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日常
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夕飯を食べ終えた私は一之瀬さんと並んで洗い物をしていた。
いくら家事が苦手な私でもこれくらいは出来る。
まぁ、私は一之瀬さんが洗ったお皿を拭いていくだけなのだけど。
ふと、一之瀬さんの方を見るとなんだか嬉しそうで、ポニーテールにした髪が揺れていた。
基本的に一之瀬さんは家事をするときはポニーテールにする。
「なにか良いことでもあった?」
私は一之瀬さんにそう質問した。
「えへへ。なんだかこうしてると新婚さんみたいだなぁって!」
私に洗ったカップを渡しながら、嬉しそうに一之瀬がそう言った。
私はそれに思わず動揺してしまい、カップを受け取り損ねると落としてしまう。
「わっ!ご、ごめんね!」
私は急いでカップの破片を拾い集める。
その時、指先に痛みが走る。
カップの破片で指先を少し切ってしまったのだ。
「お姉さん!?大丈夫!?」
一之瀬さんが私をすごく心配してくれる。
「う、うん。大丈夫。ちょっと切っちゃっただけだから。」
「見せて!」
私は一之瀬さんの指示に従い、指を見せる。
すると、その指を咥える一之瀬さん。
「な、なにして…。」
私は一之瀬さんの行動に驚いてしまう。
「ほうふるほいいっへひひはほ」
指を咥えながら喋る一之瀬さん。
「ま、待って!なんかくすぐったいし、何言ってるかわからないよ!」
それになんだか、ちょっと。うん。まぁそれは考えないでおこう。
一旦指を離してくれる一之瀬さんは
「こうするといいって聞いたの!」
そう言ってまた私の指を咥えようとする。
「も、もう大丈夫だから!あとは絆創膏でね!ね!」
私は必死にそう言うと納得してくれた一之瀬さんが絆創膏を用意して貼ってくれる。
「お姉さん大丈夫…?」
「うん。もう大丈夫だよ。ありがと。」
「よかったぁ…。」
そう言うと安堵した表情になる一之瀬さん。
まぁ、指先を少し切っただけだからそこまで大袈裟になることではないんだけど、本気で心配してくれた一之瀬さんに私は頭を撫でながら「一之瀬さんは優しいね。」と言った。
「えへへ。惚れ直した?」と、笑いながら一之瀬さんが言った。
そんな彼女に少しドキッとしながらも、「最初から惚れてません!」と返すと今度は気をつけながら破片を片付ける。
後ろの方で、「えー!惚れてよー!お姉さんー!ねぇー!」と、騒いでいたけど気にしない。
その後、洗い物を終え、お風呂に入ろうとした時だった。
私は一之瀬さんに腕を掴まれる。
「ん?どしたの?」
なにかと思い一之瀬さんに質問する。
「一緒に入ろ?」と、笑顔の一之瀬さん。
「やだ。」と、冷たく拒否する私。
「えー!なんで!昨日だって一緒に入ったじゃん!」と、駄々をこねる一之瀬さん。
すでに何回も押し切られ一緒に入ることになってしまっていた私だったが、今日こそはちゃんと拒否する。
だって、一之瀬さんと入ると…。
「洗いっこしたいー!ねー!お姉さんー!」
「やだ!一之瀬さんの手つきやらしいんだもん!」
それに一之瀬さんの裸を見るの慣れないから。
これは言わないけど。
私は一之瀬さんを放っておくと、お風呂へと向かう。
服を脱ぎ、シャワーを出したところで、なんだか脱衣所でゴソゴソと音が聞こえる。
「お姉さんー!入っていいー?」
「だめ!」私はそう強く言うのだったが、
「もう服脱いじゃったよー。寒いよー。えーん。」と、わざとらしく言う一之瀬さん。
もう一度着直せば良いじゃんとはさすがにかわいそうで言えず。
今日も一之瀬さんの作戦に負けると一緒にお風呂に入るのであった。
「えへへ。わたしが洗ってあげるねー!」
そう言いスポンジをわしゃわしゃさせる一之瀬さん。
入れてしまったことに若干後悔しつつも、今さらで。
私は一之瀬さんに身を任せる。
最初はちゃんとスポンジで洗ってくれる一之瀬さんだったのだけど。
「お姉さんの肌ってほんと綺麗だよねぇ。」と、指で背中をなぞる一之瀬さん。
「ひゃうっ。」と、私は変な声が出てしまう。
「もー。お姉さんえっちな声出さないでよぉ。」と、言いながら指でなぞるのをやめない一之瀬さん。
「も、もう…やめ…。」くすぐったくて抵抗出来ない私。
しばらくすると、さすがにやりすぎたと感じたのか止める一之瀬さん。
「い、一之瀬さん…。ゆるさない…から…。」私は、はぁはぁと息切れしながら怒ると、スポンジを奪い取る。
「お、お姉さん?ま、まだ前の方を洗ってないよ…?」と、少し怯える一之瀬さん。
「ううん。前は自分でやるからいいよ。それより、今度は私の番だよね?」と、笑顔で一之瀬さんに言う。
「あ…。えっと…。わたしはいいかなぁ…って。だめ…?」と、若干後退りする一之瀬さん。
「洗いっこ。だもんね?」と言いながら、私は一之瀬さんを追い詰める。
「お、お姉さんに襲われる…。」と怯える一之瀬さん。
いつもならもっとふざけて言うのだけど余裕がなかったのだろう。
だけど、私は許さない。
スポンジで容赦なく一之瀬さんの身体を洗う。
「や…。そこ…。だめ…。」と、変な声を出す一之瀬さんだったけど私は構わずスポンジで擦る。
満足した私は謎の達成感に満たされる。
一方、一之瀬さんは「うぅ…。もうお嫁にいけない…。」と言っていた。
普通に洗っただけなのに、この子はなにを言っているのだろうと思いつつも、自分の残りの分を洗うと湯船に浸かる。
だけど、一之瀬さんが入ろうとしない。
少しやりすぎちゃったのかなと思ったけど、どうやらそれは違った様で。
「わたしが一緒に入ったら足伸ばしてくつろげないかなって。」と言う、一之瀬さん。
変なところで気遣ってくれる一之瀬さんになんだか笑ってしまう。
だけど、そのままじゃ寒いだろうし、私は提案する。
そして、一之瀬さんを前にして、私が一之瀬さんを抱く様な入り方をする。
実際に抱いてるわけじゃないからね。
「えへへ。お姉さんに抱きしめてもらってみたいでいいね。」と言う一之瀬さん。
「いや、抱いてないから!」と思わず照れてしまう私。
これで、お風呂は終わり。
それから、時刻は就寝時間になる。
ドアをノックする音が聞こえる。
「どうぞー。」と言うと一之瀬さんが「お姉さーん。お待たせー!」とやってくる。
私と一之瀬さんは一緒のベッドで寝ている。
一之瀬さんの部屋にもベッドはあるのだけど、一緒に寝る。
だけど、これは一之瀬さんに押し負けた訳ではない。
まぁ、初日は押し負けたのだけど。
では、なぜ私も合意の上で一緒に寝ているかと言うと。
それは、引越して初日のことだった。
就寝時間になると一之瀬さんが一緒に寝たいとやってくる。
そこから、なんやかんやで押し負けた私は一緒に寝ることになる。
そして、夜中ふと目が覚めてしまった私は一之瀬さんの方を見る。
月明かりで微かに見える、彼女の寝顔は少し悲しげで目元には涙。
「お母様…。」と呟く一之瀬さん。
それを偶然見てしまった私は、寂しいよね。と思いそっと抱き寄せる。
すると、先程まで悲しげだった表情から「えへへ。お姉さん好き…。」と寝言を言いながら笑顔になる一之瀬さん。
正直、起きてるんじゃないかと思ったけど、ちゃんと寝ている様で、クスッとしてしまう。
それから、寝る時だけは特別で。
素直に受け入れる私に、一之瀬さんは最初は驚いていたけど、茶化すことはせず。
これが私たちの習慣になっていた。
だけど、まぁ最近の一之瀬さんは調子に乗り始めたというか…。
一緒にベッドに横になると、「えへへ。この匂い好きぃ。」と言い、私の胸に顔を埋める一之瀬さん。
「やめなさい。」と、引き剥がす私。
「えー!やだー!お姉さんの匂い嗅ぐの!」と、再度抱きつこうとする一之瀬さん。
「匂いって。一緒のもの使ってるんだから自分の嗅ぎなよ…。」と、呆れる私。
「違うよ!お姉さん臭じゃないとダメなの!」と、真剣な顔をする一之瀬さん。
「ま、まって。その言い方だと私が臭いみたいなじゃない!」と、本気で嫌がる私。
「臭くないよ!お姉さん臭はわたしの明日の生きる活力なの!それにね!」と、熱弁し始める一之瀬さん。
「あー。はいはい。もう好きなだけ嗅いでいいから早く寝なさい。」と、諦めた私は一之瀬さんを抱き寄せると寝ることにする。
「うん!」と、嬉しそうに抱き返す一之瀬さん。
それからしばらく、スーッと息を吸う音がうるさかったが、なんとか眠ると一日が終わる。
これが、私たちの日常。
いくら家事が苦手な私でもこれくらいは出来る。
まぁ、私は一之瀬さんが洗ったお皿を拭いていくだけなのだけど。
ふと、一之瀬さんの方を見るとなんだか嬉しそうで、ポニーテールにした髪が揺れていた。
基本的に一之瀬さんは家事をするときはポニーテールにする。
「なにか良いことでもあった?」
私は一之瀬さんにそう質問した。
「えへへ。なんだかこうしてると新婚さんみたいだなぁって!」
私に洗ったカップを渡しながら、嬉しそうに一之瀬がそう言った。
私はそれに思わず動揺してしまい、カップを受け取り損ねると落としてしまう。
「わっ!ご、ごめんね!」
私は急いでカップの破片を拾い集める。
その時、指先に痛みが走る。
カップの破片で指先を少し切ってしまったのだ。
「お姉さん!?大丈夫!?」
一之瀬さんが私をすごく心配してくれる。
「う、うん。大丈夫。ちょっと切っちゃっただけだから。」
「見せて!」
私は一之瀬さんの指示に従い、指を見せる。
すると、その指を咥える一之瀬さん。
「な、なにして…。」
私は一之瀬さんの行動に驚いてしまう。
「ほうふるほいいっへひひはほ」
指を咥えながら喋る一之瀬さん。
「ま、待って!なんかくすぐったいし、何言ってるかわからないよ!」
それになんだか、ちょっと。うん。まぁそれは考えないでおこう。
一旦指を離してくれる一之瀬さんは
「こうするといいって聞いたの!」
そう言ってまた私の指を咥えようとする。
「も、もう大丈夫だから!あとは絆創膏でね!ね!」
私は必死にそう言うと納得してくれた一之瀬さんが絆創膏を用意して貼ってくれる。
「お姉さん大丈夫…?」
「うん。もう大丈夫だよ。ありがと。」
「よかったぁ…。」
そう言うと安堵した表情になる一之瀬さん。
まぁ、指先を少し切っただけだからそこまで大袈裟になることではないんだけど、本気で心配してくれた一之瀬さんに私は頭を撫でながら「一之瀬さんは優しいね。」と言った。
「えへへ。惚れ直した?」と、笑いながら一之瀬さんが言った。
そんな彼女に少しドキッとしながらも、「最初から惚れてません!」と返すと今度は気をつけながら破片を片付ける。
後ろの方で、「えー!惚れてよー!お姉さんー!ねぇー!」と、騒いでいたけど気にしない。
その後、洗い物を終え、お風呂に入ろうとした時だった。
私は一之瀬さんに腕を掴まれる。
「ん?どしたの?」
なにかと思い一之瀬さんに質問する。
「一緒に入ろ?」と、笑顔の一之瀬さん。
「やだ。」と、冷たく拒否する私。
「えー!なんで!昨日だって一緒に入ったじゃん!」と、駄々をこねる一之瀬さん。
すでに何回も押し切られ一緒に入ることになってしまっていた私だったが、今日こそはちゃんと拒否する。
だって、一之瀬さんと入ると…。
「洗いっこしたいー!ねー!お姉さんー!」
「やだ!一之瀬さんの手つきやらしいんだもん!」
それに一之瀬さんの裸を見るの慣れないから。
これは言わないけど。
私は一之瀬さんを放っておくと、お風呂へと向かう。
服を脱ぎ、シャワーを出したところで、なんだか脱衣所でゴソゴソと音が聞こえる。
「お姉さんー!入っていいー?」
「だめ!」私はそう強く言うのだったが、
「もう服脱いじゃったよー。寒いよー。えーん。」と、わざとらしく言う一之瀬さん。
もう一度着直せば良いじゃんとはさすがにかわいそうで言えず。
今日も一之瀬さんの作戦に負けると一緒にお風呂に入るのであった。
「えへへ。わたしが洗ってあげるねー!」
そう言いスポンジをわしゃわしゃさせる一之瀬さん。
入れてしまったことに若干後悔しつつも、今さらで。
私は一之瀬さんに身を任せる。
最初はちゃんとスポンジで洗ってくれる一之瀬さんだったのだけど。
「お姉さんの肌ってほんと綺麗だよねぇ。」と、指で背中をなぞる一之瀬さん。
「ひゃうっ。」と、私は変な声が出てしまう。
「もー。お姉さんえっちな声出さないでよぉ。」と、言いながら指でなぞるのをやめない一之瀬さん。
「も、もう…やめ…。」くすぐったくて抵抗出来ない私。
しばらくすると、さすがにやりすぎたと感じたのか止める一之瀬さん。
「い、一之瀬さん…。ゆるさない…から…。」私は、はぁはぁと息切れしながら怒ると、スポンジを奪い取る。
「お、お姉さん?ま、まだ前の方を洗ってないよ…?」と、少し怯える一之瀬さん。
「ううん。前は自分でやるからいいよ。それより、今度は私の番だよね?」と、笑顔で一之瀬さんに言う。
「あ…。えっと…。わたしはいいかなぁ…って。だめ…?」と、若干後退りする一之瀬さん。
「洗いっこ。だもんね?」と言いながら、私は一之瀬さんを追い詰める。
「お、お姉さんに襲われる…。」と怯える一之瀬さん。
いつもならもっとふざけて言うのだけど余裕がなかったのだろう。
だけど、私は許さない。
スポンジで容赦なく一之瀬さんの身体を洗う。
「や…。そこ…。だめ…。」と、変な声を出す一之瀬さんだったけど私は構わずスポンジで擦る。
満足した私は謎の達成感に満たされる。
一方、一之瀬さんは「うぅ…。もうお嫁にいけない…。」と言っていた。
普通に洗っただけなのに、この子はなにを言っているのだろうと思いつつも、自分の残りの分を洗うと湯船に浸かる。
だけど、一之瀬さんが入ろうとしない。
少しやりすぎちゃったのかなと思ったけど、どうやらそれは違った様で。
「わたしが一緒に入ったら足伸ばしてくつろげないかなって。」と言う、一之瀬さん。
変なところで気遣ってくれる一之瀬さんになんだか笑ってしまう。
だけど、そのままじゃ寒いだろうし、私は提案する。
そして、一之瀬さんを前にして、私が一之瀬さんを抱く様な入り方をする。
実際に抱いてるわけじゃないからね。
「えへへ。お姉さんに抱きしめてもらってみたいでいいね。」と言う一之瀬さん。
「いや、抱いてないから!」と思わず照れてしまう私。
これで、お風呂は終わり。
それから、時刻は就寝時間になる。
ドアをノックする音が聞こえる。
「どうぞー。」と言うと一之瀬さんが「お姉さーん。お待たせー!」とやってくる。
私と一之瀬さんは一緒のベッドで寝ている。
一之瀬さんの部屋にもベッドはあるのだけど、一緒に寝る。
だけど、これは一之瀬さんに押し負けた訳ではない。
まぁ、初日は押し負けたのだけど。
では、なぜ私も合意の上で一緒に寝ているかと言うと。
それは、引越して初日のことだった。
就寝時間になると一之瀬さんが一緒に寝たいとやってくる。
そこから、なんやかんやで押し負けた私は一緒に寝ることになる。
そして、夜中ふと目が覚めてしまった私は一之瀬さんの方を見る。
月明かりで微かに見える、彼女の寝顔は少し悲しげで目元には涙。
「お母様…。」と呟く一之瀬さん。
それを偶然見てしまった私は、寂しいよね。と思いそっと抱き寄せる。
すると、先程まで悲しげだった表情から「えへへ。お姉さん好き…。」と寝言を言いながら笑顔になる一之瀬さん。
正直、起きてるんじゃないかと思ったけど、ちゃんと寝ている様で、クスッとしてしまう。
それから、寝る時だけは特別で。
素直に受け入れる私に、一之瀬さんは最初は驚いていたけど、茶化すことはせず。
これが私たちの習慣になっていた。
だけど、まぁ最近の一之瀬さんは調子に乗り始めたというか…。
一緒にベッドに横になると、「えへへ。この匂い好きぃ。」と言い、私の胸に顔を埋める一之瀬さん。
「やめなさい。」と、引き剥がす私。
「えー!やだー!お姉さんの匂い嗅ぐの!」と、再度抱きつこうとする一之瀬さん。
「匂いって。一緒のもの使ってるんだから自分の嗅ぎなよ…。」と、呆れる私。
「違うよ!お姉さん臭じゃないとダメなの!」と、真剣な顔をする一之瀬さん。
「ま、まって。その言い方だと私が臭いみたいなじゃない!」と、本気で嫌がる私。
「臭くないよ!お姉さん臭はわたしの明日の生きる活力なの!それにね!」と、熱弁し始める一之瀬さん。
「あー。はいはい。もう好きなだけ嗅いでいいから早く寝なさい。」と、諦めた私は一之瀬さんを抱き寄せると寝ることにする。
「うん!」と、嬉しそうに抱き返す一之瀬さん。
それからしばらく、スーッと息を吸う音がうるさかったが、なんとか眠ると一日が終わる。
これが、私たちの日常。
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