上 下
25 / 40

24話

しおりを挟む
雪と遊園地に行った数日後、私達はいつも通り屋上でお昼ご飯を食べていた。

そんな時に朝日がふと言ったことで、私と四人の内の一人の、一週間が大変なことになる。



「そういえば…もうすぐテストが始まるんだねぇ…。部活も休みになっちゃうし、やだなぁ…」

言われてみればたしかにもうそんな時期だった。

私は日頃から備えていたし、夏海にドキドキさせながらも、授業はちゃんと聞いていたので問題はなかった。

みんなはどうなんだろうと、思い質問してみる。

「みんなはテスト勉強はしてるの?」

まずは朝日が答える。

「私はいつも通り中間くらいの順位が取れればいいし、部活が休みの間も自主トレしたいから、少しだけかなぁ。」

たしかに朝日は部活ばっかりやってるイメージだけど、実は勉強もまぁまぁ出来る。

次に雪が答えた。

「わ、私は教科書を見るのも好きなのでしてます…!」

雪は本を読むのが好きだけど、教科書も対象だったんだ…と少し驚いた。

今度は楓さんが答えた。

「わたくしはもちろんしてるわよ!生徒会長たる者一位を取らなくてはね!」

楓さんは常に学年一位を取っている。生徒会で忙しいのにほんとにすごい。

次は夏海が答えるかなと待っていたけど、うつむいて何も言わない。

「夏海…?」

私はどうしたんだろうと声をかける。

すると、夏海が急に声を上げて言った。

「ど、ど、ど、どうしよぉぉぉぉぉ!テストのこと完全に忘れてたよぉぉぉぉ!」

かなり焦っている様子の夏海に一応聞いてみる。

「な、夏海…転校してくる前の学校では…どれくらいだったの…?」

夏海はまたうつむきポツリと言う。

「いつも赤点ギリギリ…」

あ、これまずいやつだ…。

うちの高校はそこまで偏差値が高い方じゃないけど、テストに関してはなかなか厳しい。

赤点を取ったら夏休み全て返上で、補習を受けることになる…。

このままでは高校二年の夏休みが悲しいことになってしまう。

自業自得といえばそこまでだけど、さすがにかわいそうなので夏海に伝える。

「な、夏海…今からがんばろ!私が教えるからね!」

「か、かずっち!ありがとぉぉぉぉ!」

泣きながら抱きついてくる夏海に照れながら思った。

テストまで残り一週間…。

なんとか赤点だけは取らせないようにしないと…。

こうして、夏海にとにかく赤点だけは避けさせる為の勉強が始まる。

ちなみに、他の三人も教えると言っていたけど、朝日は自主トレがあるし、楓さんは一位を取るための勉強に専念してほしいし、雪はまだ一年生ということもあったけど、電車通学で家が遠い為お母さんが心配するといけないので、やめてもらった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【R18百合】会社のゆるふわ後輩女子に抱かれました

千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。 レズビアンの月岡美波が起きると、会社の後輩女子の桜庭ハルナと共にベッドで寝ていた。 一体何があったのか? 桜庭ハルナはどういうつもりなのか? 月岡美波はどんな選択をするのか? おすすめシチュエーション ・後輩に振り回される先輩 ・先輩が大好きな後輩 続きは「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」にて掲載しています。 だいぶ毛色が変わるのでシーズン2として別作品で登録することにしました。 読んでやってくれると幸いです。 「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/759377035/615873195 ※タイトル画像はAI生成です

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【完結】【R18百合】女子寮ルームメイトに夜な夜なおっぱいを吸われています。

千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。 風月学園女子寮。 私――舞鶴ミサが夜中に目を覚ますと、ルームメイトの藤咲ひなたが私の胸を…! R-18ですが、いわゆる本番行為はなく、ひたすらおっぱいばかり攻めるガールズラブ小説です。 おすすめする人 ・百合/GL/ガールズラブが好きな人 ・ひたすらおっぱいを攻める描写が好きな人 ・起きないように寝込みを襲うドキドキが好きな人 ※タイトル画像はAI生成ですが、キャラクターデザインのイメージは合っています。 ※私の小説に関しては誤字等あったら指摘してもらえると嬉しいです。(他の方の場合はわからないですが)

(R18) 女子水泳部の恋愛事情(水中エッチ)

花音
恋愛
この春、高校生になり水泳部に入部した1年生の岡田彩香(おかだあやか) 3年生で部長の天野佳澄(あまのかすみ) 水泳部に入部したことで出会った2人は日々濃密な時間を過ごしていくことになる。 登場人物 彩香(あやか)…おっとりした性格のゆるふわ系1年生。部活が終わった後の練習に参加し、部長の佳澄に指導してもらっている内にかっこよさに惹かれて告白して付き合い始める。 佳澄(かすみ)…3年生で水泳部の部長。長めの黒髪と凛とした佇まいが特徴。部活中は厳しいが面倒見はいい。普段からは想像できないが女の子が悶えている姿に興奮する。 絵里(えり)…彩香の幼馴染でショートカットの活発な女の子。身体能力が高く泳ぎが早くて肺活量も高い。女子にモテるが、自分と真逆の詩織のことが気になり、話しかけ続け最終的に付き合い始める。虐められるのが大好きなドM少女。 詩織(しおり)…おっとりとした性格で、水泳部内では大人しい1年生の少女。これといって特徴が無かった自分のことを好きと言ってくれた絵里に答え付き合い始める。大好きな絵里がドMだったため、それに付き合っている内にSに目覚める。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...