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朝の出来事
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「お姉さーん。朝だよー。起きてー。」
毎朝、一之瀬さんは私のことを優しく起こしてくれる。
いつもなら、これだけで起きるのだけど。
たまに私は一之瀬さんの優しい声が心地よくて。
「ん…。あと…5分だけ…。」
もう少しだけ寝たいと思ってしまう。
「朝食の準備もできてるよー。だから起きてー。」
一之瀬さんの朝食はすごく魅力的だけど。
「うぅ…。でもぉ…。」
それでも、起きないダメダメな私。
そんな私に困った一之瀬さんは耳元で囁く。
「起きないとー。ちゅーしちゃおっかなぁ。」と。
耳元で一之瀬さんの吐息がかかって、少しくすぐったく。
さらには、そんなこと言われたら普通は起きるしかないのだけど。
「いいよぉ…。」と、私は答える。
だって、私はこの後の展開を知っていて。
「そっかぁ…。それじゃあ…。」
一之瀬さんは耳元でそう囁くと、先ほどから感じていた吐息と共に離れていく。
それから、しばらくすると再び吐息を感じ、私の唇になにかが触れる感じがする。
でも、私はこれで動揺したりしない。
前になかなか起きなかった時にも似たようなことがあったから私はわかっていたのだ。
これは指を当てているだけで、一之瀬さんは本当にキスしているわけではないことを。
まぁ、その時のわたしは一之瀬さんが教えてくれるまでドキドキすることになったのだけど、今日の私は違うのだ!
と、そう思うのだけど、その時のことを思い出すと、私は明らかに以前とは違うことに気づいてしまう。
それは、前回はただ唇に指を当てただけで、直前に一之瀬さんの吐息を感じなかったことで。
もしかしたら、今回は本当に…。
いやいや、前回はそれで騙されたわけで…。
私はそんなことを考えていると、結局寝るに寝られず観念して起きることにした。
目を開けると、目の前には一之瀬さんが微笑んでいる。
「あ、あの…一之瀬さん…?」
私は恐る恐る尋ねようとするのだけど。
「おはよ。お姉さん。」と、ニコッと微笑み挨拶をする一之瀬さん。
「あ、うん。おはよ。そ、それでね?一之瀬さん?」
「うん?どうしたの?」
「え、えっとね…。キス…。」したの?と、聞きたいのにその先がなかなか言い出せない私。
「キス?もう一回してほしいの?」と、首を傾げる一之瀬さん。
「ち、ちがくて!って、え?もしかしてほんとにしたの!?」と、私は一之瀬さんの言葉に動揺してしまう。
「えへへ。照れちゃうね…。」と、自分の唇に触れながら、そう言った一之瀬さん。
「ちょ、ちょっと待って!それってつまり!」
そんな反応するってことはつまり…。
「内緒…。」と言い終わると部屋を出て行ってしまう一之瀬さん。
結局、どっちだったのかは分からず、一之瀬さんとのキスのことを考えながら準備をすると、リビングへと向かう。
テーブルには美味しそうな朝食が並べられていて、食欲がそそられた私は一旦さっきのことを考えないようにして、食事を始める。
一之瀬さんもいつも通りの様子。
そして、半分程食べ進めた時だった。
一之瀬さんが「あ、お姉さん!ちょっとそのまま動かないで!」と、言った。
私はどうしたんだろうと、思いながら一之瀬さんの指示に従う。
すると、一之瀬さんは私の顔へと手を伸ばす。
どうやら、ご飯粒が付いてたみたいでそれを取ってくれたのだけど…。
それを、自分の口元へと運ぶ一之瀬さん。
それを見た私は固まってしまう。
「あ、お行儀悪かったよね…。」と、反省する一之瀬さんなのだけど、今はそこが問題じゃなくて…。
私はさっきまで考えないようにしていたことを思い出してしまい。
一之瀬さんの唇から目が離せなくなってしまう。
それに気づいたのか「もー。そんなに見つめてどうしたの?」と一之瀬さんが言った。
私はハッとすると「う、ううん!なんでもないよ!」と言うと、それから、私はとにかく目の前の朝食に集中する。
ご飯おいしい!目玉焼きおいしい!お味噌汁おいしい!と。
それが功を奏したのか、いつも通りに戻れる。
一之瀬さんに美味しかったよと伝え、頭を撫でて。
それから、時間になると玄関へと向かう。
見送りのために一之瀬さんも後ろを歩いている。
すると「あ、お姉さん!忘れ物だよ!」と一之瀬さんに止められる。
私はなにか忘れたかなと立ち止まると一之瀬さんが近づき、さらには顔を近づけてくる。
突然のことで動けない私。
やがて、吐息がかかるところまで近づくと、指で私の唇に触れ「いってらっしゃいのちゅーだよ!」と、微笑む一之瀬さん。
「あ、も、もしかして!」
私はここでやっと理解する。
「えへへ。がっかりした?」とイタズラっぽい表情で言う一之瀬さん。
「し、してないから!」と、動揺しつつもやっぱり指を当てただけだと知った私は安堵するのだけど。
「でも…。ちゃんと起きてくれないと、次はほんとにしちゃうかも…。」と言われドキッとして。
続けて「それとも、お姉さんからわたしの初めて奪っちゃう…?」と言われ顔が赤くなってしまった私は「い、行ってきます!」と、慌てて家を後にする。
最近の高校生がすごいのか。
はたまた一之瀬さんがすごいだけなのかわからないけど。
起きなかった私が原因ではあるのだけども。
でも。
朝から刺激が強すぎるよぉ…。と、私はそう思うのであった。
毎朝、一之瀬さんは私のことを優しく起こしてくれる。
いつもなら、これだけで起きるのだけど。
たまに私は一之瀬さんの優しい声が心地よくて。
「ん…。あと…5分だけ…。」
もう少しだけ寝たいと思ってしまう。
「朝食の準備もできてるよー。だから起きてー。」
一之瀬さんの朝食はすごく魅力的だけど。
「うぅ…。でもぉ…。」
それでも、起きないダメダメな私。
そんな私に困った一之瀬さんは耳元で囁く。
「起きないとー。ちゅーしちゃおっかなぁ。」と。
耳元で一之瀬さんの吐息がかかって、少しくすぐったく。
さらには、そんなこと言われたら普通は起きるしかないのだけど。
「いいよぉ…。」と、私は答える。
だって、私はこの後の展開を知っていて。
「そっかぁ…。それじゃあ…。」
一之瀬さんは耳元でそう囁くと、先ほどから感じていた吐息と共に離れていく。
それから、しばらくすると再び吐息を感じ、私の唇になにかが触れる感じがする。
でも、私はこれで動揺したりしない。
前になかなか起きなかった時にも似たようなことがあったから私はわかっていたのだ。
これは指を当てているだけで、一之瀬さんは本当にキスしているわけではないことを。
まぁ、その時のわたしは一之瀬さんが教えてくれるまでドキドキすることになったのだけど、今日の私は違うのだ!
と、そう思うのだけど、その時のことを思い出すと、私は明らかに以前とは違うことに気づいてしまう。
それは、前回はただ唇に指を当てただけで、直前に一之瀬さんの吐息を感じなかったことで。
もしかしたら、今回は本当に…。
いやいや、前回はそれで騙されたわけで…。
私はそんなことを考えていると、結局寝るに寝られず観念して起きることにした。
目を開けると、目の前には一之瀬さんが微笑んでいる。
「あ、あの…一之瀬さん…?」
私は恐る恐る尋ねようとするのだけど。
「おはよ。お姉さん。」と、ニコッと微笑み挨拶をする一之瀬さん。
「あ、うん。おはよ。そ、それでね?一之瀬さん?」
「うん?どうしたの?」
「え、えっとね…。キス…。」したの?と、聞きたいのにその先がなかなか言い出せない私。
「キス?もう一回してほしいの?」と、首を傾げる一之瀬さん。
「ち、ちがくて!って、え?もしかしてほんとにしたの!?」と、私は一之瀬さんの言葉に動揺してしまう。
「えへへ。照れちゃうね…。」と、自分の唇に触れながら、そう言った一之瀬さん。
「ちょ、ちょっと待って!それってつまり!」
そんな反応するってことはつまり…。
「内緒…。」と言い終わると部屋を出て行ってしまう一之瀬さん。
結局、どっちだったのかは分からず、一之瀬さんとのキスのことを考えながら準備をすると、リビングへと向かう。
テーブルには美味しそうな朝食が並べられていて、食欲がそそられた私は一旦さっきのことを考えないようにして、食事を始める。
一之瀬さんもいつも通りの様子。
そして、半分程食べ進めた時だった。
一之瀬さんが「あ、お姉さん!ちょっとそのまま動かないで!」と、言った。
私はどうしたんだろうと、思いながら一之瀬さんの指示に従う。
すると、一之瀬さんは私の顔へと手を伸ばす。
どうやら、ご飯粒が付いてたみたいでそれを取ってくれたのだけど…。
それを、自分の口元へと運ぶ一之瀬さん。
それを見た私は固まってしまう。
「あ、お行儀悪かったよね…。」と、反省する一之瀬さんなのだけど、今はそこが問題じゃなくて…。
私はさっきまで考えないようにしていたことを思い出してしまい。
一之瀬さんの唇から目が離せなくなってしまう。
それに気づいたのか「もー。そんなに見つめてどうしたの?」と一之瀬さんが言った。
私はハッとすると「う、ううん!なんでもないよ!」と言うと、それから、私はとにかく目の前の朝食に集中する。
ご飯おいしい!目玉焼きおいしい!お味噌汁おいしい!と。
それが功を奏したのか、いつも通りに戻れる。
一之瀬さんに美味しかったよと伝え、頭を撫でて。
それから、時間になると玄関へと向かう。
見送りのために一之瀬さんも後ろを歩いている。
すると「あ、お姉さん!忘れ物だよ!」と一之瀬さんに止められる。
私はなにか忘れたかなと立ち止まると一之瀬さんが近づき、さらには顔を近づけてくる。
突然のことで動けない私。
やがて、吐息がかかるところまで近づくと、指で私の唇に触れ「いってらっしゃいのちゅーだよ!」と、微笑む一之瀬さん。
「あ、も、もしかして!」
私はここでやっと理解する。
「えへへ。がっかりした?」とイタズラっぽい表情で言う一之瀬さん。
「し、してないから!」と、動揺しつつもやっぱり指を当てただけだと知った私は安堵するのだけど。
「でも…。ちゃんと起きてくれないと、次はほんとにしちゃうかも…。」と言われドキッとして。
続けて「それとも、お姉さんからわたしの初めて奪っちゃう…?」と言われ顔が赤くなってしまった私は「い、行ってきます!」と、慌てて家を後にする。
最近の高校生がすごいのか。
はたまた一之瀬さんがすごいだけなのかわからないけど。
起きなかった私が原因ではあるのだけども。
でも。
朝から刺激が強すぎるよぉ…。と、私はそう思うのであった。
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