先生

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バスケ部、インターハイ予選も残り1試合となった。

「絶対、優勝してやるからな」
「雄太君、気合い十分だね」
「気合い入れないと強豪には勝てないよ」
「インターハイ常連の二本橋谷高校とでしょ?」
「そうなんだよなぁ、キャプテンの俺がしっかりしなきゃいけねぇんだけど」
「そうだよ、頑張らないと」
「もしさ、インターハイに行けたら応援しに来てくれる?」
「どこでやるの?」
「福岡」
「無理」
「やっぱり」
「お金ないもん」
「俺も」
「じゃぁ、行けないじゃん」
「頑張るさ」
「頑張って、決勝戦には行くからさ」
「やる気でるなぁ、その前に練習試合があんだよ」
「大切な時期なのに?」
「監督が無理矢理ね」
「へぇ、でも、何で先生の事監督って言う時があるの?」
「バスケの時は監督だから、他の時は俺達の担任だろ?」
「まぁ、そうだね」
「なぁ、華菜」
「何?」
「もし、優勝でインターハイに行けたらデートしてくんねぇ?」
「デート?」
「あ、いや、ヒカリとダブルデートでもいいんだけど」
「いいよ」
「いいの?」
「ダブルデートなら」
「決まりな、気合い入れて頑張る」

私は先生と一緒に暮らし始めたマンションへと帰った。

「ただいま、って、誰もいないか」

制服から洋服に着替え、家事を済ませた。

「それにしても、引越し先もこんな豪華じゃなくてもいいんだけど、福岡でインターハイかぁ、私も行きたいけど...面倒臭いしなぁ、ヤバ、明日数学のテストするとか言ってた、どうせ赤点ギリギリだから勉強しなくてもいっか」

独り言が多くなる。

「バスケ部、頑張ってるかなぁ」

「ただいま」
「お帰りなさい、今日もお疲れ様」
「あと1試合だからな」
「その前に練習試合でしょ?」
「士気を上げる為に決めた」
「雄太君が私がいると気合い入るんだって」
「雄太」
「うん、1位でインターハイに行けたらヒカリとダブルデートしてくれだって」
「OKしたのかよ」
「うん、ダメだった?」
「ヒカリとならいい」
「いいんだ」
「それより、ご両親、下旬に帰国するとか言ってなかったか」
「帰ってくるよ」
「挨拶しなきゃな」
「挨拶?」
「一緒に住んでるんだから」
「そうだけど、インターハイ、大丈夫なの?」
「まだ、大丈夫だ、決勝戦は来月だしな」
「お母さんに言っとく」
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