【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました

utsugi

文字の大きさ
上 下
1 / 3

職場の後輩の橘くん

しおりを挟む
こんな事態、想定してなかった。

まさか橘君にお持ち帰りされちゃうなんて。

橘悠希(たちばな ゆうき)君は私と同じ部署の営業職で二歳年下のイケメンだ。

私は成海結衣(なるみ ゆい)。25歳。文房具メーカーで営業事務の仕事をしている29歳。

今日は部署の忘年会。12月だけど寒さはそれほど厳しくない。

2歳年下で同じ部署の橘君のことは前からちょっといいなと思ってた。

世の中がこんな状況だから、今まで飲み会なんかもあまりなくて、仲良くなる機会はなかなかなかったけれど、今日の忘年会では気がついたらなぜか橘君が隣の席にいて、たわいない話で盛り上がった。

お酒もどんどん進んじゃって、それほど強くないのに随分たくさん飲んでしまった気がする。

一次会が終わって店を出たところで、この後どうするか話し合ういくつかの集団ができた。私はもう帰ろうかなと思っていたんだけど、飲み過ぎたせいかぼんやりしてしまってその場になんとなく立ち尽くしていた。

部長たちはこの後スナックに行くようで意気揚々とその場を離れて行った。私もさっさと帰ろうと思って歩きだそうとしたところで視界がぐらりと揺れた。-転ぶ!!そう思ったところで後ろから聞き慣れた声がした。

「成海さん、大丈夫?」

橘君がそう言いながら私の体を支えていた。橘君の手が私の腰に触れている。思わずどきりとしてしまう。職場ではこんなボディタッチ一度だってなかった。スマートでさりげない感じだから不快感も不自然さもないけれど、腰にある橘君の手の感覚に全神経が集中してしまう。

「だ、大丈夫……」

言ったそばからよろめいてしまって今度は腕も掴まれた。

思っていたより酔いがまわっている。

「僕、成海さん駅まで送っていきます」

「えーそうなの?」

少し離れたところから先輩たちのちょっと残念そうな声が響いた。当然だ。橘君はみんなの人気者だから。

「成海ちゃん大丈夫?」

そう言いながら隣の係りの佐藤係長が近寄ってきた。根は悪い人ではないのだけれど、係長のセクハラ発言にはいつも困らされているので近づかれると思わず身構えてしまう。びくりとしたら橘君がすっと間に入ってくれた。

「はいはい佐藤さん、酔っ払いすぎ~」

「なんだ橘、怪しいな」

「なにも怪しくありません。僕明日早いんで帰るだけです」

「ふーん」

面白くなさそうな佐藤係長の声がした。

「じゃあ失礼します」

そう言って橘君は私の手を引いて駅の方角へ歩き出そうとしていた。

このまま橘君と二人で消えたら、いい噂の種だ。そう危惧していたら救世主が表れた。

「あ、俺も駅まで行くわ」

無難さで言ったらナンバーワン、子持ちパパの田中さんが後からついてきた。

「あ、じゃあ一緒に行きましょう」

なんてことない様子で橘君が言った。そのまま三人で駅の方向へと歩き始めた。

「成海さん、ほんと大丈夫か? こんなに酔ってるの初めて見た」

田中さんにそう言われて、自分がちょっと恥ずかしくなった。

「久しぶりの飲み会でしたからね。成海さん、飲み方すっかり忘れちゃってたのかも」

「あーそれはあるな」

橘君がさりげなくフォローしてくれてありがたい。

「あ、電話だ、ちょっとごめん」

そう言って田中さんがスマホを取り出した。相手は奥さんみたいだ。

「え、あ、そうなの? わかった~、それじゃちょっと寄ってくわ」

そう言って田中さんは通話を終えた。

「ごめん、俺ちょっと駅ビル寄って帰るわ。奥さんから明日の子どもの習い事で必要なもの買ってくるように頼まれちゃってさ。一人で大丈夫か?」

「あー全然大丈夫です。お疲れ様です」

「おう、お疲れ。成海さんのことよろしくな」

まさかの流れで橘君と二人きりになってしまった。酔いで頭がくらくらする。でもイケメンに半分抱きかかえられるようにして歩くのは悪くない気分だった。あの橘君と二人きり。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

美人女子大生を放心状態にさせ最後は大満足させてあげました

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
若い女子達との素敵な実話です

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

【R18】仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!

奏音 美都
恋愛
ファミレスのバイト仲間の豪。 ノリがよくて、いい友達だと思ってたんだけど……いきなり、襲われちゃった。 ダメだって思うのに、なんで拒否れないのー!!

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...