魔王様と禁断の恋

妄想計のひと

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2章

※28 エピローグの間

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※R-18は読まなくてもストーリーには影響しません。苦手な方は飛ばしてください







魔王様からのキスは甘くて、身体の奥まで痺れ、まるで甘美な毒のようだった。

魔王様は何度も、元天帝の唇を噛んで吸って、舌を挿入して感情を昂らせていく。

息が少し上がり頬が紅潮する。

魔王様は自分が好きにすると言ったが、実際に何をやるかは全く考えていなかった。

「とりあえず、全部脱いでください」

「脱がしてくれないの?」

そう言われて、耳まで赤くした魔王様は仕方なく元天帝の腰帯に手をかけて、前を開いた。ズボンにも手をかけて全て脱がした。

「レイリンは?」

「私は、自分で脱ぎます」

魔王様は軽く元天帝を睨みながら、自分の服はさっさと脱ぎ捨てた。

「座ってください」

魔王様が元天帝の手を引いて上半身を起こし、ベッドの縁に座らせた。そして自分は床に座り、その昂りに口づけをした。

「レイリン?口でしてくれるの?」

魔王様はじっと元天帝の昂りを見つめている。

「そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど」

さすがの元天帝も、まじまじと見つめられては恥じらいの色が見える。

「好きにやらせてください。後で、ランシュエも好きにしていいです」

「本当?」

魔王様の言葉に、元天帝の黄金色が輝いた。言ったそばから少し後悔したが、先のことを考えず、今は目の前のモノに集中しようとした。

自分が気持ち良くさせて、その顔を観察したい。

これが魔王様の1つの目標だった。目の前のモノを口で奉仕した事はあるが、それでも大変な大きさである。

口に含み、届かないところは手で扱いた。
何度も頭と手を上下させ、飲み込みきれない唾液が手まで伝い、唾液を潤滑液にして上下に動かす。

「気持ちいいですか?」

上目遣いで元天帝を見れば、少し俯いておりその目は必死に何かを自制しているようだった。規則な息を吐き、惚けた顔で魔王様を見つめ返した。

「当然、気持ちいいよ」

元天帝は魔王様の頭に触れて、髪を撫でつけた。
目は閉じられ、感じているその顔は扇状的で、魔王様は何とも言えない充実感を得た。

勿論、自分のモノも興奮しており、今にも触って欲しそうにしているが、魔王様は口の中のモノに集中した。

口を窄めて、唇でしっかりと刺激を与え、先のところまでしっかりと吸った。自分はそれほど経験があるわけでは無いが、それでも反応があるのは純粋に嬉しかった。

だが、魔王様は5分も続けたら口が疲れてきた。以前した時は手で扱いた後だった事と、勝負に負けた後の意地もあったが、今回はそういうわけでは無い。

自分のテクニックでは刺激が足らないのかと、元天帝を再度見上げた。

その時、しっかりと魔王様と元天帝の目線が合った。
魔王様もまた見られていることに恥ずかしくなってしまった。

「ランシュエ、その……出せそうですか?」

魔王様は一度モノから口を離して、俯きながら訊いた。

「出さなくても良いよ。気持ちが良いし、何より眺めが最高だ」

元天帝にとって達するかどうかは重要では無い。気持ちの良さも二の次だった。最も重要な事は、魔王様がその行為をしているという事実だ。

「むしろ、出してしまったら終わってしまう」

その為、魔王様を安心させるように、わざと自分が我慢をしているかのような言い方をした。
それには魔王様も気づいた。

「そうですか。それなら、疲れたので別の事をします」

魔王様はそうは言ったが、その時どうするか考え込んでしまった。

「レイリンは、私に入れたいんだと思っていた」

迷いもなくその行為をすると思っていた元天帝は、悩む魔王様を見て不思議に思った。

「それは、私がランシュエに勝った時の褒美としてとっておきます」

物は言いようで、魔王様は今は自分に入れて欲しいと思っていたが、そんなことは直接言えない。

「それは残念だ。私もレイリンに服従したかった」

元天帝は笑みを浮かべて、まだ自分の足元に座っている魔王様の頬を撫でた。服従したいは事実だが、入れられたいとはあまり思っていないようだった。

「天下の元天帝様が、私に服従したいのですか?」

「ええ、勿論ですよ魔王様」

2人はお互いクスクスと笑い合ってしまった。天を統べていた物と、魔界を統べている者が、一体こんなところで何をしているのかと、2人しておかしくなって笑ってしまったのだ。

「それなら、私が上に乗ってあげましょう」

その言葉で、元天帝はベッドの中央で仰向けになり、魔王様は元天帝の上に跨った。

「私が慣らそうか?それとも自分でやる?」

魔王様は恥ずかしそうに、自分の手に軟膏をつけて、秘部へと指を当てた。これにも天帝は驚き、積極的な魔王様から目が離せなかった。

少し前屈みになって腰を浮かせ、自分の手で感じている魔王様を見せられては、生殺し状態だ。魔王様の髪をかき揚げ、その恥じらいの浮かんだ表情を堪能する。

数分経った後、魔王様の眉間の皺が一層深くなり、その後指を抜いて、元天帝の昂りにも軟膏を塗った。

「挿れますよ」

腰を浮かし、ゆっくりと元天帝の昂りを自身の中へと埋めていく。こんな姿を見られるなんて、どんどん埋められていく結合部を元天帝は眺め、腰を動かしたくなった。

奥まで入りきると、魔王様の緊張が解れ、元天帝の顔をまじまじと見た。

「確かに、これは良い眺めですね」

そう言って煽るように腰を1度上下させた。

「っ!レイリン、気持ちいいよ」

だが、元天帝は刺激が足らなかった。これまで散々煽られて、早く魔王様を無茶苦茶にしたかった。

「動いてくれないの?」

「いま、動きます……」

お互いの恥ずかしい部分が見え、少しの後悔をするが、魔王様は意を決して上下に動き出した。
魔王様の髪がゆらゆらと揺れ、ふわりと香りが漂ってくる。

「はぁっ……はぁっ……」

魔王様は上で動くことに慣れてないため、挿入の感覚はあっても内部の刺激はが足らなかった。ただ、自分が元天帝の上に乗っているという充足感は言うまでもなかった。

速く動こうとするが、快感を得るには程遠い。だが、上から眺める元天帝の表情は、快感を得られているようで悦びに満ちていた。

その表情だけで、魔王様のモノは勃ち上がる。それでも、元天帝は少しの違和感を感じていた。

「レイリン、どうしたの?」

魔王様は動くのを一度止めた。

「何がですか?」

「私を気持ち良くさせようと無理してる?」

魔王様は眉を顰めた。気持ち良くないと言いたいのか?自分が下手であると言われているようで腹立たしく感じたが、元天帝の意図はそうではなかった。

「間違っても気持ちよく無いなんて事はない。最高だよ」

元天帝は安心させるように、魔王様との結合部に手を伸ばして顔を赤くさせた。

「それなら、私の好きにさせてください」

仏頂面で魔王様は再び動こうとするが、元天帝は「待って」と声をかけた。

「私も触っていい?」

魔王様の勃ちあがったモノに手を伸ばす。

「いけません。動く事に集中できなくなります」

魔王様は元天帝の手をとって指を絡めるが、両手とも手を繋いだ状態となり、元天帝に強く押された。バランスを崩して身体が後ろへ倒れ込み、直ぐに上下が反転してしまった。

「何ですか?約束と違います」

魔王様は自分を見下ろす元天帝の黄玉を睨みつけた。

「そう?後で私の好きにして良いんじゃなかった?それに、私はレイリンに無理してほしくないよ」

その言葉に、魔王様の目はさらに鋭くなった。

「無理ではありません。気持ちよくさせたいと思ってはいけませんか?」

「ダメではないよ。だけど、何をそんなに焦っているの?」

魔王様は言葉を失った。この元天帝は何故こんなに鋭いのか。鋭すぎて本当に嫌になる。
元天帝は魔王様の唇にキスを落とすと、首筋や肩にもキスとその痕を残した。

「ほら、話して」

これは、いつもの展開だと魔王様は身体をこわばらせた。元天帝の猛りはまだ魔王様の中で、魔王様の猛りは元天帝の手の中へと収まった。

魔王様はすぐに観念した。何だかんだ、魔王様は元天帝との性的行為が好きだった。

「私が下手でランシュエを満足させられず、飽きられたくないのです」

これには元天帝も頭が痛くなった。眉を寄せて不快感を隠そうともしなかった。だが、自分が魔王様から少しでも離れた事を棚に上げて怒るわけにはいかなかった。

元天帝はそれ以上聞いていられずに、魔王様の唇を強引に奪った。いつもと違った性急な態度に、魔王様は目を見張った。

噛み付くようなキスかと思えば、本当に唇を噛まれた。

「痛いです」

口の中にじんわりと血の味が広がった。

「レイリンは私がどれほど執着しているか知っているのに、なぜ飽きられると不安に思うのか理解できない」

元天帝は、自分の口の中の血の味を堪能し、その甘さに酔いしれた。

魔王様はその肉食獣のような表情から、今から自分が捕食されると感じ、興奮で身体が戦慄いた。
変えられてしまったのか、元からそういう質だったのか、魔王様は分からない。

「好きにして良いと言いましたから……止めて欲しいと言っても、止めなくて結構です」

目を閉じ、覚悟を決めたように魔王様は大きく深呼吸をした。

「言われなくても、今日は止めないよ」





挿入されたままだったものを一度抜いて、魔王様の身体は四つん這いになった。

元天帝はやはり、服従させる方が好きだと、魔王様の艶かしい姿を見て胸が熱くなった。
魔王様の長い髪がベッドに散り、花が咲いているかのようだ。

一気に奥まで入れれば、魔王様の身体は勝手に悦びで硬くなった。

「はっ……」

魔王様は挿入されただけで息が上がってしまう。先にある刺激を望んでいるようだった。

そんな魔王様の様子を見逃すわけもなく、元天帝は激しい律動を始めた。

身体を貫かれれば快感が身体を襲い、全てを元天帝に奪われているような錯覚に陥る。
律動に合わせて魔王様の喘ぎ声が部屋に響き渡った。

「あぁっ…!あっ!はぁっ……」

もう声を出すことにも慣れた魔王様は、自分の声にも反応してしまう。

何度も良いところを突かれ、気持ち良いという感情だけが頭の中を駆け巡る。

「あぁっ!イ、キそうですっ!はぁっ!はっ!っ……!」

「私も、出そうだ……っ」

そう言い終わると、元天帝は魔王様の中に、魔王様はベッドの上にそれぞれ体液をこぼした。2人の息は上がっており、どんどん整えられていく。
元天帝は、魔王様の耳元に口を寄せた。

「レイリン、好きだ、愛している。可愛くて綺麗だ」

「っ!恥ずかしいことばかり言わないでください!」

魔王様はこんな恥辱プレイがあるのかと思った。

「レイリンへの言葉は、いくら囁いても足らないよ」

少し落ち着いたのか、また元天帝は律動を始めようとした。

「待ってください!まだっ!」

「止めなくていい約束だったよね?」

魔王様はすぐに先ほどの言葉を後悔する事になった。



それから2時間以上経ち、何度も果て、何度も突かれ、魔王様にはもう恥じらいもプライドも何も残っていなかった。

「やめてっ、ください!お願いです!無理ですっ、これ以上はっ!はぁっ!ああぁぅうっ……!」

「無理なの?気持ち良く無い?」

「気持ち、良すぎてっ!ダメです!はっ、ぁ…あぁっ、はぁっ……!はぁっ、はぁっ、はぁっ!」

刺激は止むことが無く、快感の波も次々に襲いかかり、嬌声が止まる事はなかった。

あまりには声を上げすぎて唇が乾き、舌で唇を舐める仕草は、元天帝の興奮は更に増した。

魔王様はいつ終わるか分からない快感に、恐怖すら覚えた。

「これでも、私がレイリンの身体に飽きると言うの?」

魔王様はほんの出来心で言った言葉が、これほど元天帝に擦られるとは思わなかった。だが、その小さな冗談で拗れたのは今回が初めてではなかった。

「レイリンが上手か下手かなんてどうでも良いよ。レイリンが先に言ったんじゃなかった?私にされるから、気持ちがいいって」

話している間も動くのを止めず、魔王様は喘ぎながらも聞こえてくる元天帝の言葉に耳を傾けた。

確かに自分は恥ずかしい言葉を言った。

「私だって、レイリンとするのが良いんだよ」

自身が届く1番奥まで突き、一際大きい呻き声が魔王様から発せられる。

「はっ!あぁっ!うぁっ……」

息を吐く暇もない魔王様は、口からは涎が、目からは涙が滴っていた。そこへ悪魔の囁きが聞こえて来る。

「もう止めてほしい?」

その言葉に魔王様は勢いよく頭を上下させて頷いた。

「馬鹿な事は2度と言わないでくれる?」

「言い、ませんっ!もう、許してっ、ください!」

喘ぎ声に混じって、魔王様は許しを請うが、きっと許してくれないだろうと魔王様は頭の片隅で思った。なんと言っても彼は元天帝だ。

「約束は守ってもらうよ。でも、もう1つの約束も守ってもらうね」

元天帝は「今日は泣き叫んでも止めないよ」と笑いながら言うと、魔王様を絶望の底へと落とした。




それからまた2時間ほどが経ち、さすがの元天帝もとりあえず出すものを全て出し切ったようだった。
元天帝はベッドの縁に座って、魔王様の髪を触って遊んでいる。

魔王様は死んだようにベッドに横向きで倒れている。

「大丈夫?」

「ランシュエからそのような気の利いた言葉が聞けるなんて思いませんでした」

抑揚もなく、掠れた声で魔王様は皮肉を言った。

「悪かったよ。色々な事が重なって、抑え切れなかった」

振り返ってみれば、魔王城に着いたら魔王様がおらず、探しに行けば突き放され、心を開いたと思ったら過激な告白をされ、欲望が抑えられないまま奉仕され、そしたら飽きられるのを不安に思う魔王様がいたわけだ。

元天帝にとっても魔王様にとっても、とても長い日だった。

「私はまだレイリンを愛し足りない」

「夢の中の私に言ってください」

他の誰かでは無く、自分に言ってほしいというところが、可愛らしいと元天帝は思った。
また魔王様はそう答えても、この休憩の後まだ続くのだろうと分かっていた。

「あと3日は必要だ」

「私の寿命はあと3日ですか?」

「それは、行為を続けていないと死んでしまうと言う意味?」

魔王様は動けない身体で、最大限の魔力を右手に溜めて掌底を放った。どうやら拳を握るほどの力も無いようだった。

元天帝はその掌に自分の掌を合わせると、指を絡めた。あまりにも簡単にあしらわれて、魔王様はため息をついた。
元天帝は、いつもの魔王様らしい行動が嬉しかった。

「このペースで3日もしたら死んでしまいます」

「それは困った。毎日少しずつにする?」

魔王様は眉を僅かに上げてしまった。魔王様は正直に言うと、元天帝と一緒に暮らす事になったら毎日するものだと思っていた。だがこの言い方は、そうではない。

そしてその表情を読めない元天帝では無い。

「まさか、レイリンは始めからそのつもりだったの?」

驚いたように言うが、もちろん元天帝もそのつもりだった。

「揶揄うのはやめて下さい。ランシュエもそのつもりでしょう?」

魔王様は不敵な笑みを浮かべて煽るように続けた。

「まぁ、ランシュエが提案するなら仕方ありません。今日はこれぐらいにしておいて、続きは別の機会にしましょう」

「別の機会というのは、30分後ぐらいの話?」

「それはランシュエ次第ですね」

喉が渇きました、と魔王様は続けた。

「それはキスのおねだり?」

元天帝は魔王様の顔を覗き込み、数センチの所まで迫った。

魔王様は笑顔で答えた。

「どうしてキスで喉が満たされるのですか?教えてください」

そう言うと、魔王様から唇を合わせた。
元天帝は魔王様を上から被さるように抱き込み、舌を忍ばせて魔王様の口内をなぞった。

2人のモノがまた昂り始める。

「30分も待てない」

熱い2つの視線が交わるが、魔王様は瞼を下ろして気恥ずかしそうに言った。

「ですから、喉が渇きました」

そこでやっと元天帝は言葉通りに受け取って、服を整えた。

「5分待って」

勃ちあがったモノに視線が行き、2人して笑い合った。
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