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第七章 冠婚葬祭
131 何回でもしよう 成人
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「ねえ、なんで俺と緋色も衣装あるの?」
そういえば、この前から聞こうと思っていたのだった。俺たちはもう結婚式したから、いらないんじゃない?
「着物しか着てないだろ?」
「うん」
そうだ。俺と緋色の結婚式は着物だった。白い着物は、すごく重たかったのを覚えている。でも、皆におめでとうと言ってもらって嬉しかった。
乙羽も、結婚式は白い着物だったなあ。写真を見せてもらった。あの時は俺はまだ結婚を知らなくて、生松に教えてもらったんだ。結婚は、一番好きな人とこれから先の人生を共に生きる誓いなんだって教えてもらった。それなら俺は緋色と結婚したいと思って、結婚しようって緋色に言ったんだった。
そして、結婚した。誓いをして、お揃いの指輪をはめて口付けをしたらそれで結婚できるんだけど、二人でしただけじゃ、他の人には結婚したことが分かりにくい。だから、結婚式をしてお知らせするんだって。
おめでとうって言ってもらったら、すごく嬉しいしね。
赤璃さまも寧子も白い着物だったなあ。
「着物じゃない結婚衣装もなかなか良いから、着ておこう」
うん。このお揃いの衣装はとても好きだから、いっか。着る!
壱臣が着物が苦手だから服の形の結婚衣装を注文したら凄いものができた、と緋色と作治はにこにこだった。
「緋椀が白無垢を着てくれることはないと分かっていましたが、二人で紋付き袴というのも味気ないと思っていたので、この形は最高です!」
「ああ。格式を重んじる年寄りには眉をひそめられるかもしれんが、これは華やかでいいな」
「名字なしの間では、着物より安価で借りられる、とスーツとドレスで結婚報告会をする者が増えてきてますよ。着物みたいに特別な着付けもいらずに着られるので、着付け代もかからなくて助かるんです。うちの弟も秋に、その形で結婚報告会をすると招待状が届いてました」
前に、そんな事を二人が話してて、ちょうどおやつを持ってきた広末が言った。緋色が、
「なるほど」
って、頷いた。
「殿下。これ以上仕事を増やさないでくださいよ?」
って、常陸丸が言った。そうだね。皆で楽しく暮らせる分のお金があればいいから、仕事がたくさんあり過ぎるのはよくない。だって仕事が忙しすぎると、一緒にいられる時間が少なくなる。目の下も黒くなるしね。
「やらんぞ。俺は常に、仕事を減らしたいんだ」
「そう思ってくれてるなら、安心です」
「ははは」
作治はまた、楽しそうに笑ってたな。
その何日か後に、五条が訪ねて来た。
「殿下。うちのの仕事を増やさんでください!」
って怒ってた。うちの、って涼乃絵?衣装の仕事が増えたの?
「俺は、今回のような衣装が市井にも出回ればいいな、と提案しただけだ」
「あれが、それを聞いて張り切らん訳がないでしょうが!」
結局、誰かが忙しくなるんだね……。
そういえば、この前から聞こうと思っていたのだった。俺たちはもう結婚式したから、いらないんじゃない?
「着物しか着てないだろ?」
「うん」
そうだ。俺と緋色の結婚式は着物だった。白い着物は、すごく重たかったのを覚えている。でも、皆におめでとうと言ってもらって嬉しかった。
乙羽も、結婚式は白い着物だったなあ。写真を見せてもらった。あの時は俺はまだ結婚を知らなくて、生松に教えてもらったんだ。結婚は、一番好きな人とこれから先の人生を共に生きる誓いなんだって教えてもらった。それなら俺は緋色と結婚したいと思って、結婚しようって緋色に言ったんだった。
そして、結婚した。誓いをして、お揃いの指輪をはめて口付けをしたらそれで結婚できるんだけど、二人でしただけじゃ、他の人には結婚したことが分かりにくい。だから、結婚式をしてお知らせするんだって。
おめでとうって言ってもらったら、すごく嬉しいしね。
赤璃さまも寧子も白い着物だったなあ。
「着物じゃない結婚衣装もなかなか良いから、着ておこう」
うん。このお揃いの衣装はとても好きだから、いっか。着る!
壱臣が着物が苦手だから服の形の結婚衣装を注文したら凄いものができた、と緋色と作治はにこにこだった。
「緋椀が白無垢を着てくれることはないと分かっていましたが、二人で紋付き袴というのも味気ないと思っていたので、この形は最高です!」
「ああ。格式を重んじる年寄りには眉をひそめられるかもしれんが、これは華やかでいいな」
「名字なしの間では、着物より安価で借りられる、とスーツとドレスで結婚報告会をする者が増えてきてますよ。着物みたいに特別な着付けもいらずに着られるので、着付け代もかからなくて助かるんです。うちの弟も秋に、その形で結婚報告会をすると招待状が届いてました」
前に、そんな事を二人が話してて、ちょうどおやつを持ってきた広末が言った。緋色が、
「なるほど」
って、頷いた。
「殿下。これ以上仕事を増やさないでくださいよ?」
って、常陸丸が言った。そうだね。皆で楽しく暮らせる分のお金があればいいから、仕事がたくさんあり過ぎるのはよくない。だって仕事が忙しすぎると、一緒にいられる時間が少なくなる。目の下も黒くなるしね。
「やらんぞ。俺は常に、仕事を減らしたいんだ」
「そう思ってくれてるなら、安心です」
「ははは」
作治はまた、楽しそうに笑ってたな。
その何日か後に、五条が訪ねて来た。
「殿下。うちのの仕事を増やさんでください!」
って怒ってた。うちの、って涼乃絵?衣装の仕事が増えたの?
「俺は、今回のような衣装が市井にも出回ればいいな、と提案しただけだ」
「あれが、それを聞いて張り切らん訳がないでしょうが!」
結局、誰かが忙しくなるんだね……。
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