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第八章 郷に入っては郷に従え
165 鶴丸と松吉への手紙 成人
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「俺のお部屋の机の前に下ろして」
「あ?なんで?」
「お手紙書くから」
「手紙い?誰に?」
「ん?鶴丸と松吉と亀吉」
「ふーん」
緋色は、抱っこのまま俺の部屋の机の前に座った。
「ん?」
「ん?」
「そこにいるの?」
「おう」
緋色は俺の後ろに座って動かない。別にいいけど。
「招待状か?書けるのか?」
「うん。たぶん」
来てね、と口で約束したし、松吉も、すぐ行くって言ってくれた。でも、正式な招待状がないと鶴丸が出てくるのに時間かかるってじいやが教えてくれた。俺はすぐお出かけできるけど、緋色は簡単にはお出かけできない、みたいな感じ。だから、招待されたから行かなくちゃならないっていう形を作るんだ。そのために、鶴丸宛に招待状を出さなくちゃならない。
『つる丸と松吉とかめ吉へ
こんにちは。今日は雨が少しふっています。でも、頭はいたくないです。つる丸と松吉は元気ですか。かめ吉も元気ですか。』
正式なお手紙は、最初の挨拶と天気の話、その後に体の様子をきく言葉を少し書いてから本題に入るものだと朱実殿下が教えてくれた。お手紙、今でもたまにくれるから返事を書く。その時に、お手紙の書き方を丁寧に説明してくれた。この前、上手になったと書いてあったからこれであってるはず。
『この前約束した通り、俺のうちへあそびに来てください。つる丸と松吉とかめ吉の三人で来てください。』
広末の子どもの末良と一緒に遊べたらいいねって言ってたから、鶴丸と松吉と亀吉の三人で一緒に来てください、と書く。そうしたら、三人で招待されたから三人で行きましょうってことになるらしい。友だちと遊ぶのも、手順がいるから大変だな。
力丸や村次となら、明日休みだー、よし遊ぼう、で済むのに。どこか行きたかったら、休みを合わせて行こうって決めて、休みを合わせたらすぐ行ける。
あ、でも、灯可がうちに遊びに来る時は、何日か前に連絡がきてる。俺が灯可のおうちに遊びに行く時も、何日か前に連絡してる。
あ、そうか。
一緒のおうちの友だちは、家族で友だちだから簡単なんだな、きっと。違うおうちの友だちとは手順が違うんだ。
家族で友だちってのは、だいぶ特別なのかもしれない。
「あ?なんで?」
「お手紙書くから」
「手紙い?誰に?」
「ん?鶴丸と松吉と亀吉」
「ふーん」
緋色は、抱っこのまま俺の部屋の机の前に座った。
「ん?」
「ん?」
「そこにいるの?」
「おう」
緋色は俺の後ろに座って動かない。別にいいけど。
「招待状か?書けるのか?」
「うん。たぶん」
来てね、と口で約束したし、松吉も、すぐ行くって言ってくれた。でも、正式な招待状がないと鶴丸が出てくるのに時間かかるってじいやが教えてくれた。俺はすぐお出かけできるけど、緋色は簡単にはお出かけできない、みたいな感じ。だから、招待されたから行かなくちゃならないっていう形を作るんだ。そのために、鶴丸宛に招待状を出さなくちゃならない。
『つる丸と松吉とかめ吉へ
こんにちは。今日は雨が少しふっています。でも、頭はいたくないです。つる丸と松吉は元気ですか。かめ吉も元気ですか。』
正式なお手紙は、最初の挨拶と天気の話、その後に体の様子をきく言葉を少し書いてから本題に入るものだと朱実殿下が教えてくれた。お手紙、今でもたまにくれるから返事を書く。その時に、お手紙の書き方を丁寧に説明してくれた。この前、上手になったと書いてあったからこれであってるはず。
『この前約束した通り、俺のうちへあそびに来てください。つる丸と松吉とかめ吉の三人で来てください。』
広末の子どもの末良と一緒に遊べたらいいねって言ってたから、鶴丸と松吉と亀吉の三人で一緒に来てください、と書く。そうしたら、三人で招待されたから三人で行きましょうってことになるらしい。友だちと遊ぶのも、手順がいるから大変だな。
力丸や村次となら、明日休みだー、よし遊ぼう、で済むのに。どこか行きたかったら、休みを合わせて行こうって決めて、休みを合わせたらすぐ行ける。
あ、でも、灯可がうちに遊びに来る時は、何日か前に連絡がきてる。俺が灯可のおうちに遊びに行く時も、何日か前に連絡してる。
あ、そうか。
一緒のおうちの友だちは、家族で友だちだから簡単なんだな、きっと。違うおうちの友だちとは手順が違うんだ。
家族で友だちってのは、だいぶ特別なのかもしれない。
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