気楽にふるまえるってわけだ」
そう言ってルークは大きく体を伸ばす。フェリクスが王太子であることが公になり、ルークはもう王太子のふりをしなくてよくなった。その解放感は相当なものだろう。
「王太子のふり、本当に板についていたわ。全然わからなかったもの」
私は素直な感想を漏らした。生まれながらの恵まれた容姿もさることながら、ルークの振る舞いはどこからどう見ても王太子そのものだった。だけど今こうして素のルークを目の前にするとやはりあれは演技だったのだと改めてわかる。
「まあ俺はなんでもそこそこ器用にこなすタイプだからね」
そう言ってルークはウインクした。
「まあ、王太子の立場っていうのも女の子を口説くのには良かったけども? きざでクールな王太子ってキャラ、好きな子は多いだろ?」
そう言うなりルークは以前のような甘い視線を投げかけながら私の髪に触れてきた。
「私はそういうの趣味じゃありませんから」
そう言って私はルークの手からすっと離れる。
「相変わらず君はつれないなぁ、エマ。でも優しくて紳士でステキなルーク様のキャラが好きじゃないってことは逆に今の素の俺に勝機ありってことかな?」
「私、軽い男性も好きではありませんの」
「おいおい、そんなこと言ってたらいくら君でも行き遅れるぞ?」
「それは願ったりですわ」
「そのセリフ、いつも男たちに追いかけられてる君が言うと決まるねぇ」
……ルークって素は結構お調子者なのかと思っていたけれど、こんなに軽い感じだったのね。なんだか別人みたいで本当に不思議。
「ルーク、前から思っていたがお前のエマへの距離感はどう考えてもおかしい」
気がつくとフェリクスが私とルークの間に立っていた。目が笑っていない。ルークは相変わらずの調子で答える。
「男女の距離感におかしいもおかしくないもないだろ? 俺たちは魔法学園の同級生なんだし。仲良くやっていかないと」
「曲がりなりにも王族たるものがそう軽々しく女性に……」
フェリクスの説教じみた言葉をルークが遮る。
「へぇ。じゃあ君は王族たる威厳を持って女の子を口説くこともせず、エマが俺に口説かれるのをそうして黙って見ておけばいいさ」
そう言ってルークは今度は私の肩に手を置いた。
「ルーク、気軽に女の子にそうやって触れるのは良くないわよ?」
私はたしなめるように言った。とは言うものの、ルークって見た目は抜群にかっこいいし、物腰も穏やかで優しげで、彼に口説かれて悪い気がする女の子はそういないだろう。
「だって君はこんなに可憐で可愛らしい花のような存在なんだ、誰だって触れたくもなるだろう?」
「オマエハサキホドカラヌケヌケト……!」
フェリクスの怒りが徐々にかさを増してきている。フェリクスったらどうしてこんなに怒っているのかしら。私なら別に平気なのに。王族である従兄が女性に対して軽々しい態度を取っているのが許せないのかしら?
「わかったわかった。今日はこのくらいにしておくよ」
そう言ってルークは私の肩に置いた手を引っ込める。
「今日はと言わず今後一切そういったことは控えてもらいたいものだな」
「それは約束しかねるね」
言い争いながらも2人はなんだかんだ仲がいいみたい。2人の様子を面白おかしい気持ちで眺めているとなんだか穏やかな気持ちになった。
フェリクスが何やら気まずそうにしている。
「それは相手が誰であれ、王太子妃という立場にはなりたくないということか?」
「え?」
「い、いや、前にそんな話をしただろう、あれはルーク相手だからなのかそれとも……」
「いやー! 体はなんともないってさ! よかったよかった!」
フェリクスの言葉は突如登場したルークによって遮られた。
「ルーク?!」
私とフェリクスは声をそろえる。
「もう大丈夫なの?」
「ああ、もうすっかり元気だよ」
そう答えたルークの表情はなんだか晴れやかだった。
「やっとお役御免でこれからは気楽にふるまえるってわけだ」
そう言ってルークは大きく体を伸ばす。フェリクスが王太子であることが公になり、ルークはもう王太子のふりをしなくてよくなった。その解放感は相当なものだろう。
「王太子のふり、本当に板についていたわ。全然わからなかったもの」
私は素直な感想を漏らした。生まれながらの恵まれた容姿もさることながら、ルークの振る舞いはどこからどう見ても王太子そのものだった。だけど今こうして素のルークを目の前にするとやはりあれは演技だったのだと改めてわかる。
「まあ俺はなんでもそこそこ器用にこなすタイプだからね」
そう言ってルークはウインクした。
「まあ、王太子の立場っていうのも女の子を口説くのには良かったけども? きざでクールな王太子ってキャラ、好きな子は多いだろ?」
そう言うなりルークは以前のような甘い視線を投げかけながら私の髪に触れてきた。
「私はそういうの趣味じゃありませんから」
そう言って私はルークの手からすっと離れる。
「相変わらず君はつれないなぁ、エマ。でも優しくて紳士でステキなルーク様のキャラが好きじゃないってことは逆に今の素の俺に勝機ありってことかな?」
「私、軽い男性も好きではありませんの」
「おいおい、そんなこと言ってたらいくら君でも行き遅れるぞ?」
「それは願ったりですわ」
「そのセリフ、いつも男たちに追いかけられてる君が言うと決まるねぇ」
……ルークって素は結構お調子者なのかと思っていたけれど、こんなに軽い感じだったのね。なんだか別人みたいで本当に不思議。
「ルーク、前から思っていたがお前のエマへの距離感はどう考えてもおかしい」
気がつくとフェリクスが私とルークの間に立っていた。目が笑っていない。ルークは相変わらずの調子で答える。
「男女の距離感におかしいもおかしくないもないだろ? 俺たちは魔法学園の同級生なんだし。仲良くやっていかないと」
「曲がりなりにも王族たるものがそう軽々しく女性に……」
フェリクスの説教じみた言葉をルークが遮る。
「へぇ。じゃあ君は王族たる威厳を持って女の子を口説くこともせず、エマが俺に口説かれるのをそうして黙って見ておけばいいさ」
そう言ってルークは今度は私の肩に手を置いた。
「ルーク、気軽に女の子にそうやって触れるのは良くないわよ?」
私はたしなめるように言った。とは言うものの、ルークって見た目は抜群にかっこいいし、物腰も穏やかで優しげで、彼に口説かれて悪い気がする女の子はそういないだろう。
「だって君はこんなに可憐で可愛らしい花のような存在なんだ、誰だって触れたくもなるだろう?」
「オマエハサキホドカラヌケヌケト……!」
フェリクスの怒りが徐々にかさを増してきている。フェリクスったらどうしてこんなに怒っているのかしら。私なら別に平気なのに。王族である従兄が女性に対して軽々しい態度を取っているのが許せないのかしら?
「わかったわかった。今日はこのくらいにしておくよ」
そう言ってルークは私の肩に置いた手を引っ込める。
「今日はと言わず今後一切そういったことは控えてもらいたいものだな」
「それは約束しかねるね」
言い争いながらも2人はなんだかんだ仲がいいみたい。2人の様子を面白おかしい気持ちで眺めているとなんだか穏やかな気持ちになった。
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