21 / 81
第2章 光
第7話 説得のその先
しおりを挟む
★◇◆◇◆◇◆◇
「こんなところまで追いかけてくるなんて、思わなかったよ」
生気のない瞳のまま、クランは話し続けた。
「クリスタン神話に疎い君は知らないだろうから、教えてあげるよ。伝説の剣は、持ち主が不慮の事故か何かで死んでしまうと、すぐに新しい持ち主を探し出すんだって」
「えっ……」
そうなんだ……
ってことは、死んでしまえば、定められた使命からは解放されるってことか。
でも……
そのためだけに死ねるのかな。
死んだら、何もかも終わってしまうのに。
そんなの、ぼくは嫌だ。
そしてこの先……
見つけた仲間が変わるなんて、もっと嫌だ!
「クラン君は、そんなにこの世界が嫌いなの?」
「……何度も言わせないでよ、わかってるくせに。というか、ここで僕が消えたほうが、君にとっても好都合だと」
「思わないよ」
ターメリックは、クランの暗い瞳を見つめた。
仄暗い色の焔が揺らめいている……
まるで、何かに取り込まれてしまいそうな瞳。
これは、かなり危険な状態だ。
引き止めないと……
この世界に!
「クラン君……ぼくは、君と一緒がいいんだよ!」
ターメリックは、声を限りに叫んだ。
クランの瞳の焔が、一瞬たじろいだように揺らめいた。
よし、まだ大丈夫。
ターメリックは、ぐっと拳を握った。
この瞳を、ぼくは知っている。
スパイス帝国の宮殿で、ぼくを捕らえようとしたカイエンも、同じ目でぼくを見ていた。
あれは……
「どうして、僕と一緒がいいの」
クランが、たじろいだ瞳のまま、ターメリックに尋ねた。
それはまるで、どうしてこんなやつと、と言っているようにも聞こえた。
それはね、クラン君。
ぼくも「こんなやつ」だからだよ。
「クラン君は、ぼくに似ているんだ。今までずっと、ひとりだと思っていたところとか」
「……」
「そんなぼくたちがここで出会えたのも、きっとクリスタン神様のお導きってやつなんだよ」
「今までクリスタン神様のこと、あまり信じてなかったくせに、よく言うよ」
「あー……それは、はい、おっしゃる通り……でも、今は違うよ。信じてみる気になったから」
やっぱり口に出してみると、勇気が湧いてくる。
ターメリックは、すっと小さく深呼吸して、気合いを入れ直した。
もう少しで、クラン君は本当の仲間になる!
「お互い、もうひとりぼっちじゃない。だから、ふたりで仲間を探そう! もっといろんな人たちに会いに行こう!」
「……」
クランの瞳には、まだ半信半疑の色が濃く残っている。
大事なのは、そこじゃない。
わかっているくせに。
そんなことを言いたそうな瞳に、ターメリックは畳み掛けた。
「もちろん、出会いがあれば必ず別れがある。それは、ぼくにだってどうすることもできないよ。でもね、クラン君……ぼくなら、君の悲しみを少しだけでも減らせると思うんだ」
「……」
「仲良くなった人たちとの別れが君を悲しませるなら、その悲しみをぼくにもわけてほしい。その代わり、ぼくが楽しいと思った気持ちは君と分け合うつもりだよ」
「……それって」
「うん。ぼくはずっと君のそばにいるってことだよ。約束する!」
自分でも、とんでもないことを言っていることはわかっている。
でも、大事なのはこの後なんだよ、クラン君。
「ぼくと一緒に旅に出れば、きっとお義父さんや義妹さんとも再会できるはずだよ。行こうクラン君、まずは自分が動くんだ。そうすれば、見つかるはずなんだから!」
仲間や友達を見つけたいときは、まず自分が動いてみる。
良いこと言ったみたいになったけど、これってノワール先生の口癖なんだよね。
でも、クラン君の心に届いていれば、それでいいんだ。
ターメリックは、クランの様子を窺った。
クランの瞳からは、あの暗い焔は消えていた。
見慣れた瑠璃色の瞳に戻ったものの……
クランは、その瞳を大きく見開いてターメリックを見つめていた。
「……?」
な、なんだろう。
ぼく、何か変なこと言ったかな……
長い沈黙に耐えきれなくなったターメリックが口を開こうとした、そのとき。
「……ノワール先生」
クランが消え入りそうな声で呟いた。
「……」
今度は、ターメリックが大きく目を見開いてクランを見つめる番だった。
ノワール先生……!?
クラン君、先生のこと知ってるの!?
いったい、どういうことだろう。
気になったターメリックがクランに尋ねようとした、そのときだった。
ズズズ……ズズンッ!
耳をつんざく凄まじい地響きとともに、大地が大きく揺れ始めた。
「うわぁっ……!」
な、ななななんだ!?
ターメリックは立っているのがやっとで、何が起きているのか確認できなかった。
転びそうになりながらも、崖の端にいるクランに目を向けてみる。
「あっ……!」
クランは、大揺れに不意を突かれてバランスを崩したのだろう。
ターメリックが目を向けたちょうどそのとき、クランが崖から足を踏み外したのが見えた。
「クラン君っ!!」
大変だ!
この下は……!
ターメリックは、慌ててクランのもとへと駆け寄った。
思い切り手を伸ばしたものの、クランにはかすりもしなかった。
それどころか……
踏ん張った場所が悪かったのだろう。
ターメリックは崖から足を滑らせ、クランとともに落下してしまった。
ああ……
ぼくってば、何やってんだろ。
あまりの恥ずかしさに、ターメリックは落下しながらも両手で顔を覆っていた。
★◇◆◇◆◇◆◇
『先生と弟子みたいだから、本当に弟子にしてほしいなんて……そんな変わったことを言ってきた子は、君で2人目だよ』
いつもの公園でターメリックが頼み込むと、クリスタン神話を読んでいたノワールは、目を丸くして驚いていた。
しかし、ターメリックもまた驚いていた。
『え!? 2人目、ですか?』
先生と弟子みたいだって、よく言われるから、いっそのこと弟子にしてもらえたら嬉しいと思って頼んでみたのに……
ぼくよりも先に、ぼくと同じことを頼んだ人がいるなんて。
そんなターメリックの疑問を先回りするかのように、ノワールは話し始めた。
『その子は、君と同い年ぐらいの男の子だよ。いつもひとりでいるところは、君に似ているかな。お茶の淹れ方ぐらいしか、教えてはいないけどね』
『その、ぼくの兄弟子さんっていう人は、どこにいるんですか?』
『あの子は、ここから遠く離れた場所に住んでいるんだ。今も元気だと思うよ』
『会ってみたいなぁ……』
ターメリックがぽつりと呟くと、ノワールは、
『必ず会えるよ……必ず、ね』
そう言って、楽しそうに微笑んだ。
……ノワール先生のそれまででいちばんの笑顔を思い出しながら、ターメリックは自分の記憶力の無さと、何にも気づけなかった鈍さを呪った。
どうして、忘れていたんだろう。
どうして、今まで気がつかなかったんだろう。
ノワール先生が兄弟子さんの住む場所を国名で教えてくれなかったのは、兄弟子さんの住んでいるクリスタニアが国じゃないから。
ぼくが兄弟子さんに必ず会えると断言したのは、兄弟子さんのいるクリスタニアがクリスタン教信者が必ず訪れるべき聖地だから。
クラン君の紅茶を飲んだことがある気がしたのは、先生と同じ紅茶だったからなんだ。
ああ……
どうして、飲んだときに気がついてあげられなかったんだろう。
クラン君が「もう会えない」と言っていたのは、ノワール先生のことだったんだね。
深い記憶の奥底で、ターメリックは自分の頬が緩んでいくのを感じていた。
気づくのが遅れてしまったけれど……
なんだか、とても嬉しいんだ。
だってクラン君は、ぼくが会いたくて仕方がなかった「兄弟子」さんだったんだから。
つづく
「こんなところまで追いかけてくるなんて、思わなかったよ」
生気のない瞳のまま、クランは話し続けた。
「クリスタン神話に疎い君は知らないだろうから、教えてあげるよ。伝説の剣は、持ち主が不慮の事故か何かで死んでしまうと、すぐに新しい持ち主を探し出すんだって」
「えっ……」
そうなんだ……
ってことは、死んでしまえば、定められた使命からは解放されるってことか。
でも……
そのためだけに死ねるのかな。
死んだら、何もかも終わってしまうのに。
そんなの、ぼくは嫌だ。
そしてこの先……
見つけた仲間が変わるなんて、もっと嫌だ!
「クラン君は、そんなにこの世界が嫌いなの?」
「……何度も言わせないでよ、わかってるくせに。というか、ここで僕が消えたほうが、君にとっても好都合だと」
「思わないよ」
ターメリックは、クランの暗い瞳を見つめた。
仄暗い色の焔が揺らめいている……
まるで、何かに取り込まれてしまいそうな瞳。
これは、かなり危険な状態だ。
引き止めないと……
この世界に!
「クラン君……ぼくは、君と一緒がいいんだよ!」
ターメリックは、声を限りに叫んだ。
クランの瞳の焔が、一瞬たじろいだように揺らめいた。
よし、まだ大丈夫。
ターメリックは、ぐっと拳を握った。
この瞳を、ぼくは知っている。
スパイス帝国の宮殿で、ぼくを捕らえようとしたカイエンも、同じ目でぼくを見ていた。
あれは……
「どうして、僕と一緒がいいの」
クランが、たじろいだ瞳のまま、ターメリックに尋ねた。
それはまるで、どうしてこんなやつと、と言っているようにも聞こえた。
それはね、クラン君。
ぼくも「こんなやつ」だからだよ。
「クラン君は、ぼくに似ているんだ。今までずっと、ひとりだと思っていたところとか」
「……」
「そんなぼくたちがここで出会えたのも、きっとクリスタン神様のお導きってやつなんだよ」
「今までクリスタン神様のこと、あまり信じてなかったくせに、よく言うよ」
「あー……それは、はい、おっしゃる通り……でも、今は違うよ。信じてみる気になったから」
やっぱり口に出してみると、勇気が湧いてくる。
ターメリックは、すっと小さく深呼吸して、気合いを入れ直した。
もう少しで、クラン君は本当の仲間になる!
「お互い、もうひとりぼっちじゃない。だから、ふたりで仲間を探そう! もっといろんな人たちに会いに行こう!」
「……」
クランの瞳には、まだ半信半疑の色が濃く残っている。
大事なのは、そこじゃない。
わかっているくせに。
そんなことを言いたそうな瞳に、ターメリックは畳み掛けた。
「もちろん、出会いがあれば必ず別れがある。それは、ぼくにだってどうすることもできないよ。でもね、クラン君……ぼくなら、君の悲しみを少しだけでも減らせると思うんだ」
「……」
「仲良くなった人たちとの別れが君を悲しませるなら、その悲しみをぼくにもわけてほしい。その代わり、ぼくが楽しいと思った気持ちは君と分け合うつもりだよ」
「……それって」
「うん。ぼくはずっと君のそばにいるってことだよ。約束する!」
自分でも、とんでもないことを言っていることはわかっている。
でも、大事なのはこの後なんだよ、クラン君。
「ぼくと一緒に旅に出れば、きっとお義父さんや義妹さんとも再会できるはずだよ。行こうクラン君、まずは自分が動くんだ。そうすれば、見つかるはずなんだから!」
仲間や友達を見つけたいときは、まず自分が動いてみる。
良いこと言ったみたいになったけど、これってノワール先生の口癖なんだよね。
でも、クラン君の心に届いていれば、それでいいんだ。
ターメリックは、クランの様子を窺った。
クランの瞳からは、あの暗い焔は消えていた。
見慣れた瑠璃色の瞳に戻ったものの……
クランは、その瞳を大きく見開いてターメリックを見つめていた。
「……?」
な、なんだろう。
ぼく、何か変なこと言ったかな……
長い沈黙に耐えきれなくなったターメリックが口を開こうとした、そのとき。
「……ノワール先生」
クランが消え入りそうな声で呟いた。
「……」
今度は、ターメリックが大きく目を見開いてクランを見つめる番だった。
ノワール先生……!?
クラン君、先生のこと知ってるの!?
いったい、どういうことだろう。
気になったターメリックがクランに尋ねようとした、そのときだった。
ズズズ……ズズンッ!
耳をつんざく凄まじい地響きとともに、大地が大きく揺れ始めた。
「うわぁっ……!」
な、ななななんだ!?
ターメリックは立っているのがやっとで、何が起きているのか確認できなかった。
転びそうになりながらも、崖の端にいるクランに目を向けてみる。
「あっ……!」
クランは、大揺れに不意を突かれてバランスを崩したのだろう。
ターメリックが目を向けたちょうどそのとき、クランが崖から足を踏み外したのが見えた。
「クラン君っ!!」
大変だ!
この下は……!
ターメリックは、慌ててクランのもとへと駆け寄った。
思い切り手を伸ばしたものの、クランにはかすりもしなかった。
それどころか……
踏ん張った場所が悪かったのだろう。
ターメリックは崖から足を滑らせ、クランとともに落下してしまった。
ああ……
ぼくってば、何やってんだろ。
あまりの恥ずかしさに、ターメリックは落下しながらも両手で顔を覆っていた。
★◇◆◇◆◇◆◇
『先生と弟子みたいだから、本当に弟子にしてほしいなんて……そんな変わったことを言ってきた子は、君で2人目だよ』
いつもの公園でターメリックが頼み込むと、クリスタン神話を読んでいたノワールは、目を丸くして驚いていた。
しかし、ターメリックもまた驚いていた。
『え!? 2人目、ですか?』
先生と弟子みたいだって、よく言われるから、いっそのこと弟子にしてもらえたら嬉しいと思って頼んでみたのに……
ぼくよりも先に、ぼくと同じことを頼んだ人がいるなんて。
そんなターメリックの疑問を先回りするかのように、ノワールは話し始めた。
『その子は、君と同い年ぐらいの男の子だよ。いつもひとりでいるところは、君に似ているかな。お茶の淹れ方ぐらいしか、教えてはいないけどね』
『その、ぼくの兄弟子さんっていう人は、どこにいるんですか?』
『あの子は、ここから遠く離れた場所に住んでいるんだ。今も元気だと思うよ』
『会ってみたいなぁ……』
ターメリックがぽつりと呟くと、ノワールは、
『必ず会えるよ……必ず、ね』
そう言って、楽しそうに微笑んだ。
……ノワール先生のそれまででいちばんの笑顔を思い出しながら、ターメリックは自分の記憶力の無さと、何にも気づけなかった鈍さを呪った。
どうして、忘れていたんだろう。
どうして、今まで気がつかなかったんだろう。
ノワール先生が兄弟子さんの住む場所を国名で教えてくれなかったのは、兄弟子さんの住んでいるクリスタニアが国じゃないから。
ぼくが兄弟子さんに必ず会えると断言したのは、兄弟子さんのいるクリスタニアがクリスタン教信者が必ず訪れるべき聖地だから。
クラン君の紅茶を飲んだことがある気がしたのは、先生と同じ紅茶だったからなんだ。
ああ……
どうして、飲んだときに気がついてあげられなかったんだろう。
クラン君が「もう会えない」と言っていたのは、ノワール先生のことだったんだね。
深い記憶の奥底で、ターメリックは自分の頬が緩んでいくのを感じていた。
気づくのが遅れてしまったけれど……
なんだか、とても嬉しいんだ。
だってクラン君は、ぼくが会いたくて仕方がなかった「兄弟子」さんだったんだから。
つづく
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる