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第九章 礼儀を知る人知らない人
161 あれ? 成人
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それから、二階をぐるっと回って、登れないけど三階に上がる梯子を確認したりした。亀吉は、目をきらきらさせて梯子を見ていた。登ったら駄目だよって言ったら、はいっ、っていい返事が返ってきた。返事はいいんだよねえ、返事は。
さっき、鶴丸も言ってたな。返事はええんやけどなあって。
まあ、いっか。
「梯子、絶対、見張っておいてね」
「はっ」
その辺りを巡回していた兵に言うと、気持ちのいい返事が返ってきた。こういう時の包拳礼は、すると気持ちがいいね。うん。色々な動作にもそれなりに意味がある。
「誰も、勝手に上に登らないようにね」
「はっ」
うん。これで大丈夫だろ。
「あ。若様の亀吉が登るって言っても駄目だよ?」
身分がーって言って、言うことを聞かせようとする人が、よくいるんだけどさ。でも、言うこと聞いちゃいけない時ってあるから。
亀吉はそんなことしないけどね。
「はっ」
うん、いい返事。あ、でも。
「竹光や鶴丸はいいよ。松吉も玉鶴も」
大人だし。ここの主だし?
「ははっ」
何だか気分よく一階に戻った。階段を降りきったら、亀吉はまたくるりと階段側を向いて登ろうとし始めた。
なんで?
俺が首を傾げているうちに、香月がひょいと抱っこして止めた。亀吉のお付きって、本当に素早くないとできないな? 動きが早くてびっくりしちゃうよ。
「亀吉さま、そろそろ末良さんが来られるとお聞きしとります。お迎えしましょう、お迎え」
え? そうなの?
「すえーし!」
亀吉は、香月に抱え上げられたまま足をぱたぱたさせた。あ、ご機嫌な時の足のぱたぱた。亀吉もやるんだ。末良もね、小さい時よくやってたよ。うつ伏せで玩具を手に持って、足がぱたぱたしてたり、お座りしてぱたぱたしてるの、可愛かったんだよねえ。亀吉ほど、激しくはなかったけど。
香月が亀吉を下に下ろしたら、たって走った。出入り口と反対だけど、皆笑いながらついて行った。
末良たちが着いたよって聞いてから行っても、きっと間に合うしね。
しばらく、ご機嫌でうろうろしていたら連絡が来た。
「すえーしー!」
亀吉は大喜びで、車から降りてきた末良に向かって走った。ぱっとこちらを見た末良も、にこにこ笑顔でこちらに向かって走り出した。
二人は、すっかり仲良しになったんだなあ。可愛いなあ。
「なりゅしゃまー!」
あれ?
さっき、鶴丸も言ってたな。返事はええんやけどなあって。
まあ、いっか。
「梯子、絶対、見張っておいてね」
「はっ」
その辺りを巡回していた兵に言うと、気持ちのいい返事が返ってきた。こういう時の包拳礼は、すると気持ちがいいね。うん。色々な動作にもそれなりに意味がある。
「誰も、勝手に上に登らないようにね」
「はっ」
うん。これで大丈夫だろ。
「あ。若様の亀吉が登るって言っても駄目だよ?」
身分がーって言って、言うことを聞かせようとする人が、よくいるんだけどさ。でも、言うこと聞いちゃいけない時ってあるから。
亀吉はそんなことしないけどね。
「はっ」
うん、いい返事。あ、でも。
「竹光や鶴丸はいいよ。松吉も玉鶴も」
大人だし。ここの主だし?
「ははっ」
何だか気分よく一階に戻った。階段を降りきったら、亀吉はまたくるりと階段側を向いて登ろうとし始めた。
なんで?
俺が首を傾げているうちに、香月がひょいと抱っこして止めた。亀吉のお付きって、本当に素早くないとできないな? 動きが早くてびっくりしちゃうよ。
「亀吉さま、そろそろ末良さんが来られるとお聞きしとります。お迎えしましょう、お迎え」
え? そうなの?
「すえーし!」
亀吉は、香月に抱え上げられたまま足をぱたぱたさせた。あ、ご機嫌な時の足のぱたぱた。亀吉もやるんだ。末良もね、小さい時よくやってたよ。うつ伏せで玩具を手に持って、足がぱたぱたしてたり、お座りしてぱたぱたしてるの、可愛かったんだよねえ。亀吉ほど、激しくはなかったけど。
香月が亀吉を下に下ろしたら、たって走った。出入り口と反対だけど、皆笑いながらついて行った。
末良たちが着いたよって聞いてから行っても、きっと間に合うしね。
しばらく、ご機嫌でうろうろしていたら連絡が来た。
「すえーしー!」
亀吉は大喜びで、車から降りてきた末良に向かって走った。ぱっとこちらを見た末良も、にこにこ笑顔でこちらに向かって走り出した。
二人は、すっかり仲良しになったんだなあ。可愛いなあ。
「なりゅしゃまー!」
あれ?
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