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第2章 光
第6話 会えない相手
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★◇◆◇◆◇◆◇
ノウェムの話は続いている。
「この世界は広いようでいて、意外と狭かったりするんだ。だから、お互いに生きていれば、一度別れたってきっとまたどこかで会える……」
「会えるわけないよ」
饒舌に語るノウェムを、もう耐えられないとばかりに、クランが冷たい口調で遮った。
ロールパンが皿の上に戻され、ガタンと大きな音を立てる。
これには、さすがにノウェムも眉間にシワを寄せて、クランを睨みつけた。
「そりゃあ、もう会えないことだってあるだろうけど……決めつけなくてもいいだろ。そんなの、絶対に無いとは言いきれないんだから」
「もう絶対に会えないんだよ。最初から決まっているんだから!」
クランの大声が響き渡る中、ターメリックの頭には疑問符が浮かんでいた。
絶対に会えない、もう決まっている……
これって、義理のお父さんと妹さんのことじゃないよね……?
クラン君は、いったいだれのことを言ってるんだろう?
……なんてことを考えてしまうくらい、ターメリックもクランの態度には慣れてきてしまっていた。
しかし。
バンッ!!
いつもなら、クランが騒いでもヘラヘラと聞き流すカメリアが、珍しくテーブルを叩きつけていた。
!?!?!?
驚きすぎて言葉すら出て来ないターメリックは、表情は平静を保ちつつも、びょんとお尻を浮かせてしまった。
ひやあぁぁぁ……
な、なんだ?
ターメリックがおっかなびっくり覗き込んだ先、カメリアの甥っ子を睨みつけるその顔には、いつもの笑顔はなかった。
「いい加減にしなさい、クラン。これ以上の幼稚な振る舞いは、いくら身内といえども許さん」
カメリアの低い声に、クランの顔が歪んだ。
口元が、モゾモゾと動く。
ターメリックには「身内ねぇ……」と言っているように見えた。
身内……
血の繋がった、家族……
「叔父さんは、お兄さんに会えなくて悲しくないの」
「……」
クランの質問に、カメリアは答えない。
小さくため息をついて、クランは話し続けた。
「僕は、父さんや妹と会えなくて悲しいよ。こんなに悲しい思いは、もうたくさんだ。だから決めた。もう、だれとも馴れ合わないって」
「……」
「でも残念なことに、ここはクリスタニアなんだ。いろんな人がやってきて、僕と仲良くなろうとして話しかけてくる……どうせ、すぐ旅に出てしまうくせに。うんざりだよ」
スープから立ち上る湯気の向こうから、クランは暗い瞳でカメリアを睨みつけた。
そして、固唾を呑んで見守るターメリックと、何がなにやらわからずオロオロするノウェムの前で、クランは禁断の一言を言い放った。
「こんな場所に捨てられて、いつまでも悲しい思いをするくらいなら、僕なんて……僕なんて、最初から生まれてこなければよかったんだ!」
……その場に緊張が走る。
ターメリックは、ごくりと唾を飲み込んだ。
ヒリヒリと痛む渇いた喉が、束の間に潤う。
そんな中、
「……ああ、そうだな」
カメリアの低い呟きが、しんと静まった居間に驚くほど大きく響き渡った。
ターメリックは自分の耳を疑った。
え、カメリアさん……?
今なんて……?
カメリアさんは、クラン君のこと、生まれてこなければ良かったって思ってるんですか……?
「……」
もちろん、驚いているのはターメリックだけではない。
クランも叔父の言葉に目を丸くしていた。
まさか、そんな言葉が返ってくるなんて思いもしなかったのだろう。
そしてカメリアは、クランに感情の読めない視線を向けて口を開いた。
「この世界で可哀想なのは自分だけだと思い込み、自ら人との交流を避けて塞ぎ込み、迷惑をかけても悪いのは自分じゃなくて自分を取り巻く環境だと思い込んでいる……確かに、こんな人間は生まれてこないほうが良かっただろうな」
「……」
「ん? 何を黙っている? クラン、お前は私に何を求めている? まさか……家族として同情してほしいのか? 嘘つき家族なんて嫌だと言ったのは、お前のほうだろう?」
「……」
カメリアに冷たい言葉を突きつけられ、クランは唇をかみしめて、ただ呆然としていた。
ターメリックは何か声をかけようと必死になって頭を回転させたが、言葉をひねり出す前に、
ガタンッ!
クランが勢いよく立ち上がり、そのまま椅子を蹴飛ばしながら、居間を飛び出して行ってしまった。
「あっ、クラン君!」
気がつけば、ターメリックはクランを追って駆け出していた。
身体が勝手に動いていた。
そんな自分に、頭の中の言葉たちが追いかけてくる。
この前は、君の事情を知らなかったから何もできなかったけれど、今は違う。
君の過去を知ったぼくなら、何かできることがあるかもしれない。
君と同じように、ずっとひとりだったぼくになら、君を救えるかもしれないんだ!
★◇◆◇◆◇◆◇
それにしても……
ひどいよ、カメリアさん。
あんなこと言われたら、本物の家族だって傷つくと思うけどな。
というか、勝手口のほうから出たら迷子になるって教えてほしかった!
ターメリックはクランを追いかけて台所から外に出てみたものの、そこは多くの分かれ道が存在する小さな庭だった。
道端に生い茂る茂みの中から、小柄なクランを見つけることは難しい。
ターメリックは、クランを見失ってしまった。
しかし……
ここで諦めるようなターメリックではない。
これは、どの道を行っても、きっと海辺に繋がっているはずだ。
ぼくの足なら、追いつけるはず!
そう思って、とりあえず走り出したものの……
案の定、道に迷ってしまった。
「おおーい! クラン君ー!」
大声で呼びながら茂みを駆け抜けると、ようやく砂浜へと出ることができたが、クランの姿は見つからない。
その代わり、やわらかい砂浜には、急いで駆け抜けていったと思われる大股でいて小さな足跡が残っていた。
砂浜を駆けていくと、日陰になった茂みを抜けた先は、風そよぐ草原へと繋がっていた。
潮の香りに目を向けると、眼下には海が広がっている。
気づかぬうちに、茂みの中の緩やかな坂道を登ってきたらしい。
こんなところがあったんだ。
クラン君、どこにいるんだろう。
ターメリックは、あたりを見回しながら草原を駆け抜けた。
草原の一角、茂みとの境い目に、背の高いヒマワリが群生していた。
とても美しい眺めで、ターメリックは自分の目的も忘れて、危うく立ち止まって見入ってしまうところだった。
ああっと、ダメダメ……!
見るならひとりじゃなくて、ふたりがいい。
クラン君を連れてこなくちゃ。
ターメリックが走り出した先で、群生している場所から少し離れた場所にもヒマワリが咲いていた。
かなり大きなヒマワリだが、離れた場所に咲いているせいか、はたまた太陽の向きのせいか、ほかのヒマワリが群生している場所を羨ましげに眺めているようにも見える。
……ターメリックには、そのヒマワリがクランのように思えてならなかった。
クラン君、ぼくはずっと君のそばにいるよ。
だって……
ぼくたちはもう、仲間なんだから。
友達になろう、クラン君……!
ターメリックは草原を駆け抜けて行く。
いつの間にか本気でクランを心配し、仲間になろうとしている自分に驚きながら。
★◇◆◇◆◇◆◇
駆け抜けた先に、ちょっとした崖があった。
その断崖に、見知った横顔が見える。
今朝、岩の下から見上げた顔だ。
「クラン君!」
見つけた!
でも、なんでこんなところに……?
クランを見つけて足を止めかけたターメリックだったが、断崖から見える白波に慌てて駆け寄った。
まさか!
「飛び降りちゃダメだ!」
ターメリックを振り向いたクランの目に、光はなかった。
つづく
ノウェムの話は続いている。
「この世界は広いようでいて、意外と狭かったりするんだ。だから、お互いに生きていれば、一度別れたってきっとまたどこかで会える……」
「会えるわけないよ」
饒舌に語るノウェムを、もう耐えられないとばかりに、クランが冷たい口調で遮った。
ロールパンが皿の上に戻され、ガタンと大きな音を立てる。
これには、さすがにノウェムも眉間にシワを寄せて、クランを睨みつけた。
「そりゃあ、もう会えないことだってあるだろうけど……決めつけなくてもいいだろ。そんなの、絶対に無いとは言いきれないんだから」
「もう絶対に会えないんだよ。最初から決まっているんだから!」
クランの大声が響き渡る中、ターメリックの頭には疑問符が浮かんでいた。
絶対に会えない、もう決まっている……
これって、義理のお父さんと妹さんのことじゃないよね……?
クラン君は、いったいだれのことを言ってるんだろう?
……なんてことを考えてしまうくらい、ターメリックもクランの態度には慣れてきてしまっていた。
しかし。
バンッ!!
いつもなら、クランが騒いでもヘラヘラと聞き流すカメリアが、珍しくテーブルを叩きつけていた。
!?!?!?
驚きすぎて言葉すら出て来ないターメリックは、表情は平静を保ちつつも、びょんとお尻を浮かせてしまった。
ひやあぁぁぁ……
な、なんだ?
ターメリックがおっかなびっくり覗き込んだ先、カメリアの甥っ子を睨みつけるその顔には、いつもの笑顔はなかった。
「いい加減にしなさい、クラン。これ以上の幼稚な振る舞いは、いくら身内といえども許さん」
カメリアの低い声に、クランの顔が歪んだ。
口元が、モゾモゾと動く。
ターメリックには「身内ねぇ……」と言っているように見えた。
身内……
血の繋がった、家族……
「叔父さんは、お兄さんに会えなくて悲しくないの」
「……」
クランの質問に、カメリアは答えない。
小さくため息をついて、クランは話し続けた。
「僕は、父さんや妹と会えなくて悲しいよ。こんなに悲しい思いは、もうたくさんだ。だから決めた。もう、だれとも馴れ合わないって」
「……」
「でも残念なことに、ここはクリスタニアなんだ。いろんな人がやってきて、僕と仲良くなろうとして話しかけてくる……どうせ、すぐ旅に出てしまうくせに。うんざりだよ」
スープから立ち上る湯気の向こうから、クランは暗い瞳でカメリアを睨みつけた。
そして、固唾を呑んで見守るターメリックと、何がなにやらわからずオロオロするノウェムの前で、クランは禁断の一言を言い放った。
「こんな場所に捨てられて、いつまでも悲しい思いをするくらいなら、僕なんて……僕なんて、最初から生まれてこなければよかったんだ!」
……その場に緊張が走る。
ターメリックは、ごくりと唾を飲み込んだ。
ヒリヒリと痛む渇いた喉が、束の間に潤う。
そんな中、
「……ああ、そうだな」
カメリアの低い呟きが、しんと静まった居間に驚くほど大きく響き渡った。
ターメリックは自分の耳を疑った。
え、カメリアさん……?
今なんて……?
カメリアさんは、クラン君のこと、生まれてこなければ良かったって思ってるんですか……?
「……」
もちろん、驚いているのはターメリックだけではない。
クランも叔父の言葉に目を丸くしていた。
まさか、そんな言葉が返ってくるなんて思いもしなかったのだろう。
そしてカメリアは、クランに感情の読めない視線を向けて口を開いた。
「この世界で可哀想なのは自分だけだと思い込み、自ら人との交流を避けて塞ぎ込み、迷惑をかけても悪いのは自分じゃなくて自分を取り巻く環境だと思い込んでいる……確かに、こんな人間は生まれてこないほうが良かっただろうな」
「……」
「ん? 何を黙っている? クラン、お前は私に何を求めている? まさか……家族として同情してほしいのか? 嘘つき家族なんて嫌だと言ったのは、お前のほうだろう?」
「……」
カメリアに冷たい言葉を突きつけられ、クランは唇をかみしめて、ただ呆然としていた。
ターメリックは何か声をかけようと必死になって頭を回転させたが、言葉をひねり出す前に、
ガタンッ!
クランが勢いよく立ち上がり、そのまま椅子を蹴飛ばしながら、居間を飛び出して行ってしまった。
「あっ、クラン君!」
気がつけば、ターメリックはクランを追って駆け出していた。
身体が勝手に動いていた。
そんな自分に、頭の中の言葉たちが追いかけてくる。
この前は、君の事情を知らなかったから何もできなかったけれど、今は違う。
君の過去を知ったぼくなら、何かできることがあるかもしれない。
君と同じように、ずっとひとりだったぼくになら、君を救えるかもしれないんだ!
★◇◆◇◆◇◆◇
それにしても……
ひどいよ、カメリアさん。
あんなこと言われたら、本物の家族だって傷つくと思うけどな。
というか、勝手口のほうから出たら迷子になるって教えてほしかった!
ターメリックはクランを追いかけて台所から外に出てみたものの、そこは多くの分かれ道が存在する小さな庭だった。
道端に生い茂る茂みの中から、小柄なクランを見つけることは難しい。
ターメリックは、クランを見失ってしまった。
しかし……
ここで諦めるようなターメリックではない。
これは、どの道を行っても、きっと海辺に繋がっているはずだ。
ぼくの足なら、追いつけるはず!
そう思って、とりあえず走り出したものの……
案の定、道に迷ってしまった。
「おおーい! クラン君ー!」
大声で呼びながら茂みを駆け抜けると、ようやく砂浜へと出ることができたが、クランの姿は見つからない。
その代わり、やわらかい砂浜には、急いで駆け抜けていったと思われる大股でいて小さな足跡が残っていた。
砂浜を駆けていくと、日陰になった茂みを抜けた先は、風そよぐ草原へと繋がっていた。
潮の香りに目を向けると、眼下には海が広がっている。
気づかぬうちに、茂みの中の緩やかな坂道を登ってきたらしい。
こんなところがあったんだ。
クラン君、どこにいるんだろう。
ターメリックは、あたりを見回しながら草原を駆け抜けた。
草原の一角、茂みとの境い目に、背の高いヒマワリが群生していた。
とても美しい眺めで、ターメリックは自分の目的も忘れて、危うく立ち止まって見入ってしまうところだった。
ああっと、ダメダメ……!
見るならひとりじゃなくて、ふたりがいい。
クラン君を連れてこなくちゃ。
ターメリックが走り出した先で、群生している場所から少し離れた場所にもヒマワリが咲いていた。
かなり大きなヒマワリだが、離れた場所に咲いているせいか、はたまた太陽の向きのせいか、ほかのヒマワリが群生している場所を羨ましげに眺めているようにも見える。
……ターメリックには、そのヒマワリがクランのように思えてならなかった。
クラン君、ぼくはずっと君のそばにいるよ。
だって……
ぼくたちはもう、仲間なんだから。
友達になろう、クラン君……!
ターメリックは草原を駆け抜けて行く。
いつの間にか本気でクランを心配し、仲間になろうとしている自分に驚きながら。
★◇◆◇◆◇◆◇
駆け抜けた先に、ちょっとした崖があった。
その断崖に、見知った横顔が見える。
今朝、岩の下から見上げた顔だ。
「クラン君!」
見つけた!
でも、なんでこんなところに……?
クランを見つけて足を止めかけたターメリックだったが、断崖から見える白波に慌てて駆け寄った。
まさか!
「飛び降りちゃダメだ!」
ターメリックを振り向いたクランの目に、光はなかった。
つづく
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