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第七章 冠婚葬祭
157 びっくりするほど贅沢 成人
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「成人のお勧めはあるか?」
一通り机の上を見た父さまがこちらを振り向く。
団子と葡萄なんだけど、なんかそれを言い出しにくい。たった今、先に食べるものではないって聞いてしまった。あ、でも、お勧めを言うだけなのだから、いいのか。
「えーと。団子と葡萄……」
「ん?あれか?」
父さまが指差したのは、茶色い団子だった。
おお?
おおお?
「茶色い団子……」
「ん?違うのか?」
俺は急いで首を横に振る。違わない。茶色い団子、食べてみたい。とろりとしたものがかかっていて美味しそうだ。
「あれ、食べる」
「へえ、肉団子か」
緋色が言った。肉団子。肉の団子。これはデザートじゃない。
「器に入れて持っていこう。成人、ここに入れろ」
大きなお皿には料理と一緒に、料理を取るためのお箸や大きなスプーンが置いてあって、横に器が置いてある。緋色が器を持ってくれたので、俺がスプーンを持った。俺のと緋色のと一緒に入れよう。何個食べようかな。小さい団子だから二つ?じゃあ緋色は四つ?もっと?
「色々あるから、一人一つにしろ。こういうのはな、一つ味見して旨かったらまた取りにくればいいんだ」
おお!確かに!
こんなに机いっぱいに食べ物が置いてあるんだから、肉団子二つ食べたら他のものが食べられなくなるかもしれない。
「緋色、凄い」
「知ってる」
うんうん。
「ははは。私のも一つ入れてくれるか。雫石さんもいるかな?」
母さまから返事は無かったけれど、四つ入れておいた。同じ所で食べるのか。ま、いいけど。
「ご飯がいるな。見たか?成人。ちらし寿司といなり寿司、巻き寿司の他に炊き込みご飯もあったぞ」
「え?炊き込みご飯、知らなかった」
「保温釜に入ってるんだ。白飯もあった」
うーん、どうしよう。炊き込みご飯は炊き込みご飯で食べたいし、肉団子には白いご飯が合う。いなり寿司も、噛み切るのが大変だけど好き。甘くてちょっと酸っぱくて美味しい。
「どうしよう……」
「全部少しづつ取っていけばいいだろ。一口づつ味見してもいいぞ」
「俺、炊き込みご飯と白いご飯といなり寿司」
「豪勢だな」
父さまが言った。
「ごうせい」
「びっくりするほど贅沢ってことだ」
確かに!
ご飯だけでびっくりするほどの種類がある。
でも、お城でご飯を食べた時もこんな感じじゃなかった?たくさんのおかずが出てきて食べきれなかった。デザートも二つあった。苺とアイスクリーム。
そうだ。アイスクリームあるかな、アイスクリーム。お城だからあるかもな。
「汁物も色々あったな。一度机に置いて、それも取ってこよう」
「私は、天ぷらを持っていこう」
父さまが楽しそうに言った。
「芋とかぼちゃの天ぷらを一つづつ」
緋色が父さまを置いて歩きながら注文する。
「食べるのか?」
父さまがびっくりしている。緋色はあまり甘いものは好きじゃないからね。食べないことはないけど自分から取ったりしない。父さま、知ってたんだなあ。
「成人のだ。俺は海老といかとしし唐」
「うむ、任せろ」
父さまは、今日は本当に楽しそう。
一通り机の上を見た父さまがこちらを振り向く。
団子と葡萄なんだけど、なんかそれを言い出しにくい。たった今、先に食べるものではないって聞いてしまった。あ、でも、お勧めを言うだけなのだから、いいのか。
「えーと。団子と葡萄……」
「ん?あれか?」
父さまが指差したのは、茶色い団子だった。
おお?
おおお?
「茶色い団子……」
「ん?違うのか?」
俺は急いで首を横に振る。違わない。茶色い団子、食べてみたい。とろりとしたものがかかっていて美味しそうだ。
「あれ、食べる」
「へえ、肉団子か」
緋色が言った。肉団子。肉の団子。これはデザートじゃない。
「器に入れて持っていこう。成人、ここに入れろ」
大きなお皿には料理と一緒に、料理を取るためのお箸や大きなスプーンが置いてあって、横に器が置いてある。緋色が器を持ってくれたので、俺がスプーンを持った。俺のと緋色のと一緒に入れよう。何個食べようかな。小さい団子だから二つ?じゃあ緋色は四つ?もっと?
「色々あるから、一人一つにしろ。こういうのはな、一つ味見して旨かったらまた取りにくればいいんだ」
おお!確かに!
こんなに机いっぱいに食べ物が置いてあるんだから、肉団子二つ食べたら他のものが食べられなくなるかもしれない。
「緋色、凄い」
「知ってる」
うんうん。
「ははは。私のも一つ入れてくれるか。雫石さんもいるかな?」
母さまから返事は無かったけれど、四つ入れておいた。同じ所で食べるのか。ま、いいけど。
「ご飯がいるな。見たか?成人。ちらし寿司といなり寿司、巻き寿司の他に炊き込みご飯もあったぞ」
「え?炊き込みご飯、知らなかった」
「保温釜に入ってるんだ。白飯もあった」
うーん、どうしよう。炊き込みご飯は炊き込みご飯で食べたいし、肉団子には白いご飯が合う。いなり寿司も、噛み切るのが大変だけど好き。甘くてちょっと酸っぱくて美味しい。
「どうしよう……」
「全部少しづつ取っていけばいいだろ。一口づつ味見してもいいぞ」
「俺、炊き込みご飯と白いご飯といなり寿司」
「豪勢だな」
父さまが言った。
「ごうせい」
「びっくりするほど贅沢ってことだ」
確かに!
ご飯だけでびっくりするほどの種類がある。
でも、お城でご飯を食べた時もこんな感じじゃなかった?たくさんのおかずが出てきて食べきれなかった。デザートも二つあった。苺とアイスクリーム。
そうだ。アイスクリームあるかな、アイスクリーム。お城だからあるかもな。
「汁物も色々あったな。一度机に置いて、それも取ってこよう」
「私は、天ぷらを持っていこう」
父さまが楽しそうに言った。
「芋とかぼちゃの天ぷらを一つづつ」
緋色が父さまを置いて歩きながら注文する。
「食べるのか?」
父さまがびっくりしている。緋色はあまり甘いものは好きじゃないからね。食べないことはないけど自分から取ったりしない。父さま、知ってたんだなあ。
「成人のだ。俺は海老といかとしし唐」
「うむ、任せろ」
父さまは、今日は本当に楽しそう。
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