白兎令嬢の取捨選択

菜っぱ

文字の大きさ
上 下
52 / 57
第一章 大領地の守り子

50かわいい小瓶の使い道が残念です

しおりを挟む

 シュナイザー商会で書類上の引き継ぎを終えたわたくしは、農場の方でも口頭の引き継ぎを終えるため、村へきていました。

 今日は何やら別件があるらしい先生とは別行動をしているため一人での来村です。
 先生は一人で行動することについてなんだか心配そうな顔していましたが、わたくしだって一人で行動ができるのです。

 一人なので、魔法陣でこっそり行こうと思っていたのですが、やはりそれはマルトの村民に転移陣の存在を知られてしまうと先生に怒られてしまい、仕方なくシュナイザー商会で馬車の手配をお願いしました。
 せっかくの馬車ですからニエに声をかけたところ、一緒に行きたいと言うので連れて行くことにしました。
 ニエにしてみたら、久しぶりの里帰りですね。

 あれから転位陣を用いて何回かお忍びで討伐に行っているのでもう魔獣はいないのですが、奥の方までは確認していませんので、残党が残っているかも知れません。村人に頼まれたら討伐も行えるよう動きやすい薄緑色の騎士服で村に向かいます。

 馬車が村に入るや否や、わあ! という明るい歓声が聞こえてきました。
 どうやらわたくしは以前とは違い、とても歓迎されているようです。
 馬車を降りると走り出すような勢いで、キン村長に手をギュッと握られました

「リジェット様! ようこそいらっしゃいました! みな、リジェット様のお越しをとても楽しみにしていたのですよ!」
「あら、それは嬉しいですわ」

 村人達は皆一様に嬉しそうな顔をしています。どうしてこんなに歓迎されているのでしょう? 以前の討伐からこの村でのわたくしへ対する風向きが変わった気がします。

「ニエも! 元気そうで安心したよ。ちょっと背が大きくなったんじゃないか?」
「リジェット様の家でめっちゃうまいもんいっぱい食ってるからな! 一緒に暮らしてる料理人のタセがいーっぱい美味しいもの作ってくれるんだもん!」
「ははは! それはよかったなあ。いやあ。田舎者のお前が都会でうまくやっていけるのか……。心配だったが、うまくやってるならいいんだ」

 キン村長は緩やかで、慈愛あふれる表情をしています。ニエのお母様が亡くなってから、親代わりをしていたと言うことですから、会えないニエのことを心配していたのでしょう。

 村の近況はキン村長がしてくれました。ウキウキとした楽しげな口ぶりで最近の村の様子を伝えてくれます。

「リジェット様が瘴気の元となる魔獣を討伐してくださったので、畑の作物が育つようになったんですよ!」
「まあ、それはよかったですね!」

 そうか、それでなのですね。魔獣が醸す瘴気はこの土地にとって、よっぽど厄介なものだったようです。
 魔獣がいなくなり、少しづつ元の村に戻って行きつつあるこの土地を見渡すと、以前より緑が濃くなっている気がいたします。

 見渡しても以前のように瘴気の黒い靄は見当たりません。女神の加護がよく効くようになって、以前のように回復してきたのかもしれません。
 この様子であればこれからのハーブの収穫量も多く見込めそうですね。順調な回復にニッコリと笑みが溢れ出ます。

「もちろん、原因を取り除いたことは大きいとは思いますが、ここまで村の収穫が復活したのはここに住み働く皆さんの頑張りが大きいでしょう。
 ニエに届く手紙にも、頑張りがよく描かれていましたからね」
 
 マルト村からわたくしに連絡したいときはニエを通して連絡するようにと言い伝え、キン村長にお手紙の魔法陣をいくつか渡しています。そこには、瘴気によって体の調子を崩していた村民も回復をしたため、皆で協力して事業を進めている様子が書かれていました。

 そこには是非、次回わたくしがマルトに来るときはお礼をさせていただきたいと書いてあったので、今日は何かもらえるかもしれないぞ、とがめついわたくしは内心ちょっと期待しながら、こちらにきたのです。
 マルトはもともと薬草の産地ですから、面白いものがたくさんありそうなんですよね!

「それでですね! 今日はリジェット様にお礼としてこちらをお渡ししようと思いまして」
「まあ! なんでしょうか?」

 ニエはその入れ物を見て、中身が何かわかったようです。ちょっと邪悪な笑いを表情に浮かべているように見えるのは気のせいでしょうか?

「キン村長、それ重いでしょう? 手伝うよ!」

 よいしょ、と声を出してニエが抱え込むようにして持ち上げたのは、大きめの青い甕のような入れ物でした。
 老人が一人で持つには重そうなその甕の中には、ふちまでたっぷりと中身が詰められていました。

「これは朝焼けの約束と言われる薬品です」

 朝焼けの約束……。言葉の響きはとっても美しいですが嫌な予感がするのはなぜでしょう。

「これは俗にいう媚薬ですね」
「び、媚薬⁉︎」
「古くから王宮の側妃達も愛用している由緒正しい一品なんですよ」

 そんな由緒正しさ、必要ありません! なんてものをわたくしに差し出そうとしているのでしょうかこの人たちは!
 媚薬なんて、そ、そんなものっ! 要りません!

 あわあわと慌てるわたくしに向かって、村長がこれは正当な対価なのですよ、と言いながら説明をしてくれます。

「もともとこの農園では朝焼けの約束を特産品として生産し、シュナイザーに卸していたのですが、瘴気の影響で生産自体が難しくなってしまっていたのですよ。それによって、この村の財政状況もとても危うい状態になっていました。リジェット様がきてくださらなかったら、この村はシュナイザーにも見捨てられ、飢餓に苦しむことになっていたでしょう」

 村長が目を伏せながら辛かった日々を思い出すように語り始めます。わたくしはこの村をクリストフから紹介されたときからこの村を好きにして良いと言われていましたから、薬草の生産成績が振るわなかったり、何かいわく付きの土地なんだろうなという予測はできていました。
 まさか瘴気が絡んでいて、わたくしがそれを討伐できるだなんて、思ってもいませんでしたけど。

 きっと村に住む方々もそうだったに違いありません。

「リジェット様が瘴気を祓ってくださったおかげで、畑の穢れもとれ、やっと今までのように生産が行える状態になったのです。
 本当に感謝してもしきれません。
 そんな私たちがリジェット様に、わが村の一番の特産品を献上するのは当たり前のことでしょう。どうかこれを受けとってはいただけませんか?」

 うーん困りました。この流れでは受け取らなければ角が立ってしまうのではないでしょうか。キン村長は懇願するような目でこちらを見てきます。仕方がないのでわたくしはそれを受け取ることにしました。

「では受け取るだけはいたしましょう」
「ありがとうございます! ではこちらを……」

 そう言ってキン村長が力を振り絞った様な仕草でえっこらえっこら追加の甕を運んできました。やっとの思いで持ってきた甕は先ほどのものよりひとまわり大きく、置くとドンと大きな音がするくらい中身がぎっしり詰まっている様です。きっとたくさん用意したいと思って追加を持ってきてくださったのだと思いますが、正直こんなにあっても困ります。中身も中身ですし……。

 それにこんなに大きい瓶だとネックレスの中の収納庫に入りきりません。そうすると手で持っていかなければなりませんが、屋敷のものにこれは何? と聞かれてしまったら私は羞恥で死んでしまう気がします。

「この量はさすがにもらいすぎだと思うので少量に分けていただいてもよろしいでしょうか」
「それは大丈夫ですが何か小分けにするものなどはございますか?
 あいにくこちらには納品用の大きな瓶しか用意がないのですが……」

 あら、それは予想外でした。なんでも、こちらでは瓶詰め梱包までは行っておらず、中身のみを作ってあとはシュナイザーに依頼をしているそうなのです。
 何か小分けにできるものは……と思考を巡らせていると一応小瓶をネックレスの収納庫の中に一つ持っていることを思い出しました。先日の蚤の市で購入したあのきれいな虹色の瓶です。あの瓶はすごくお気に入りだったので素敵なものを入れようと心に決めていたのにこんな使用方法になるなんて……。なんだか残念すぎて涙が出てきてしまいそうです。

「あの……今これしか持っていないので、これに詰めていただけるでしょうか」
「美しい瓶ですね! ではお預かりします」

 キン村長は専用の漏斗を使ってとぷり、とぷりと丁寧に瓶に液体を注いでくれました。虹色の瓶がピンク色の液体を入れられ鈍い色に変化していくのを何も言えぬ表情を浮かべなら見守ります。
 詰め終わった瓶は、なんだか禍々しいド派手なピンク色に染まっています。
 蓋を閉め、それを両手で受け取ります。

「これがあれば、どんな男だってイチコロだぜっ!」

 ニエは茶化すように砕けた口調でいいながらバッチーンと星が飛んできそうなウインクを決めました。
 ニエはわたくしが誰に朝焼けの約束を使うと思っているのでしょうか?

「あの美人な男性を落とすのは大変そうだけどこれを使えば一発ですよ、リジェット様!」

 キン村長も同じテンションで、そう言い加えました。

 美人な男性……。
 まさか……。先生? もしかして、ニエとキン村長はわたくし達の事を誤解しているのではないでしょうか。

「あの……。それはいくらなんでも誤解が酷すぎませんか? 二人で行動していたら恋仲だと考えるなんて、短絡的すぎますよ」
「そうかなー? 意外とありかなと思うけど」

 ニヤッと笑ったニエの目の奥はなんだか先読みをしている時の様に黒っぽく変化しています。

「な、何を根拠にしているのでしょう」

 呆れた顔でニエの方がみると、ニエは眉を潜めながらえーだって……と言い返します。こちらを見るその視線の鋭さに一瞬怯みます。
 ニエは複雑な環境で育ちましたから周りを見る観察力に長けているせいか、妙に勘が鋭いところがあります。そんなニエが決定的な要素を見つけたという感じが見え隠れしている気がして、わたくしはなんだかどきりとしてしまいました。

「リジェット様って俺たちに親しげに話しているように見えて結構距離をとる性質があるんだよなあ。
 内側に入れているように見せていながら、実際はちっともこっちの事を信用していないんだ。
 でも、あの美人の男にはそういう感じがしないから、懸想でもしているのかと思ったんだけど……。
 好きな男のことだったら、いくら怪しくても信用したいって思ってしまうもんだろう?」
「わたくし達の信頼はそのような感情に則って繋がれているものではありません。あくまでも師弟関係です。勘違いしてはいけませんよ」
「ふーん。そういうことにしてあるんだ。もし何年か後にやっぱりそうじゃなかったってことになったら面白そうだから教えてくださいね! 俺、そういうゴシップめっちゃ好き!」
「コラ! ニエ! リジェット様に対してあんまりにも失礼だろう!

 キン村長がニエのことを叱り付けます。この隙に話の流れを変えましょう。わたくしはキン村長に朝焼けの約束の原材料について尋ねます。

「ちなみにこの薬液の原料はどんなものを使用しているのですか?」
「キグルの葉や、ジェネーノの粉末が主原料ですね」

 その薬草の名前は聞いたことがありました。資料室にあった専門書に乗っていたのです。

「あら、では人を惑わすような作用があるものを中心に作られているってことですね。ジェネーノなんかは自白剤にも使用されていますものね。……ということはある意味武器として使うには有効なのではないでしょうか」
「え。そっちに使うの?」

 ニエはうへえと残念そうな表情でこちらを見ています。

「そしてなぜリジェット様は自白剤の原料をご存知なのでしょう……」

 それは騎士の仕事内容一覧のページに拷問の方法と有効な道具の欄に載っていたからです。目を輝かせて見入ってしまいましたが、これは褒められた趣味ではないことを自覚しているのでとりあえず、黙ります。
 キン村長も同じように残念そうに呟きましたが気を取り直すように、にっこりと笑って口を開きました。

「まあ今のリジェット様だったら武器としての使用の方が現実的の使い方かもしれませんね。
 この薬品は一滴たらすくらいでしたら相手の意識を混濁させることができます。二滴以上たらすと本来の使い方になってしまいますがね」
「なるほど。ではわたくしは二滴以上は使わなければいいのですね」
「これを利用して魔獣を刈りやすくしたり、魅了させて魔獣を使い魔にする方もいらっしゃるようですよ。本来の使い方とは全く異なりますけどね」

 ニエがわたくしの横で本来の使い方で使った方が絶対に面白いのにと呟いていますが、それは無視しましょう。

 これを持っている事は絶対にバレてはいけません。こんなの持ってると思われたら絶対に変な勘ぐりを受けるに決まっています。わたくしはじとりとする汗を隠しながらネックレスの収納に小瓶を封印するようにしまいこみました。

「わたくしどもはこの村マルタで薬草を作ることしかできませんが、あなた様のことはいつまでも応援したく存じております」
「私も! なんつーか、リジェット様っていちいち危なっかしいんだよなー。今までは近くにあの魔術師が保護者面して構えてたけど、これから騎士学校ってとこに行くってなるとそうも行かないんだろう? ……だから武器は一つでも多くあった方がいいと思うんだ」
「それでこれを下さったのですね! ありがとうございます」

 その後は村の人々と言葉を交わして、わたくしはマルトでの大部分の引き継ぎを終えました。これで安心して王都に向かうことができます。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

【完結】記憶を失くした貴方には、わたし達家族は要らないようです

たろ
恋愛
騎士であった夫が突然川に落ちて死んだと聞かされたラフェ。 お腹には赤ちゃんがいることが分かったばかりなのに。 これからどうやって暮らしていけばいいのか…… 子供と二人で何とか頑張って暮らし始めたのに…… そして………

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。

アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。 今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。 私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。 これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

処理中です...