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第十章 されど幸せな日々
7 増えた仕事 成人
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斑鹿乃と乙羽と俺で三人、いや末良も入れて四人、いやいや護衛のために一緒にいる力丸も手伝ってくれたら五人だからすぐに終わるな、と思っていたおうちの掃除は、昼ごはんの時間までかかっても終わらなかった。
掃除って、いくらでもやる事があって終わりが分からない。これとこれをしたら終わろうって言ってても、それをしてる時に違う汚れを見つけたらそこも綺麗にしたくなって仕事が増えてしまう、ってのが終わらなかった理由の一つ。それと、末良がいると、一人は末良から目を離せなくて、結局動けるのが三人になってしまったってのも終わらなかった理由の一つ。朝、うちに来た時に斑鹿乃が言った通りだった。末良がいるので、なかなか仕事が進まないかもしれませんよ、って。子どもって、大きくなってできる事が増えると、前よりもっと目が離せなくなるものなのか。知らなかった。なんでだよ……。
あと、あんまり言いたくないけど、俺は手が一つだから雑巾を自分で絞ったりできなくて、俺もあんまり役には立っていなかったんだ。これも終わらなかった理由の一つ。
しばらく掃除の手伝いをしていなかったから忘れていたけれど、俺は本当に役立たずだった。
雑巾を、他の人の作業の手を止めて絞ってもらうのが申し訳なくて、箒でごみを掃き集めることならできるかとやってみたけれど、掃き集めた後、ちりとりに入れるのが片手ではなかなか難しかった。結局、力丸に持っててもらったちりとりに掃き入れたんだけれど、あれって力丸が一人でもできた仕事だよね。掃く作業を俺にやらせてくれたんだよね。それじゃ結局、俺がした分だけ手間だったってことだ。
じゃあ何ならできるんだ? って考えて、やっぱりいつも通りに末良のことをみていようと思った。でも、末良が赤ちゃんの時と違って、役立たず同士で遊んで待っていようか、とはならなかった。
皆と一緒の事をしたい末良は、すえーしもおそうじ、と言って雑巾を持ってうろうろする。でも、自分が出来ることと出来ないことが全然分かっていないから、段差で躓いたり、土間に落ちそうになったりした。少し離れて拭き掃除をしていた力丸がとんできて、土間から落ちていこうとしている末良と、受け止められないって分かっているのに手を伸ばしてしまった俺をまとめて受け止めてくれた。
またまた邪魔をしてごめん。
そんな感じで昼ごはんの時間になった。
昼ごはんは、壱臣が俺たち五人分と自分と半助の分を作ってくれていて、はっとした。
「あれ? 壱臣、休憩は?」
「こんな少しだけの昼ごはんくらい、休憩しながら作れるよー」
「そう?」
「そうやでー」
そうかなあ?
まあ、また、特別にお休みしなよって言っておかなきゃだな。
自分のおうちができるっていうのはくつろげて最高だ、って思っていたけれど、仕事が増えるんだな。
色々、難しい。
掃除って、いくらでもやる事があって終わりが分からない。これとこれをしたら終わろうって言ってても、それをしてる時に違う汚れを見つけたらそこも綺麗にしたくなって仕事が増えてしまう、ってのが終わらなかった理由の一つ。それと、末良がいると、一人は末良から目を離せなくて、結局動けるのが三人になってしまったってのも終わらなかった理由の一つ。朝、うちに来た時に斑鹿乃が言った通りだった。末良がいるので、なかなか仕事が進まないかもしれませんよ、って。子どもって、大きくなってできる事が増えると、前よりもっと目が離せなくなるものなのか。知らなかった。なんでだよ……。
あと、あんまり言いたくないけど、俺は手が一つだから雑巾を自分で絞ったりできなくて、俺もあんまり役には立っていなかったんだ。これも終わらなかった理由の一つ。
しばらく掃除の手伝いをしていなかったから忘れていたけれど、俺は本当に役立たずだった。
雑巾を、他の人の作業の手を止めて絞ってもらうのが申し訳なくて、箒でごみを掃き集めることならできるかとやってみたけれど、掃き集めた後、ちりとりに入れるのが片手ではなかなか難しかった。結局、力丸に持っててもらったちりとりに掃き入れたんだけれど、あれって力丸が一人でもできた仕事だよね。掃く作業を俺にやらせてくれたんだよね。それじゃ結局、俺がした分だけ手間だったってことだ。
じゃあ何ならできるんだ? って考えて、やっぱりいつも通りに末良のことをみていようと思った。でも、末良が赤ちゃんの時と違って、役立たず同士で遊んで待っていようか、とはならなかった。
皆と一緒の事をしたい末良は、すえーしもおそうじ、と言って雑巾を持ってうろうろする。でも、自分が出来ることと出来ないことが全然分かっていないから、段差で躓いたり、土間に落ちそうになったりした。少し離れて拭き掃除をしていた力丸がとんできて、土間から落ちていこうとしている末良と、受け止められないって分かっているのに手を伸ばしてしまった俺をまとめて受け止めてくれた。
またまた邪魔をしてごめん。
そんな感じで昼ごはんの時間になった。
昼ごはんは、壱臣が俺たち五人分と自分と半助の分を作ってくれていて、はっとした。
「あれ? 壱臣、休憩は?」
「こんな少しだけの昼ごはんくらい、休憩しながら作れるよー」
「そう?」
「そうやでー」
そうかなあ?
まあ、また、特別にお休みしなよって言っておかなきゃだな。
自分のおうちができるっていうのはくつろげて最高だ、って思っていたけれど、仕事が増えるんだな。
色々、難しい。
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