【完結】何度でもやり直しましょう。愛しい人と共に送れる人生を。

かずえ

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透子の章

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 入学して二年が経った。本来の入学年齢となった。私はしっかりと授業についていけているので、同年の学級に下ろされることもなく、共に入学した者たちと一緒に、学年が上がっていっている。この辺りも、前回と同じだ。
 私は少しでも長く快璃かいりと一緒にいたくて頑張ったのだ。
 それに、年齢が追い付くまで三年間も同じ内容の勉強をするなんて真っ平ごめんである。
 この年は、姉上の病気が治り、姉上も学校に入学された年だった。姉上は、体が回復してきた後は、とこの上で勉強をされていたので、二つ下の学年でなく私と同じ学年に編入となった。学力試験は、とても良い成績だったらしい。自慢の姉上だ。久しぶりに会えたこともあり、私は浮かれている。

「いきなり三学年から始めるなんて大丈夫ですの?」

 不躾ぶしつけに姉上に声を掛けてくる姫君がいる。姉上も私と同じで体格は小さい方なので、二人で見下ろされる形になっている。

「はじめまして。あけの国の第一子、華子はなこと申します。これからよろしくお願い致します。」

 姉上は、綺麗にお辞儀をしてから背筋を伸ばして相手をじっと見つめた。美人の姉上に、こんな風に見られたら、女でも顔を赤くしても仕方ない。妹の私ですら見惚れてしまうのだから。二年ぶりだしね。
 
りゅうの国の細流せせらぎよ。」

 姉上に見つめられて動揺してしまったのを隠すように細流せせらぎ姫は、大きな声で言った。
 だから何だ、と私などは思ったが、穏やかな姉上はうっすらと微笑んでもう一度頭を下げている。
 
「れ、礼儀正しいのね。妹とは大違いだわ。しっかり躾てちょうだい。」

 気圧されて言うのが私への悪口?むっとして口を出そうかと思ったが、姉上に止められる。

透子とうこは私の自慢の妹でございます。その暴言、二度目は許しません。」

 相変わらずの虫も殺さぬ微笑みのまま、姉上はおっとりと言い切った。
 え?
 と思ったのは細流せせらぎ姫も同様のようで、きょとんとしている。
 少しして、内容を理解したらしい細流せせらぎ姫の顔が真っ赤になった。

「何よ、新入りのくせに。立場もわきまえないで。無礼者!」

 知っている。姉上は、私のことが大好きだ。離れていた二年間に、その気持ちは更に大きくなっていたらしい。
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