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美しいには理由がある3
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ノーチェは新しく用意された、ジーナの屋敷のベッドの上で正座をしながら、今日一日の中で起こった一連の出来事を整理していた。
一日とは行っても正確には夕方からの出来事だったので、半日の出来事なのかもしれない。
婚約者に婚約破棄をされ、憧れのジーナ様のドレスにお茶をぶちまけた挙句、ジーナ様の秘密を知ってしまう。そこから自宅に招かれて、美味しいものをたくさん食べた後、なぜが自室の一室を借り受けることになって……。
ノーチェは新しく自室になった部屋を見渡す。その空間は手が行き届いていて、ホコリひとつない。ベッドも机もドレッサーも同じ意匠の彫刻が施されていて、きっと最高級品に違いない。
(私、本当にここにいて良いのかしら……)
考え込んでいると、コンコンとノックの音が聞こえた。
入室の許可を出すと、そこには湯上がりなのか、頬が薔薇色に色付いていつもとは違う、素朴な美しさを放つ、ジーナが遠慮がちにこちらを除いていた。
「ごめんね。女の子の部屋による入って良いか迷ったんだけど……。これは私の仕事だから、忠告しておかなくちゃと思って」
「な、なんでしょう」
忠告、と言う言葉にノーチェは身構える。この部屋に入る前に自分は何かとんでもない楚々をしてしまったのかもしれない。
「ノーチェ、お風呂入った後、洗面室に置いてあった化粧水と乳液と美容クリーム、用意してたのに付けなかったでしょう? ちゃんと付けないと、肌が乾燥するよ?」」
「へ?」
ジーナの忠告は思っても見ない方向性だった。
「あ……あれ。使ってよかったんですか? 私はあの美しい瓶を割ってしまいそうで、さわれませんでした……」
ノーチェは洗面室に置いてあった高級そうな化粧品の数々を思い出す。化粧水たちは市販の瓶とは違う、芸術品のような容器に入っていた。その高級そうなラインナップがあまりにも神々しすぎて、手が出なかったのだ。
「良いに決まってるでしょ。と言うか、義務だから。あなたには王妃にふさわしいくらいの素肌の美しさをえてもらわないと困るんだから。これ、詰め替え前のもの持ってきたから寝る前にこの化粧品をジャバジャバつけてね」
そう言って手渡された青いガラス瓶のパッケージが美しい化粧品たちは、ノーテェでも知っているほど有名なリアローズ化粧品の商品だった。驚くほど高価だが、その効果は凄まじいらしい、とクラスメイトのお嬢様方がささやいていた。
「こ、これっ! 今女性たちの間で評判となって、各地で品薄が起きている、リアローズ化粧品の商品じゃないですか! これをジャバジャバって……。もったいなくて使えません!」
「大丈夫だよ。これ私が権利販売してる商品だから」
その言葉に、ノーチェは首を傾げる。
「今の言い方では、あたかもジーナ様がリアローズ化粧品の生産販売を行っているように聞こえますが……」
「え? 私の事業だよ?」
「え、えええ⁉︎」
ノーチェは驚いた表紙に、目玉を転がしそうになった。
「いや、うちの姉上が薬学が得意ならば、よく聞く美容液を作れって無理難題を言ってきてさ……。渋々作ったら、なんか良いものが出来ちゃったから、シリーズ化して販売してるんだよね」
(美しいには理由があるのですね……)
ノーチェは少しずつ解かれていくジーナの謎が思ってもいない方向なことに頭を抱えていた。
一日とは行っても正確には夕方からの出来事だったので、半日の出来事なのかもしれない。
婚約者に婚約破棄をされ、憧れのジーナ様のドレスにお茶をぶちまけた挙句、ジーナ様の秘密を知ってしまう。そこから自宅に招かれて、美味しいものをたくさん食べた後、なぜが自室の一室を借り受けることになって……。
ノーチェは新しく自室になった部屋を見渡す。その空間は手が行き届いていて、ホコリひとつない。ベッドも机もドレッサーも同じ意匠の彫刻が施されていて、きっと最高級品に違いない。
(私、本当にここにいて良いのかしら……)
考え込んでいると、コンコンとノックの音が聞こえた。
入室の許可を出すと、そこには湯上がりなのか、頬が薔薇色に色付いていつもとは違う、素朴な美しさを放つ、ジーナが遠慮がちにこちらを除いていた。
「ごめんね。女の子の部屋による入って良いか迷ったんだけど……。これは私の仕事だから、忠告しておかなくちゃと思って」
「な、なんでしょう」
忠告、と言う言葉にノーチェは身構える。この部屋に入る前に自分は何かとんでもない楚々をしてしまったのかもしれない。
「ノーチェ、お風呂入った後、洗面室に置いてあった化粧水と乳液と美容クリーム、用意してたのに付けなかったでしょう? ちゃんと付けないと、肌が乾燥するよ?」」
「へ?」
ジーナの忠告は思っても見ない方向性だった。
「あ……あれ。使ってよかったんですか? 私はあの美しい瓶を割ってしまいそうで、さわれませんでした……」
ノーチェは洗面室に置いてあった高級そうな化粧品の数々を思い出す。化粧水たちは市販の瓶とは違う、芸術品のような容器に入っていた。その高級そうなラインナップがあまりにも神々しすぎて、手が出なかったのだ。
「良いに決まってるでしょ。と言うか、義務だから。あなたには王妃にふさわしいくらいの素肌の美しさをえてもらわないと困るんだから。これ、詰め替え前のもの持ってきたから寝る前にこの化粧品をジャバジャバつけてね」
そう言って手渡された青いガラス瓶のパッケージが美しい化粧品たちは、ノーテェでも知っているほど有名なリアローズ化粧品の商品だった。驚くほど高価だが、その効果は凄まじいらしい、とクラスメイトのお嬢様方がささやいていた。
「こ、これっ! 今女性たちの間で評判となって、各地で品薄が起きている、リアローズ化粧品の商品じゃないですか! これをジャバジャバって……。もったいなくて使えません!」
「大丈夫だよ。これ私が権利販売してる商品だから」
その言葉に、ノーチェは首を傾げる。
「今の言い方では、あたかもジーナ様がリアローズ化粧品の生産販売を行っているように聞こえますが……」
「え? 私の事業だよ?」
「え、えええ⁉︎」
ノーチェは驚いた表紙に、目玉を転がしそうになった。
「いや、うちの姉上が薬学が得意ならば、よく聞く美容液を作れって無理難題を言ってきてさ……。渋々作ったら、なんか良いものが出来ちゃったから、シリーズ化して販売してるんだよね」
(美しいには理由があるのですね……)
ノーチェは少しずつ解かれていくジーナの謎が思ってもいない方向なことに頭を抱えていた。
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