1,091 / 1,321
第九章 礼儀を知る人知らない人
48 まだまだ遊ぼ 成人
しおりを挟む
食堂はお片付けをするから、この後は俺の部屋で遊ぼうって子どもとお母さん二人と乙羽で移動した。お母さんたちと乙羽は、ずっと喋っている。喋っても喋っても喋る話はなくならないらしい。何かすごい。ずっと喋っててずっと楽しいってすごい。
朱音殿下は、ずっとお喋りしてる赤璃さまの腕の中で、すやすや寝始めてしまった。たくさん遊んだもんね。皆が遊ぶのを見て、積み木に手を伸ばして、最後はにこにこ笑ってた。赤ちゃんは、うつぶせでいるだけでとてもいい運動になるって聞いたから、うつぶせでたくさん手足をばたばたしてた朱音殿下は、たくさん運動したんだろう。たくさん遊んで、好きな人の声を聞きながら好きな人の腕の中で寝るのって気持ちいいよね。ちょっと分かる。
松吉は、剣舞を終えて汗だくだったから、衣装の着替えと片付けをしてからゆっくり来たらいいよって言っておいた。シャワーもして休んでから来たらいい。亀吉は、お母さんが見えなくても泣いたりしないから。亀吉のお世話係の香月も、一番後ろから付いてきてるしね。さっき、末良がプレゼントにもらった積み木を持って付いてきてくれている。また、あれで遊ぶんだ。力丸も、片付けを手伝ってから部屋に遊びに来てくれるって言ってた。力丸は、いつも面白い遊びを教えてくれるから楽しみだ。俺の部屋には絵本もパズルもあるし、夜ご飯までまだまだ遊べそう。
亀吉は見可と、末良は灯可と手を繋いで階段を一生懸命登って、廊下もしっかり歩いて俺の部屋に着いた。俺も手を繋いであげたかったけど、一つしかない手を繋いでしまうと体勢を崩した時に危ないから、後ろから見守ることにした。階段を頑張って登っている亀吉と末良の、ぷりぷりと揺れるお尻がすごく可愛かった。小さい子どもは、何してても可愛いんだなって思った。手を繋いであげて階段を上っていく灯可と見可も可愛い。
後ろから見てると、亀吉が転ばないように気をつけて見ながらゆっくり歩く見可が、すごくお兄さんに見えた。末良が転ばないように気をつけて歩く灯可と、お兄さんに見える見可の後ろ姿がそっくりで、ちょっとびっくりした。二人は、兄弟なのにあんまり似てないなあって思ってたけど、やっぱり似てたよ。
俺の部屋に着いてお座りしたら、亀吉がぐらぐら揺れ出した。ええ? って驚いてる間にころんと転がってしまった。
「あ。寝た」
見可の声。
え? えええ?
驚いているうちに、よいしょと座った末良もぐらぐら揺れ出した。わ、わ、と手を出した灯可の手の中に倒れ込んだら、もうそのまま。
ありゃ。
「粘ったわねえ」
斑鹿乃が笑いながら言って、灯可から末良を受け取った。積み木を置いた香月が、慌てて床に倒れた亀吉を抱き上げている。俺の部屋はふかふかの絨毯が敷いてあるから、そのまま寝てても大丈夫なんだけどね。
それにしても、二人とも、本当はそんなに眠たかったのか。驚きながら俺も座ったら、俺も何だか頭がぼんやりしてきた。
あれ?
朱音殿下は、ずっとお喋りしてる赤璃さまの腕の中で、すやすや寝始めてしまった。たくさん遊んだもんね。皆が遊ぶのを見て、積み木に手を伸ばして、最後はにこにこ笑ってた。赤ちゃんは、うつぶせでいるだけでとてもいい運動になるって聞いたから、うつぶせでたくさん手足をばたばたしてた朱音殿下は、たくさん運動したんだろう。たくさん遊んで、好きな人の声を聞きながら好きな人の腕の中で寝るのって気持ちいいよね。ちょっと分かる。
松吉は、剣舞を終えて汗だくだったから、衣装の着替えと片付けをしてからゆっくり来たらいいよって言っておいた。シャワーもして休んでから来たらいい。亀吉は、お母さんが見えなくても泣いたりしないから。亀吉のお世話係の香月も、一番後ろから付いてきてるしね。さっき、末良がプレゼントにもらった積み木を持って付いてきてくれている。また、あれで遊ぶんだ。力丸も、片付けを手伝ってから部屋に遊びに来てくれるって言ってた。力丸は、いつも面白い遊びを教えてくれるから楽しみだ。俺の部屋には絵本もパズルもあるし、夜ご飯までまだまだ遊べそう。
亀吉は見可と、末良は灯可と手を繋いで階段を一生懸命登って、廊下もしっかり歩いて俺の部屋に着いた。俺も手を繋いであげたかったけど、一つしかない手を繋いでしまうと体勢を崩した時に危ないから、後ろから見守ることにした。階段を頑張って登っている亀吉と末良の、ぷりぷりと揺れるお尻がすごく可愛かった。小さい子どもは、何してても可愛いんだなって思った。手を繋いであげて階段を上っていく灯可と見可も可愛い。
後ろから見てると、亀吉が転ばないように気をつけて見ながらゆっくり歩く見可が、すごくお兄さんに見えた。末良が転ばないように気をつけて歩く灯可と、お兄さんに見える見可の後ろ姿がそっくりで、ちょっとびっくりした。二人は、兄弟なのにあんまり似てないなあって思ってたけど、やっぱり似てたよ。
俺の部屋に着いてお座りしたら、亀吉がぐらぐら揺れ出した。ええ? って驚いてる間にころんと転がってしまった。
「あ。寝た」
見可の声。
え? えええ?
驚いているうちに、よいしょと座った末良もぐらぐら揺れ出した。わ、わ、と手を出した灯可の手の中に倒れ込んだら、もうそのまま。
ありゃ。
「粘ったわねえ」
斑鹿乃が笑いながら言って、灯可から末良を受け取った。積み木を置いた香月が、慌てて床に倒れた亀吉を抱き上げている。俺の部屋はふかふかの絨毯が敷いてあるから、そのまま寝てても大丈夫なんだけどね。
それにしても、二人とも、本当はそんなに眠たかったのか。驚きながら俺も座ったら、俺も何だか頭がぼんやりしてきた。
あれ?
523
お気に入りに追加
5,083
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる