上 下
34 / 40

33話

しおりを挟む
次の日、カーテンから差し込む、陽の光で目を覚ます。

まだ意識がはっきりとせず、ボーッとしていると、朝日も目を覚ましたみたいで、横になったまま、二人で朝の挨拶をした。

すると、朝日が、ねぇねぇ…かずきぃ。と言い、なにかを催促するように、指で自分の唇をちょんちょんとする。

私はその意味を理解すると、朝日の唇に、自分の唇を重ねた。

えへへ…おはようのキスだぁ…と喜ぶ朝日と、照れている私。

照れている私をからかう朝日と、さらに照れる私。

そんな朝を迎えて、集合場所でみんなと合流すると、近くのレストランへと入った。



最初に、ドリンクバーと料理を頼み、飲み物を準備すると、夏海が飲み物片手に指揮をとる。

「はい!それじゃあ、私に合わせて掛け声、お願いしますねー!」

「「「「はーい!」」」」

「みんなー!テストおつかれさまー!」

「「「「「おつかれさまー!」」」」

「楓さん、学年一位すごいですー!」

「「「「すごいですー!」」」」

「私、赤点回避よかったよー!」

「「「「よかったねー!」」」」

「かずっち、ほんとに大好きだー!」

「「「大好きだー!」」」

「だいす…え…?」

途中で気づき止めると…

「もー!かずっち!ちゃんと合わせないとー!」

「そうだよー!かずきー!」

「そうよー!しっかりなさい!」

「そうですよ…!王子様…!」

なぜか、私は怒られた…。

料理を運んでくれたウェイトレスさんと、他のお客さんにも笑われたし…。

恥ずかしくて顔真っ赤だよぉ…。


そして、食事中、とある話になる。

言い出したのは、まさかの雪。

どんな話になったかと言うと…

「そ、それで、王子様と朝日先輩…!昨日はどうでしたか…!」

突然の雪の発言に、私は飲んでいた飲み物を、吹き出しそうになる。

「ちょ、ちょっと雪…!?」

「あー!かずっちと、あさっちの話聞きたーい!」

「ええ!是非聞かせてもらおうかしら!」

「えっとねー…」

「あ、朝日!?待って!待ってよ!」

なぜか、一切迷いもせず、話そうとする朝日をなんとか止める。

「昨日の話するの!?」

「当たり前じゃーん!前から情報共有は大事だって言ったでしょ!みんなで幸せになる秘訣だよ!」

たしかに言ってたけど…。

私もそう思うけど…。

恥ずかしいよぉぉぉぉぉぉぉぉ…。



その後、昨日のことを嬉しそうに一部始終話す、朝日。

「えへへ…あのね、昨日…かずきのお家に泊まって…!」

ゴクリと固唾を飲み、聞く三人。

と、すでに真っ赤な顔を、両手で隠す私。

「かずきとキスしましたー!」

わー!と盛り上がる三人。

と、恥ずかしすぎて、消えたいと思う私。

「そ、それで…どんな感じだったの!?」

そう言い、メモをしようとする、楓さん。

楓さん…やめてぇ…。

「それがね…かずきのキス、すごい優しくてね…!」

「いいなー!かずっち、私の時も優しくしてね!」

そう言い、指で自分の唇を押さえる、夏海。

が、がんばります…。

「すっごい気持ちよかったよー!ほんと幸せだよー!」

「素敵です…!私も早く体験したいです…!」

そう言い、私に期待の眼差しを向ける、雪。

うぅ…雪までぇ…。

「それから、おやすみと、おはようのキスまでしちゃったんだー!」

きゃー!と再度、盛り上がる三人。

と、恥ずかしすぎて泣きそうな私。

その後も、朝日の話が続いたけど、なんとか食事を済ませると、次の目的地へと向かった。

最後に、ウェイトレスさんに、お幸せに!と見送られたのは、良い思い出です…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~

メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」 俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。 学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。 その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。 少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。 ……どうやら彼は鈍感なようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【作者より】 九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。 また、R15は保険です。 毎朝20時投稿! 【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

処理中です...