8 / 40
7話
しおりを挟む
屋上での一件を終え、不安が残ったが今は気にしてもしょうがないと思うことにし、午後の授業が始まるのを待っていた。
すると隣の席の漆原さんがしまった…と呟いた。
どうしたのか気になり理由を訪ねるとどうやら次の授業の教科書を忘れてきてしまったようだ。
漆原さんが転校2日目で忘れ物とか先生に目をつけられちゃうかな…と落ち込んでいる。
別のクラスの朝日に借りにいこうにも、まもなく授業が始まる時間だったので、それなら私の教科書一緒に見ようよと、提案する。
うちの学校は二人用のスクールデスクの為、席を寄せても先生に教科書を忘れたことがバレるようなことはないだろう。
漆原さんは嬉しそうに、お願いしますと言うと席をこちらに寄せてくる。
そして先生が教室に入ってくると同時に授業開始のチャイムが鳴った。
こうして午後の授業が始まったのだが…。
授業が始まりしばらくすると漆原さんが先生にバレないように小声で話しかけてくる。
「ねぇかずっち…教科書一緒に見ようって言ってくれてありがとね…」
私も小声で返事をする。
「どういたしまして。それに先生に怒られたらかわいそうだし」
「うん…かずっちはやっぱり優しいなぁ…」
そう言いながら微笑み、こちらを見てくる漆原さんに少し照れ顔を背けると漆原さんは、あー照れてるーかわいいーと言い微笑んでいた。
またしばらくすると漆原さんが席をこちらへと寄せてくる。教科書が見えにくかったのかなぁ、と思っていると右肩になにかが軽く触れた感覚があった。
気になり横を向くといつの間にか漆原さんが肩が触れるまで近づいてきていた。
それに驚き小声で漆原さんに質問する。
「漆原さん…?なんか近くない?」
すると漆原さんはそう?という顔をする。
屋上での一件以来少し警戒しすぎているのかなと思い、気にするのをやめて、前を向き授業に集中することにした。
だが今度は机の上に置いていた右手がなにかに包まれる感覚があった。
気になり右手を見ると、漆原さんが私の手を握っていた。
「う、漆原さん…!?なんで手を握ってるの…!?」
「かずっちの手ちっちゃくてかわいいから触りたくなっちゃった…」
「あ、ありがと…でも恥ずかしいから放して…」
「えー…放さないとだめ…?」
「お願い…」
「はーい…」
そう返事をするとやっと放してもらえた。
漆原さんがしょんぼりとしているが気にしたら負けだ。
それにしても午前中はいつも通りだったのに屋上の一件以来、漆原さんがやたら積極的になっている。
どうしたものかと考えていると漆原さんがノートになにかを書いているのが聞こえた。
真面目に授業を受けることにしたのかなと思っているとノートをこちらに寄せ、書いていた文字を指差して見せてくる。
えーと…なになに…
キスしていい?
声を出しそうになった。
なんとか耐え、返事を書くことにする。
だめ
また漆原さんが返事を書いている。これがしばらく続く。
ほっぺは?
だめ
おでこも?
だめ
けち!
はずかしいもん
抱きついていい?
今はやめて
あとでいっぱい抱きつくからね
ここで返事に失敗したことに気づいたのだけどもう手遅れだった…。
そして漆原さんは満足したのか最後に耳元で
「大好きだよ」
と囁くと授業を真面目に受けた。
私は授業が終わるまでずっと赤面していたのは内緒だ。
そして、授業が終わり休み時間にいっぱい抱きつかれたのは言うまでもなかった…。
すると隣の席の漆原さんがしまった…と呟いた。
どうしたのか気になり理由を訪ねるとどうやら次の授業の教科書を忘れてきてしまったようだ。
漆原さんが転校2日目で忘れ物とか先生に目をつけられちゃうかな…と落ち込んでいる。
別のクラスの朝日に借りにいこうにも、まもなく授業が始まる時間だったので、それなら私の教科書一緒に見ようよと、提案する。
うちの学校は二人用のスクールデスクの為、席を寄せても先生に教科書を忘れたことがバレるようなことはないだろう。
漆原さんは嬉しそうに、お願いしますと言うと席をこちらに寄せてくる。
そして先生が教室に入ってくると同時に授業開始のチャイムが鳴った。
こうして午後の授業が始まったのだが…。
授業が始まりしばらくすると漆原さんが先生にバレないように小声で話しかけてくる。
「ねぇかずっち…教科書一緒に見ようって言ってくれてありがとね…」
私も小声で返事をする。
「どういたしまして。それに先生に怒られたらかわいそうだし」
「うん…かずっちはやっぱり優しいなぁ…」
そう言いながら微笑み、こちらを見てくる漆原さんに少し照れ顔を背けると漆原さんは、あー照れてるーかわいいーと言い微笑んでいた。
またしばらくすると漆原さんが席をこちらへと寄せてくる。教科書が見えにくかったのかなぁ、と思っていると右肩になにかが軽く触れた感覚があった。
気になり横を向くといつの間にか漆原さんが肩が触れるまで近づいてきていた。
それに驚き小声で漆原さんに質問する。
「漆原さん…?なんか近くない?」
すると漆原さんはそう?という顔をする。
屋上での一件以来少し警戒しすぎているのかなと思い、気にするのをやめて、前を向き授業に集中することにした。
だが今度は机の上に置いていた右手がなにかに包まれる感覚があった。
気になり右手を見ると、漆原さんが私の手を握っていた。
「う、漆原さん…!?なんで手を握ってるの…!?」
「かずっちの手ちっちゃくてかわいいから触りたくなっちゃった…」
「あ、ありがと…でも恥ずかしいから放して…」
「えー…放さないとだめ…?」
「お願い…」
「はーい…」
そう返事をするとやっと放してもらえた。
漆原さんがしょんぼりとしているが気にしたら負けだ。
それにしても午前中はいつも通りだったのに屋上の一件以来、漆原さんがやたら積極的になっている。
どうしたものかと考えていると漆原さんがノートになにかを書いているのが聞こえた。
真面目に授業を受けることにしたのかなと思っているとノートをこちらに寄せ、書いていた文字を指差して見せてくる。
えーと…なになに…
キスしていい?
声を出しそうになった。
なんとか耐え、返事を書くことにする。
だめ
また漆原さんが返事を書いている。これがしばらく続く。
ほっぺは?
だめ
おでこも?
だめ
けち!
はずかしいもん
抱きついていい?
今はやめて
あとでいっぱい抱きつくからね
ここで返事に失敗したことに気づいたのだけどもう手遅れだった…。
そして漆原さんは満足したのか最後に耳元で
「大好きだよ」
と囁くと授業を真面目に受けた。
私は授業が終わるまでずっと赤面していたのは内緒だ。
そして、授業が終わり休み時間にいっぱい抱きつかれたのは言うまでもなかった…。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
【完結】【R18百合】会社のゆるふわ後輩女子に抱かれました
千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。
レズビアンの月岡美波が起きると、会社の後輩女子の桜庭ハルナと共にベッドで寝ていた。
一体何があったのか? 桜庭ハルナはどういうつもりなのか? 月岡美波はどんな選択をするのか?
おすすめシチュエーション
・後輩に振り回される先輩
・先輩が大好きな後輩
続きは「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」にて掲載しています。
だいぶ毛色が変わるのでシーズン2として別作品で登録することにしました。
読んでやってくれると幸いです。
「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/759377035/615873195
※タイトル画像はAI生成です
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【完結】【R18百合】女子寮ルームメイトに夜な夜なおっぱいを吸われています。
千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。
風月学園女子寮。
私――舞鶴ミサが夜中に目を覚ますと、ルームメイトの藤咲ひなたが私の胸を…!
R-18ですが、いわゆる本番行為はなく、ひたすらおっぱいばかり攻めるガールズラブ小説です。
おすすめする人
・百合/GL/ガールズラブが好きな人
・ひたすらおっぱいを攻める描写が好きな人
・起きないように寝込みを襲うドキドキが好きな人
※タイトル画像はAI生成ですが、キャラクターデザインのイメージは合っています。
※私の小説に関しては誤字等あったら指摘してもらえると嬉しいです。(他の方の場合はわからないですが)
(R18) 女子水泳部の恋愛事情(水中エッチ)
花音
恋愛
この春、高校生になり水泳部に入部した1年生の岡田彩香(おかだあやか)
3年生で部長の天野佳澄(あまのかすみ)
水泳部に入部したことで出会った2人は日々濃密な時間を過ごしていくことになる。
登場人物
彩香(あやか)…おっとりした性格のゆるふわ系1年生。部活が終わった後の練習に参加し、部長の佳澄に指導してもらっている内にかっこよさに惹かれて告白して付き合い始める。
佳澄(かすみ)…3年生で水泳部の部長。長めの黒髪と凛とした佇まいが特徴。部活中は厳しいが面倒見はいい。普段からは想像できないが女の子が悶えている姿に興奮する。
絵里(えり)…彩香の幼馴染でショートカットの活発な女の子。身体能力が高く泳ぎが早くて肺活量も高い。女子にモテるが、自分と真逆の詩織のことが気になり、話しかけ続け最終的に付き合い始める。虐められるのが大好きなドM少女。
詩織(しおり)…おっとりとした性格で、水泳部内では大人しい1年生の少女。これといって特徴が無かった自分のことを好きと言ってくれた絵里に答え付き合い始める。大好きな絵里がドMだったため、それに付き合っている内にSに目覚める。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる