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まさかのデート
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「昨日、加藤先生にキツいこと言われなかった?」
翌日の講習で雨宮先生が尋ねてきた。加藤先生は教習生の間でも厳しいことで有名だ。
昨日私が加藤先生の教習だったことを覚えていてくれてこんな風に気遣ってくれるなんて雨宮先生ってほんと気配りすごい。
「車両感覚がまだまだつかめてないねって言われました」
「あーそれは当たり前だよ。気にすることないからね? だんだん覚えていくものだから」
先生の優しい言葉に心がじんわりしてしまう。あー駄目だ、やっぱり好き。
・
・
・
意を決して雨宮先生に連絡先を聞いてみることにした。
断られたら気まずいから卒業間近に決行することに決めた。
「観月さん、もうすぐ卒業だね。運転かなりうまくなった」
車内で先生がそう言ってきた。これはもしかして連絡先を自然に聞くチャンス?
「先生、あの!」
「ん?」
「イ〇スタとか! やってますか?!」
「え?」
先生がびっくりした顔をする。
あ、ヤバい、これってもしかして断られるパターン?
「あー……ほぼつかってないんだけど、一応やってるよ」
「えっと、あのもしよければアカウント教えてもらえませんか?!」
「え、あ、うん。観月さんのも教えてくれる?」
やった! 自然な形でアカウントゲット! にやつきをどうにかおさえて私はその日の講習を終えた。
・
・
・
その日の夜、お礼もかねて先生にメッセージを送ってみた。そしたらすぐに返事が返ってきた。
気がついたら毎日メッセージをやり取りするようになっていて、教習所を卒業した翌週の週末に2人で水族館に行くことになった。
え? 嘘でしょ? なんだかスムーズすぎて夢みたい。
・
・
・
あっという間に約束の土曜日になった。待ち合わせ場所で先生を待っている間もドキドキが止まらない。
「観月さん!」
名前を呼ばれてそちらを見ると先生が手を振っていた。
服装はベージュのフーディにシンプルなパンツ。ヤバい、私服の先生もめちゃくちゃかっこいい。教習所で見る先生は大人っぽくてかっこよかったけど、私服の先生は普通にかっこいいお兄さん。
はーダメだ、眼福すぎる。
「今日のかっこ、めちゃくちゃ可愛い」
先生からそんな風に言われて思わず赤面してしまう。
「せ、先生の方がめちゃくちゃかっこいいです」
「えー? ありがと」
先生がそう言ってにっこり笑う。教習所で顔を合わせていた時より先生がなんだか自然体な気がして嬉しくなる。
「もう先生じゃないんだから、名前で呼んでよ。恭一ね」
「えっとじゃあ恭一君? でいいのかな?」
「ん」
・
・
・
「ふふ、あのお魚可愛い」
「ほんとだ」
2人で水槽を覗き込む。恭一君に近づくといつものいい匂いがした。恭一君からはいつもほんのりと石鹸みたいないい匂いがする。
「あっちも行ってみよ?」
そう言われて自然と手を握られた。……今さらだけど、これって完全にデートだよね? え、デート? 私今、先生とデートしてる? あ、先生じゃなくて恭一君だった。……やっぱりまだ慣れない。
2人でアイスクリームを買って食べた。ふんわり甘くて美味しい。
「観月さん今日、髪もすっごくかわいい」
恭一君が言う。……恭一君のほうがずっとかわいいしかっこいいってば。
「あ、いや、いつもずっとかわいかったけど」
照れくさそうに恭一君が言う。そんな風に言われたら私のほうが照れちゃうよ。
翌日の講習で雨宮先生が尋ねてきた。加藤先生は教習生の間でも厳しいことで有名だ。
昨日私が加藤先生の教習だったことを覚えていてくれてこんな風に気遣ってくれるなんて雨宮先生ってほんと気配りすごい。
「車両感覚がまだまだつかめてないねって言われました」
「あーそれは当たり前だよ。気にすることないからね? だんだん覚えていくものだから」
先生の優しい言葉に心がじんわりしてしまう。あー駄目だ、やっぱり好き。
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意を決して雨宮先生に連絡先を聞いてみることにした。
断られたら気まずいから卒業間近に決行することに決めた。
「観月さん、もうすぐ卒業だね。運転かなりうまくなった」
車内で先生がそう言ってきた。これはもしかして連絡先を自然に聞くチャンス?
「先生、あの!」
「ん?」
「イ〇スタとか! やってますか?!」
「え?」
先生がびっくりした顔をする。
あ、ヤバい、これってもしかして断られるパターン?
「あー……ほぼつかってないんだけど、一応やってるよ」
「えっと、あのもしよければアカウント教えてもらえませんか?!」
「え、あ、うん。観月さんのも教えてくれる?」
やった! 自然な形でアカウントゲット! にやつきをどうにかおさえて私はその日の講習を終えた。
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その日の夜、お礼もかねて先生にメッセージを送ってみた。そしたらすぐに返事が返ってきた。
気がついたら毎日メッセージをやり取りするようになっていて、教習所を卒業した翌週の週末に2人で水族館に行くことになった。
え? 嘘でしょ? なんだかスムーズすぎて夢みたい。
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あっという間に約束の土曜日になった。待ち合わせ場所で先生を待っている間もドキドキが止まらない。
「観月さん!」
名前を呼ばれてそちらを見ると先生が手を振っていた。
服装はベージュのフーディにシンプルなパンツ。ヤバい、私服の先生もめちゃくちゃかっこいい。教習所で見る先生は大人っぽくてかっこよかったけど、私服の先生は普通にかっこいいお兄さん。
はーダメだ、眼福すぎる。
「今日のかっこ、めちゃくちゃ可愛い」
先生からそんな風に言われて思わず赤面してしまう。
「せ、先生の方がめちゃくちゃかっこいいです」
「えー? ありがと」
先生がそう言ってにっこり笑う。教習所で顔を合わせていた時より先生がなんだか自然体な気がして嬉しくなる。
「もう先生じゃないんだから、名前で呼んでよ。恭一ね」
「えっとじゃあ恭一君? でいいのかな?」
「ん」
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「ふふ、あのお魚可愛い」
「ほんとだ」
2人で水槽を覗き込む。恭一君に近づくといつものいい匂いがした。恭一君からはいつもほんのりと石鹸みたいないい匂いがする。
「あっちも行ってみよ?」
そう言われて自然と手を握られた。……今さらだけど、これって完全にデートだよね? え、デート? 私今、先生とデートしてる? あ、先生じゃなくて恭一君だった。……やっぱりまだ慣れない。
2人でアイスクリームを買って食べた。ふんわり甘くて美味しい。
「観月さん今日、髪もすっごくかわいい」
恭一君が言う。……恭一君のほうがずっとかわいいしかっこいいってば。
「あ、いや、いつもずっとかわいかったけど」
照れくさそうに恭一君が言う。そんな風に言われたら私のほうが照れちゃうよ。
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