白兎令嬢の取捨選択

菜っぱ

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第一章 大領地の守り子

2わたくし騎士になれないのですか⁉︎

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少し動くと汗ばむ夏が過ぎ、爽やかな涼しい風が流れるように吹くようになって来ました。剣の鍛錬にはもってこいの気候に心が躍り出しそうな季節です。

「ふん!はっ!」

 わたくしが剣を振るうと、剣が風を切る音が耳を心地よく通り過ぎます。

「ふう……。今日の朝の鍛錬はこのくらいにいたしますか」

 毎日の日課になっている剣の素振りを千回ほどをすると、モヤモヤとした気持ちが晴れてとても気持ちがいいです。

 剣の素振りはわたくしの大切なモーニングルーティーンになっています。ここ五年は風邪でもひかない限り、毎日行っていますのでもう慣れたものです。



 いつの間にかわたくしは剣を振るこの時間がこの世で一番好きになっていました。



 剣を振るうとその日の調子がいいのか悪いのか感じることもできますし、朝一番に運動することで、頭に血液がよく循環し、その後のお勉強がとても捗ります。

 素振りで風を切り裂く感覚も、魔獣をなぎ払い自分の道を切り開く感覚も、剣に関する全てを愛しています。
 きっとわたくしは剣を振るために生まれて来たのでしょう。

 ああ、ずっと剣のお稽古をしていたいのに、これからわたくしはなぜ淑女教育なんてしなければならないのでしょう!

 素敵な剣のお稽古タイムが終わると、地獄の淑女教育の時間がやって来ます。よい妻、よい母親になるために、と銘打たれた教育内容はあまりにも退屈ですし、わたくしの性に合わない部分が多すぎて、ついついため息が出て来てしまいます。

 まだ、何かに役立ちそうな刺繍のお稽古なら我慢できるのです。騎士として戦場に出向いた時に縫い物一つできなければ、騎士服の修復もできないと話になりませんもの。

 でも、伯爵家のご令嬢として学んでおきましょうね、という前振りで旦那様のご機嫌の取り方、なんておっそろしい内容の授業が平然と行われたとき、私は馬鹿らしさにドン引きしてしまいました。
 こう言ってご主人のご機嫌を取りましょうね、なんて定型分を家庭教師に見せられた日にはあんまりにもバカらしくて教科書を放り投げたくなってしまいました。
 自分の機嫌くらい、自分でとって当たり前でしょう⁉︎

 こんなくだらないこと勉強しているくらいなら、剣を振る時間をもう少し増やしてください!

 わたくしは一日中、ずーーーーーっと剣のお稽古をしていたいのに!

 ……そんなこと言うとまたお兄様たちに剣ぐるいのリジェット、なんて言われてしまうのですが。
 それくらい私は剣のお稽古が大好きです。


 わたくしはリジェット。


 湖を象徴とするハルツエクデンという名を持つこの王国で、王都からそう遠くない場所に位置する山沿いの自然豊かな森を領地に持つ、オルブライト伯爵家の末娘です。

 オルブライト家は代々、騎士としての適性を持つものが多く生まれる伯爵家です。王家の剣と呼ばれるこの国の騎士団に優秀な騎士を輩出しています。

 現在は領主として領地を納めているわたくしのお父様も、騎士としての現役時代は王家の剣・騎士団長を長年務めておりました。重厚感ある刃を振るい、剣をその身に受けたものは一撃で倒されてしまいます。
 かつてはこの国の命運を分けた、先の対戦で多くの武勲を立てた自慢のお父様なのです。

 今なお、その活躍は伝説となり騎士団内で物語のように語り継がれています。お父様は多くの現役騎士達の憧れの存在なのです。

 わたくしのお兄様たちも騎士としてとても優秀で、三人とも騎士の道に進んでいます。

 上二人の兄たちは騎士団に入隊している現役の騎士で、その中でも重要なポストを任されております。三男であるヨーナスお兄様も今年、王都の騎士学校に入学して、優秀な成績を収めているとお父様から伺いました。

 そんな家族を持つわたくしの夢はもちろん王家の剣に所属して、この国を守る剣となることです。

 わたくしも早く騎士学校に入学してお兄様たちに追い付きたいです!
……まあ、まだ十一歳なので騎士学校には入学できないのですが。

 貴族階級の家に仕えるような騎士は学校に通わずともなることはできますが、王家の剣は王族に仕えますので、専門の騎士学校に通わなければなることができません。

 王都の騎士団に属する騎士学校は十二歳から入学することができます。二年間、みっちり騎士の基礎について学び、その後見習い期間を経て初めて王家の剣になることが許されます。

 あと一年でわたくしも入学できる年齢になりますが、それまで待ちきれません!

 騎士学校は一日中、剣のお稽古三昧!もちろん淑女教育はゼロ!

 大好きな剣の握り心地を一日中感じていられるなんて……。
 暇さえあれば、剣を握っていたいわたくしにとって騎士学園は天国のような場所です。


 ああ!やっぱり剣のお稽古は最高です!早く騎士学校に入りたいものです。
 わたくしは自分のことを剣士になるために生まれた女だと思っていますから。





 朝の素振りを終え、軽く体を清めたあと、わたくしは自室で身支度を整えるため侍女を呼びました。

 今日もいつものように、専属の侍女であるラマがわたくしの身嗜みを整えていきます。

 午前中の柔らかな日差しが入り込む屋敷の自室で、わたくしはいつものように鏡の前に立ちます。今日の服装におかしなところがないか、最終チェックを行います。

 今日の服装は淡い桃色の布地に、花模様が編み込まれているレースが印象的なドレスです。いかにも令嬢が着ていそうなお洋服だなあ、となんだかしみじみ考えてしまいます。

「お嬢様はやはりこういう格好がとてもお似合いになりますね。着飾るのがとても楽しいです」

 朝の着替えの時間、侍女のラマはこんなふうに毎日毎日欠かさず、私のことを褒め称えてくださいます。
 自分でも言うのはなんですが、わたくしの見た目は女の子らしく、ドレスが似合う方かなとは思います。

 ラマの言う通り、わたくしはどこからどう見ても可憐な見た目をした、THEご令嬢の見た目をしているです。

 同い年の子供たちよりも華奢で小さな体、ミルクのように真っ白な髪、垂れ目で潤んだ果実のような赤い瞳。

 わたくしの剣狂いを知らない人が見たら、目麗しい令嬢と勘違いするでしょうね……。

 その特徴から屋敷のみんなは、わたくしのことを白うさぎちゃんと呼んでいます。とっても可愛らしいという意味で好意的にみんなが言ってくれているのはわかるのですが、釈然としません。うさぎちゃんってなんだか弱そうですよね?

 もっとお父様やお兄様のように強そうに見えたいのに。残念ですが客観的に見たら弱そうなお嬢様にしか見えないのでしょうね。

 わたくしとしてはもっと剣士らしいキリッとして強そうな、かっこいいお顔が良かったのですが……。生まれてくるお顔は選べないので仕方ありませんね。

 このような姿で生まれた人間はオルブライト家の中でわたくしだけです。

 オルブライト家のものは通常みな、髪に闇のように深い黒、釣り上がった瞳、屈強な体を持って生まれます。

 その特徴からオルブライト家の騎士は『王家の黒豹』とも呼ばれています。

 実際、家族全員が並ぶと、それはそれは屈強に見えるので、柔な盗賊なんかは顔を見るだけで逃げ出してしまいます。みんな顔が怖いだけで、心根はとてもやさしいのですが。

 家族全員の肖像画を絵師に書かせると、わたくしの異質さがよくわかります。一人だけ、どう見ても浮いていて、場違い感が出てしまうのです。屈強な見た目の家族に私が混じると、まるで黒豹に囲まれた、白兎のように見えてしまいます。

 屈強な見た目の人間しか生まれない、オルブライト家から私が生まれた時、屋敷のものはそれはそれは大騒ぎだったらしいのです。

 皆口を揃えて、こんなに可愛らしい女の子が生まれるなんて! と大はしゃぎし、喜びを分かち合ったと聞いています。家族はもちろん、家で働く使用人も可憐な見た目をしたわたくしの誕生に喜び、それはそれは宝物のように大事に可愛がってくれています。
 ……ちょっと過保護なくらいに感じてしまうくらいには。

 みんなわたくしのことをお姫様のように扱いますけど、わたくし本来の気質はTHEオルブライト家な感じだと自分では思っているのですがなかなか伝わりません。

 伯爵家の貴族の娘としてはこの嫁の貰い手の多そうな可憐な特徴を喜ぶべきなんだろうけれど、私は素直に喜べません。

 あくまでも、わたくしの夢は王家の剣になることです。

 お嫁に行くより、お父様やお兄様たちのように王家の剣として騎士になり、働くことを望んでいます。

 わたくしは着飾っておとなしく家で令嬢としての教育を受けるより、お兄様達と庭で剣を振っていた方がとても性に合うと思うのです。
 筋もなかなか悪くないってお兄様に褒められますし、もっと鍛錬を積むことができれば、なかなか悪くない剣士になれると思うのです。

「お嬢様、ボーッとしていないでくださいませ。これから家庭教師の先生がいらっしゃいますよ」

 ラマに声をかけられ、ハッとします。
 ……今日も一日、お嬢様らしい生活が始まりますね。






 午前中の座学的な教育と刺繍の練習をなんとか我慢してこなし終わると、午後には待ちに待った、剣のお稽古があります。

 今日もいつもどおり中庭で騎士でいらっしゃる先生と共に、日課の剣のお稽古に励みます。
 やはり、先生の身のこなしは大変勉強になりますね……。刃の描く鋭い直線に迷いがありますん。

 素振りや、小さな魔物の討伐しかやれせてもらえないわたくしとは違い、実践を積んでいることがよくわかります。
 わたくしも早く、実戦に出れるくらいの実力を付けねばなりませんね。

 真剣に汗を流していると、外廊下を歩いていたお母様の黒髪が視界に入ります。
 __お母様とこうして剣のお稽古中に鉢合うことはとても珍しいことです。
 何か用事でもあったのでしょうか?お母様は菫色の瞳を揺らして何やら、険しい表情でわたくしをじっと見ています。

 そのまましばらくわたくしの顔をお母様は見ていました。じっと見られているとなんだか気まずいなあと思っていると、その重そうなその口をようやく開きました。

「あなたは不思議ね、女の子なのに剣のお稽古が好きなの?」

 わたくしにとっては今更な質問にわたくしは即答しました。

「はいとっても心が躍ります!わたくし、もっと剣の腕を高めて、国のために戦える人間になりとうございます!」
「まあ、剣も振るうことができないよりはできる方が、有事の時に役立つけれども……。淑女教育も怠ってはいけませんよ」

 お母様の嗜めるようなご指摘にわたくしは苦い気持ちになってしまいました。
 刺繍やレース編みなどの淑女教育を受けるのは伯爵家の令嬢の義務です。正直、苦手ではないですし、遜色ないくらいにはできますが、やはりわたくしは一番剣のお稽古が一番好きです。

 お兄様たちは、マナー教育やお勉強だけで、他の時間は剣のお稽古をできたのに。わたくしは女であるが故に、余計なお勉強までやらなければなりません。はあ、お兄様たちが羨ましい限りです。

「もちろん女子のたしなみであるお針子様やレース編みもしなければいけないことだとは思っていますが……。
 わたくしは剣のお稽古がやっぱり好きなのです。
 剣を振っている方がなんだかわたくしらしく感じるのです」

 正直にそのことを伝えるとお母様はまあ、と驚いた様子でこちらを見ています。
 同時に難しい表情をしている気がいたしますが、貴族らしい微笑みを崩してはいないのでさほど問題ないでしょう。

「あなたにもオルトブライト家の血が受け継がれていると言うことね」
「はい!とっても嬉しく思います」

 お母様が誇れるような、家名に恥じぬ立派な剣士になりますからね!
 心の中で元気に宣言します。今後も一層、剣のお稽古に力を入れなければなりませんね!
 お母様を見送った後もより一層力を入れて剣を奮い続けました。


 ……今でも思うのですがわたくしはこの時、周りが見えていない能天気な子供でしたね。

 お母様がわたくしの元を離れる際に、困った子と小さく呟いたことにわたくしは気がつかなかったのです。




 その日の夜、夕食は両親と同席するよう指示があったとラマから伝えられました。何かあったのでしょうか?
 普段わが家では子供と大人は別の席で夕食をとるので一緒に食べることはほとんどありません。

 あるとすると、両親が子供たちと言葉を交わす必要があると判断された時だけです。

 普段あまり、わたくしに関わることが少ない両親ですが、私も十一才になったので、今後の予定を話し合う必要性を感じたのかもしれません。

 しかも今日は兄たちもいないのです。兄たちがいる夕食会もつまらない訳ではないのですが、兄たちは現役の騎士と騎士学校の学生なのでどうしても話題はそちらに持っていかれてしまいます。

 父と母の視線を独り占めしながら、二人とたくさん話せそうで私はそれだけでウキウキルンルンでした。

 食事の部屋に着くと、ラマに椅子を引かれて席に着きます。いつも食事をする子供のダイニングルームのたのしげな雰囲気とはうって変わって、この屋敷の主人であるお父様がいらっしゃる部屋には煌々と輝くシャンデリアや、燭台が設置され荘厳な雰囲気が漂っています。
 運ばれてくる料理に銀食器を使って手をつけていくと、お父様の刺さるような視線を感じました。その視線は私の様子を見極めているような様子です。マナーの抜き打ちチェックでしょうか?

 ……そんなこと仕掛けられても問題はありませんけどね。剣狂いとお兄様たちに呼ばれていますが、わたくしもオルブライト伯爵家の令嬢。
 一応貴族としての身のこなしは一通り身についているつもりです。

 貴族の食事には、マナーがつきものですが、毎日教育を受けている私にとっては特に難しいものではありません。

 作法通り小さく切った料理を、いつも通り品よく口に運んでいきます。行儀よく料理を食べる私の姿を見て父はお褒めの言葉をくれました。

「リジェットはマナーをよく覚えられていて行儀が良いな。上の兄たちは武に偏りすぎて、その他の教育に少し難があったが……。お前はよく身につけられている。
 これならどこの領地に嫁出しても恥ずかしくない」

 あらまあ、兄たちにもそんな時期もあったのですか。
 今では私に完全無欠のかっこいいところしか見せてくれない憧れのお兄様たちにも、マナー教育がおぼつかずおろおろする時期があったなんて。様子を想像すると、いかつい顔のお兄様たちが可愛らしく思えてきてしまうので不思議です。

「まぁお褒めの言葉ありがとうございます。とても嬉しく思います。
 ですが私はこの家の一員として騎士学校へ向かう身、マナーも大切ですがもっと剣の上達に力を入れないといけませんね。
 わたくしもっともっと修行を積んで強くたくましくなりますわ!」

 よし、決まりましたわ!わたくしの進路宣言!

 私の夢は王家の剣となり最前線で戦うこと……。この国の民のため、力を尽くす王家の剣になりたいのですもの!

 やり切ったわたくしは満面の笑みで父の目を見ました。
 そんなわたくしの決心とは裏腹になぜかお父さんはキョトンとした顔をしています。

「お前騎士学校などにやるわけがないだろう」
「え?」

 今度はわたくしがキョトンとした顔をしてしまいます。

「お前は成人になるまでこの家で嫁入り修行をして、この家との縁をつなぐため他領に嫁ぐに決まっているではないか」

 あら? そんなの初耳です。確かにわたくし達以外の貴族のご家庭では令嬢は他のお家に嫁ぐため、何か理由がない限りは学校には通わず嫁入り教育をするのかもしれません。

 けれどもオルブライト家は騎士の適正があるとされる家柄、わたくしも適正さえあれば騎士学校への入学が認められるものだとばかり思っておりました。

「あら?けれども、お兄様方は問題なく騎士学校に通われているではないですか」
「それはお前の兄達が男児であるからだろう、家から女児を騎士学校に通わせるつもりはない。女児が騎士学校に通うことは貴族女性として非常に不名誉なことだ。私はお前にそんな汚名を被せたくないのだ」

 なんでも騎士学校に女子生徒が通う、という事はどこの家にもお嫁に行けないような素行の悪い令嬢や、本妻の子の存在を脅かす脅威を持った妾の子など、立場上屋敷に置いておけない厄介者を学校に押し付ける意味合いがあるそうです。

 そんなことわたくしはちっとも知りませんでした。ただ単純に、剣を振るうのが楽しくて楽しくて、この力で民を守り、国に貢献できたのなら、どんなに幸せだろう、とそう思っていたのです。

 わたくしはなんて、浅く考えなしな行動をとっていたのでしょうか。

 家のみんなは私のことをどう思っていたのでしょう。もしかしたら、変わった趣味を持った私を気が済むまで好きにさせてやろう、と思っていたのかもしれません。はたまた、騎士にはなれないかわいそうな女の子、そんな哀れみを持った気持ちで接してくれていたのかもしれません。

 いずれにしても、わたくしは騎士になることを望まれていないのです。
 __この屋敷に住む誰にも。

 お父さまは真剣な表情でわたくしの目を見つめていました。その深い緑の厳しい視線にわたくしの反論を受け入れる隙は一切感じられませんでした。



「わたくしは王家の剣にはなれないのですか?」
「そうだ」



 お父様の重みを持った声。それは未来が決定した、覆らない否定の言葉でした。



 記憶に深く染みつくようなその声に、わたくしは初めて絶望が作りだす、果てのない暗闇の色を知ったのでした。


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