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第十章 されど幸せな日々
49 連絡 成人
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俺以外の皆がたくさん食べたお昼ご飯が終わると、西賀に滞在する時にいつも使っていた部屋に案内してもらった。お客さん用のお部屋だ。城の主が変わっても、城は何にも変わっていなかった。
お客さん用の部屋は、今までほとんど使っていなかったんです、って竹光は言っていた。使ってもらえて部屋も喜んどるやろ、いつでも使てください、って。
梅光も、これからも他にお客さんが来る予定はないんで、ここはずっと殿下方のお部屋ですよって言ってくれた。俺たちがいつでも来て使っていいんだって。嬉しい。
「夜ご飯はいっぱい食べるね?」
案内してくれた千代に言ったら、千代はにこにこと首を横に振った。
「成人殿下、いっぱい食べんでもええんですよ。ちょうどええ量を美味しく食べてもらえたら、それが嬉しいです」
そっか。
「うん」
「お前、すっかり泊まる気だな。今日は日帰りの予定だったんだが。千代、世話をかける」
あれ? 今日はお泊まりじゃなかったっけ?
あ。
すぐ帰るって亀吉に約束したな、俺。
……。
まあ、ほら、明日帰るし? 明日って、一日後だよ、一日後。一日なんて、すぐじゃないかな? 明日帰れば、すぐ帰る、の約束は守ったことになるんじゃない?
「いいえ、緋色殿下。うちの子らが夕食のお誘いをした、とお聞きしとりますよ?」
「はは、確かに。ぼたん鍋とやらが美味しいから、食べていってください、と言ってくれていたな」
「お誘いに乗ってくださってありがとうございます。ごゆっくりなさってください」
「そうするとしよう。成人お勧めの風呂屋も行かなきゃならんし」
やった。お風呂屋さん!
「朔がひとっ走り行きました。すぐに貸し切りにできる思いますよ」
「できれば、でいい。急な話だからな。無理ならまた来る」
「いえ。時間はいつでも、と仰ってくださったんで、夕方以降の混み合う前にお時間が取れる思います」
「そうか。着替えも、まあ多分、その頃までに届くだろ」
今日は一ノ瀬を連れて来ていなかったので、西賀国の人にお願いして西中国におつかいに行ってもらった。俺たちが一泊することを連絡して、着替えを持って来てくれるって。
「西賀国にも、早めに電信の機械を設置しよう」
緋色が言った。電信? と首を傾げる千寿や寿々丸に、機械で書いた文を別の場所にある同じ機械に飛ばして連絡ができる道具だ、って緋色が説明したら、二人は、ほえーって驚いていた。
西中国にはあったからね。使い方を覚えろ、って言われた鶴丸が頭を抱えていたけど、もう覚えたかな? 西賀国では、千寿と寿々丸が覚えることになるのかな。
あ。俺は実は使い方を知っているから、電信が使えるようになったら、それで連絡したりできるようになるんじゃない? すぐ連絡できると便利。いつでも遊べるね!
常陸丸とじいじは、順番に昼ご飯を食べに行った。
俺は、昼寝しろって言われたけど、来る時にバスでちょっと寝たから眠くないよ。
ん? 腹ごなしの鍛錬?
わ、俺も行く。
緋色は行かないの? そう? 仕事? それも嫌? ええー?
俺は行くからね。
お客さん用の部屋は、今までほとんど使っていなかったんです、って竹光は言っていた。使ってもらえて部屋も喜んどるやろ、いつでも使てください、って。
梅光も、これからも他にお客さんが来る予定はないんで、ここはずっと殿下方のお部屋ですよって言ってくれた。俺たちがいつでも来て使っていいんだって。嬉しい。
「夜ご飯はいっぱい食べるね?」
案内してくれた千代に言ったら、千代はにこにこと首を横に振った。
「成人殿下、いっぱい食べんでもええんですよ。ちょうどええ量を美味しく食べてもらえたら、それが嬉しいです」
そっか。
「うん」
「お前、すっかり泊まる気だな。今日は日帰りの予定だったんだが。千代、世話をかける」
あれ? 今日はお泊まりじゃなかったっけ?
あ。
すぐ帰るって亀吉に約束したな、俺。
……。
まあ、ほら、明日帰るし? 明日って、一日後だよ、一日後。一日なんて、すぐじゃないかな? 明日帰れば、すぐ帰る、の約束は守ったことになるんじゃない?
「いいえ、緋色殿下。うちの子らが夕食のお誘いをした、とお聞きしとりますよ?」
「はは、確かに。ぼたん鍋とやらが美味しいから、食べていってください、と言ってくれていたな」
「お誘いに乗ってくださってありがとうございます。ごゆっくりなさってください」
「そうするとしよう。成人お勧めの風呂屋も行かなきゃならんし」
やった。お風呂屋さん!
「朔がひとっ走り行きました。すぐに貸し切りにできる思いますよ」
「できれば、でいい。急な話だからな。無理ならまた来る」
「いえ。時間はいつでも、と仰ってくださったんで、夕方以降の混み合う前にお時間が取れる思います」
「そうか。着替えも、まあ多分、その頃までに届くだろ」
今日は一ノ瀬を連れて来ていなかったので、西賀国の人にお願いして西中国におつかいに行ってもらった。俺たちが一泊することを連絡して、着替えを持って来てくれるって。
「西賀国にも、早めに電信の機械を設置しよう」
緋色が言った。電信? と首を傾げる千寿や寿々丸に、機械で書いた文を別の場所にある同じ機械に飛ばして連絡ができる道具だ、って緋色が説明したら、二人は、ほえーって驚いていた。
西中国にはあったからね。使い方を覚えろ、って言われた鶴丸が頭を抱えていたけど、もう覚えたかな? 西賀国では、千寿と寿々丸が覚えることになるのかな。
あ。俺は実は使い方を知っているから、電信が使えるようになったら、それで連絡したりできるようになるんじゃない? すぐ連絡できると便利。いつでも遊べるね!
常陸丸とじいじは、順番に昼ご飯を食べに行った。
俺は、昼寝しろって言われたけど、来る時にバスでちょっと寝たから眠くないよ。
ん? 腹ごなしの鍛錬?
わ、俺も行く。
緋色は行かないの? そう? 仕事? それも嫌? ええー?
俺は行くからね。
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