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4.お仕置き
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とある金曜日の学校。
「咲耶さぁー、可愛い顔してんだから、今度の文化祭で女子に混ざってメイドやったら?」
「は?」
そう言ってきたのは、前に座っている友人Aの有松だ。
可愛い顔にも、メイドにもツッコミどころが多すぎる。
「誰が見たいんだよ。そういうのは準備中に遊び半分でやるぐらいが丁度いいんだよ」
「じゃあ準備中なら見せてくれんの?」
「お前も着るならなー」
と、昼休み時間に適当に返してしまったのが、俺の運の尽きだった。
午後からは、来週開催される文化祭の準備だ。
俺たちの組は、女子がメイド喫茶をしたいと言った為、既製品のお菓子を出したり、お茶を出すだけの喫茶店になった。
簡単でいい。
だがそれでは女子ばかりスタッフとして必要となるため、男子ばかりのむさ苦しいウェイターの時間帯もある。
男ばかりの時間帯に誰が来るんだよ。
「今日メイド服届いたらしいぞ。見てみようぜ」
女子たちがキャッキャ言いながらサイズの確認をしている。
悪いな。俺は女子に興味ないんだ。
心の中で思うだけにしておく。
隣にある空き教室で、女子たちは着替えているらしく、廊下にみんな集まって見学していた。
有松に連れられて、俺もその野次馬に混ざる。
一通りみんなサイズの確認が終わったようで、教室へ戻っていく中、有松が女子に声をかけていた。
「咲耶。ほら、大きいサイズ」
「一応着られなかったら困ると思って、全サイズ用意したんだ」
もしかして、それを知った上でさっきの発言だったのか?
そもそも女性と男性だと体の形が違うから窮屈だろ。
だが、俺は女装というものに興味があった。
メイドには全く興味ないけど。
「待てよ、先に有松着て見せてよ」
「それ本気だったんだ。2種類あるからツーショット撮ろうぜ」
そう言って、服を片手に俺の腕を取って空き教室へ連れ込まれた。
「うーん、やっぱり咲耶似合うな。顔の骨格が丸いし」
「有松はなんか……ノーコメントにしとくわ」
有松はどちらかと言えば顔が四角いからか、違和感が半端ない。
有松と俺は2人で並んで写真を撮ってもらい、自分の姿を確認する。
「朝霧君ほんと似合うね!」
写真を撮ってくれた女子には褒められるが、俺自身の評価はあまり良くなかった。
肩幅や胸板は窮屈だし、ふくらはぎは完全に男のものだ。
「この写真俺に送ってくれる?」
「良いけど、お前SNSに上げんなよ?」
「上げねぇよ」
有松は日頃の写真も上げるからな、ちゃんと釘を刺しておかないといけない。
俺達はメイド服を直ぐに脱いで、文化祭の準備に取り掛かることにした。
その日帰ると、なんだかいつも以上に兄さんの機嫌が悪かった。
今日は両親2人で居酒屋デートらしく、2人きりだと言うのに、居心地が悪い。
素っ気ないを通り越して、俺を目に入れないようにしている気がする。
なんだよそれ、寂しいんだけど。
とはいえ、最近は兄弟ではやらないような、あんな事やこんな事をしているから、気まずくされても仕方がない。
俺が自室でスマホを弄っていたら、有松から連絡が来た。
『昼のメイド服の写真送ってよ』
あれ?おれ有松に送らなかった?
もしかして、送信途中で止まってる?
いや、何も残っていない。
トーク履歴を見てみるとそこには……。
『朝霧祐馬』
あれ?兄さんと何かやり取りした覚えないんだけど!
待ってくれ!
『あ』の予測変換で朝霧が出てきて、兄さんに誤送信したの?
そのトーク画面を開けば、確かに昼間の写真が送られており、ばっちり既読もついている。
俺は直ぐ様その写真を送信取消しをする。
どうしよう。
今日機嫌の悪そうだった兄さんに、写真を消してもらう為の交渉しなければいけないのか?
でもこういうのは温めない方が良い。
早めに行動した方が、これ以上傷を深くせずに済む。
勢いで行ってしまえと、兄さんの部屋の扉をノックした。
「何?」
「ちょっと話したいことがあって」
兄さんは受験も控えているから、きっと勉強しているのだろう。
興味のなさそうな返答だ。
「いいよ、入って」
でも許可を得られて、俺はドアノブに手をかけた。
やっぱり机に向かっていた兄さんは、くるっと椅子を回して俺の方を向いた。
「昼に送ってきた写真の件だろ?」
まぁ分かりますよねー。
「友達と間違えて兄さんに送っちゃったんだ。だから、その……兄さんの画面からも消しておいてほしい」
あんなものを兄さんのスマホの中に残しておくわけにはいかない。
「その友達には送り直したの?」
「いや、今気付いたところで、まだ送ってない」
兄さんは椅子から立ち上がり、俺の前に立つと手を出してきた。
「咲耶のスマホからも消して」
何で俺のスマホからも消さなくちゃならないんだ?
やっぱり見苦しかったからか?
「分かった」
別に記念に残しておくものでも無いし、スマホを取り出して写真のフォルダから消す。
「貸して」
俺ってそんなに信用ない?兄さんは俺のスマホを奪って、フォルダを確認する。
あまりスマホを確認されると埃が出るから早く返してしい。
確認が済んでスマホを返してもらうが、兄さんの表情はまだ怖い。
「まさかこの格好、文化祭でするつもり?」
「そんなわけないって!たまたま遊びで着ただけで、当日は制服だよ」
「そう。もう少しできりが良いから、30分ぐらい経ったらもう一度来て」
そう言うと兄さんは机に向かって行ったので、俺は部屋から出た。
これは、そう言うことなのか?
扉を背にして顔が赤くなった。
期待して良いってこと?
いろいろ準備を済ませて待つこと30分。
すごく長く感じた。
何かいるものある?ローションは兄さんも持ってたし……。
いや、何も性的な行為をすると決まったわけじゃない。
ドアをコンコンとノックしたら「入って」という兄さんの声が聞こえた。
ドアを開けると、俺の目に入ってきたのは足を組んでベッドに掛けている兄さんと、その隣に置かれているアダルトグッズだ。
あ、あ、あ……アダルトグッズ⁉︎
俺はその光景に呆然と立ち尽くしてしまった。
期待はしていたけれど、これは想像の斜め上だった。
「早くきて」
「ちょっと待って!兄さん、何するつもり?」
「説明が必要?」
だって、貞操帯とかあるんですけど。これを兄さんが用意したの?
これは完全に嫌な予感がする。
「学校でバカな格好をしたんだ。罰が必要だろ」
兄さんの顔にそこまで泥を塗ったつもりもないし、あの格好をそんな大勢に見られたわけでもない。
だが、確かに兄弟だと知っている人は多い。
「返事は?」
「はい」
何故だかNOと言えない雰囲気を作られてしまい、咄嗟に答えてしまった。
恐怖半分、期待半分。
俺は兄さんの隣に掛けて、そのグッズ達に改めて目を向けた。
俺には何か分からない物まであった。
「ほら、全裸になって」
そう言われてしまえば、全てを脱ぐ以外に選択肢はない。
ジャージも下着も全て脱いだ俺は、恥ずかしさでどこに目をやっていいのか分からない。
少し下を向けば、興奮して勃っているムスコがいる。
勘弁してくれ。
「じゃあ今日はこれかな」
貞操帯をつけて、前回みたいに我慢を強いられるのは結構辛い。
そう思っていたけれど、兄さんが選んだのはガラス製のアナルビーズだ。
しかも長さ20cm以上ある。まじ?
「無理しない程度に、自分で入れてみて」
また兄さんの前でオナニーしなければならないようだ。
恥ずかしいが、ベッドに上がって、股を大きく開いた。
指で穴を慣らせば、簡単に1本、2本と無理なく入るようになった。
アナルビーズにローションをたっぷり塗り、息を吐いてゆっくり沈めていく。
「あぁぁぁぁっ……!」
重さがあり、簡単に奥へと入っていく。
ツルツルとした感触が堪らなく良かった。
「中丸見え」
そう言うと兄さんは俺の穴の周りに指を這わせた。
「み、見るなよ!恥ずかしい!」
咄嗟に手で隠してしまうが、兄さんに手を取られてしまう。
「見なきゃ意味ないじゃん。罰にならない」
兄さんは「ほら動かして」と言って、俺の手でアナルビーズを動かすように催促してくる。
これは恥ずか死する。
「はぁっ!あっあっあっんっ」
ゆっくりと奥まで挿入し、最後のビーズまで飲み込むことができた。
と思ったのに!
「あぁあぁぁぁぁぁっ!……はぁっ!はぁ……」
一気にそれは引き抜かれた。
なんだこの快感は。簡単に身体が震えてイッてしまった。
だけど直ぐにそのビーズは兄さんの手で挿入され、最後まで挿れると、また一気に抜かれた。
「んふぐぅぅぅぁぁっ、あぁっあぁっ!」
今度はその快感が来ることはわかっていた為、声を少し抑えようとして、逆に変な声が上がってしまった。
うっすら涙を浮かべている俺を、やっと少し楽しそうに兄さんは見てきた。
まだ肩で息している俺に構わず、今度は挿入も速く、ビーズを抽挿する。
「ああぁぁ!だっ!やだぁっ!あっあっあっ」
兄さんはそんな俺の穴の様子をじっくり見ながら、動きを止めなかった。
「ああぁっ!ひっ!あっあぁぁあぁぁっ!」
俺はもう何度もドライを感じ、その快感から逃げるように身体をのけぞらせるが、決して解放してくれなかった。
「まっで!もっむりぃ!ながっ!ぎもぢぃっ!」
「俺とどっちが好き?」
今回のアナルビーズは恥ずかしさもあって余計に気持ちいいが、当然そんなの答えるまでもない。
「にぃざん!」
そう叫べば、やっとアナルビーズを抜いてくれた。
身体がビクビクと震えているが、それは玩具のせいか、次に来るかもしれない快感のせいか。
兄さんはズボンと下着を脱いで、俺の両足の隙間に入り、初めて正常位で挿入してきた。
「あぁぁっ!んぁっあっ」
正常位だと、俺の顔が兄さんに丸見えなのはかなり恥ずかしい。
だけど逆に兄さんの顔も見放題なわけで。
目を開けると、真剣な目をした兄さんの顔がそこにあった。
だけどその真剣さはどこへやら、言っている内容は非常にふざけていた。
「今日は前触らずに潮吹けたら終わりな」
「は?待って!前にしたのだって初めてだし、自分でもしたこともないんたけど!」
尻への刺激だけで潮吹くの?出来る?俺?
いや、問題は他にもある。
「ベッド汚すから嫌だよ」
「下に防水シートあるから気にすんな」
なんか今日の兄さん、準備良すぎない?
30分ってのは準備の時間だった?
そう、考えている間にも律動が始まってしまった。
「あぁっ!んっあっ!あっ、あっ、あっ」
気持ち良い。
アナルビーズよりも、何よりも兄さんにされるのが1番気持ちよかった。
「あぁぁぁっ!きもちぃぃっよぉ!」
ピストン運動は止むことなく、俺の奥や前立腺を掠めていく。
「うぁっ!だめ!でる!でるっ!」
イッて出たのは精液で、胸の手前まで勢いよく飛ばした。
そして出たからと言ってやはり運動は止まらない。
「まっで!いっでるから!まっで!」
すでに涙を浮かべ、涎を垂らしながら懇願するが、聞き入れてくれず、兄さんは俺の中に出した。
なんで兄さんがイッた時は止まるわけ?理不尽だ!
2人して荒い息を整えるが、兄さんは直ぐにまた動き始めた。
「潮吹けそう?」
「そんなの、わかんないっ」
「どこがいい?」
兄さんは俺の反応を見ながら、足を掴んで角度を変えたり、深さを変えている。
そしてすぐに、俺のイイ所を突いてきた。
「ああっ!そこっ!あぁっ!」
「ここ?」
「あぁっあぁっそこっ」
少し浅めの前立腺を集中的に小刻みに擦られ、全身が熱くなる。
やばい!これは出そうで出ない!
「あぁっ!やばっ!あぁっ、あぁぁっ!」
何度も何度も擦られて腰が逃げたくなるが、そこはしっかりと打ち込まれる。
程なくして、身体の奥から快感がせり上がってきて、身体中が痙攣したように震える。
「も、あぁっ!でるっ、でるぅっ!」
ピュッピュッと勢いよく、透明な液体を自分の腹に放ってしまった。
射精のような、放尿のような感覚だ。
「でだっ!にぃさん!でたからっ!」
「まだ出せるよ」
「むりぃぃっ!あぁっ、あぁぁぁっ!」
兄さんはそう淡々と言って、前立腺への刺激を淡々と続けた。
突かれる度に、ピュッと透明な液が迸り、全然止めてくれない!
俺の腹も胸もびしょびしょだ。
「こわれるっ!ごわれるぅ……あぁっ!」
そしてたまに白濁した駅も垂れ流した。
兄さんはそこで、深いストロークに変えたが、それでも壊れた俺のムスコは反応し続けて、透明な液を吐き出し続けた。
「んっ……あぁっ!んっあぁ!はぁっ!んっ!」
俺は出ないように我慢したかったが、気持ち良すぎて無理だった。
「にぃさん!もっ出したくない!やだぁっ!」
そう言っている間にも、また勢いよく透明な液体が顔付近まで飛んでくる。
本当にもう無理だった。
「それなら、もう2度とあんな格好、俺の前以外でしないって誓える?」
「しないっ!ちかって、しない!」
まともに答えられたかも分からない。
けれど、兄さんが俺の中で果てて、精液を流し込まれたことは分かった。
そしてやっと刺激から解放された。
「はぁっ……はぁっ……」
余韻に浸って感無量な俺の耳に、なんとも非情な言葉が飛び込んできた。
「酷い顔だな」
「……っ!」
確かに、今は涙を浮かべて、涎を垂らし、顔にまで液を付けてて、綺麗とは言い難い。
いつもなら、こうなるまでしたのは一体誰だと怒鳴り返していたかもしれない。
でも今の俺は身体の怠さや、ずっと責められてきた精神的負担から、顔を両腕で隠すことしかできなかった。
しかも、ここまでしといてこの仕打ちはあんまりじゃないか?
さっきまでのうっすらと浮かんでいた涙とは別の、流れ落ちる涙が耳まで濡らす。
「咲耶?」
兄さんは俺が泣いているのを確認しようと、両腕を掴んで顔を覗こうとしてくる。
「やめろよっ!はなせっ!」
酷いと思うのなら見なきゃ良いのに!
必死になって抵抗するが、簡単に俺の両腕はベッドに縫い付けられた。
だがその時にはもう悲しみよりも、怒りが勝っていた。
「そう思うなら見るなよ!」
兄さんは特に言い返しもせず、俺の話も聞いていないようだった。
「ねぇ、この顔を、写真に写ってた友達にも見せてんの?」
「は?」
何で俺が有松に泣かされなきゃいけないんだ?
と言うか何故ここでその話になる?
あまりにも訳がわからなかった。
「そんなわけないだろ……何言ってんの?」
兄さんは本当に俺が節操なく、男に掘られて喜ぶ奴だと思っているようで、益々悲しくなってきた。
兄さんに掴まれていた腕は、力が緩んでいた為、勢いよく兄さんを後ろに突き飛ばした。
少し危なかったかと、兄さんに気にかける余裕もなく、俺は近くのタオルを一枚取って肩から羽織ると、部屋から脱兎のごとく逃げ出した。
そして向かうは風呂場。
扉を閉めて、風呂場の床に座り込んだ所で、尻の穴から液体が垂れてくる感覚があった。
「こんなことなら、やっぱりオナニーで済ませておけば良かった」
シャワーで流しながら、兄さんに言われた言葉を思い出して、また涙が出てきた。
こんな穢らわしい自分を、兄さんに見せるべきではなかった。
勝手に好きになって、勝手に調子乗って、自己嫌悪に陥って、感情ジェットコースターだ。
これからどうしよう?
いや、その問題はずっと目の前にあったはずのに、目を逸らし続けてきたんだ。
兄さんが普通に接したり、関係を続けてきたから甘えてただけだ。
もう、こんなことはやめて初心に戻ろうと、俺はその時決意した。
「咲耶さぁー、可愛い顔してんだから、今度の文化祭で女子に混ざってメイドやったら?」
「は?」
そう言ってきたのは、前に座っている友人Aの有松だ。
可愛い顔にも、メイドにもツッコミどころが多すぎる。
「誰が見たいんだよ。そういうのは準備中に遊び半分でやるぐらいが丁度いいんだよ」
「じゃあ準備中なら見せてくれんの?」
「お前も着るならなー」
と、昼休み時間に適当に返してしまったのが、俺の運の尽きだった。
午後からは、来週開催される文化祭の準備だ。
俺たちの組は、女子がメイド喫茶をしたいと言った為、既製品のお菓子を出したり、お茶を出すだけの喫茶店になった。
簡単でいい。
だがそれでは女子ばかりスタッフとして必要となるため、男子ばかりのむさ苦しいウェイターの時間帯もある。
男ばかりの時間帯に誰が来るんだよ。
「今日メイド服届いたらしいぞ。見てみようぜ」
女子たちがキャッキャ言いながらサイズの確認をしている。
悪いな。俺は女子に興味ないんだ。
心の中で思うだけにしておく。
隣にある空き教室で、女子たちは着替えているらしく、廊下にみんな集まって見学していた。
有松に連れられて、俺もその野次馬に混ざる。
一通りみんなサイズの確認が終わったようで、教室へ戻っていく中、有松が女子に声をかけていた。
「咲耶。ほら、大きいサイズ」
「一応着られなかったら困ると思って、全サイズ用意したんだ」
もしかして、それを知った上でさっきの発言だったのか?
そもそも女性と男性だと体の形が違うから窮屈だろ。
だが、俺は女装というものに興味があった。
メイドには全く興味ないけど。
「待てよ、先に有松着て見せてよ」
「それ本気だったんだ。2種類あるからツーショット撮ろうぜ」
そう言って、服を片手に俺の腕を取って空き教室へ連れ込まれた。
「うーん、やっぱり咲耶似合うな。顔の骨格が丸いし」
「有松はなんか……ノーコメントにしとくわ」
有松はどちらかと言えば顔が四角いからか、違和感が半端ない。
有松と俺は2人で並んで写真を撮ってもらい、自分の姿を確認する。
「朝霧君ほんと似合うね!」
写真を撮ってくれた女子には褒められるが、俺自身の評価はあまり良くなかった。
肩幅や胸板は窮屈だし、ふくらはぎは完全に男のものだ。
「この写真俺に送ってくれる?」
「良いけど、お前SNSに上げんなよ?」
「上げねぇよ」
有松は日頃の写真も上げるからな、ちゃんと釘を刺しておかないといけない。
俺達はメイド服を直ぐに脱いで、文化祭の準備に取り掛かることにした。
その日帰ると、なんだかいつも以上に兄さんの機嫌が悪かった。
今日は両親2人で居酒屋デートらしく、2人きりだと言うのに、居心地が悪い。
素っ気ないを通り越して、俺を目に入れないようにしている気がする。
なんだよそれ、寂しいんだけど。
とはいえ、最近は兄弟ではやらないような、あんな事やこんな事をしているから、気まずくされても仕方がない。
俺が自室でスマホを弄っていたら、有松から連絡が来た。
『昼のメイド服の写真送ってよ』
あれ?おれ有松に送らなかった?
もしかして、送信途中で止まってる?
いや、何も残っていない。
トーク履歴を見てみるとそこには……。
『朝霧祐馬』
あれ?兄さんと何かやり取りした覚えないんだけど!
待ってくれ!
『あ』の予測変換で朝霧が出てきて、兄さんに誤送信したの?
そのトーク画面を開けば、確かに昼間の写真が送られており、ばっちり既読もついている。
俺は直ぐ様その写真を送信取消しをする。
どうしよう。
今日機嫌の悪そうだった兄さんに、写真を消してもらう為の交渉しなければいけないのか?
でもこういうのは温めない方が良い。
早めに行動した方が、これ以上傷を深くせずに済む。
勢いで行ってしまえと、兄さんの部屋の扉をノックした。
「何?」
「ちょっと話したいことがあって」
兄さんは受験も控えているから、きっと勉強しているのだろう。
興味のなさそうな返答だ。
「いいよ、入って」
でも許可を得られて、俺はドアノブに手をかけた。
やっぱり机に向かっていた兄さんは、くるっと椅子を回して俺の方を向いた。
「昼に送ってきた写真の件だろ?」
まぁ分かりますよねー。
「友達と間違えて兄さんに送っちゃったんだ。だから、その……兄さんの画面からも消しておいてほしい」
あんなものを兄さんのスマホの中に残しておくわけにはいかない。
「その友達には送り直したの?」
「いや、今気付いたところで、まだ送ってない」
兄さんは椅子から立ち上がり、俺の前に立つと手を出してきた。
「咲耶のスマホからも消して」
何で俺のスマホからも消さなくちゃならないんだ?
やっぱり見苦しかったからか?
「分かった」
別に記念に残しておくものでも無いし、スマホを取り出して写真のフォルダから消す。
「貸して」
俺ってそんなに信用ない?兄さんは俺のスマホを奪って、フォルダを確認する。
あまりスマホを確認されると埃が出るから早く返してしい。
確認が済んでスマホを返してもらうが、兄さんの表情はまだ怖い。
「まさかこの格好、文化祭でするつもり?」
「そんなわけないって!たまたま遊びで着ただけで、当日は制服だよ」
「そう。もう少しできりが良いから、30分ぐらい経ったらもう一度来て」
そう言うと兄さんは机に向かって行ったので、俺は部屋から出た。
これは、そう言うことなのか?
扉を背にして顔が赤くなった。
期待して良いってこと?
いろいろ準備を済ませて待つこと30分。
すごく長く感じた。
何かいるものある?ローションは兄さんも持ってたし……。
いや、何も性的な行為をすると決まったわけじゃない。
ドアをコンコンとノックしたら「入って」という兄さんの声が聞こえた。
ドアを開けると、俺の目に入ってきたのは足を組んでベッドに掛けている兄さんと、その隣に置かれているアダルトグッズだ。
あ、あ、あ……アダルトグッズ⁉︎
俺はその光景に呆然と立ち尽くしてしまった。
期待はしていたけれど、これは想像の斜め上だった。
「早くきて」
「ちょっと待って!兄さん、何するつもり?」
「説明が必要?」
だって、貞操帯とかあるんですけど。これを兄さんが用意したの?
これは完全に嫌な予感がする。
「学校でバカな格好をしたんだ。罰が必要だろ」
兄さんの顔にそこまで泥を塗ったつもりもないし、あの格好をそんな大勢に見られたわけでもない。
だが、確かに兄弟だと知っている人は多い。
「返事は?」
「はい」
何故だかNOと言えない雰囲気を作られてしまい、咄嗟に答えてしまった。
恐怖半分、期待半分。
俺は兄さんの隣に掛けて、そのグッズ達に改めて目を向けた。
俺には何か分からない物まであった。
「ほら、全裸になって」
そう言われてしまえば、全てを脱ぐ以外に選択肢はない。
ジャージも下着も全て脱いだ俺は、恥ずかしさでどこに目をやっていいのか分からない。
少し下を向けば、興奮して勃っているムスコがいる。
勘弁してくれ。
「じゃあ今日はこれかな」
貞操帯をつけて、前回みたいに我慢を強いられるのは結構辛い。
そう思っていたけれど、兄さんが選んだのはガラス製のアナルビーズだ。
しかも長さ20cm以上ある。まじ?
「無理しない程度に、自分で入れてみて」
また兄さんの前でオナニーしなければならないようだ。
恥ずかしいが、ベッドに上がって、股を大きく開いた。
指で穴を慣らせば、簡単に1本、2本と無理なく入るようになった。
アナルビーズにローションをたっぷり塗り、息を吐いてゆっくり沈めていく。
「あぁぁぁぁっ……!」
重さがあり、簡単に奥へと入っていく。
ツルツルとした感触が堪らなく良かった。
「中丸見え」
そう言うと兄さんは俺の穴の周りに指を這わせた。
「み、見るなよ!恥ずかしい!」
咄嗟に手で隠してしまうが、兄さんに手を取られてしまう。
「見なきゃ意味ないじゃん。罰にならない」
兄さんは「ほら動かして」と言って、俺の手でアナルビーズを動かすように催促してくる。
これは恥ずか死する。
「はぁっ!あっあっあっんっ」
ゆっくりと奥まで挿入し、最後のビーズまで飲み込むことができた。
と思ったのに!
「あぁあぁぁぁぁぁっ!……はぁっ!はぁ……」
一気にそれは引き抜かれた。
なんだこの快感は。簡単に身体が震えてイッてしまった。
だけど直ぐにそのビーズは兄さんの手で挿入され、最後まで挿れると、また一気に抜かれた。
「んふぐぅぅぅぁぁっ、あぁっあぁっ!」
今度はその快感が来ることはわかっていた為、声を少し抑えようとして、逆に変な声が上がってしまった。
うっすら涙を浮かべている俺を、やっと少し楽しそうに兄さんは見てきた。
まだ肩で息している俺に構わず、今度は挿入も速く、ビーズを抽挿する。
「ああぁぁ!だっ!やだぁっ!あっあっあっ」
兄さんはそんな俺の穴の様子をじっくり見ながら、動きを止めなかった。
「ああぁっ!ひっ!あっあぁぁあぁぁっ!」
俺はもう何度もドライを感じ、その快感から逃げるように身体をのけぞらせるが、決して解放してくれなかった。
「まっで!もっむりぃ!ながっ!ぎもぢぃっ!」
「俺とどっちが好き?」
今回のアナルビーズは恥ずかしさもあって余計に気持ちいいが、当然そんなの答えるまでもない。
「にぃざん!」
そう叫べば、やっとアナルビーズを抜いてくれた。
身体がビクビクと震えているが、それは玩具のせいか、次に来るかもしれない快感のせいか。
兄さんはズボンと下着を脱いで、俺の両足の隙間に入り、初めて正常位で挿入してきた。
「あぁぁっ!んぁっあっ」
正常位だと、俺の顔が兄さんに丸見えなのはかなり恥ずかしい。
だけど逆に兄さんの顔も見放題なわけで。
目を開けると、真剣な目をした兄さんの顔がそこにあった。
だけどその真剣さはどこへやら、言っている内容は非常にふざけていた。
「今日は前触らずに潮吹けたら終わりな」
「は?待って!前にしたのだって初めてだし、自分でもしたこともないんたけど!」
尻への刺激だけで潮吹くの?出来る?俺?
いや、問題は他にもある。
「ベッド汚すから嫌だよ」
「下に防水シートあるから気にすんな」
なんか今日の兄さん、準備良すぎない?
30分ってのは準備の時間だった?
そう、考えている間にも律動が始まってしまった。
「あぁっ!んっあっ!あっ、あっ、あっ」
気持ち良い。
アナルビーズよりも、何よりも兄さんにされるのが1番気持ちよかった。
「あぁぁぁっ!きもちぃぃっよぉ!」
ピストン運動は止むことなく、俺の奥や前立腺を掠めていく。
「うぁっ!だめ!でる!でるっ!」
イッて出たのは精液で、胸の手前まで勢いよく飛ばした。
そして出たからと言ってやはり運動は止まらない。
「まっで!いっでるから!まっで!」
すでに涙を浮かべ、涎を垂らしながら懇願するが、聞き入れてくれず、兄さんは俺の中に出した。
なんで兄さんがイッた時は止まるわけ?理不尽だ!
2人して荒い息を整えるが、兄さんは直ぐにまた動き始めた。
「潮吹けそう?」
「そんなの、わかんないっ」
「どこがいい?」
兄さんは俺の反応を見ながら、足を掴んで角度を変えたり、深さを変えている。
そしてすぐに、俺のイイ所を突いてきた。
「ああっ!そこっ!あぁっ!」
「ここ?」
「あぁっあぁっそこっ」
少し浅めの前立腺を集中的に小刻みに擦られ、全身が熱くなる。
やばい!これは出そうで出ない!
「あぁっ!やばっ!あぁっ、あぁぁっ!」
何度も何度も擦られて腰が逃げたくなるが、そこはしっかりと打ち込まれる。
程なくして、身体の奥から快感がせり上がってきて、身体中が痙攣したように震える。
「も、あぁっ!でるっ、でるぅっ!」
ピュッピュッと勢いよく、透明な液体を自分の腹に放ってしまった。
射精のような、放尿のような感覚だ。
「でだっ!にぃさん!でたからっ!」
「まだ出せるよ」
「むりぃぃっ!あぁっ、あぁぁぁっ!」
兄さんはそう淡々と言って、前立腺への刺激を淡々と続けた。
突かれる度に、ピュッと透明な液が迸り、全然止めてくれない!
俺の腹も胸もびしょびしょだ。
「こわれるっ!ごわれるぅ……あぁっ!」
そしてたまに白濁した駅も垂れ流した。
兄さんはそこで、深いストロークに変えたが、それでも壊れた俺のムスコは反応し続けて、透明な液を吐き出し続けた。
「んっ……あぁっ!んっあぁ!はぁっ!んっ!」
俺は出ないように我慢したかったが、気持ち良すぎて無理だった。
「にぃさん!もっ出したくない!やだぁっ!」
そう言っている間にも、また勢いよく透明な液体が顔付近まで飛んでくる。
本当にもう無理だった。
「それなら、もう2度とあんな格好、俺の前以外でしないって誓える?」
「しないっ!ちかって、しない!」
まともに答えられたかも分からない。
けれど、兄さんが俺の中で果てて、精液を流し込まれたことは分かった。
そしてやっと刺激から解放された。
「はぁっ……はぁっ……」
余韻に浸って感無量な俺の耳に、なんとも非情な言葉が飛び込んできた。
「酷い顔だな」
「……っ!」
確かに、今は涙を浮かべて、涎を垂らし、顔にまで液を付けてて、綺麗とは言い難い。
いつもなら、こうなるまでしたのは一体誰だと怒鳴り返していたかもしれない。
でも今の俺は身体の怠さや、ずっと責められてきた精神的負担から、顔を両腕で隠すことしかできなかった。
しかも、ここまでしといてこの仕打ちはあんまりじゃないか?
さっきまでのうっすらと浮かんでいた涙とは別の、流れ落ちる涙が耳まで濡らす。
「咲耶?」
兄さんは俺が泣いているのを確認しようと、両腕を掴んで顔を覗こうとしてくる。
「やめろよっ!はなせっ!」
酷いと思うのなら見なきゃ良いのに!
必死になって抵抗するが、簡単に俺の両腕はベッドに縫い付けられた。
だがその時にはもう悲しみよりも、怒りが勝っていた。
「そう思うなら見るなよ!」
兄さんは特に言い返しもせず、俺の話も聞いていないようだった。
「ねぇ、この顔を、写真に写ってた友達にも見せてんの?」
「は?」
何で俺が有松に泣かされなきゃいけないんだ?
と言うか何故ここでその話になる?
あまりにも訳がわからなかった。
「そんなわけないだろ……何言ってんの?」
兄さんは本当に俺が節操なく、男に掘られて喜ぶ奴だと思っているようで、益々悲しくなってきた。
兄さんに掴まれていた腕は、力が緩んでいた為、勢いよく兄さんを後ろに突き飛ばした。
少し危なかったかと、兄さんに気にかける余裕もなく、俺は近くのタオルを一枚取って肩から羽織ると、部屋から脱兎のごとく逃げ出した。
そして向かうは風呂場。
扉を閉めて、風呂場の床に座り込んだ所で、尻の穴から液体が垂れてくる感覚があった。
「こんなことなら、やっぱりオナニーで済ませておけば良かった」
シャワーで流しながら、兄さんに言われた言葉を思い出して、また涙が出てきた。
こんな穢らわしい自分を、兄さんに見せるべきではなかった。
勝手に好きになって、勝手に調子乗って、自己嫌悪に陥って、感情ジェットコースターだ。
これからどうしよう?
いや、その問題はずっと目の前にあったはずのに、目を逸らし続けてきたんだ。
兄さんが普通に接したり、関係を続けてきたから甘えてただけだ。
もう、こんなことはやめて初心に戻ろうと、俺はその時決意した。
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