魔王様と禁断の恋

妄想計のひと

文字の大きさ
上 下
17 / 64
1章

*12の続きの続き

しおりを挟む
※R-18は読まなくてもストーリーには影響しません。苦手な方は飛ばしてください








「ちょっと、少しだけいいので休憩したいです」

「何故?3日間続けて前はしてたのに?」

不思議そうに首を傾げる天帝に、魔王様は顔を赤くし恥ずかしながらも答えた。
天帝が座っている上に、魔王様が跨るようにして座り抱き合っている。

「感じているのと苦痛とでは、大きな違いがあるんです」

魔王様にとって、肉体的苦痛を耐えることは大したことではなかった。
この天帝は分かってて言っているのだろうか?魔王様は恨みがましい目で天帝を睨んだ。
そこで天帝は何かに気づいたようだった。

「いや、違うな……途中から休憩が欲しいと言われたはずだ。あれは何回目の時からだ?」

天帝が考える素振りをした時、魔王様は明白な狼狽え方をした。天帝は、何回天雷が落ちた時の事かを数えていた。

「いいでしょう昔のことです。気にしないでください。それよりも……」

魔王様は話を逸らしたくて何か話を振ろうとするが、何も思いつかなかった。頭を悩ませている時、天帝の表情がパッと明るくなった。

「そうだ、18回目の時だ。なるほど、その時から気づいていたの?」

思ったよりも早かったんだね、と天帝は呟いた。魔王様は顔を赤くし決まりが悪そうだった。

「気づいたから感じていたの?」

「本当にやめてください」

この魔王様の態度では、はいそうですと言っているようなものだった。

「何故分かったのかまだ聞いていなかったね」

この話を魔王様は本当にしたくなかった。だが、言いたくないという魔王様を、天帝が諦めるとは到底思えなかった。

魔王様は考えた。どうやってこの天帝から逃れられるだろうか?

上機嫌な天帝は、魔王様が上に座っている為、見上げながら匂いを嗅いで舌で首筋をなぞった。

まだ魔王様の中に入っている天帝のモノが、ピクピクと動きそれが魔王様にも伝わった。
逃れられないと覚悟して魔王様は答えた。

「ランシュエの、私を見る目で分かりました」

「そう……」

魔王様の目が金色と重なった。
天帝は嬉しそうに微笑んで、魔王様は成功したと思ったが、甘くはなかった。

「その手には乗らないよ」

天帝の笑みが深くなり、グッと下から突き上げられた。魔王様はバランスを崩さないように天帝の頭へと両手を回して抱きついた。

「言ったではありませんか!」

「他にも理由があるんじゃないの?」

天帝は魔王様の秘部が広がるように持ち、深まりを強くした。

「言わないなら、私も手段を選んではいられない。そうでしょう?」

いつぞや言われた言葉を繰り返し使われた。
この体位では天帝も動きづらい為、そのまま魔王様を後ろへ倒した。

「本当にさっきのが理由です!」

「本当?他にはない?」

「…………」

「ほらね」

魔王様は隠すことは出来ても、嘘をつくことは出来ない人だった。

「やっぱり言ってもらうしかない」

魔王様の両足を大きく広げ、上半身の方へと持ち上げた。

「やめてください!これ恥ずかしいです!」

「恥ずかしくないと意味がない」

そのまま上下に律動を始め、とても見ていられず魔王様は目を固く閉じた。

そこからはされるがままで、魔王様は声を上げることしかできなかった。

結果、何度か達した後に泣く泣く話すこととなった。

「待って!待ってください!言いますから、言うから止まってください!」

その声に天帝は魔王様の脚を下ろした。

「我慢した方だね」

魔王様は息を整え、両腕で顔を隠しながら蚊の鳴くような声で言った。

「中の触り方が、ランシュエと同じだったんです」

「それだけ?」

これぐらいのことなら直ぐに言えばいい、まだ何かあると天帝は疑っていた。律動を続けようと、腰に力を入れた。

「待って!言います!……形が、同じだったからです!」

魔王様は遂にその言葉を出してしまった。
天帝に強姦されていた時、魔王様はそれから目を逸らし、口で咥えることはあっても目を閉じていた。
だから気づかなかったのだが、その時は何故か指の感触から挿入時の感触まで意識してしまった。

そしたらその感触が、ランシュエの物と同じであることに気づいた。そうと気づけば天帝のモノに目を向け、答え合わせをしたくなるのも当然だった。

魔王様が正体を知ったにも関わらず言い出せなかった理由の1つは、これのせいだったかもしれない。

「挿入されて気づいたの?」

「他の要素もありますが、概ねそう言うことになりますね」

魔王様は潤んだ目で天帝を睨んだ。もう恥辱の限りを尽くした。今なら魔王様は天帝にも勝てる気がした。

「体位によってどこが当たるかぐらい分かっていましたが、強姦されている相手に欲情なんてしたら、ランシュエにも悪いと思っていたので、そう言うことは考えないようにしていたんです!」

この言い方をしたらさすがの天帝も眉を下げるしかなかった。

「すまなかった」

魔王様は心の中で話を逸らす事ができたとほくそ笑んだ。だがやはり魔王様は天帝には勝てない運命かもしれない。

「代わりにたくさん気持ち良くしてあげる」

「十分です!」

勢いよく首を振る魔王様と、惚けたように両手を握って迫ってくる天帝。

結果は分かりきっていた。
その髪を乱しながら泣いて許しを請う魔王様の声が響いたとか。

「お願い!お願いですからっ!許してください!本当にやだっ!やだぁっ!止めてください……」

泣き叫ぶ魔王様は、天帝にとってただ欲望を増幅する存在でしかなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】白い森の奥深く

N2O
BL
命を助けられた男と、本当の姿を隠した少年の恋の話。 本編/番外編完結しました。 さらりと読めます。 表紙絵 ⇨ 其間 様 X(@sonoma_59)

【完結】両性を持つ魔性の王が唯一手に入れられないのは、千年族の男の心

たかつじ楓
BL
【美形の王×異種族の青年の、主従・寿命差・執着愛】ハーディス王国の王ナギリは、両性を持ち、魔性の銀の瞳と中性的な美貌で人々を魅了し、大勢の側室を囲っている王であった。 幼い頃、家臣から謀反を起こされ命の危機にさらされた時、救ってくれた「千年族」。その名も”青銅の蝋燭立て”という名の黒髪の男に十年ぶりに再会する。 人間の十分の一の速さでゆっくりと心臓が鼓動するため、十倍長生きをする千年族。感情表現はほとんどなく、動きや言葉が緩慢で、不思議な雰囲気を纏っている。 彼から剣を学び、傍にいるうちに、幼いナギリは次第に彼に惹かれていき、城が再建し自分が王になった時に傍にいてくれと頼む。 しかし、それを断り青銅の蝋燭立ては去って行ってしまった。 命の恩人である彼と久々に過ごし、生まれて初めて心からの恋をするが―――。 一世一代の告白にも、王の想いには応えられないと、去っていってしまう青銅の蝋燭立て。 拒絶された悲しさに打ちひしがれるが、愛しの彼の本心を知った時、王の取る行動とは……。 王国を守り、子孫を残さねばならない王としての使命と、種族の違う彼への恋心に揺れる、両性具有の魔性の王×ミステリアスな異種族の青年のせつない恋愛ファンタジー。

捨てられ子供は愛される

やらぎはら響
BL
奴隷のリッカはある日富豪のセルフィルトに出会い買われた。 リッカの愛され生活が始まる。 タイトルを【奴隷の子供は愛される】から改題しました。

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

召喚先は腕の中〜異世界の花嫁〜【完結】

クリム
BL
 僕は毒を飲まされ死の淵にいた。思い出すのは優雅なのに野性味のある獣人の血を引くジーンとの出会い。 「私は君を召喚したことを後悔していない。君はどうだい、アキラ?」  実年齢二十歳、製薬会社勤務している僕は、特殊な体質を持つが故発育不全で、十歳程度の姿形のままだ。  ある日僕は、製薬会社に侵入した男ジーンに異世界へ連れて行かれてしまう。僕はジーンに魅了され、ジーンの為にそばにいることに決めた。  天然主人公視点一人称と、それ以外の神視点三人称が、部分的にあります。スパダリ要素です。全体に甘々ですが、主人公への気の毒な程の残酷シーンあります。 このお話は、拙著 『巨人族の花嫁』 『婚約破棄王子は魔獣の子を孕む』 の続作になります。  主人公の一人ジーンは『巨人族の花嫁』主人公タークの高齢出産の果ての子供になります。  重要な世界観として男女共に平等に子を成すため、宿り木に赤ん坊の実がなります。しかし、一部の王国のみ腹実として、男女平等に出産することも可能です。そんなこんなをご理解いただいた上、お楽しみください。 ★なろう完結後、指摘を受けた部分を変更しました。変更に伴い、若干の内容変化が伴います。こちらではpc作品を削除し、新たにこちらで再構成したものをアップしていきます。

【完結】お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません

八神紫音
BL
 やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。  そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。

【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました

及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。 ※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19

【完結】魔力至上主義の異世界に転生した魔力なしの俺は、依存系最強魔法使いに溺愛される

秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)
BL
【概要】 哀れな魔力なし転生少年が可愛くて手中に収めたい、魔法階級社会の頂点に君臨する霊体最強魔法使い(ズレてるが良識持ち) VS 加虐本能を持つ魔法使いに飼われるのが怖いので、さっさと自立したい人間不信魔力なし転生少年 \ファイ!/ ■作品傾向:両片思い&ハピエン確約のすれ違い(たまにイチャイチャ) ■性癖:異世界ファンタジー×身分差×魔法契約 力の差に怯えながらも、不器用ながらも優しい攻めに受けが絆されていく異世界BLです。 【詳しいあらすじ】 魔法至上主義の世界で、魔法が使えない転生少年オルディールに価値はない。 優秀な魔法使いである弟に売られかけたオルディールは逃げ出すも、そこは魔法の為に人の姿を捨てた者が徘徊する王国だった。 オルディールは偶然出会った最強魔法使いスヴィーレネスに救われるが、今度は彼に攫われた上に監禁されてしまう。 しかし彼は諦めておらず、スヴィーレネスの元で魔法を覚えて逃走することを決意していた。

処理中です...