白兎令嬢の取捨選択

菜っぱ

文字の大きさ
上 下
19 / 57
第一章 大領地の守り子

18ラマに手伝ってもらいます

しおりを挟む
 侵入者がオルブライト家に入った後、屋敷の者たちは慌ただしく動き回っています。
 わたくしの部屋にいた残った方の侵入者はお父様が引き取り、締め上げ、口を割るように拷問を施したそうですが、侵入者は隙をついて自害してしまったです。

 詳しいそんな事情からから、詳しい犯行の動機などがわからず、この侵入者騒動についての捜査は行き詰まってしまいました。

 そんなモヤモヤした中で勉強する気分にはなれず、わたくしは家庭教師に早めに授業を切り上げていただき、中庭に移動します。

 こういう日は体を動かすに限ります。
 先生が教えてくださった魔法陣の種類が増えてきたので、今日はこの魔法陣を使って剣の一人稽古をしていきたいと思います。

 中庭にやってきたわたくしがまず取り出したのはこちらの身代わり人形です。以前はただ出してみただけの魔法陣でしたが、身代わり人形が剣を持つことが出来たら、練習相手として使えるのではないかと思ったのです。

 わたくしは持ってきた身代わり人形の魔法陣を起動させます。パッと現れた身代わり人形にわたくしはすかさず、木の枝を持たせようとします。
 しかし、いくら枝を持たせようにも、身代わり人形の指には力が入らず、ずるりと滑り落ちてしまいます。

 困りましたわ……。これじゃ稽古になりません。どうしたものかと頬に手を当てて考え込んでいると、後ろから声が聞こえてきます。

「お嬢様! こんなところにいらっしゃったのですか、と言うかそれはなんですか」

 禁術の身代わり人形を見られてしまったことに、どきりとして、ギギギと油の切れた操り人形のような動きで後ろを振り返ると、そこには呆れた顔をしたラマが立っていました。

「ラ、ラマ! これはなんでもないのです!」

 わたくしは慌てて身代わり人形を仕舞い込みます。

「ふうん……そうですか。それよりも家庭教師に聞きましたよ。今日は午後まで勉強のはずだったのに、それを切り上げてきたとか」

 きっと身代わり人形に思うところはあるでしょうに、ラマは口をつぐんで、そこには触れません。主人思いの良い侍女であることをありがたく思い、わたくしはラマの方を見ます。

「ちゃんと、今日やる分の課題は終わらせてきましたから、サボったわけではないのですよ!」
「左様ですか。それは結構なことですが。どうしてこんなところで一人でいらっしゃるのでしょう? 連れ去られそうになった、と言う自覚がないのでしょうか」

 ラマの言葉が胸に突き刺さります。ラマは心なしかいつもより苦く苦しそうな顔をしているように見えます。きっとラマは主人を守れなかったことを悔いているのでしょう。
 しかし、その気持ちはわたくしも同じなのです。自分の気持ちを少しでも知って欲しい。そんな気持ちでわたくしは、言葉を選んでラマに懸命に伝えようと試みます。

「我が家に侵入者が入った時、わたくしはラマに守られてばかりで不甲斐ない思いを感じたのです。騎士になりたいと願っているのに守られているだけではかっこ悪いではないですか……。
 もっと従者を守れる主人にならなかれば……。そんな思いで、実践的な稽古をしようと目論んでいたのです」

 正直にぽつり、ぽつりと話し始めると、はあああ……とラマは長ーいため息を付きました。
 う、怒られるっ! と思って身構えていると、思いがけない言葉を投げかけられました。

「それなら、わたくしに声をかければいいでしょう?」
「え?」
「わたくしは一応、アーノルド家で武術の訓練も積んでいますから、リジェット様の訓練のお相手もできるでしょう」

 そうだ! ラマは戦う侍女なのでした! わたくしよりも腕が立つ、ということは師匠にもなり得る人材なのです。

「ラ、ラマ! なんて主人思いな素敵な侍女なの!」
「……なんといか。わたくしはリジェット様が騎士になりたい、という意見には賛成できかねますが剣のお稽古を続けること自体は賛成だったのです。やはり大領地の姫君ともなりますと、刺客などに狙われる危険もありますし、自分の身は自分自身で守れた方が良いでしょう。なので剣のお稽古を見てくださっていた、教育者の方が王都に帰られて、リジェット様のお稽古を見てくださる方がいない状況はわたくしとしても許しがたい状況なのです」
「ラマ……」

 ラマがこんなにもわたくしの身を案じてくださっていたことをわたくしは知りませんでした。わたくしとラマの間には雇用の元に主従関係がありますから、もっと乾いた感情を持っていてもおかしくないと思っていたのです。ただでさえ、わたくしはラマが思い描いているであろう、お嬢様像とはかけ離れているでしょうから。ラマの前の主人である、アーノルド男爵家のロザンヌ様はそれはそれは、しとやかで聡明な令嬢だったと伺っています。アーノルド男爵家は優秀な侍女や側仕えを育てる人材派遣業で栄えた領地で、その取締りを一手に引き受けているのがラマを育て上げたロザンヌ様なのだそうです。

 きっとラマはロザンヌ様のようにもっと聡明で思慮深い、優れた主人に仕えたかったのではないかと思ってしまうことがあるのです。
 わたくしは騎士になりたい、と頑なに思っていますが、客観的に見ると、これが賢い選択には見えないと思うのです。そのために講じている選択もきっと傍目に見れば、綱渡りで危なっかしく、目的のために意固地になっているように見えるでしょう。

「バレて……ましたか」
「ええ。ラマは本当によくできた侍女だわ。わたくしのもとにいるのがもったいないくらい」

 わたくしは、ラマの水色の瞳を覗き込みます。

「そうは言っても、わたくしはあなたを主人にすると決めて仕えていますから」
「え?」

 もらえると思っていなかった言葉がラマの口から出てきたことにわたくしは目をまあるくして驚いてしまいます。

「わたくしはリジェット様にお仕えしたくて、お仕えしているのです。アーノルド家育ちの側仕えたちが自分の主人に本当に嫌気が差せば、元の主人の元に戻ることも許されています。しかし、わたくしはそれをしていないのですから……」
「けれども、わたくしはロザンヌ様の様に聡明ではないわ」
「まあロザンヌ様もリジェット様と似たか寄ったかですが……」
「え?」
「なんでもありません」

 自分の不甲斐なさに落ち込みながら、ラマを見つめると、ラマはふわりと花の様な優しい笑顔を向けてくれました。

「あなたは確かに人を振り回すところはあります。ただ、それは自分の道を自分で開くため。誰かが思った以上の成果を上げるための手段としての行動ですから。
 あなたは目的のためならば努力を惜しみません。……まあやりすぎなところは否めませんが。しかしそう言ったところをわたくしは尊敬しております。紛れもなくわたくしの主人にふさわしい人物です」

 そう言ったラマの強い視線には忖度は微塵も感じられず、本心で言っているというのがよく伝わってきます。

「わたくし……。自分でもあんまりいいお嬢様ではない自覚があるくらいなのですが……。どうしてラマはそんなに慕ってくれるのでしょう」
「そんなこと本人にわざわざ言うことではないでしょう。恥ずかしいじゃないですか……。そんなどうでもいいことを言っていると時間がなくなりますよ? さっさと始めましょう」

 ラマは本当に恥ずかしいようで、少し顔を赤らめています。照れる姿なんてあまり見ませんので、ついつい凝視してしまうと、ラマに背中を押されて訓練ができる広いところまで連れて行かれてしまいます。

「ではどういたしましょうか? わたくしは自分の武器をリジェット様に向かわせればいいのでしょうか?」
「はい! ではわたくしはそれを受け、間合いを詰める練習をしますね。わたくし防御の魔法陣を身につけているので、遠慮はしなくとも結構です」

 一言かわしあった後、わたくしとラマは練習を開始します。ラマは持っていた武器のチェーンを広げ、先についている鉄球部分をわたくしの方に投げ入れます。
 それをわたくしは剣でかわしていきます。

 ラマは、相当鍛錬を積んでいる様で、少しの手の動きで鉄球の動きは大きく軌道を変えます。その動きに翻弄されながらも、なんとか必死についていこうとするとだんだんリズムが掴めてきました。

 この辺で大きく腕を振って、弾いてみようかしら。
 そう思い、剣を両手で持ち、横方向にふるいます。

 あ、外した……。

 どうやら間合いを間違えてしまった様で、わたくしの目視ではラマの武器に剣は届いていませんでした。

 それなのにわたくしの手元にはカツンと剣が当たった感覚が残っています。どうして届いたのでしょう。
 不可解な現象に驚いて、わたくしは足を止めてしまいました。

「お嬢様? どうしましたか?」
「今、剣の矛先が勝手に伸びたような気がしたの。気のせいかしら?」

 剣が伸びた、と言うわたくしの発言はあまりにも突飛だったようで、ラマは眉を潜めて矛先を見つめています。

「わたくしが間合いを間違えただけかしら……」
「無機質なものが動く、と言うことは考えにくいですがリジェット様の魔法陣が剣に作用した、と言うことも考えられなくはないかもしれません。……わたくしにもわかりませんので、とりあえずもう少し練習を繰り返してみますか?」

「やっぱり……。伸びた気がします……」
「見間違いかと思いましたが、わたくしの目でも確認できました。確かに伸びてますね……。しかもリジェット様の動きをアシストするように伸びている気がします」
「この剣には自我がある、と言うことでしょうか?
 もしかしたら、これは先生案件かもしれません。次に先生にあった際にそれとなく聞いてみましょう」
「そうですね。ぜひお伺いしてください」





 そのまましばらく打ち合いをした後、今日はここまで、という流れになりました。
 剣を倉庫に片付けている際にわたくしはずっと気になっていたことをラマに聞いてみることにしました。

「ラマは……。エメラージ様との婚約解消の時わたくしをあまり叱らなかったのはどうしてですか?」
「……叱れないのですよ」
「え?」
「わたくしは恋の素晴らしさを身を持って知ってしまいましたから」

 こ、恋⁉︎ ラマの口から、思ってもみない言葉が飛び出してきたので、わたくしは聞き間違いかと思ってラマの顔を二度見してしまいました。
 あ、しまった。余計なこと言った、という顔をしたラマの顔を見てそれは聞き間違いでないことを悟ります。

「ラマは好きな方がいらっしゃるのですか⁉︎」

 そういうと、ラマの顔はぽぽぽと赤くなります。いつもは冷静沈着で、お姉さんタイプのラマの意外な表情にわたくしは目を丸くしてしまいます。
 うわわわわ! うちの侍女、最高にかわいくないですか⁉︎

「わたくしがお慕いした方はわたくしより身分が高かったですから、婚約を結ぶことはできませんでしたが……」

 ラマはそう言って瞳を伏せました。ラマとラマがお慕いしている方はもしかしたら身分さがあったのかもしれません。というのもこの家に仕えるものの中には平民以外にも貴族出身のものもいるのです。

 この国の貴族は爵位があるのはもちろんですが、それ以外に領地持ち、役職持ち、名持ちという分け方があります。

 領地持ちはその名の通り領地を持っている貴族のことです。現在ハルツエクデンは三十二の領地に分けられています。それぞれの土地にに領主一族の家名が付けられていて、その家名の家の当主がその領地の領主という位置づけになっています。
 オルブライト家は王都を除くとハルツエクデン第二の広さの領地を持つ伯爵家ですからもちろん、領地持ちの貴族ですね。

 役職持ちはその名の通り代々役職を持つ貴族家の呼び名です。徴税官や外交官、法官など、それぞれの役割のものを輩出する領地です。各領地の領地持ちのもとで働く役職持ちもいらっしゃいますが、王都で働く役職持ちも多く、格が高いとされています。

 名持ちは領地も、役職も持っていない貴族の呼び名です。商家よりの貴族や平民の中から功績を挙げたもので爵位を与えられ貴族となった経歴のものは大体名持ちです。

 名持ちや、役職持ちの家に生まれた貴族でも兄弟が多い家に生まれますと、他の領地持ちの貴族の家に出仕することが多く、オルブライト家に仕えるものの中にも貴族出身のものは何人かいます。

 同じ職場で働いていても、身分が違うために恋人同士にはなっても結婚はできないという方も少なくないそうなのです。

 ラマは平民の出身ですから、きっと身分差で共にいることは許されなかったのでしょう。

「必ず成就する想いだけが素晴らしいものだとは思いません。叶わぬ恋でしたが、気持ちが通じ合ったという事実があったことはわたくしの人生の中で輝かしい瞬間でした」
「それは……。とっても素敵な恋だったのね」
「はい。その思い出だけでわたくしはこれから生きていけるくらい、素敵な思い出です」

 ラマは清々しく、満たされた顔をしていて、その表情から、その恋がどれだけ素晴らしいものであったかが伺えます。

「素敵ですね……。今のわたくしの恋人は剣ですが、いつかそんな方に出会うことがあるのでしょうか」
「きっと出会えますよ。エメラージ様との婚約が白紙になったことでリジェット様には猶予が与えられましたからね。リジェット様は今までに素敵な方とは出会われなかったのですか?」

 ラマが秘密を打ち明けてくださったのだから、わたくしも一つくらい恋話を提供したいのですが、わたくし浮いた話を持ち合わせていないのですよね……。
 素敵な方……、うーん。強いていえば先生でしょうか。
 今までにあった方の中ですと一番見目はいいですし……。
 そういうとなんだか誤解を招いて、うるさく言われそうなので、もっと当たり障りのない方を話題に出したいのですが……。

「あ! そういえば昔、王城で開かれた子供達の茶会で、人攫いから助けてくださった男の子はかっこよかったですね!」
「まあ! そんなことがあったのですか! リジェット様は小さい頃から事件に巻き込まれがちだったのですね」

 ラマは四年前にこの家に来たので、わたくしの幼い頃のことは詳しく知りません。この前侵入者のいざこざがあったばかりなので、わかりやすく眉をひそめました。

「まあ、でも……。リジェット様に撮っては素敵な出会いだったのですね?」
「はい! わたくしと変わらないくらいの年齢に見えたのですが、剣筋がそれはそれは素晴らしくて……。あの、スピード感! もう、憧れです! 瞬く間に敵を倒してしまったのですよ! もうあの剣技にはわたくし、痺れてしまいまして、心の中で師匠だと思っているのですよ!」
「なんだか、剣に視点が集中しすぎてその方の姿が全く想像できないのですが……」

 う……。それは図星です。あれは騎士への憧れの発露ではありますが、初恋ではなかったですからね……。

「まだわたくしには恋愛は早いみたいですね……」
「正式な婚約が決まるまでにはまだ時間がありますから、その間に様々な方と交流を持つことは可能でしょう。リジェット様は婚約されて恋も知らぬまま、気の合わぬ婚約をしなければいけないなんて、あまりにも非情ではないですか。……わたくし、リジェット様の命があったなら、ギシュタール家を取り潰すくらいのことは致しましたよ?」

 最後の一言に、わたくしは口をハクハクと開け閉めすることしかできませんでした。
 す、すごいです。ラマに一貴族家を取り潰すだけの特殊技能があるなんて知りませんでした。さすが最強の人材派遣領地、アーノルド家の出身です。わたくしの侍女有能すぎやしませんか⁉︎

「もしわたくしのために何か行動することがありましたら一声かけてくださいね。わたくしにできることはラマが使う魔法陣を作成することくらいかしら……」
「いただけるなら喜んで使わせていただきます」
「とりあえず急務なのは情報収集に使う魔法陣かしら」

 その言葉を聞いたラマの顔色が驚いた様に変わります。

「ラマは情報収集が得意でしょう? それに役立つ何かを作れるといいのだけど。……わたくし、ラマがあの襲撃の後も侵入者の情報収集のために自分の手の者を使って調べ回っていること、知ってるの」
「……ご存知でしたか」
「ええ。ラマはわたくしをいつも見張っている様に見えますが、実はどこかに行っている時間も多いのですよね。アーノルド家からラマをもらい受けるときに情報収集に長けた侍女だという説明がありましたからきっとそのために動いているのかな? と思いまして……」

 その説明を聞いたラマはなるほど、という顔をします。

 わたくしはラマと秘密を共有したことでラマとの間に主従だけの関係でない、親しい気持ちの通じ合いを得た様な気がいたしました。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~

saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。 前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。 国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。 自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。 幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。 自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。 前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。 ※小説家になろう様でも公開しています

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。

みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。

公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜

白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます! ➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。

処理中です...